本当は分けるつもりでしたが、性行為を少しカットして繋げました。
縛っていた紐を外すと、やっぱり跡になっていた。
とくに手首がひどい痣になっている。かなり強く抵抗していたからな……。
外した途端、思いきり頬を引っぱたかれた。
もう付き合いきれない、そう心の中で叫びが聞こえた。叫びというか意識というか。
でも。
嫌われている感じではなかった。
彼女は泣き顔でこっちを睨んでいるが、――それでも。
軽蔑しているとか、嫌悪しているとか、そういう感情は伝わってこない。
むしろ……。
「やめてくれ」
それは俺に効く。
それが原因で美月さんにひどいことをしてしまったんだ。
同情とか憐れみとか、そういうのは一切やめて欲しい。
まだ嫌われるほうがマシだ。
セーレスは。
叩いた左の頬に手を添えてきた。赤く腫れているのを心配するような。
その手を引っ張って胸の中に抱きしめた。
「セーレス。俺はこの抱き方をやめる気はないよ。君が俺と同じように感じるまで何度でもやる。毎晩」
彼女が目を見開いた。
「君が子宮内射精で感じるのは知っている。だからそれをするつもりはない。嫌でも付き合ってもらうよ。君は俺の妻なんだ。俺のことを愛しているのなら、従ってくれ」
なぜ、と問いかけるような意識が流れ込む。
なぜ、――だと?
「じゃあ聞くけど、なんで今まで君は俺に意識を解放しなかった? 最初に出会った時、俺は君に名前を聞いたのに、これをしなかったのはなぜだ!」
腕を掴んで、彼女に向かって初めて激昂した。
セーレスは泣きそうな顔で意識を閉ざした。
もう聞いても答えてくれないだろう。
聞かなくてもわかることだった。
俺を――恐れていた。
そりゃ最初の頃は荒れてたからな。解放なんてするわけがない。
一緒に暮らし始めても、彼女はずっと俺を恐れていた。俺の心の中をずっと見ていたんだ。そうなっても仕方ない。
あんな縛り方でもしなければ、彼女の怒りを引き出せなかった。
そうだよ。
美月さんのことをあんなに煽るように思い浮かべたのは、君の本音を引き出したかったからだ。
それがまさか、君の意識が流れ込んでくるなんて――。
考えもしなかった。そんなことが出来たなんて。
セーレスの顔が近づいてきた。
謝ろうとしている。仲直りのキスをしたくて、彼女の震える唇がもう少しで触れようとしたとき。
残酷に最後通告をした。
「今夜もまたやるよ。生理中だろうと構わない。それならそれで、他にいくらでもやり方がある」
セーレスの動きがとまった。
もう何をしても俺の決意が変わらないことを知ったようだった。
「むしろ生理中のほうが燃えるかもな。感度も上がってるし」
セーレスは。
諦めたように膝をつき、さめざめと涙を零した。
「よーし、よしよし」
母親が寝室で泣き崩れてしまったので、仕方なくユーノに脱脂粉乳のミルクを与えていた。
湯煎して温めたけど、温度とかこれで大丈夫だろうか。
一応飲んでみたけど味は問題なさそうだった。保存用のミルクがあってよかった。
だあだあ、と甘えた声を出してミルクを飲む娘を抱きかかえ、家の周辺を歩いていた。
しばらくセーレスとは顔を合わせないほうがよさそうだ。
泣かせたくはないけど、会えばまた泣かせてしまいそうだからな……。
はあ、とため息をつく。
こうなることはわかっていた。
美月さんも言ってただろ。こういう抱き方はするなって。恋人に優しくしろって。
だけどなあ。
俺、全部欲しいんだ。
好きな人のことを全部。嫌な部分もひっくるめて。まとめて全部欲しい。
セーレスに俺の心の中が全部わかってると知って。
正直――興奮した。
俺の欲望を全部見られていた。彼女を抱きながら本当はこんなんじゃ満足できてないことも知られていた。
それなんて羞恥プレイだよ。
こんなの興奮しないわけがない。
俺が変態だってことも彼女はわかってる。そう、わかってたんだ。
これからそれをたっぷりと教えてやる。
今まで隠してきたこと、全部。彼女の身体に教えてやる。――もっとも。
心を読むのなら、なにをするかなんて一目瞭然だろうけど。
そんな彼女の怯えた顔が見たい。
これから毎晩――。
いや毎晩はさすがにキツいか?
俺じゃなくて、彼女が。ついていけないかもしれない。最悪、逃げだす可能性も。
ユーノがいるから逃げることはないと思うが……。
「だあぁ、だあ」
「よしよし、全部飲めたか?」
木の木陰に座りこんで、ユーノの口元のミルクを唇で舐めとった。
赤ん坊の肌って柔らかい。
どこもかしこも全身低反発枕みたいな感触がする。天使とはこのことか。
生まれたのが娘でよかった。
息子でもぜんぜん構わないんだけど、セーレスのお乳を吸う息子に嫉妬しそうだ。
そういえば昔、親父がそんなことを言っていた。
母親の母乳を吸う俺を見て、ヤキモチを妬いたとか。
アホ親父と思ったが、今ならその気持ちもよくわかる。
親にならないとこの独占欲はわからないな。もうこの娘が目に入れても痛くないほど可愛くて仕方ない。
――カサッ……
木の葉が擦れる音。振り向くと、泣き腫らした目をしたセーレスが立っていた。
ほら、とユーノを上に持ち上げる。彼女の手が娘を受け取り、胸に抱きしめた。
まだ心は開いてないようだった。
仕方ないな、俺の心は読めてるんだろうけど。
「もう少ししたらおしめを取り替えてやってくれ。ミルクは全部飲ませたよ」
よいしょ、と木陰から立ち上がる。
その動きだけでセーレスがビクッと怯えたように後ずさりした。
「あのな。ケンカしたいわけじゃないんだ。別に怒ってるわけじゃない。怒ってるように見えただろうけど」
むしろその逆だ。
そう思ったとき、彼女が怪訝な顔で見つめた。
「そりゃもっと早く君と意志疎通したかったとは思うけど、それよりも君の快感が俺にも伝わるのがたまらなくイイんだよ。だからこれからもずっと君の意識を解放していて欲しい」
セーレスは、――また。
静かな怒りのような感情を向けてきた。
ふざけるなとでも言いたいらしい。
ふざけてるものか。
この上なく真面目に言ってるのに。
「俺の正体がわかっただろ? 君をどうやって喘がせようかと、今も常に考えている。娘の前でこんなこと言うなって感じだが、まあ赤ん坊なわけだし、それはそれとして」
グイッ――と彼女の腕を引き寄せてユーノごと抱きしめた。
「俺はまだ満足していないんだ。君がイく寸前の顔を、もっと見たい。妻の役割はなんだっけ?」
セーレスがブンブンと腕をふりほどこうと動いた。
弾みでユーノが潰されそうになり、おっと、と彼女をこっちの腕に抱きなおした。
「よしよし、ママはいまちょっと機嫌が悪いからな」
チュ、と彼女の額に軽くキスをすると、セーレスは。
わなわなと悔しそうに睨みつけてきた。
セーレスがユーノを抱いてソファで眠っていた。
昨夜寝てないからな……。一晩中やってたから。無理もない。
よいしょ、と彼女の腕の中からユーノを抱きあげた。よしよし、とあやしながら揺りかごの中へと戻す。今はおまえがいるとちょっと邪魔なんだ。もう少しこの中で眠っててくれ。
ぱぱぁ、と小さな声をあげてユーノが手を差し伸べてきた。
その純粋無垢な瞳を優しく見下ろす。
気のせいかな。昨日よりもさらに大きくなってる。たった一日でこんなに変わるものだろうか。
生まれて数日で言葉を喋れたのも驚いたが。
こんなに成長が早いと、なんだかもったいない気もするが、早くこの娘の大きくなった姿も見てみたい。
小さな手を握りしめてあやしていると。
目を覚ましたのか、セーレスが身じろぎする気配がした。
「ごめん、起こしたのか。もう少し寝てていいぞ」
セーレスが目を擦りながら起き上がろうとするのを制して、ソファの隣に座って横たわらせた。
不思議そうな顔で俺を見つめている。
「なに? 昨夜の続きをしないのかって言いたいのか?」
フッ――と小さく笑いをかみ殺す。
「するに決まってるだろ。だからユーノを戻したんだよ。いいからもう少し寝ててくれ。起きたらノンストップでやるぞ」
横になっているセーレスの額に軽くキスをした。
彼女は目線を反らして、辛そうな顔でお腹を押さえた。
「ああ、生理で腹が痛むのか。……なあ、セーレス。子供はさ、俺、ユーノだけでいいや」
セーレスは。
目を見開いて、何を言っているの、と意識で語りかけてきた。
「どうせもうイかせないんだ。つまり射精しない。君が子宮内で射精するとイくのって、あれだろ。砂漠で最初に俺が子宮姦通したせいだよな。俺のしたのがそんなに悦かったんだ?」
セーレスの顔がカッと赤くなった。
図星か。
本当、セーレスって顔によく感情が現れるから、何考えてるのかすぐにわかる。
「悪いけど二人目は無しな。子供を産ませたりなんてさせない。君は俺のものだ。これからずっと俺だけの女になるんだ。もちろんユーノの母親としても大切に扱うよ。だけど」
彼女の胸をギュッと鷲掴みにして、上から覆いかぶさりながら間近に顔を寄せた。
「この胸から母乳が出るのは、これきりだ。――俺を満足させるまでやめないからな」
俺の本気が伝わったのか、……セーレスは。
目に涙を浮かべながら、諦めたかのように息をかみ殺していた。
そんな彼女の唇に口づける。
震える彼女の舌を掬い上げ、優しく絡ませていく。だが彼女は心の中で泣いていた。
生理中のセックスは、実は一度経験がある。
あの時はコンドームがあったから感染症のリスクは抑えられたけど、ここにはそんなものはない。
美月さんは生理中だろうと構わず求めてきた。だからやる前にこっちもいろいろと知識を詰め込む必要があった。
コンドームはなくてもやりようはある。
油を使う。
ローション代わりだ。未使用の植物性油がいい。前からセーレスが菜種油を作ってくれていたから、ちょうどいい。
眠っている彼女をベッドに運んだ。
あらかじめ使わないタオルをたくさん敷いておいた。それと大量のお湯と洗面器も置いてある。
眠っているうちに準備をしておこうと、彼女の膣内を開いた。
先にお湯で洗い流しておく必要があるな……。
思ったより経血が多い。二日目だし仕方ない。美月さんとはやっぱり違う。セーレスのほうが血液の量も色も濃い。
ゴクリ、と喉を慣らした。
あのときも興奮したけど……。
めちゃくちゃ興奮してきた。あのときの快感がよみがえる。
実は生理中は性欲を高めるテストステロンが多く分泌されている。生理痛を抑えるために脳内でエンドルフィンが生成され、その副次作用で性欲亢進成分のテストステロンが多くなると言われている。
つまり感じやすくなっている。
お湯で膣内をゆっくりと洗い流していく。彼女が気持ちよさそうな吐息を漏らして微睡んでいた。
キスしたい気持ちを押さえ、身体を支えながら丁寧に洗い落していた。
血を見るだけで息があがる。ダメだ、早く突っ込みたい。だけど我慢だ。意識がある状態のときのほうが絶対いい。
やっぱり俺は変態だった。
そうしたのはもちろん美月さんだが、今ではむしろ彼女のおかげでこういう性癖を目覚めさせてくれて感謝している。
だってこうやって、妻を自分の思うようにできるのだから。
あらかた洗い流し終えてから、湯煎であらかじめ温めておいた油を取り出し、中身を彼女の膣内へと注いだ。
いい加減起きてもよさそうなものだが、気持ちがいいのかまだ微睡んでいる。
セーレス。
早く起きないと入れてしまうぞ。
油を全部入れ終わると、彼女の胸を揉みながら母乳を吸い上げた。常に腫っているわけではないが、こうやって外部刺激を与えることで出やすくなるのか。
もったいない、と飲みながら愛撫を繰り返していると。
彼女がうつらうつらと目を覚ました。
「起きた?」
ききながらキスをする。彼女の手が嫌がるように突っぱねてきた。それに構わず深く口づけていく。
セーレスはすでに全裸で抱きしめられている状況を見て、心の中で離してと言ってきた。
よかった、ちゃんと意識を明け渡してくれている。
これを閉じられていたらもう感覚が共有できなくなる。少なくとも完全に拒否していないことはわかった。
グチュッ――!
キスをしながら、彼女の中へと昂っていたソレを突っ込んだ。すでに俺のにも十分油を塗っている。
思った以上に……。
まるで抵抗なくすんなりと入っていく。
そりゃこれだけ油を入れていればそうなるか。それに経血のぬめりのおかげもあるし。
ヤバ……。
ゴムなしだとこんなに伝わるのか。
熱さと、痺れと、……あとなんだこれ。吸い付くぞ。襞が蠢く。蠢くというか吸い上げてるような……。
そんなバカな、と思いつつもゆっくりと回すように動かした。
間違いない、ビクビクと痙攣しながら男根を吸い上げている。驚いた。膣内でこんな動きがあったのか。生理中だからだろうか。
すごい……。
これ、たまらない。
奥まで突っ込まなくてもこれならかなり快感が続く。
そう、生理中は経血が子宮内に逆流してしまいやすいから、最奥まで突くのは控えたほうがいい。最悪、子宮内膜症の危険がある。
いやむしろそうしたい。だって彼女は子宮内射精でイくのだから、イかせたくないこっちとしては奥まで突きたくない。
セーレスの喘ぎが咥内から伝わってきた。
彼女もこの動きを感じている。感覚を研ぎ澄ませてみると、――おいおいおい。
彼女の快楽が伝わってきた。これ快楽なんてもんじゃない。最上級の悦楽だ。
熱さ、痒さ、痺れ、もどかしさ、そして……。
俺のをもっと欲しいと渇望している。
こんなの……。
応えないわけがないだろ。
奥まで突っ込みたくなったが、グッと堪えて。
襞の周りからグルグルと回して巻き上げていく。その動きすら彼女をよがらせていた。
……あ。
セーレスのいいところ発見。
ここを抉るのが一番感じるのか。なら、ここをもっと慣らして……。
彼女の脚が自然と背中へとまわされていく。腰も動きに合わせて動きだしてきた。
「は、ぁ……気持ち、いいか? ……俺も……たまらない」
セーレスの頬がバラ色に染まっていく。感じすぎて涙を浮かべていた。
昨夜とは違った意味で泣かせていたが、今夜のは仲直りみたいなセックスになっていた。お互いに求めるまま絡み合っている。
やっぱり生理中だと感じやすくなっているんだな。
何かの本で、生理の時はしてもしなくてもどっちでもいい、みたいなことが書いてあった。
したほうが絶対おすすめします。これほんと、病みつきになる。
「……っ?!」
襞が。
いきなり絞りあげてきた。
え……? なんだ、この動き。
膣内全体が俺のを絞り上げてきている。その強さが今までの比じゃない。痛い。痛いが――。
その痛みがイイと思えるほどキツい感じがたまらない。
必死になって肉棒を動かしてみたが、動く隙間がもはやどこにもなかった。周りから押し寄せてくる襞によって愛撫以上の締めつけに晒されていた。
ちょ……。
もう少し緩めてもらわないと。
動けないんだが。
セーレスに懇願するように心の中でお願いしたが、彼女は完全に目がイってる状態になって、意識がほぼない。
ただ性欲のままに俺のを絞りあげていた。
ていうか、これ。
さっきまでの中とは何かが違う。
俺のをぎゅうぎゅうに絞りあげてるのに、勃起が収まらない。痛いはずなのにさらに下半身が昂っていく。
セーレス。
何を……した。
よくわからんが、何かが変化したとしか思えない。
このままだと射精してしまうぞ。
くそ……イきたくないのに、セーレスにイかされてしまう。
だけど興奮の度合いがさらに高まった。
そっちがそのつもりなら、もうこうなったらイくまで付き合ってやる。
ふぅ――、とひとつ大きく呼吸して。
彼女の中を耕すべく、内襞を捲りあげる動きを再開した。
動きがせき止められているのを無理やり押し広げていきながら。
終わったとき、彼女は震える手で背中にしがみついてきた。
望み通り中で出されたのがよほど嬉しかったらしい。……こっちは悔しいけど。
「風呂に行こうか、洗ってやるよ」
セーレスはふるふると首を振って、もう少しこのままでいたい、と心の中に意識を伝えてきた。
「そんなによかったのか?」
俺は君の中が反則的なほど極上に変化したのが、嬉しいやら悔しいやらで。
まさかあんな動きをするとは……。
セーレスは、耳元に口を寄せて、あれはね、と心の中に概念的なものを教えてきた。
「……え? 第三次性徴? 女性特有の?」
この世界の女性は、性行為で身体が変化するようになっているらしい。
第一次性徴――急激な成長。
第二次性徴――成熟した女体への変化。
第三次性徴――性行為による性器の変化。
ということは……。
「ユーノもいずれ……?」
こくん、とセーレスが頷く。
あの娘も性行為で変化するのか。
いったいどんな男に……。
ムカムカしてきた。
セーレスの唇が頬へと軽く触れて、彼女を見ると優しく微笑みを浮かべていた。
「わかってるよ、親の独占欲みたいなものだ。だけど……想像したくないな」
セーレスを抱きしめながら、もう一度、と行為をせがむ彼女におされて再び挿入した。
やっぱり。
生理中のセックスって病みつきになる。
もっとも感染症のリスクが高いから、今度またするときも、十分に準備してからやることにするが。
生理中のセックスでした。
やるならコンドームとローションは必須です。あと経血はなるべく少ない時期のほうがいいです。三日目以降とか。
ただ生理真っ最中のときほど感じやすいので、そこは好みですね。