「亜由美さん、……亜由美さん、大丈夫かい?」
背中に回された腕は痛いほど強く抱きしめられているのに、頬を撫でてもキスをしても目を覚ます様子はなかった。
気絶――したのだろうか。
最初から飛ばしすぎたせいもあるかもしれない。加減なんてまるで出来なかった。長年の想いがようやく実ったのだ。無我夢中で彼女を抱いた。
……だけど。
彼女もずっと同じ想いを抱いてくれたのだとわかって、お互いに求め合ったとしても無理はないかもしれない。
頬に流れた涙の痕をすくいとる。
柔らかな前髪に唇を寄せ、意識のない彼女の顔を優しく指で撫でた。
何度見ても、……この人は俺の知ってる亜由美さんだ。
だからこの想いは、間違いなんかじゃない。彼女が俺に寄せてくれていたという想いも、間違いであるはずがない。
繋がって、ひとつになって、お互いの気持ちを確かめあった。
それはこうして今でも彼女の中で反応している自身が一番よくわかっている。
温かくて、柔らかくて――抜かずにずっととどまっている。
離れたくない。
一度でも離れてしまうと、この人がどこか遠い場所に行ってしまうような気がして。
ここにいるのだと、熱さと締め付けで感じていたかった。
「亜由美……」
名前を呼びながら、少しずつ中で動かした。目が覚めて欲しいというのもあるけれど。
もう一度、あのめくるめく快楽を味わいたかった。
柔らかな膣内を回すように動かすと、反応してくれるかのように彼女の腰が動いた。それに微笑み返して少しだけ突き上げる。
彼女が弱い部分――先ほど見つけた、そこを突く。
ビクン、と身体が揺れて胸が大きく波打った。豊かな胸を優しく揉みながら弱い部分を集中して攻めた。
「亜由美、……早く」
早く起きて。
耳元で優しく囁くと、感じたような吐息があがった。
……たまらない。
眠っていてもこんなに可愛いなんて。こんな彼女を――きっとアイツも見た。
思い出したくもない昔の言葉がよみがえってくる。
『亜由美はな、眠ってるときが一番可愛いのじゃよ。子供にはわからんだろうがな』
「……あんたの言う通りだったよ、クソ親父」
昔ならやりきれない嫉妬で身を焦がすしかなかったけれど。
いまここにいるのは俺だけだ。……俺だけのものだ。
抑えきれない独占欲でどうにかなりそうだった。ずっと敵わないと――奪えないと、諦めていた。
「なんで……亜由美さんを置いていっちまったんだよ、あのやろ……」
涙が一滴流れた。
悔しいのか、悲しいのか、……嬉しいのか。
感情がごっちゃになってわからない。
「たくやクン……」
いつの間にか気付いたのか、亜由美が涙を指ですくいとっていた。
その手を握りしめ、深く口づけを交わしていく。
「んっ……ん、ん……ぁ」
舌を絡ませ、歯列をなぞり、唾液を啜りあう。……彼女から教わった、大人のキス。
言葉よりも雄弁に、想いのすべてを伝えあうものなのだと知った。
「たく、……や……」
「亜由美……」
口づけながら彼女の足が続きをねだるように絡まってきた。もっと深く受け入れようと動かしている。
中はいつの間にかじんわりと熱い愛液が染み出してした。溢れる蜜のような雫が結合部から流れ落ちていく。
それを恥ずかしがって頬を染めるのも、可愛いとしか思えなかった。
「たくや、クン……眠ってる間、悪戯したでしょ」
「なんのことかな」
「だって……アソコが、すごく……疼いて……」
「ここ、だよね」
「あんっ! ……だ、だめ、そこ……ひゃうっ」
「だめじゃなくて、イイ、だろ?」
「た、たくやクン……意地悪、しないで」
「亜由美さん。……ひとつ聞いてもいいかな」
「え?」
「オヤジと……したんだろ」
本当は聞くつもりはなかった。……だけど。
彼女を手に入れたという実感が、どうしてもはっきりとしなかった。
聞くなら今しかない――なぜかそう思えた。
「……」
「俺として、その……オヤジと比べてしまってるかな」
「な、……なんでそんなことっ」
「わかるんだ。……亜由美さん、ずっと俺に気をつかってる。思い出さないように振舞ってる。それ、……やめて欲しいんだ」
「ど……うして……」
「だって、まだ愛してるんだろ、オヤジのこと。忘れることなんて出来るはずがない。それが亜由美さんなんだし」
「…………」
「だから、聞かせてくれないかな。オヤジにどういうふうに愛されたのか。俺とどう……違うのか」
躊躇うような表情でたくやを見つめ、――そして。
クスッと小さく微笑んで、頬に手を添えた。
「……嫉妬、してくれてるの?」
「それもある。だけど……知りたいんだ。亜由美さんの愛する人のこと」
「二人とも愛してるわ、それは本当。だけどたくやクンと広大さんは、全然違う。似てるかな、と思ったけど、やっぱり違うの」
「どういうところが?」
「たとえば、……いま。そうやってずっと繋がったままなんて、たくやクンしかしないわ」
くすくす、と笑いながら、亜由美はさらにぎゅっと足をきつく絡めてきた。
弾みで少し中で弾けてしまい、さすがに持たなかった自分に情けなくなる。
だけど、まだ萎える気配がないのがさらに情けなかった。
「……ほら。若いんだから」
「し、仕方ないだろ。亜由美さんの中が気持ちよすぎるから……」
「たくやクン。あのね、亜由美はね……そういうたくやクンが好き」
「えっ…」
「そうやって私の中でずっと息づいて逞しくなってるたくやクンが、好き。いま、ものすごくときめているの。わかる?」
「わ、わかると、言われても……」
複雑だった。
この情けない、辛抱できない状態が好きと言われても……。
もっともいま抜いたら、また挿れるのに時間がかかるのでそれは嫌だった。
「いまとても女の幸せを感じてるわ。ああ、この人に愛されてるんだなあって。それがとても伝わるの」
「こ、……これが?」
「そうよ。私で気持ちよくなってくれている、たくやクンが好きなの。……ね、また気持ちよくしてくれる?」
「ああ、……もちろん」
なんだかうまくごまかされたような気がするけど。
それは追々、やりながら聞いてもいいだろう。
……どこがどう、アイツと違うのか。
「つまりオヤジは遅漏だったってことだね」
「違うわよ。……もう。でも、そうね。たくやクンみたいに激しくはなかったかな」
「激しくはなかったけど、感じちゃってた?」
「だから……。どうしてそういうこと、聞きたがるの?」
「気になるだろ、やっぱり。じゃあ、亜由美の……ここも、気づいてた?」
「あ、ぅ……っ! あっ、ど、どうだった、かな……」
「ふうん。……気付いてたんだ。じゃあ、こういうのも、された?」
膣襞を抉るように回すと、ビクビクと太股が痙攣した。……確か、このへんが弱かった。
ちょうど子宮の手前、襞が集中して蠢いている。そこを目掛けて亀頭で捲り上げるように動かしてみる。
当たりだった。息も絶え絶えに、口から涎を流しながら感じ入ってる。――それが。
痛みを凌駕した快楽を味わっているのだとわかり、嬉しさのあまりどこかにいるであろう親父に見せつけてやりたかった。
「亜由美……綺麗だ」
「あ、あぅぅっ、……んぁああっ、だ、めぇ……!」
「いいんだ、そのまま……イって」
「そ、そこだめ、……はぁぁんんっ、だめなのぉぉ!」
今まで聞いたことがない嬌声。だけどもっと聞いていたい。もっと声をあげさせたい。
突き上げる動きをそのままに、結合部から膨れあがっている陰核を指で摘みあげると――その刺激で達した。
弓なりに身体をしならせ、快楽の極みに達した彼女を陶酔したように見つめて。
先ほどまでの激しさとはうってかわった優しい仕草で身体のあちこちを愛撫しながら、キスの雨を降らせた。
「ん、……ふぅ。……ひ、ひどいわ……また、気絶しそうになったじゃない」
「だけど気持ちよかっただろ?」
「……もう、……そう、だけど」
「オヤジよりも?」
「……だから、どうしてそういうこと、聞くかな」
呆れたようにため息をつくと、たくやの鼻に指をちょん、と押しあてた。
「その答えはお預けね。……私も聞かないでおいてあげる」
「なにを?」
「たくやクン。ずいぶん女性の身体を攻めるのが、お上手ね。どなたに教わったのかしら?」
やぶ蛇だった。
思わずさあーっと顔が青くなるたくやに、亜由美は大人の余裕のような笑みを零した。
「初めてじゃ、ないのよね?」
「あ、……う。……えと、そう、……です」
「亜由美よりも素敵な人?」
「亜由美さんより素敵な人なんて、いないって!」
「そうかしら……。だって、その人に教わったんでしょ?」
「あの、その……。わかった。オヤジのこと、もう聞かない」
「ね、そういうこと。聞かないほうがいいことだって、あるのよ」
かなわないな――と思いながらも。
こういう彼女に惚れてしまったのもまた、事実だった。
亜由美さんとの初えっちでした。
すでに何回かヤった後ですが。
昔やった98版だとどうだったっけ……と思い出そうとしたんですが、無理でした。
まったく覚えていません。やたらしつこかったような気はするんですが。でもこんなんじゃなかったような気がする。
PS4版では服を脱がせる文章まではありましたが、その先は見せてくれませんでした……。
その先! その先を見たいのに!