縛りプレイあります。
今日で三日。
さすがに……。
三日も拒否されるとは思わなかった。
あの抱き方をしてからだ。明確に拒むようになったのは。
つまり、――イかせてない。
そりゃ普通なら嫌がるだろう。あたりまえだ。満足させてないのだから。
だがそんなのは関係ない。自分勝手で結構。俺と結婚したのだから従ってもらう。
世の中こんな夫ばかりだと、妻はどうやって対処するのだろうか。
やっぱりこんなところから夫婦関係に亀裂が生じるのかな。
もう我慢できない。
いくらセーレスが拒んでも今夜は絶対やらせてもらう。
最近彼女は寝るときにユーノを抱いている。俺と拒むサインだ。だが。
眠っている頃を見計らってユーノを籠の中に戻してやる。
もうユーノは授乳期間が過ぎて、最近は離乳食になってるから、夜中に泣くこともない。
……少し成長が早すぎるけど。一ヵ月しか経ってないぞ。
好都合と思おう。
そろそろ……眠った頃だ。
ふう、と一呼吸した。
セーレスが悪いんだ。俺を拒むから。
拒否したらどうなるか思い知らせてやる。
下半身は痛いくらいに張っていた。これは抜いたほうがいいが、抜かずにこのままヤるつもりだった。そのほうが絶対気持ちイイのはわかってる。
我慢するのは身体によくないって? 知るか。
そもそもこんな性癖にした原因は美月さんだ。あの人にイかされないままずっと責められ続けて、とうとうそれに快感を覚えてしまった。
その美月さんとはもう会えない以上、セーレスしかいないじゃないか。
そりゃ最初の頃は普通にセックスしてたけど、当然そんなので満足できるはずがない。
まして、俺の心の中が全部わかってるのなら、もう隠す必要などどこにもない。
……嫌われるかな。
いや。
ここには俺と君とユーノしかいないんだ。
俺をどんなに嫌っても、妻である以上、拒むことなど許さないのだとわからせてやる。
「…………」
夫婦の寝室は、赤ん坊のミルクの匂いがした。
もう授乳は終わってるのにまだ飲ませてるのか?
ベッドに近づくと、毛布の中でユーノを抱いて眠っているセーレスがいた。
……裸だった。
思わず毛布を全部剥がすと、下半身まで裸だ。
ユーノは産着を着ているが、母親はすっぽんぽんで眠っていた。
「……おい」
誘っているわけではなさそうだった。
赤ん坊の体温が気持ちいいのだろう、彼女はユーノを裸で抱いて眠る癖がある。
それに気づいたのは最近だけど。
ユーノが眠りながら母親の乳首を吸い上げていた。無意識なんだろうけど。
「ほら、……ママから離れろ」
かわいそうな気もするが、ユーノの唇を乳首から離して、そのまま抱き上げた。
こてん、と首を傾けて胸の中で眠る娘を、近くにある籠の中へと戻してやる。
まだ物足りないのか、自分の指をしゃぶって眠る娘を、やれやれと見つめた。
この分だとまだおっぱいが必要かもな。
そんなに母親の母乳が美味しいのか。俺も飲んでみたことあるけど、あんまり美味くはなかった。
ただ、……ちょっと頭がクラっとした。
前にセーレスの経血を飲んだことがあるが、あれ以上に頭の芯が痺れた。
まだ出るのか。……ちょっと飲んでみようかな。
いや、それはこの際おいておく。
このままだとまたセーレスが拒んでくる。
なので――縛らせてもらう。
なるべくイヤらしい恰好にして。あとで怒るかもしれないが関係ない。俺だって少し怒ってる。
荒縄を取り出した。
猟で使うものだ。動物を縛るためのものだが、あらかじめ棘抜きして慣らしてある。もちろん今夜使うために。
眠ってる今のうちに。
前に美月さんからいろいろ教わった。そのうちのひとつ。股縄縛り。
それとM字開脚縛りを重ねて、彼女の両手は頭の上で固定する。
ベッドに腰かけた。
裸で寝ていてよかった。服の上からでも縛ろうと思っていたが、手間が省けた。
「セーレス。今夜は俺に付き合ってもらうぞ」
ビシ――と縄を引っ張った。
「…………」
前に美月さんを縛ったことがある。
亀甲縛りとM字開脚だった。そのとき彼女はだんだん縛られる快感に酔って、そのままの状態でイき続けた。
縄目の跡がくっきり残るほどキツく縛ったにも関わらず、その後スカトロプレイまでした。
あの時より――興奮する。
思った以上にセーレスの緊縛が美しかった。
まず両手はベッドの上で固定した。簡単には抜けないよう片結びして。
そして股縄縛りで腰とお尻に縄目を食い込ませ、本来は尻から前にかけてまっすぐに縄をかけるが、別アレンジとして尻に食い込ませた縄を前のほうで交差させて左右の腰に開くように掛けた。これで股間は開いた状態になっている。
足はM字開脚。美月さんの時は痛いくらいに食い込ませたが、あれは足への負担がかなり大きい。なので太腿と足首を少し離して縛ってみた。これで動く隙間ができる。
セーレスは……。
眠っていた。よほど眠いのだろう、縛られていてもすやすやと眠っている。昼間ユーノの世話でかなり疲れているせいだ。
そんな状態でセックスしようとしているのだから、俺も鬼畜だな。
なんと思われてもいい。こんなセーレスとやれるのなら。
起きたらどう思うだろう。
こんな格好している自分を見て。
美月さんは最初こそ怒ったが、だんだん彼女は淫乱になった。
セーレスはどうなるだろうか。淫乱なセーレスも見たいけど……。
台所に行って暖かいタオルを持ってきた。
お湯で温めたものだ。それを彼女の胸から腹、そして股の間へと撫でていく。
こうすることで血行を温めておくと、興奮の度合いが違ってくる。
さすがにここまですれば……。
やっと目が覚めたのか、セーレスが瞬きをして俺を見上げた。
「起きた?」
「……っ?!」
自分の姿を見て、セーレスは俺を信じられないといった顔で見つめた。
フッ――と笑いがこみあげる。
美月さんは睨んできた。思いきり憎しみをこめた目で。なのにセーレスは。
泣きそうな顔で見つめている。
そんな彼女の頬を優しく撫でながら言った。
「こうまでするなんて思わなかったんだろ?」
フルフルと首を振る彼女に、落ち着かせるかのように額に触れるだけのキスをする。
「可愛いよ、セーレス。怯えてる姿がたまらない。俺さ、……もう我慢できないんだ。君が拒むから。なので縛った。今夜はこの状態のままずっとやらせてもらうよ」
ツ――と指を腹から股にかけてなぞった。
ビクッと彼女の身体が硬直する。
「俺を拒むからこうなるんだ。――わかるか? いま俺の心、読んでいるか? 俺がどれだけ怒ってるか、わかってる?」
セーレスがまた泣きそうな顔で懇願するように唇を動かした。
ごめんなさいとでも言いたいのか。
さっさと心を明け渡せよ。
意志疎通させろ。
「いったい――何日、心を閉ざしてるんだよ!」
そう。
本当に怒ってる理由はそれだった。
なので彼女の心を聞くためには、こうするしかなかった。
前はセックス中に彼女の快感が伝わってくるほど、彼女の意識を感じていた。
なのに最近はその気配すらない。
俺は君の夫なんだぞ。
その夫に心を閉ざすなんて、どういうつもりなんだ。
「さっさと言えよ! 俺に意識を伝えろ! 嫌なら言えよ、外してやるから! セーレス……!」
いくら言っても。
彼女は目に涙を浮かべて俺を見ていた。
そうか。
どうあっても心を明け渡すつもりがないのか。
いいだろう。
イきたくてもイけなくして、ずっと快楽漬けで狂わせてやる。
ビシッ――。
残りの縄を引っ張る。セーレスが怯えてそれを見た。何をするのかわかったらしい。
「まだ母乳が出るんだな。ユーノは離乳したのに。毎晩娘を抱くのはお乳が張るからなのか?」
それとも俺を拒むから?
そう心の中で問いかけても、彼女からなんの反応もなかった。
そうかよ。
その通りだってことか。なら――もう遠慮はしない。
「この縛りは初めてだけど、やり方はある人から教わったんでね」
彼女に覆いかぶさる。
相当怯えているのか、歯がガタガタと震えている。それに嗤いがこみあげてきて、口を指でこじあけ、中の舌を掬い上げるように口づけた。
糸をひいて荒々しく咥内を荒した後、彼女の息があがっているのに構わず、縄で胸を交差させるように縛っていく。
そして、……彼女の乳首を引っ張りあげ、乳頭の根元を縛った。
「――ッ、……ッッ!!」
痛そうに顔を顰めている。だがその姿はなんともいえず艶めかしく、もはや勃起がおさまらなかった。
縛りあげた乳頭からはチョロチョロと母乳が湧き出している。
「もったいないから俺が飲むよ」
舌でまわすように乳首を吸い上げる。すると――。
彼女の股の間から、耐えきれないかのように透明な雫が零れてきた。
イったのか?
いや……潮を噴いてはいるが、イったわけじゃない。身体の準備が整っただけだ。挿入前の、いつもの濡れ方だった。
それに彼女は子宮内射精でしかイけないのだとわかっている。
なおさら好都合だった。イかせるものか。俺のをずっと欲しがって喘がせてやる。
「セーレス。イきたくなったらちゃんと言うんだ。俺に、――心で。そうしたらイかせてやる」
「……っ」
「なんで意識を閉ざしてるのか知らないけど、どうせイきたくてたまらなくなるんだ。それまでイかせるつもりはないからな」
グチュッ――……
すでに濡れている秘所はなんの抵抗もなく入った。挿入と同時に軽く潮まで噴き出した。よほど感じているらしい。
なにせ三日振りだ。
ふう、と俺もその中を久しぶりに味わった。膣内が変化してからまだそれほど多くはない性交だ。なのでその感触だけでもイきそうになる。
誰がイくか。射精などいくらでもコントロールできる。
波打つような内部の締めつけをしばし味わいながら、ゆっくりと優しく、彼女を蕩けさせるまで動かした。
膣裏のGスポットはただ触れるだけにとどめ、物足りないと感じるまでジワジワと舐るように……。
ほら。
セーレスの顔が快感を表してきた。膣内も悦ぶかのように襞が膨れつつある。男を求めている証拠だった。
「……ほら、言えよ。気持ちいいって。イきたいって。俺にそう言え」
耳元で脅迫するように囁くが、彼女は頑として意識を閉ざしていた。
だと――思ったよ。
このままじゃ埒があかない。動きを本格的にすることにする。
彼女の腹の上に手を当てた。
子宮は……このあたり。
セーレスが目を見張った。俺の考えを読んだらしい。
「いくぞ。……とめたいなら悲鳴でもなんでもあげろ。どこまで我慢できるか見ものだ」
最奥へと男根を突き上げる。
子宮口へと亀頭の先を突っ込み、その状態のまま捲りあげた。捩じりまわしながら孔を開いていく。
孔の周囲が痙攣した。いつもはここで中へと突き進むが。
あえてそれはしない。
ひたすら入口をこねくりまわした。孔を弄ぶように亀頭で広げ、捲り、捩じり、そしてめちゃくちゃにしていく。
セーレスは。
拷問のようなその動きを口を開けながら耐えていた。子宮口を壊されるかもしれない恐怖と戦っている。壊せるならとっくに壊しているが、ここまで動いても柔軟なソコが壊れることはないことを知っている。
はあはあ、と息を継ぎながら動きをとめずに溢れだしてきている母乳を吸い上げた。両手で乳房を押し潰すとまたさらに噴き出してくる。どれだけ母乳が張っているのかと苦笑した。
飲んでるだけで頭の芯が痺れてくる。
そのせいもあって、動きはさらに加速した。興奮がなおも覚めない。むしろどんどんペニスが太くなっていくのがわかる。
ここまでしても、――まだ。
彼女の意識が伝わってこなかった。
「なに……考え、てんだよ……おい! ちゃんと言えよ! 俺をなんだと思ってるんだ!」
セーレスは……泣いていた。
一瞬ズキンと胸が痛んだが、それでもどうしても、彼女に問いつめたかった。
「感じてるのか、痛いのか、なんでもいいから言ってくれよ……俺を嫌っても憎んでもいいから」
ビクッ――と彼女の膣内が硬直した。
それまで柔らかに締めつけてきた内部が、痛いくらいにキツく締め上げてきている。イきかけているのが伝わった。
なら……。
これが最後のチャンスだ。
彼女の子宮内部へと、棹の半分ほどを挿入した。
子宮口が迎え入れるかのように開いた。軽く痙攣して射精させようと小刻みに痙攣している。
「イかせてやるから、その前に……」
彼女の顔を両手で包み込む。
セーレスの涙を指で拭いながら真正面から瞳を覗き込んだ。
「君の意識を聞かせてくれ」
何を考えているのか、俺をどう思っているのか、せめて……。
もう何日も君の意識が伝わってこない。
そんなのはもう嫌なんだ。
一度それができるとわかってから、もうそれがないと耐えられなくなってしまった。
セーレスは拘束された手のひらをギュッと強く握りしめて。
泣きながら。
かすかな、本当に精神を研ぎ澄まさないと聞こえないほどかすかな意識を伝えてきた。
「…………それ、って」
コクン、と彼女は頷いた。泣いた顔はそのままで。
……だからか。
俺は知らずに彼女を、傷つけていたのか。
彼女が伝えてきた言葉。
言葉というか、意識は。
醜い嫉妬だった。
それを知られたくなかったらしい。
俺が――かつて美月さんとした、数々の性交を。
彼女は俺の深層意識から読み取った。
どうすることもできずに……。
「……夢の中も読んだのか?」
「…………、…………」
ごめんなさい、とセーレスが謝ってきた。
読む気はなかった、でも、どうしても見えてしまう。
それだけ俺の中で美月さんの存在が大きかったのだと思い知らされた。
「セーレス……」
ならば。
なおさら……。
彼女をイかせたくなくなった。
「俺と、快楽に堕ちてくれないか?」
美月さんとはできなかった。
だけどセーレスとなら……できるかもしれない。
「俺、頑張るからさ。君も……俺と付き合って欲しい」
その晩は。
ひたすら彼女をイかせずに責め続けた。
セーレスはだんだん根をあげてきた。もうやめて、と何度も頭の中で聞こえたが、やめなかった。
そんな夜はそれから約三ヵ月近くにも及んだが、彼女が性感帯を変えてしまうまでやめることはなかった。
たくやは美月さんとバイブプレイで股縄縛りを経験してます。
あんまり縛りプレイらしくできませんでした。すみません。
あと美月さんのときほどキツく縛っていないです。
セーレスには酷いことしたくないというのがたくやのポリシーです。