雨で濡れた雫が髪から伝って神奈の肌を濡らしていた。
それは神秘的な姿だったけれど、あまりにも寒々しく見えて、せめてもと脱いだ彼女の服を地面に敷こうとした。――が。
彼女の手がそれを制した。
「いいんです。有馬さん」
「だけど、このままじゃ神奈チャンが濡れて…」
「いいんです」
湿った草地の上に横たえた神奈の身体は、じっとりと汗ばんでいた。……熱が出ているのか。
それなのに彼女は辛そうな素振りすら見せず静かに微笑んでいた。火照った頬を優しく撫でる。
「……綺麗だ」
「……優しいんですね」
「君を抱きしめたいのは本当だ。だからやめるつもりはないよ。優しいんじゃない。俺のエゴだ」
「そう言ってくれるから……優しいんです」
「そりゃ買いかぶりってもんさ」
「もう……。有馬さん、素直じゃないんですから」
「たくや」
「え?」
「名前で、言って」
「……たくや、さん……」
「神奈……」
初めはそっと、――そして互いを求め合うように。
激しく唇を貪った。
神奈の舌を吸い上げると彼女も応えて絡めてくる。喉の奥にまで互いの舌を、唾液を混ざり合わせていく。
酩酊にも似た強い飢餓に襲われた。
今まで感じたことのない、……獣にも似た欲望。
神奈と口づけを交わしているだけで自分が自分でなくなっていくような、かつてない欲望が込み上げてきた。
(こんな、の……)
彼女を優しく抱きたいと思うのに。――肉欲が抑えきれない。
次第に唇が震えて、それが手にまで伝わっていく。
神奈の頭を鷲掴みにして息すら奪うかの勢いで彼女の口内を貪った。微かだった吐息が苦しそうな息切れに変わっていく。なのにやめられない。
「んんっ、……はぁ、……あ……っ」
「神奈……っ」
自分でもわからない。どうすることも出来ない。――身を委ねるしかない。
彼女の胸を乱暴に揉みしだき、口づけながら股の間に手を忍ばせた。秘部に触れた指先の熱さと溢れる蜜に、彼女も感じているのだと伝わる。
痛いほど強く愛撫しているのに、神奈は嬉しそうな笑みを浮かべていた。
「……ごめん。……こんな、つもりじゃ……」
「謝らないで……私も、同じなんです」
「……え?」
「たくやさんと、……こうしていると、心臓の鼓動がどんどん、高くなって」
「ど、動悸かな。息切れ?」
「違います。……くすっ。興奮、しちゃってるんです」
「……ほんとに?」
「こんなの、初めて……です。……好きな人と、結ばれるのって、こんなに幸せな気持ちになれるんですね」
「それは……最高の……」
殺し文句だよ、と耳元で囁くと。
はちきれそうなほど膨らんでいた自身を彼女の蜜壷に潜りこませた。
濡れた音が彼女の体内から響いてくる。じわりと染み出す感触に、挿れただけで達した彼女の興奮に中てられた。
(……もう、無理だ)
この中を蹂躙し尽くすことしか考えられない。精一杯根元を制御しないとすぐに出してしまうかもしれない。
神奈はぎゅうっと強く腕を回して、喘ぎながら小さく囁いた。
「……我慢、しないで」
「……っ!」
その言葉で、理性というものがなくなった。
一度引き抜き、彼女の愛液に塗れたソレを視認してから――一気に。
奥深くへと突き上げた。
「はっ、……あぅっ!」
「く……ぅっ!」
気持ち良さ、とかよりも。……痛い。
それほど膨張がやまなかった。女性とするのは初めてじゃないのに、まるで初めてのときと同じ――いや、それ以上。
亀頭の先が痺れたように感覚が麻痺していた。まるで魔窟だ。纏わりつく襞も、締め上げる膣口も、痛いほどの刺激になっている。
神奈を見ると。
瞳の焦点が合っていなかった。……感じ入ってる。きっと自分以上に。
彼女を背中から持ち上げて抱きあげた。
木の幹に寄りかかるように座り、対面座位で腰を掴む。自然と彼女の脚が腰に絡んできた。
「……いくよ」
下から一気に子宮口を貫いた。衝撃で神奈の喉がのけぞり、その白い首筋を痕が残るほど強く吸い上げる。神奈は首に両手を回してしがみついてきた。
――ズチュッ、……ズッ……
淫らな水音とともに結合部から彼女の潮が迸った。その温かい感触が潤滑油となり、動きをさらに加速していく。
亀頭の先で彼女の子宮を絶えず穿ち、時には潜りこませ、抉るように回し、カリで引っ掛けて掻き回す。
そのたびにビクンビクンと魚のように跳ねる彼女のしなやかな身体が、どんなに激しく動いてもついていこうとするかのようで。
これ以上はないほどの快楽を味わっていた。
出したく、ない……。
一度でも出してしまうとこの愉悦の時が失われてしまう。まだ彼女の身体を思う様貪りたかった。
「たくや、さん……、……おねが、い……」
神奈が射精を求めて腰を深くまで繋げてきた。グリグリと押しつける動きがたまらなく淫らだったが、彼女の素直な気持ちの表れだった。
誤魔化すように口づける。
「ん、んぅ……」
「嫌だ……終わらせたくない」
「お願い、です……欲しいんです……」
「まだ、駄目だ……もっと、もっと……乱れて欲しい」
「たくや……」
「神奈……君を愛してる……気が変になりそうだ……こんなの、……俺じゃない」
「…………」
「愛しているのに……優しくしたいのに、……こんな」
彼女の腰を持ちあげ、地面にうつ伏せにすると。
右足を高く掲げた状態で背後からさらに強く突き上げた。
「あうっ……!」
獣のような格好で神奈を後ろから犯していく。
彼女の捲れあがった膣も、尻穴も、すべて眼前に曝され、それがより興奮をかきたてた。
「神奈……ごめんっ……」
体位が変わったことでより深く様々な角度から突き、掻き回し、穿つことができた。
ほとんど本能のまま彼女を貪っていた。締め付けがよりキツくなる膣内をあらゆる角度から味わい、子宮口を刺激していく。
神奈は痙攣したように全身をビクつかせていた。……たぶん、ずっとイキっぱなしの状態なのだろう。
「はや、……く……っ!」
急き立てる彼女の言葉を無視するかのように、揺れる乳房を手で鷲掴みした。そのまま乳首を引っ張りながらうなじを吸い上げていく。
……限界が近づいていた。
そろそろ耐えきれない。だけどもっと彼女の乱れる様を見たい。葛藤が鬩ぎあう。
焦っていた。
これで終わりなんかじゃないのに、もう二度とこのときが訪れないかのような……そんな不安。
遠いどこかで後悔しているような自分。
わけのわからない焦燥感だった。……なんだ、これは。
だが――。
汗が噴き出す神奈の肌を見て、彼女の熱が全身を冒しているのがわかった。
そうだ、……神奈の熱は、まだおさまっていない。
自分のことしか考えていなかったのだと途端に我にかえり、後背位だった彼女を抱き寄せ、正面に向きなおした。
目元と、彼女の小さな鼻を優しくキスしながら一番奥へと挿入する。
謝るように微笑んで、彼女の手を握りしめながら……。
すべてを解き放つかのように、子宮口めがけて熱い飛沫を注ぎこんだ。
「あ、……ぁっ……あ……」
「はっ……くぅ」
今までで一番長い射精だった。……どれくらいの量なのか見当もつかない。
注ぎながら結合部からも溢れてくる白濁液に、もったいない気がして注ぎながらもさらに奥へと潜りこませた。神奈が導くように腰を揺らしてくる。
荒い息をついてすべて出し尽くすと、神奈が頬に手を添えて柔らかい笑みを浮かべた。
「……いっぱい、出ましたね」
「ごめん……なんか……止まらなくて」
「もう、謝らないでください……嬉しいんですから」
「神奈チャン……あのさ」
「はい?」
「いなくなったり、しないよな?」
一瞬。
神奈の瞳が揺れたが、それは本当に微かなものだったので、たくやはその表情の変化には気付かなかった。
「……はい。ここにいます」
微笑む神奈に、……なぜか。
彼女の孤独と寂しさを感じていた。
神奈ルート公園えっちでした。
一回しかやってないのでその分内容を濃くしたかったのですが、挫折しました。
激しくしたかったのにあんまり激しくできなかった。やはり死に際にある神奈ちゃんを苛めることは出来なかった。
というか10分弱でセックスできるものなんでしょうか。会話とか30分以上あるぞ。
激しくしたかったのは、神奈がたくやの実の娘だからです。未来の娘だけど。
作中のたくやの葛藤は、後のユーノと結ばれるときの葛藤です。
たくやはまだそれ知らないですけど、ちょっとでも匂わせてみました。