能登地震の被災に遭われた方のご無事をお祈り申し上げます。
「……あ、っ……んぁ……ふ、……」
神奈の方から求めてきたのは、考えてみると初めてだった。
ねだることはあっても自分から動くことはなかった。
俺のほうが耐え切れなくて動いてしまっていたからだ。
動かずに、こうして。
彼女から深く挿れていくのを見るのは初めてで。
その妖艶な表情に見惚れていた。
まさか。
売春していたときも。
これを……客に見せていたのか。
こんな、男を惹きつけるような表情を見せていたなんて、信じたくはないが。
「あ、……こ、……広大さ……」
動いて、と神奈が声に出さずに動きを途中でとめてねだった。
子宮口の入口が物欲しげに吸い上げている。そこから先は自分の動きだけでは挿れることができない、と神奈の目が語っていた。
神奈の腰を引き寄せる。
やっと動いてくれるのかと顔を綻ばせた彼女に、にっこりと微笑んで目の前の乳房へと唇を寄せた。
両手で鷲掴み、絞るように吸い上げる。わずかに漏れてきた母乳を吸うと、神奈が高い悲鳴を上げて感じ入ったように身悶えた。
「あぁぁっっ! だ、……ダメっ!」
「どうして?」
「じゅ、授乳、できなくなるから…」
「粉ミルク買ってある。それに身体も一歳児並みだし、離乳してもいいだろ」
「……で、でもっ」
「やっぱり……ここ吸われると感じるんだな。だからあんなに恥ずかしがったのか」
「……っっ」
赤ん坊に吸われて感じるところを見られたくなかった。
そうなんだろ?
図星をさされたのか、神奈は唇を噛み締めて顔を背けた。
つまり。
神奈は羞恥プレイに慣れていない。
ホッとした。
売春していたといっても、辱めを受けることに慣れていないのならよかった。
――チュッ……
染み出す母乳を吸い上げる。
神奈は泣きそうな顔でその動きをとめようとしたが、……やがて。
耐え切れず、亀頭の先を自ら子宮口へと潜りこませてきた。
――グチュ……
探るように、確かめるように、男の分身を少しずつ飲み込んでいく。
その動きを神奈の表情だけを見て味わっていた。
いつもはここまでしなくても俺が好き勝手に入れていた。
どうして? と神奈の戸惑う表情と、淫乱な動きのアンバランスな美しさに。
ただただ、……見惚れていた。
惹かれるのも、これほど虜になってしまった理由もこれだ。
乱れれば乱れるほど美しくなる。知らなかった。神奈から求めることはあまりなかったとはいえ。
海岸での逢瀬。
あのときも、求めた以上に彼女が俺を求めてどんな淫らな姿態も曝してくれた。
……似てる。
姿、形はまるで違うけれど、――なにか本質的なもの。
神奈にも彼女と同じものを感じた。
二度と会うことはないが……。
「動い、て……」
とうとう神奈が口に出した。
ここまでくるのに、2年近くかけた。
だがいまだ彼女から愛の言葉をきけていない。
……俺も。
あえてそれを求めたことはなかった。
最初から歪な関係だった。好きな女がいるのにセックスしただけで手放せなくなり、孕ませて俺の傍から離れなくなるようにした。
神奈が子供を欲しがったのは、俺が好きだからというわけじゃない。
父親が欲しかったのだ。
この娘は父親を求めていた。たぶん、ずっと昔から。
自分を庇護し、守り、助けてくれる存在。そんなものにずっと憧れていたのだろう。
こうして繋がっていても。
神奈は俺を通して違う存在を求めている。
「神奈。……愛している」
「……え?」
「蒔奈の母親としてじゃない。君を一人の女として、愛している。……俺のことをどう思う?」
神奈は。
一瞬だけ――瞬きをするわずかな間。
表情をなくした。
感情をなくしたような顔。
だがほんの一瞬だった。すぐにいつもの優しい笑みを浮かべた。
「私の……大切なひと、です」
「愛する男じゃなくて?」
「同じ意味です。私には」
「神奈。……これと同じことを、恵子にもしてると言ったら、どう思うんだ」
「……どう、……って?」
「俺が君以外の女と、こうやって子宮内にまで深く侵入して中出ししてるってことだ」
「…………」
「嫉妬しないんだ?」
「……はじめから、……広大さんには恵子さんがいたから」
「じゃあさっき海岸で見知らぬ女と同じことをした。このことは?」
「……広大さんが、女性に手が早いのはわかっています」
「そう、君を最初に路地裏でバックから立ったまま挿入した。声をあげさせないために口を塞いで、片足をあげて乱暴にショーツの隙間から分け入った。挿れた瞬間、慣れた膣内だってすぐわかったよ。男をイかせるためにすぐに膣腔を引き締めて……」
「――やめて!」
神奈の子宮口がギュッと締まり、挿れかけたそれを吐き出そうと動くのを感じた。
だが、――ここまで深く彼女が挿れてくれたモノだ。
強く締まる動きに抗うことなく留まると、神奈は唇を引き絞って結合部を見た。
「続けるぞ。だがその前に……ひとつ聞きたい。さっきも聞いたことだ。俺のことをどう思っている?」
同じ答えは聞きたくない。
そう暗に言葉には出さず目線で問いつめた。
今まであえて聞かずにいた。
だけどこの女を――神奈を。
彼女と同じように失うのはごめんだ。
「広大さんは、私の……」
「君の?」
「私の人生を変えてくれた……私の行く未来を見せてくれた人です」
神奈が両手で背中を抱きしめてきた。
ギュッとしがみつくその腕がわずかに震えている。
その震えが、もうそれ以上の答えを引き出すことはできないことを語っていた。
……仕方ない。
俺は最初からこの娘をただの憐れみから掬い上げたのだから。
恵子と同じような愛を、この娘に求めても、得られるはずもなかったのだ。
「……神奈、すまない。売春していたのは仕方ないことなのに、俺は君が他の男に抱かれていたと考えるとどうしても嫉妬してしまうんだ」
「広大、さん……」
「なのに君は、ちっとも俺に嫉妬してくれていないから……子供みたいだな、俺」
「そんなこと……ありません」
「嫉妬してくれてる?」
「いえ、……平気じゃないわけないです。だけど私、そういう広大さんが好きだから……」
「え?」
「そういう、いろんな女性に目移りするところ。手を出してしまうところ。引き寄せられてしまうんです、そんなあなたに」
「…………」
「光源氏、って物語の主人公のように」
「君はさしずめ紫の上ってところか」
「いいえ、私は……空蝉の君です」
それって。
源氏が失恋した話だろ。
そう言おうとした唇を神奈の口がゆっくりと優しく塞いできた。
交わす口づけは次第に甘く、激しくなっていった。
――パシャッ……
海鳥が浴槽の縁に降り立った。
睦み合う姿を見られている気がして、二人とも苦笑した。
「……そろそろ出るか」
「はい」
露天風呂にしたのは失敗だったかと思ったが、神奈は羽根を休めている鴎を物珍しそうに眺めていた。危ないから近寄るんじゃない、と言ったが、構わずに鳥を撫でようとしている。
……その裸体に、見惚れていた。
今すぐ後ろから挿れたい気持ちをグッと抑える。
途中までだったから勃起がおさまっていなかった。まだ神奈から動いてくれるのを味わい尽くしていない。
「かわいい……」
毛づくろいをする鳥を眺める神奈を見つめた。
子供を産んだとは思えないほど均整のある身体。細い肢体は依然と変わらないが、気のせいではなく丸みを帯びた臀部がボリュームを増している。
胸も膨らみを増していた。少女の身体なのにアンバランスな艶のある女体。――見ているだけで惹きつけられる。
興奮が伝わったのだろうか。鳥が怯えたように逃げていった。
「……あ」
飛び立った鳥に差し伸べたその手を掴んで、身体を抱き上げて唇を塞いだ。
「ん……ぅ」
「神奈。ベッドに行って続きをしよう」
彼女の尻にあたるようにイチモツを擦りつける。
神奈はその大きさに戸惑うように息をとめたが、小さく頷いてくれた。
「自分で……歩けます」
「抱いて行きたい」
「広大さん。バスタオル、そこに」
「部屋にも置いてある。拭くのも面倒だ、このまま」
「……どうしてそんなに急ぐの?」
「君と早くセックスがしたいんだ」
「…………あの。…………もうちょっと、その、……ストレートすぎます」
待ちきれない。
さっきまで感じていた神奈の中の感触。
早くあの中で出したくてたまらなかった。今夜は彼女の子宮が拡張されるくらい精液で満たしたい。
照れたように俯く神奈を見下ろし、今なにを考えているか知ったら照れるどころか蒼白になるだろうなと思いつつ。
水音を滴らせながら寝室へと辿り着いた。
近くに置いてあるバスタオルを拾い、彼女の身体を軽く拭くと。
我慢できず、そのまま両脚を広げて最奥まで突き挿れた。
「ああぁぁっっ……!」
「く、……うっ」
いきなり。
膣入口が燃えるほど熱く締めあげた。
神奈が興奮している。それが伝わりこっちも肉欲が込み上げてきた。
腰だけを持ち上げて結合部を引っ張り寄せる。……初めて見た。膣襞の動き、熱を持つとこんなふうに動くのか。例えるなら蛞蝓が這いまわるような。
なんて、卑猥な……。
抱けば抱くほど美しさに歯止めがきかなくなる。
とまらず、そのまま勢いにまかせて奥の閊えをひたすら突き上げた。
「はうっ、あ、ぅぅっ、んんっ、ああ、っっ……!」
がに股で俺の動きに合わせて腰を振る彼女。
これ以上に魅了される姿はない。
男の精を貪ろうとする動きだった。深く突けば引き込み、抜けば惜しむかのように追いすがる。
もう……出る。
しかし神奈がイってる感じには見えなかった。俺を射精させようとする動きはそのままだが。
彼女の感じるところ。
いや、……俺が導くよりも。
神奈自身がイきたいと思わないと。
「かん、な……どこで出して欲しいか、……言ってくれ」
はぁはぁ、と息を荒げながら動きをとめずに探るように膣内を荒した。
子宮はもう下りてきている。
中に注いだ先ほどの精液が零れてきているが、そこをあえて突かずに彼女の顔を覗きこみながらもう一度きいた。
「神奈……どこだ? ココ、か……?」
「……っっ」
子宮口が物欲しげに亀頭の先を吸い上げてきた。チュポッ――とその穴から離れると、神奈は泣きそうな顔で懇願するように言った。
「い、……いじ、わる……」
「君のイく場所、ココだろ?」
「イって……お願い」
「ダメだ、君が先」
「あう……」
「神奈、ほら……俺のもうこんなだ。脈うって、どうしようもない。これをどうにかしてくれ」
さっきの続きだよ、と耳元で囁く。
神奈はおずおずと身を起こし、俺の身体の上に乗り上げた。
足を広げさせてがに股にさせると、神奈は抵抗せず身を任せ、卑猥な姿を曝してくれた。
そのまま体重を使ってズンッ――と深く分け入ってくる。
陶酔したような表情……綺麗だった。俺のを全身で感じてくれている。
――パチッ……
ベッドサイドからコントロールできるコンポからクラシックを流した。
趣味でよく聴くモーツァルトだ。神奈は不思議そうな顔でその曲を聴きながら、腰を振った。
「音楽……?」
「うるさい?」
「いえ……むしろ……心地いい曲」
「ヴァイオリンコンツェルトだよ。軽快なテンポだろ? ……そう、曲に合わせて動かすんだ」
神奈の動きが激しくなってきた。
モーツァルトは軽快でアップテンポなところがある。だが一番のいいところは、……ここだ。
時折、激しい曲調の中に暗い短調を混ぜ込む。それが魅力ある部分なのだが。
神奈の動きは見事にそれを体現してきた。激しく亀頭を飲み込もうとするかと思えば、膣襞でねっとりと纏わりつかせてくる。うまくシンクロされて彼女自身の快楽を導いていた。
さすがというべきなのか……。
売春していた経験もあるのだろう、こんなに気持ちいい膣内の愛撫は初めてだった。
正直、イきたくてたまらない。すぐにでも出そうなのに。
根元の熱と膣襞が射精を堰き止めていた。それなのに気持ちよくてこのまま出さなくても満たされてくる。
神奈の騎乗位。
今までしなかったのが惜しいくらいだ。こんなに上手いとは思わなかった。
「くぅ……っ」
曲が最終楽章に入った。と同時に。
神奈が腰だけではなく全身を使って棹を飲み込んできた。さっき彼女がこれ以上挿れられないと言った、子宮口への出入りも行われている。
俺も腰を両手で掴んで補助しているが。
神奈の動きのほうが早かった。……しまった。モーツァルトは早すぎた。ショパンあたりにしておくべきだった。いや今さらだが。
傘が突き破る。弾みで出た先走りを、神奈が気にもとめずにひたすら飲み込み吐き出す動きを繰り返した。
膣腔が熱い……。
追いすがる子宮がもどかしい。
中に入れて出したいのに、根元で堰き止められていてどうすることも。
「か、……神奈」
出させてくれ、とついに俺の方から懇願することになった。
いつの間にかヴァイオリンは終わって、よりにもよって2台のピアノソナタになっていた。こんな激しい選曲にした自分を恨む。
神奈は曲に合わせて動かしながら、息を荒げたまま覆いかぶさって口づけをしてきた。
「ん……む……」
「神奈、もう……イってます……広大さんも」
「そ、そうは……見えないけど」
「ずっと動きながらイってました。……もしかして、ここ、熱いですか?」
結合部に触れた手が驚いたように離れた。
「こ、こんな……に」
「君の熱でイけなかった……」
「あ、ご、……ごめんなさ……」
「いいんだ」
「どう、すれば……」
「一度、抜いてくれ……俺が君の中に入ってみる」
――ジュプ……
燃えるような膣襞が棹全体に絡みつき、それを振り払うように抜くと。
神奈の身体をうつ伏せにして、両脚を広げさせて膣入口へと亀頭の先端を擦りつけた。
さっきから。
彼女には股を広げさせる恰好ばかりだな……。
だけどそれがまたたまらないのだが。
腰を撫でながらゆっくりと挿れていく。すると神奈は感じ入ったようにため息を漏らした。
「気持ちいい?」
「はい……」
「神奈……かなり大量に出すから、子宮の入口をあけてくれ」
曲は……ポストホルン。
荘厳な出だしから始まるセレナーデ。
神奈が期待に打ち震えるかのように目の前のベッドの木枠を掴んだ。
「……いくぞ」
両脚を抑えつけ、――そして。
捻じりこむように突き上げた。そのまま曲に合わせて打ち付ける。
「あ、あぁっ、あぅっ!」
「はっ、はあ、ふぅ、くっ……」
1秒の間隔すらなかった。実際そういう曲だ。これで射精できるかと思うと動きもとまらない。
メヌエットに入る前に。
最初の一発を出した。子宮口のリング状の部分にめり込ませ、彼女の子宮内へと大量に注ぎこむ。
神奈が……。
やっと潮を噴き出した。やはり出されるのが一番感じるんだ。考えてみれば今までもそうだった。コンドームをつけなくなったのも、彼女が子宮内射精でイくのを知ったから。
射精しながら彼女の胸を絞りだす。乳腺から反応して白い液体が染み出してきた。興奮のままに胸全体に刷り込ませながら、動かしながら注いでいく。
こんなものじゃ終わらない。
まだまだ出すつもりだった。残滓をすべて注ぎこみ中を精液で満たした後、子宮口のまわりを抉りながら抜いていく。
神奈が、ほぅ、と熱いため息を零して満たされた表情で振り返った。
「……熱い?」
「お腹が……とても」
「気持ちよさそうでよかった」
「まだ……固いですね」
「もう3回くらいは出せるよ。神奈、君はどう?」
「……お付き合い、したいんですが」
「うん?」
「そろそろ……赤ちゃんが」
その直後。
あぁーん、という声が隣の部屋から聞こえてきた。お腹が空いたのか、目が覚めたのか、とにかく。
中断せざるを得ないようだった。
「連れてくるよ」
「私が行きます。……ここで待っててください」
神奈、と彼女の肩にバスローブを羽織らせた。
ふう、とため息をついて部屋から出ていく彼女を見送り、いまだ固いままの自身を見て苦笑した。
一度の射精の量じゃない。
あんなに出したのは今回が初めてじゃないだろうか。
どころか。
まだまだ出し足りていないのだから……。
今夜の神奈はやばすぎる。彼女の身体も、セックスの感覚も、今までとはまるで違うように感じた。
――違う。
同じだ。ただ気づかなかっただけだ。彼女の魅力に。
気づかされたのは、――あの娘のおかげだ。
ユーノ。
もう一度、なんとしても会いたいが、……もうそれは叶うまい。
彼女を助けたい。
たった一人で時空を彷徨うしかない、あの娘を。
話はちっとも進んでいません、ただやってるだけです。
正直、進みたくないというのも……。
このあとは悲劇しかないので。
書くのどうしようか悩んでます。やめようかと。
このままのほうが幸せでいいのかもしれない。
新年早々、大変な災害に見舞われた方へ。
私が住んでいるのは関東地方なのでニュースでしかわかりません。
ご覧になられる方がいるとは思えませんが。
どうかご無事で過ごされるようお祈りします。