※この作品はR-18です。

【YU-NO】たくやくんの女性遍歴   作:千月華音

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神奈ルート Another~13

 

 

 

 ――トン、トン、トン……

 包丁の音が聞こえた。

 誰だろう。

 こんな朝早く――まだ5時だ。

 ほんの1時間くらいしか眠れていないけれど、不思議と疲れは取れていた。

 階下に降りてみると、そこに。

「……あら」

 後ろで髪を束ねたスーツ姿の女性が私を見て一瞬驚いたが、すぐに柔らかく微笑んだ。

 綺麗な人。

 そうか、この人が……あの人の女か。

「……はじめまして」

「こちらこそ。はじめまして、たくやの義母(はは)です」

 椅子を引かれてカウンター席へと導かれた。

 所作のひとつひとつが柔らかい。

 優しさが態度から滲み出ているような人だった。

「あの、……私も手伝います」

「いいから、座って。ずいぶん早起きなのね。たくやクンはまだ?」

「……はい」

 気づいている。

 私が彼と一晩過ごしたことに。

 それはそうか。いろんな残骸を残したまま寝てしまった。脱いだ服も浴室にそのままだ。

 差し出されたハーブティーに軽くお辞儀をして頂いた。……カモミールかな。暖かい。

「お名前は?」

「……波多乃、神奈です」

 名前を聞いた途端。

 彼女の眉がほんのわずか動いた。

 聞いているのか。――彼から。

 いや、そんなはずはない。

 広大さんは私とのことを誰にも言っていないはずだ。

「亜由美です。……寡婦なので、旧姓ではなく有馬のままですけど」

「……あの、私、そろそろお暇(いとま)します」

「座ってて。もうすぐ出来るから」

 だって、ここにいたくない。

 この人。

 態度はさっきと変わらない優しさだけど、……明らかに。

 私のことを嫉妬している。

 どう考えてみても、私と広大さんのことを知っているとしか思えない。

 あの人、――寝言で私の名前でも言ったのか。

 ……くそ。

 母からもっとあっちの世界の秘儀を教わっておくべきだった。

 記憶を消す術とかあればよかったのに。

「たくやクンとは、いつから?」

 純粋な好奇心といった感じで聞いてくる。

 義母としての興味なのか、それとも、女としての興味なのか。

 その両方だろう。

 この人、……自分では自覚してないだろうけれど。

 たくやくんに惹かれている。

「……二日前からです」

「……っ?」

 正直に言ったら目を丸くした。

 が、……すぐに。

 仕方ない人、といった感じで鈴を転がすように笑った。

「若いって、勢いがあるのね。たくやクン、……失恋の痛手から抜けたみたいで良かった」

 …………。

 この女。

 釘をさしている。

 彼に近づくな、――さもないと痛い目を見るぞ。

 なるほど。

 広大さんの好みのタイプだ。

 彼はこういう妬心のある女に弱い。

 恵子さんがそうだった。表面では私に優しかったけれど。内心は……。

 まったく、こういう女に引っ掛かりやすいのは彼らしいといえばそうだけど。

 問題は。

 この女、たくやくんに近づく女に嫉妬していることに気づいていない。

 というより。

 自尊心が邪魔して気づきたくないだけかも。

「……。彼が他の女性と付き合っていたことは知っています」

「たくやクンが話したの?」

「……はい」

「かなり落ち込んでいたみたいだけど、亜由美には何の力にもなれなくて」

「その心配はもうありません。……今は」

 目線を向けた。

 宣戦布告だと気づいたのだろう。

 わずかだが、彼女の頬が歪むのを見た。

 悪いけど。

 たくやくんを守るためには、どうしてもこれから先、彼と付き合う必要がある。

 あなたの入り込む隙間はないの。

 もう彼は私のものだから。

 カウンター椅子から立ち上がった。

「帰ります」

 これ以上いればこの人を傷つけてしまう。

 たくやくんの枕元に、私の連絡先を記したメモを残しておいた。今はそれで十分。

「待って、朝ごはんを一緒に」

「たくやくんをよろしくお願いします。ちゃんと学校へ行くように言っておいてください」

 たぶん今日こそズル休みすると思うから。

 玄関に向かったが、追いかける気配は感じなかった。

 たぶん……。

 彼女は私が広大さんの愛人だったことに気づいている。

 ちゃんと口止めしてくれたはずなのに、……あの人。

 遺品の中に、私に関わるものでも遺しているんだろうか。

 そういうのちゃんとなんとかしてから逝ってよ!

 ……と、今はそんなこと言っても仕方ない。

 急がないと。

 学校へ行く前に、馴染の産婦人科に行く必要がある。

 本当に生理が来たのなら。

 信じられないことだけど……。

 また妊娠することができるかもしれない。

 半年後に死のうと思っていた。

 だけど。

 たくやくんの子供が出来るのなら……。

 何がなんでも死ぬわけにはいかない。

 子供を産むまでは、決して。

 

 

 

 

 

「ん……」

 腕の中の感触がない。

 彼女の柔肌に触れながら眠ったはずだが。

 パジャマも着せず裸のまま抱きしめて眠ったんだっけ。生理中だからせめて下着を、という彼女の懇願を無視して。

 だけど肌にあたる彼女の経血が温かくて気持ちよくて。シーツは大変なことになってもいいからそうしたかった。

 ……のだが。

 目を開けるとそこにいたはずの神奈は消えていた。

 それどころか、真っ赤に染まったはずのシーツすらも真新しいものに替えられている。

 あれ……?

 夢、……じゃないよな。

 裸で眠ったはずなのに、ちゃんとパジャマを着ていた。いつの間に。いや、着た覚えはないぞ。

 服の下を見てみる。

 ……血の跡がない。

 綺麗になっていた。いや、夢なんかじゃない。あの感触が夢なわけがない。

 枕の上に、――メモ用紙が置いてある。

 俺の机の上にあったメモ用紙だ。そこに、彼女の……神奈の住所と携帯の番号が書いてあった。

 ホッと胸をなでおろす。……とりあえず夢じゃなくてよかった。

 メモの下のほうに、『汚れたシーツは処分しました。もう二度としないでください(-_-メ)』と小さく書いてある。

「……神奈」

 これを直接言って欲しかった。

 なんでいなくなるんだ。

 下にいるんだろうか。そういえばなんかいい匂いが……。

 急いで服を着て慌てて階下へと降りた。

「……神奈!」

 台所に。

 見慣れた人影がこっちを振り向いて微笑んだ。

「おはよう、たくやクン」

「……亜由美さん?」

 帰ってきたのか。……そしてこの匂い。

 久しぶりの亜由美さんの飯だ。

 見ると、洋食のオンパレードの朝食がそこにあった。

「どうぞ。起こそうかと思ってたけれど、ちゃんと起きてきてくれたのね」

 キョロキョロとあたりを見渡す。

 神奈は……いない。

 てっきり下にいると思ったが。

「彼女なら帰ったわ」

「……え?」

「たくやクンの彼女よね。朝、鉢合わせしたの」

 亜由美さんの笑顔が、――なぜか強張っていた。

 なぜだろう。

 いつもならもっと柔らかく微笑むのに。

「神奈さんっていうのね」

「あ、……うん。一昨日の夜、うちに泊めたんだ。ついでに昨日も。それでその、……そういう関係になったんだ」

 あらためて言うと本当にそうなったのが信じられない。

 ついこの前まで美月さんとのことを引きずっていたのに。

「とりあえず……ご飯、食べましょう」

 はい、とお箸を渡された。

 昨日は神奈から手渡された。

 今日は亜由美さんからだ。

 これって、なんの因果なんだろうか。

 たかが箸をもらうだけなのに。

「亜由美さん、いつ帰ってきたんだい?」

「今朝4時頃かしら。起こすのも悪いと思って、そっと帰ってきたの」

「帰るなら帰るって一言くらい連絡くれよ」

「ごめんなさい、急に時間が取れたのよ。本当は朝ご飯だけ作ってすぐ戻るつもりだったのだけど」

 コトン、と箸を置いて亜由美さんがこっちを振り向いた。

「やっぱり会社に寝泊まりはお肌にもよくないわね。今日からちゃんと家から出社します」

「そうそう、美容と健康のためにもそうしたほうが」

「家を空けていたら、たくやクンが女の子を引っ張りこんでしまうもの」

 ビクッ――と息がとまった。

 亜由美さんの目がキツい。

 いつものおふざけの顔なんかじゃなく、真剣な目をしていた。

「たくやクン。……あの子と付き合うのはやめなさい」

「な……?!」

「売春してる子よ。広大さんの日記に彼女のことが書いてあった。……彼は放っておけなかったらしいけど」

「知ってるよ、親父の愛人だった。本人から聞いたよ」

「……たくやクン!」

「だから俺は神奈をどうしても手に入れたくなったんだ。親父のことなんか忘れさせてやりたかった。亜由美さんにも俺にも隠して、あいつは神奈を独り占めしていたんだ!」

「そ、それは……」

「亜由美さん。親父に愛人の一人や二人いたって、俺は別になんとも思っちゃいない。あいつはそういう男だ。亜由美さんを家に連れてきたときからわかってた。女癖が悪いとか、そういう問題じゃない。あいつはね……平気で女を捨てることができるやつなんだよ」

「…………」

「亜由美さんにはわかってるはずだ。一人で何もかも背負って遠い所へ行った、そして帰ってこなかった。あいつが亜由美さんを愛していなかったとは思わない。だけど親父は、愛する者であっても切り捨てることができるんだよ」

「…………」

「神奈はその犠牲者だ。彼女の心の傷は深い。親父が遺した傷だ。俺はやつを……許さない」

「……たくや、クン」

「亜由美さん。……俺には神奈が必要だ。必要なんてものじゃない。もう彼女がいないと俺は生きていけない。本気でそう思っている。だから二度とそんなことを言わないでくれ」

 背を向けて立ち上がった。

 亜由美さんの表情を見るのは辛い。……本当はここまで言う気はなかった。

 だけど。

 俺から神奈を奪われるのだけは我慢できなかった。

 

 

 

 

 

 ――3ヵ月前

 

 

 ネクタイを締めなおしていると、背後から女の手が伸びてきた。

 締めなおしたネクタイを外そうとしている。

 まだ足りないのか、と苦笑しつつ彼女の手に手を重ねた。

「こら。そろそろ仕事があるのだろう?」

「……収録は終わってるわ。オンエアまでに間に合えばいいの」

 もう片方の手がズボンのファスナーへと伸び、ゆっくりと下ろしていく。

 艶やかな手つきで中のものを取り出し、行為をねだるように煽りたてた。

 さすが元AV女優なだけある。鮮やかすぎる手つきに制止することもできない。自然と息があがっていた。

「は、……ぁ……」

「……ね? 足りないでしょ?」

 仕方ない。

 本当は彼女の鞄の中にでもこっそり忍ばせておこうと思ったが。

 そもそもその『存在』に気づくことがなければ、あいつが彼女の鞄の中を見るとは思えない。

 もっとも可能性がある『存在』を発覚しやすい場所――それはやはり。

 女の胎内だろう。

 神奈にはすでに仕込んでおいた。

 亜由美にもだ。

 この女と果たして肉体関係を持つかどうか、……賭けだな。

 肉棒を擦る細い指に指を絡ませる。

 続きをねだる彼女の行為に便乗することにした。

 背後から――興奮した熱い吐息が耳朶に吹きかけられる。

「すごい……こんなにビクビクして固くなってる」

 もっと褒めていいぞ。

 興奮が最高潮になったときの硬度はこんなものじゃきかない。

 女の腕を引っ張り、ベッドに押し倒して嵐のように口づけた。

「んん、ぅぅ……」

 舌を絡ませ、息を交わし合い、情感を高めていく。

 そうしながらも豊満な胸を乳首ごと押し潰すように揉みしだき、抜群のプロポーションの肢体を割り開いていく。

 局部を曝け出すような恰好にしても、モデルか裸婦像のような美しさを彷彿とさせた。

「もっと股を開け、いやらしく誘ってみろ」

 耳元で興奮を煽るように囁くと、彼女は陶酔したように鼻息を荒くした。

 なんて淫乱な女だ。

 たくやがこの女を御せるかどうか、不安になってきた。

「香織の……おまんこに……広大さんの……熱くて筋張った……その巨根で……思い切り貫いて」

 言いながら自ら膣襞を拡げ、がに股になって両脚を折り曲げた。

 もはや揶揄する言葉も出てこない。

 こんなに性欲を駆り立てる女も珍しい。演技ではなく素面でこうなのだから恐れ入る。

「いい子だ、香織」

 こめかみにキスをしてから。

 亀頭の先端に小さな丸い石をくっつけ、それごと彼女の最奥へと突っ込んだ。

「……あうっっ!」

 石、――だが。

 彼女にはその感触は感じられても、『宝玉』の存在に気づくことはできない。

 それに気づけるのは、たくやだけだ。

 異世界へと続く道しるべ――8個の『宝玉』。

 そのうち3個はデバイスにすでに埋め込んである。

 残りの5個を見つけ出すのがたくやの役目だ。

 香織に埋めておくが、あいつがこれに気づくかどうか……。

 やつなら必ずこの女とセックスするはずだ。

 俺の息子がこの淫乱な女の誘いに乗らないはずがない。断言する。あいつは俺以上のスケベだ。

 あとは、――神奈。

 あの娘が導けるかどうかが鍵だな。

 うまくいけば再び身籠ることもできるかもしれない。

 この『宝玉』にはそれを叶える力がある。神奈が望めば、だが。

「あ、う……んん……お、奥に……なにか……」

「ほら、子宮の中に入ったぞ」

 亀頭の先端が『宝玉』ごと子宮口を貫いた。おそらく中に入ったこともわかってないだろう。

 たくやが気づくその時まで、彼女の子宮内に埋めておく。

 おそらくは――。

 香織と性行為するのは、何か取り返しのつかないことが起きた後になるだろう。

 石の力があれば時は戻される。

 起きた出来事を変えることはできないが、それでも。

 そうすることでしかあの世界に辿り着くことができないのだ。

「はぅ、ん……動い、て……」

「ああ、しっかり掴まってろ」

 子宮内をかき回していく。

 捨て石となる彼女を不憫に思いつつも。

 息子への大切な架け橋となる女に、あらん限りの快楽を刻みつけた。

 

 

 




まさかの広大×香織でした。
ほぼ省略で申し訳ないです。まあ神奈ルートということでサラッと流しました。
もちろん原作無視です。こんなところに宝玉なんてあってたまるか。
これはエロ小説ですので。
この神奈ルートではたくやと香織は致しません。亜由美ルートでは×××しますが。
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