※この作品はR-18です。

それは平凡なる恋の日々   作:夜半の月

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対面、元敵だった家庭教師のお姉さん

 

 

 

 

 対面、元敵だった家庭教師のお姉さん

 

 

 

 うさぎちゃん視点

 

 

 

 で、ついて来ちゃいましたよあたしとなるちゃん。

 

 やー別に無理とについて来たんでもないんだけどね。

 

 あたしとしちゃあこっそり海野の後を付けるか、一応海野んち知ってるから家の近くで隠れて様子を窺おう。

 

 名付けてセーラー服美少女名探偵作戦を考えたわけなんだけどぉ~。

 

『僕の熱く燃え上がる炎のような愛っ。これを込めるに相応しい品はなにかを一緒に考えてくださいませんかっ!』

 

 まあねー。愛に燃える海野に連れてこられちゃったって感じかなぁ? 

 

 までもでも、あたしの目的は別にして、好きな人に対しては妥協できない。誰かのアドバイスが欲しいってのはわかるんだよ。

 

 だーってさあ、あたしだってまもちゃんのことで変な妥協なんか絶対にしたくないし、自分になにが出来るかな? 

 

 出来ない事も誰かに相談することで解決の糸口が見つかるかなって、色々試行錯誤するし。

 

 まして恋愛初心者はまあいいとして、奥手に過ぎる海野だと、一時的に「やってやるーっ!」的に燃え上がったところで、結局は空回りする可能性もあるわけなの。

 

 んま、出来ることと言ったって、うちから持ってきたのと途中で買った雑誌の一押し特集から、あーでもなーこーでもないとやるだけなんだけどね。

 

 レイちゃんとこの神社に集まってする勉強会がなんかあたしには頭に入ってないような感じみたいに。

 

 といっても勉強よりはずっとやる気元気うさぎさんだからまあ大丈夫かな。

 

 そんなあたし達三人は海野の家へ向ってる。

 

 もう近いけど、海野はぶつぶつとなにやら考えては上剥いたり下向いたり力こぶ作ったり。

 

 なるちゃんはあたしの隣で「あんな調子で大丈夫かなあ」なんて仰ってるし。

 

「まあなるようになるさ。テストに比べりゃへっちゃらへっちゃら」

 

「あんたわねー。海野だってマジなんだからしっかり考えたげなくちゃ。下手すれば海野の場合恋愛事よりも受験テストのが楽だったりするんじゃないかってくらいぶっ飛んだ発想しちゃうかもよ? まあ最終的には本人がどうするかだけどさ」

 

「そりゃまあ当事者でございますし、一番バシッと決めなくちゃなんないから。そのためのサポートだよあたしら」

 

「頑張りますか──っても、まずはその海野の恋人さんを確認しないことには見繕う物の絞り込みも出来ないじゃない」

 

「そだね」

 

 そんなあたしたちの話が聞こえていたのか海野がこっちに話を振ってきた。

 

「ああ、大丈夫ですよ。カオリナイトさん住み込みの家庭教師さんですのでお出掛けでないときは家族同然で普通に家におられますので会えますよおそらく」

 

「ふむ、じゃあ問題無いか」

 

 海野の話を聞いて納得するなるちゃん。

 

「ですがプレゼントの件は彼女には秘密で行きたいのでそこんとこは宜しくお願いします」

 

「わーってるわーってる。このまもちゃんとの恋愛経験豊富な万年ラブラブうさぎさんにどーんとまっかせなさーい」

 

「ラブ度ではあたしだって負けてないわよ。ネフライト様と築き上げてきた経験は伊達じゃないんだからなんでも訊いてね、ってもプレゼント選びじゃ相手の好みも考えなきゃね。なんでもいいとは言った物のやっぱり欲しい物や好きな物により近い品の方がいいし」

 

「これはある程度の聞き込みも必要そうですね」

 

 歓談しつつも、あたしはちょっち気が張るのがわかった。

 

 だってあたしの目的は海野の恋人さんがあのデスバスターズのカオリナイトと同一人物か調べること。

 

 そんでもって、もしもよからぬことをたくらんでそうならそれを阻止することだから。

 

 はぁ、でも間が悪い事にその海野んちinカオリナイトへと臨むのあたしだけなんだよね。

 

 みんな何故か連絡取れ無くって……。

 

「よしっ!」

 

 パンと頬を叩いて気合いを入れるあたし。

 

「な、なにようさぎ。いきなり顔叩いたりして」

 

「ああ気にしない気にしない」

 

 嘆いてても仕方ないっ。

 

 矢でも鉄砲でも持ってこいってんだ。

 

 ぜーんぶ受け止めてやりますようさぎさんが。

 

 でもホントには持ってこないでね鉄砲……。

 

 ムーンに変身しても鉄砲の弾は危ないと思うから。

 

 

 

 そんなこんなで海野の家にやってきました。

 

『海野』と立派な表札が飾られている。何の変哲もない表札だ。

 

 来たことあるし見知った家だけど、いまは敵の本拠地のような気がしてちょっとばかし怖い。

 

 だって、ここにはあのカオリナイトが居るかもしれないんだから。

 

 そしてついにご対面のときがやってきた。

 

 ピンポーン。

 

 鳴り響くインターホンの音。

 

 はーいと声が聞こえて一拍ほど、海野の家の玄関の扉がギイイっと音を立てながらゆっくりと開く。

 

「どちらさま?」

 

 大人っぽい低めの声色が扉が開くと同時に耳に入った。

 

 聞いたことのある声だった。少し前まで何度も聞いた声だった。

 

 そうして中から顔を覗かせたのは、紫色の眼光と血の気の薄そうな白い肌の女性。

 

 やがて開ききった扉は彼女の姿を白日の下へとさらけ出した。

 

 髪の一部を編み込んで大きく緩やかなポニーテール風に纏められた長い髪は腰まで届く艶っぽくて鮮やかな赤。

 

 襟が腹部までの深いVネックとなって、胸部が大きく開いたミニスカートの赤いワンピースは、肩や背中が露出しているデザインで、彼女が着こなすととても様になるほどかっこよく、そして色っぽい。

 

 髪型に服装、赤で揃えたハイヒールと、完璧なコーディネイトに仕上がっていた。

 

 身に付けているアクセサリーと言えば両の耳に付けられたイヤリングだけで、後は真っ赤な口紅の曳かれた蠱惑的な唇に浮かぶ笑みが印象的。

 

 妖艶な美女。ひとことで表すならそんな感じの女性だった。

 

 そしてあたしはそんなこの女性を知っていた。

 

 なにせ今までセーラー戦士としてのあたしが闘ってきた相手だ、忘れたくても忘れられない。

 

(やっぱりカオリナイト──っ!)

 

 正真正銘、誰がどう見てもカオリナイトだった。

 

 そもそも、海野も彼女をカオリナイトと呼んでいる事からして、そうじゃないかなーって思ってたけどさ。

 

 同名の渾名を持つそっくりさんの可能性も無いことはないと思うけれど、早々居ませんよ、んなのは。

 

 てことであたしはこの女性が“あの”カオリナイトであるとの確信を持った。

 

「あら、お帰りなさいぐりお」

 

 でまあそのカオリナイト。チャイムを鳴らしたのが海野だと気付くと、とってもにっこりとした笑顔に破顔しました。

 

 妖艶な美女が、近所の大人なお姉さんに早変わりしたみたいに。いやま、元が元だけに妖艶さは変わりゃしませんが。

 

 こうなんていったらいいんだろ。冷たい空気しか感じさせなかった彼女から、柔らかい空気を感じたのだ。

 

「ただいま帰りました」

 

「今日は少し遅かったわねえ。どこかへ寄り道でもしてきたのかしら?」

 

「すこしお友だちと話し込んでしまいまして。僕の同級生の月野うさぎさんと大阪なるさんです」

 

 海野は普通に家に帰ってきた旨を話す家族のようにカオリナイトと話をしている。

 

 一方で彼女も海野に柔らかな笑顔を向けて話をする姿は弟を思う妖艶で優しいお姉さんその物。

 

 うーん。

 

(これ、本当にあのカオリナイトなの?)

 

 敵対してたときとは全然雰囲気が違って混乱しちゃったよあたし。

 

 直ぐにカオリナイトのこと海野から紹介されたけど、なんだか別人みたいな雰囲気。

 

「初めまして、海野ぐりおの家庭教師として海野家に住み込みで働いている黒峰カオリです。カオリでも、ぐりおさんのようにカオリナイトとでも、気軽にお呼びください。念のため申し上げておきますがカオリナイトというのはわたくしの愛称のようなものですわ」

 

 深々と会釈して上げた顔はまたまたにこり。

 

 次いでフッと消えた微笑み。まあずっとにっこにこなわけないよねそりゃ。

 

 冷静な表情になると、あたしの知るカオリナイトって感じだけど、それでも冷たい空気やら敵意やらは欠片ほども飛んでこない。

 

 んーまあ彼女はあたしの正体、月野うさぎ=セーラームーンだとは知らないわけで、当然っちゃ当然だわね。

 

 するとじーっと見入ってた所為か、カオリナイトは首をかしげて「どうなされましたの?」なんて訊いてくる。

 

 続いて隣のなるちゃんが急かすように脇腹を突いてきた。

 

 いけないいけない。いまのあたしは彼女に取っては教え子であり恋人の友達って立場だった。

 

「あ、こ、これはっ御丁寧にどうもです、海野くんの友人の月野うさぎです、です」

 

 挨拶が遅れた分、頭を掻いて誤魔化しながらぺこぺこするあたし。

 

 ああなんか変な感じがするわ-、だってあたしがあのカオリナイトに普通に挨拶してるだなんて。

 

 いやま一応、月野うさぎとしては初対面だし、これが普通なんだけどねー。

 

「あたしは大阪なるです。海野くんとは同級生で同じクラスメイトなんです」

 

「まあっ! そうでしたの。それはいつもぐりおさんと仲良くして下さってありがとう。ちょっと変わったところのある子だからお友だちが居るのか心配でしたのよ」

 

「カ、カオリナイトさん、そんなぁ~」

 

「うふふ冗談ですわ……半分はね」

 

 あっいつの間にか海野のことさん付けになってる。

 

 余所の人の前でだと呼び方変えてるんだろうかね。

 

 んでもって海野のこと変わったやつ扱い。

 

 まあ海野って思い込み激しかったり、変に何かに詳しかったり、燃えるときは燃えたり、とっても感情豊かだし。

 

 クラスの男子の中では変わってるって言われれば変わってるのかな? 

 

「お二人のことはうさぎさんになるさん、とお呼びしても?」

 

「ええ構いませんよ、名字で呼ばれるとなんか余所余所しいですしね。ね、うさぎ」

 

「ふえ?! あ、ああうんうん。みんなうさぎって呼んでますしあたしもそっちの方がいいです」

 

「では先程も申し上げましたが私のことはカオリとでもカオリナイトとでもお好きなようにお呼び下さい」

 

 といった自己紹介。和やかに進んだ自己紹介。うーん和やかに過ぎる。

 

 これは、本当にカオリナイトってデスバスターズを抜けたか、追い出されたかしたのかな? 

 

 ユージアルの話し方だと裏切り者とか言ってたから、多分抜けたんだと思うけれど。

 

 この態度に話し方、海野への接し方、どうも演技じゃないっぽい。

 

 そうなるともう敵じゃないってことになるし、悪い事も考えてなさそうな印象だし。

 

 これは大丈夫──―と、見てもよさそうかな? 

 

 まだわかんないけど。現時点では悪意めいた雰囲気を感じない。

 

 普通の人と普通に話してるみたいなの。

 

 一点だけとりあえず、海野のことをとても大切に想ってることは、よ~っくわかった。

 

 あたしらと海野への接し方に感じた空気感があからさまに違うんだもん。

 

 瞳の色やら表情やら、あたしやなるちゃんがまもちゃんやネフライトを見ている時と同じ。

 

 世の中の恋する女の子の顔と同じだ。

 

 カオリナイトが海野を見つめる瞳はその恋する乙女の顔だもん。

 

 それだけ海野の事が好きってことなんだよね。

 

 なにがあったのか詳しくは知らないけど、彼女は海野と出会って良い方に変わったみたい。

 

 海野が彼女を変えたのかねえ? 

 

 想像しづらいけど二人の間に某かのことがあったんだろうなあきっと。

 

 海野から好きになったみたいな口振りだったけど、もしかするとカオリナイトが先に海野に惚れたって可能性もある? 

 

 若しく一目惚れでの両想い? 

 

 興味は尽きないけど、詮索するのは程々にしないと失礼だよね、うん。

 

 でも……うさぎちゃんは気になる。

 

 海野は信号待ちしてたときに一目惚れしたみたいな、運命的な出逢いと言えなくもないとか言ってたけどさ、詳細は如何ほどの事があったのか。

 

 それになにより、この二人って……し、Cの最後までい、い、い、いっちゃっ、いっちゃてんでしょ……? 

 

 学校で聞いた話が本当なら。

 

 恋愛関係に置ける究極はCで、そこから始まるC+まで行ってる。

 

 Dは確か結婚とか妊娠とかだったっけ? 

 

 うわ~、なんか凄いよ海野ぉ~、まあ相手が大人も大人なカオリナイトじゃそうなっちゃうんだろうけどさぁ。

 

 身体の関係って言うのは、心が通ってればこその愛が前提ではあるんだけど、どうみてもこの二人には心の繋がりが、愛があるみたいだし。

 

 う、海野が嘘付くわけないと考えると、おそらく色々諸々マジの話ってわけだよねえ。

 

 更には親公認の関係だなんて……気になりますよそりゃさぁ。

 

 なにがどうなればあのカオリナイトと海野がって。

 

「ぐりおさん、いつまでも玄関にお客様をお待たせしたままなのは失礼なのではなくて?」

 

「へ? ああそれもそうでしたね。どうぞあがってくださいお二人とも」

 

「どうぞ、おあがりくださいな」

 

 いつも通りの海野。丁寧なカオリナイト。

 

 二人に招かれてあたしとなるちゃんは海野のうちへお邪魔した。

 

 でもま、あたしの目的と考え、どうも空振りに終わりそうでちょっと安心かな。

 

 二人が恋人同士で、愛し合ってる以上それはそれでいいし、いまのカオリナイトなら悪事を企んだりする感じしないしね。

 

 ただ、今度はカオリナイトの好みやら何やらを訊いてかなきゃ駄目な場面も出てきそうで、ちょっと聞き辛い。

 

 敵だったとかってのもあるけどそれ知ってるのあたしだけだし、彼女と上手く話せるかな。

 

 敵がどう以前に中学生と大人じゃ話が合わないとこあるもんね。

 

 まもちゃんは大学生で大人寄りだけど心が通い合ってるし、まもちゃんだし♪ 

 

「カオリナイトさんって海野くんの家庭教師をなさる前は、なにをされてらしたんですか?」

 

 んなあたしを無視して堂々とばんばん訊いてるなるちゃん。初対面の人相手に凄いよあーた。

 

「守秘義務もあり詳しいお話はできかねますけれど、以前はとある生命体の研究をなされている遺伝子工学の権威の方の助手をしておりましたの。個人的にも生物学や天文学等の研究をしておりましたわ」

 

 生物学って……ダイモーンのこと? 

 

 あ、あれって生物学なの? 

 

 うう~……なのかな? よくわかんないや。

 

 うんさっぱりわかんない。どうせ亜美ちゃんみたく天才じゃないさ。あたしゃね。

 

 考えても仕方ないからあたしは無難に行ってみよう。

 

「すっすごいですねえー。でもそれならどうして其方の助手をお辞めになられて家庭教師を?」

 

 あたしは訊いた、ここに海野との詳しい接点があったんじゃないかって。

 

「職場仲間との諍いがありまして……、その丁度同じ頃にぐりおさんと色々ありましたのよ。それが職場を退職する切っ掛けとなりまして、故あってぐりおさんの家庭教師となりましたの。べつに後悔などはしておりませんわ。わたくし、いまの生活のほうが前よりもずっと楽しいと感じてますもの」

 

「へ、へェーなるほどー」

 

 うう、肝心のとこはぐらかされた。

 

 結局海野から聞かされた十番街の交差点の信号待ちで出会った以上のことはわからず終い。

 

 それでも良かったかな。とりあえずのとこカオリナイトへの警戒については下げても良さそう。

 

 傍から見ている分には海野もカオリナイトもなんか、幸せそうだから。

 

「なによりもぐりおさんと共に過ごせる日々に代えられるものなど今のわたくしにはありませんわね……きっと、何に代えても」

 

 愛が有って幸せなのは良いことだもん。

 

 それは、あたしにだってよくわかるよ。

 

「カオリナイトさんは海野くんのこと愛してらっしゃるんですね。心から」

 

 なるちゃんの言葉。

 

 彼女は答える。

 

「えっ!? ……ええ、まあね……」

 

 少し。ほんのちょっぴり焦り気味に。

 

 それが冷徹な彼女らしくなくってあたしも心があったかくなった。

 

「ぼ、僕もですよ! 僕もカオリナイトさんのこと心の底から──」

 

 海野も続くけどあたしは敢えて遮ってみた。

 

「誰もあんたには聞いてないって」

 

「そんなぁ~」

 

 落ち込みモード気味に肩を落とす海野。

 

 そんな彼を見てカオリナイトは笑う。

 

「おっほほほほほ。ぐりおさんにはまだ早い台詞ですわ」

 

「は、早くなんかありませんですよォちっとも!」

 

 あたし自身、愛の大切さをよっく知ってるから。見てればわかるんだよ二人のお互いへの気持ち。

 

 それを自分から壊そうだなんて、女なら誰だって考えたりしないよね。カオリナイトだってきっと、ね。

 

 

 

 そんじゃま、カオリナイトがよからぬ企みを抱いているかもといった懸念については一応のところ晴れたということで、海野のプレゼント選びサポートに集中するとしますか。

 

 

 

 

出してほしいキャラは誰ですか?本当はもっと書きたいですデマンドとかちびうさとか(期待に応えられるかは分かりません)

  • カオリナイト
  • 海野ぐりお
  • ユージアル
  • 天野ぐりかず
  • 地場衛
  • 月野うさぎ
  • ネフライト様
  • 大阪なる
  • テルル
  • ビリユイ
  • シプリン
  • プチロル
  • 水野亜美
  • 浦和良
  • 火野レイ
  • 木野まこと
  • 愛野美奈子
  • 天皇はるか
  • 海王みちる
  • 冥王せつな
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