遅刻の心配はいりませんですって? by海野家の家庭教師
ある日の朝のこと、ベッドから飛び起きた海野が目にした時計の時刻はいつかの日を思い出させる登校時刻の10分前だった。
「遅れちゃいますよォォォォ~~っ」
急いで着替えたとして着替え終わるまでに1分。顔を洗い、朝食を食べてさあ間に合うのか?
間に合うわけがないだろう。学校までの距離がこれに加算されるのだ。もう遅刻は確実である。以前に似たような出来事があったからこそ分かる。走っても間に合わないと。
ましてや体力不足の自分では尚のこと10分で学校へ行けなど不可能な所行だった。
この日もいつかと同じで隣で起こしてくれる恋人がいなかったのだ。正直なところ彼には心当たりが有り過ぎるほどに有ったのだが、この場に彼女が居ない以上は訊くことも“謝ることも”できやしない。
ベッドの直ぐ隣に設置していた衣装ダンスの側面に貼り付けているカオリナイトの写る大きな写真は妖しく微笑みかけている物の、写真なのだから彼を起こしてくれるような事はない。これもあの時と同じ。足下側の隣にある小物や衣服を仕舞う三段式箪笥の上にも通常サイズの写真立てに入った彼女の写真は飾ってあった。他でもない自分の愛する人の姿はいつでも何処でも目に入れておきたいのだ。
「おはようございますカオリナイトさん」
写真立ての彼女にご挨拶。毎日欠かさず、というわけでもなく。彼女が傍に居てくれたならば彼女本人に挨拶する。大抵は“おはよう”と甘い口づけを交わしてくれるから一発で目が醒める。
衣装ダンスの大きな写真には『だって純情ですのでどうしたら』といった一文が書き加えられていた。大人の女性であるカオリナイトをリードして差し上げるにはどうすれば良いのだろうか? そんな彼の悩みの一言だ。
なにせ恋人同士──を通り越して、結婚を前提としたお付き合いをしているにも拘わらず、海野は未だに彼女と腕組み一つするだけでもどぎまぎしている。
彼女にリードされながらではあろうとも、愛し合う男女の最後まで進んでおり、口づけ──キスだけで言えば、ほぼ毎朝寝起きに交わしているというのに、自分はといえば、カチンコチンで受け入れるだけのされるがまま。
カオリナイトはそれでいいと言ってくれているが、それは男としてどうなのでしょうかと、どうしても考えてしまうのだ。
もちろん大人の彼女と、中学生の、子供の自分では、どうしたって不釣り合いになってしまう場面は幾多にも渡り出てくる。
デートでも、買い物でも、男女の以前に大人と中学生では好みや嗜好性に結構な違いが出て来てしまうのだから。
だから“立派な男として今夜は全力全開で大人の恋に挑んでカオリナイトさんをリードしてみせるぞーっ!! ”といった勢いのままに父の持ち物に手を出してしまった。
その結果が昨夜から明け方にかけての超長時間な愛の交接へと繋がってしまい、愛するが故に彼女に対して大きな負担を掛けさせてしまった。本末転倒もいいところだ。
ともかく昨夜色々あった末に、自分のパソコンで画像処理を行い書き加えていた一言の付くその写真に向っても寝起きの挨拶をしていた海野は、余裕ぶっている場合じゃないと、急いで制服に着替えてはどたばたとリビングに駆け込んだ。
そのリビングに、恋人であり婚約者としてのお付き合いをしている大人な美女カオリナイトはいた。いま一番顔を合わせたくて、だけども同じくらいに顔を合わせづらい女性が。
「おっ、おはようございますぅ……、カオリナイトさん……」
大切な恋人への挨拶には、とても平静ではありませんという彼の心情が表れている。彼女に対する申し訳ないという気持ちばかりが前面に出た、実にぎこちない挨拶だ。
対してカオリナイトはといえば、余裕を持って彼を迎えてくれた。
実に彼女らしい冷静な表情──。一見、そのように見えても、頬の下に染まる朱色は隠せない。唇に曳かれた口紅の紅ほど濃くは無くとも、肌が白いだけあって目立つ。
「あらっ、ようやくお起きになられましたのね」
服装はいつものVネックのワンピースだった。同じブランドで同じデザインのこのワンピースは彼女のお気に入り。色違いで数着持っている。
髪型も寝ているときにしている三つ編みではなく、“昨夜海野自身がほどいてしまっては乱れさせてしまった状態でもなく”、髪の一部を編み込んで結い上げたいつものポニーテール風で、それが同時に安心感を誘い、そして家庭教師ではないもう一つのお仕事、一種の家政婦としての制服たる白いエプロンを着けていた。
とはいえエプロンを着けていることは殆ど無い。今日もなにか朝が早いと言っていた両親の朝食を作っていたのだ。そして海野への愛妻と呼んでもいいだろう弁当も。
「ごめんなさいね、起こしてさしあげようとは思っていたのだけれど」
朝食作り、両親のお出掛けの手伝い。となれば“散々好きにやってくれた上で”ぐーすか寝ている坊やを起こす暇はない──今朝に限っては自分で起きなさいといった趣旨を海野は感じ取れた。
「それと、こちらはついでの様なことでしょうけれど。昨夜のぐりおは持久力が有り過ぎましたわ」
「あっはは……それほどでも……ボクって運動音痴ですから、自分でも正直びっくりなんですぅ……」
カオリナイトの指摘に真っ赤になって照れながら、ぐりおは自らの頭を掻いて俯く。
持久力という指摘は当然スポーツ等の意味での指摘に非ず。実は昨夜、父が試供品として貰ってきたという精力増強剤を、立派な男にといった考えのもと興味本位に飲んでしまったが故に、一時的に異常に増大した精力の総てを、髪を三つ編みにして纏めネグリジェに着替えていた──つまり、就寝の支度を調えていた彼女へとぶつけてしまったのだ。
◇
『パっ、パジャマ脱いでくださいませんかっ!』
いきなりのひとこと。
ネグリジェの下にはなにも付けてない。ワンピースの時にも、家庭教師モード時の衣服である白衣の時も下着は着けている物の、ブラは付けていないことが多かった。
別に恥ずかしくはない。見られないようしっかり衣服を整えておけばいいと考えているから。
それに大きな胸をしていながら当年28歳のカオリナイトの胸には若いモデル並みの張りがある。だからこそ可能な芸当とも言えた。
そんな彼女は、普段なら恥ずかしがって自ら言い出すのにも、もごもご。そんな彼が大声で主張してきたことに珍しいと感じ、言われるがままにネグリジェを脱いだ。そう脱いでしまった。
それが始まりの引き金となるともしらずに。
“ぼふッ”いつも二人で眠る愛のベッドに押し倒されたカオリナイトの両脚が、ぐいっと大きく開かれて、股ぐらを、美しく瑞々しい花弁の口を左右へと割られた。
『あっ、ん……、ずいぶんと乱暴ですわね……っ』
小柄でボサボサ頭の眼鏡少年による、殆ど強姦に近いくらいの強引さに、多少の苦言を呈すカオリナイトだが、海野はその間にも引きちぎらんばかりの勢いで自分の衣服を脱ぎ捨てて、そうしてさらけだした己の男根を彼女に見せつけながら開いた脚の間に、ふくよかでムッチリとした太ももの間に無言で身体を入れた。
『な、ぐりおあなたっ、な……なんて──大きさなの……っ』
太く逞しく、血管すら浮き出るほどに勃起した海野の男根は噴火直前か、噴火する瞬間を思わせるかの如く脈動していた。
カオリナイトは海野と愛を交わし、軽く100は数えられるだけ以上の交わりを行って来た。
純情な彼には不可能な事ながら、強引に迫りさえすれば大人であるこちらへ合せようとしてくるのだ。
大は小を兼ねると言うが、大人が子供──中学生に合わせてなど居られない。
二人で寝るベッドでを基本として、時に浴槽、時に誰もいないリビングで愛の交接を交わしてきた。
幸せだった。組織(デスバスターズ)で暗躍しつつ、危険を伴う任務や、背中を見せられない部下という名の内なる敵と付き合いながら、暗黒の世。世界征服を目指していた大きな野望の一端を担う者としての自覚があったころよりもずっと、いまの方が幸せだ。
それだけに愛し愛される幸せを知った彼女は、結婚を前提としたお付き合いの下で海野に性アピールをし、彼は応え、愛し合ってきたのだ。
だからこそ知っている。海野の年齢的にも、彼という男の保つその精力や象徴がこんなにも大きくなることはないと。
それがいまはどうだ。普段愛し合うときと比較して、ひと回り半ほどの太さへと見事な変化を遂げていた。
初めて観る大きさだった。立派……そう、とても立派で逞しく、男としての力漲る硬く大きな力強さに満ち溢れた男性器だった。
それが前戯もなされないままでいた彼女の秘口へと宛がわれ。
『ちょっと待ちなさ──』
彼女の制止の声を振り切るかのように、衝突させるのと変わらない勢いで突き出された。
“ぱぁんっっっ”
カオリナイトの腰へとぶつかった大きな音と。
“ずぶぅぅぅぅぅぅ────―っっっ!!! ”
硬い肉に、柔い肉が引き裂かれていく音。
『んあああっ──!?』
そして腰の全面部中央にて“ギンギン”と漲り、完全勃起を果たしていた海野の男根によってもたらされた、亀頭部全体を使用しての子宮口へと向う突き込み。
花弁から奥へと続く道を突き抜けさせられては、肉襞を抉り、そぎ取るようなズンッとした重い一撃。
一瞬“ビクンっ”と大きく背中をベッドから跳ねさせた、否、跳ねさせられた彼女の息が止まる。
無論、そのような一撃が、力に満ち溢れた突き込みが子宮口で止まる事はない。
『はっあ──あっんんっっ!! ふ……かいぃ……っ』
亀頭の鋭角に尖る部位を胎内にまで貫き通されてしまったカオリナイトの、悲鳴と変わらない、喘ぎ。
『おっ、おお……きいっ……ハアァァっ、 ッああ! なっなんておおき……さっ、あ……ぁぁン──―っ!!』
部屋に木霊した嬌声は、きっと海野の両親にも聞こえていることだろう。
しかし、両親は二人の関係を知っているが故になにも言うことはない。
いつものことであり、愛し合う二人にとって良い事だと、自分たちまでが久方振りだからと事に及ぶことさえあるのだから、カオリナイトは重い一撃を受けて喘ぎ悲鳴を上げる事に躊躇などしない。むしろ声を、喘ぎを押し殺すことなどとても適わない、力強い突き込みだった。
腰、というよりも、股間と股間がぶつかり合う音。愛撫もなく、ただ閉じられていた秘肉を掻き分け引き裂く、肉が肉を引きちぎるような音。そして膝を立て、両の手を斜め下に伸ばして、シーツを掴みながら、子宮口を突き破られた事を感じた甘くも強い痛み。
開いた口より迸る叫び声と等しいカオリナイトの悲鳴。
同時に発生した三つの音を皮切りにして、昨日の夜の営みは始まった。
突き込みは浅い場所から胎内の入り口付近までという深い場所までの大きなもの。
一定のリズムを保ちながら彼女の膣肉はこすられ、裂かれ、秘口より止まることなく愛液を沸き立たせている。
時折胎内にまで入ってくる切っ先に、カオリナイトは気が狂いそうに喘いで、熱い吐息を吐き出し続けている。
『うっうう……んっ、あっああっ……ん、あっあ……はっあああっ、あっ……ああっン』
彼女の喘ぎは当然の如く、海野の射精感を誘う呼び水となる。カオリナイトの喘ぎ、それは海野ぐりおにとってとても甘露なる響きなのだ。
彼女以外の喘ぎを耳にしたところで、興奮するまでで収まるだろう海野だが、彼女の喘ぎだけは、自分が喘がせる彼女のこの声だけは、特別なまでに彼の刺激を誘うのだ。
その強烈なる刺激は、挿れた男根の先──最も接触した面から脚へ、すり合わせられる脚から彼女の太腿を抱き上げる腕へ、腕から身体を通り抜けて頭まで、カオリナイトに対して行う射精感による痺れに繋がっていた。
『でっますううう~~~ッ』
達しそうになるとカオリナイトの胎内まで亀頭部を貫かせる海野。
歯を食いしばり、陰嚢から精を出して、彼女の膣に収めたペニスの更に内側にある精の通り道を通じて、海野少年はカオリナイトの子宮へと直接的に精子を出すのだ。
躊躇? 遠慮? そんなことするものか。
全部出せばいいんだ。
このひとは、自分の総てを吐き出してもいい、この世でただひとりの愛する女性なのだから。
想い募らせたその先で海野の男根は“ドクンっ”まるで心臓の音のように、彼女の中で大きく大きく爆ぜていた。
『はッあああ~~~~っっっ……! あ、あつい──……! ぐり、お……っ、なんて熱くて濃い……っ、精子……っ、わ、わたくしッ、こんなにも濃厚な精子っ……っっ、はじ、めて……っっあああ!! っあっああ、きもち……っ、いいっ……っっ、ああっんっ!!」』
注ぎ込まれてくる精子の温もりと、胎内へ溜まり行くその過程を味わわされては達し、イってしまうカオリナイトの絶頂の喘ぎ。
夜の生活はこのベッドか、二人一緒に入る風呂場でが多いが、口にしろ本番にしろ毎日一度は射精をさせているのでこんなにも濃くなることはない。
性交をしない日などにも余計な本やビデオなど、万が一にも自分以外の女を見て劣情を抱くことのないよう、カオリナイトは下半身を出させた彼を自分の膝に座らせて優しく扱いては出させているのだ。
そのときは、カオリナイトがいつものワンピースかネグリジェか。とにかく衣服を着たままでベッドサイドへと座り、その彼女の膝に下半身裸の海野が座るといった体勢。
白衣の時もある。白衣姿のまま、下着類だけを脱ぎ捨てて。
海野を身体の奥底、胎内まで迎え入れ、幾度もの射精を受けては達する事も。
もちろん海野が口でして欲しいと言う事が出来れば口でしてあげるだろう。
本番がしたいと言えればきちんとセックスを行う。
ただ、海野はそんなことを平気で口に出来るような性格ではないために、彼女が手を引く形での愛の確かめ合いとなっている。
海野が出来るのはデートのお誘い、贈り物、等々、年に見合ったお付き合いくらいだ。
もちろんカオリナイトはそんな形でも海野からのものとなれば嬉しいし。
デートの最後に勇気を持って彼の側から勇気を振り絞っての口づけをされるときなど年甲斐もなく頬を赤らめながら、ひとりの“少女”となってしまう。
それがどうだろう。今夜、いまこのときは精にどん欲であれだけ抜いてあげているというのに濃厚に過ぎる精を胎内へと出してくるのだから、カオリナイトとしてはもはや“少年”ではなく、“男”を前にし“男”に激しく抱かれ愛される”女”となるしかなかった。
これほどまでにどろりと濃厚な身体が感じてしまうほどの精液には、いったいどれだけの数の精子が内包されているのだろうか? 幾億? 幾十億? こんな射精を受け続けていれば受精してしまうのではないのだろうか。
実の処で言うとそれはべつに構わない、好きな異性の子を受精し生むのは女としてのさだめ。
カオリナイトという女は、海野ぐりおという男の、そういま自分を抱いている少年の子を生む。そういう星の下に生まれてきたのだ。
もしもの話ながら、海野が子供を生んでくださいというのなら、排卵日を選び一日中性交に耽っても構わない。
カオリナイトが海野の子を成すのは運命に導かれた当然の帰結なのだから。
『カっカオリナイトさん~~~~~ッ!!』
自分がセックスをしている愛しい女性の名を呼びながら、海野はまた“どくんどくん”カオリナイトの中へと精子を送る。
幾らでも出てくる。幾らでも生成される。永久機関が備わったかのように無限の精力が湧き出してくるようで、とにかく愛する女性との交接のみを考えざるを得ない不思議な感覚に陥っていた。
考えるまでもなく海野が愛する女性とはカオリナイトで、交接を行うのはカオリナイトで、呼ぶ名はカオリナイトという名前だけ。
ヘンな精力剤の効果など無くともそうだろうし、女性を思い浮かべるときには彼女しか出てこないくらいに好きだから、愛しているから。
ただ、ヘンな精力剤は間違いなく自分をおかしくさせている。そんな感覚は海野にもあった。
『あッああ~~~ッ、ぐりおォォォォ~~~~~っっっ』
自分を抱いている、性交をセックスを、男女の交わりを交わしながら、股間に股間を衝突させつつ、感じた事がないほどに硬く大きく太く、そして逞しい男根に胎内まで貫かれては、出し続けられる精子を受け、愛おしい少年の名前をカオリナイトは叫ぶ。
時計の針が一つ回り、時計の針がまた一つ──回る。
短い針は一つの数字を指し。また暫く後に次の数字を指す。
時は止まることなく経過していく中、海野とカオリナイトの交わりだけが変わらずに続いて行く。
『あっ……っ……うっ、んう……ぁ……ぁぁっう』
経過する時間はやがてベッドの中央に仰向けとなっていた妖艶な美女の声音をか細い物へと変えていた。
無秩序に投げ出された腕の先のその手は弱い力でシーツを掴み。
染み一つ無い白く美しい肌は全体的にうっすらと朱が射していた。
顕著なのは彼女の顔、特に頬など上気し綺麗な桜色になっている。
性交の熱と興奮、そして疲れなど複数の要素が冷酷冷静な女性を、蕩けさせていた。
『はあっ……はあっ……はっぁぁ……ぐりお……んっあ……わた、くしっ』
苦しさと快感の入り混じる荒い呼吸は、もしもこの部屋が寒ければ白い霧状となって彼女の口より出ていたに違いない。
捲れ上がるような、裏返ってしまったかのような充血した肉芽が、また硬い肉に撫でこすられる。
『んっああ──……っん……んんっ……っ……っ、んあっあ……っ、ぐり、おっ!!』
しかし、それは本体が深く収まるカオリナイトの花弁の中でこすれあう感触にくらぶれば、まだ可愛い物だった。
突き込みに揺れる大きな乳房。これもまたその先端は充血して桜色が赤へと変わっているようにも見える。
なんどもなんども揉まれ・はじかれ・摘まれて、そして吸われていたからだ。
海野はたまに積極的になるときにはカオリナイトの乳房を揉みし抱きながら、その乳首をまるで赤ん坊のようにちゅうちゅうと吸う事がある。
その行為に母性を擽られてしまう彼女は彼女で、彼の頭を掻き抱いては、洗っても梳いてもどうしてかボサボサなままという変わった癖っ毛な髪や、頭を撫で、彼をあやし、授乳と同様の行為をされ、またさせては母親の気分を堪能する。
それは近い未来に生まれ来る海野とカオリナイトの赤ちゃん。その子育てという本番を前にしたいい予行演習となっていた。
無論、論ずるまでもなくこれは性的な愛の交接のひとつであることも彼女は理解して、海野に乳房を吸わせてあげるわけだが、愛の詰まった行為は近く来る時を前にした夫婦としての、母親としての自分を意識してしまうものなのであった。
そうしておっぱいを吸われていたカオリナイト。肌の色が変わるほどまで熱っぽくなってしまった彼女の身体には、当然の如く多量の汗が浮き出、噴き出し、腹や胸の谷間をさながら樋伝いに落ちていく水のように、大玉に成長した汗を流させていた。
『はあっ──あっ……ううっ……っ、きもち……いいのっ、かしら……っ、ぐりおっ……はっ……っ』
『もちろんっですよ……っ、きもちいいにっ、きまってるじゃないですか……っっ』
金色に輝く虹彩を持つ紫色の瞳は潤み、吊り上がった切れ長な目も、細く長い眉も、力無く下がり気味。
本来持つ冷たさを感じさせない蕩けた表情となっていた。
つまりカオリナイトはいま、愛の行為を受け入れているだけの、ただの女性なのだ。
変化がないのはせいぜい就寝前だからと、一本の三つ編みにしっかり束ねられていた、艶やかさのみを湛えた赤色の長い髪だけだろう。
もしも髪をほどいていたときにこの状態へと突入していたならば、髪は乱れに乱れきって、翌朝のブラッシングと結い上げが大変な事になっていたはずだ。
まあその大変な事にさせられる時は直ぐ其処まで来ていたのだが。
『ですがっ、ちょっとあまりにも……っ、きもちよすぎって……っ、とっ、とまらない、んですっっ……・身体がっ、心がっ、カオリナイトさんを求めて……っっ……っ! うっくううう!!
そしてこんな予想だにしなかった長丁場のセックスを行う張本人。
カオリナイトを求め続ける海野の小柄な身体は。
立てられたままの彼女の脚の間に未だ入れられており。
彼女の膝を下から掬い上げるようにして抱えたまま、一心不乱に腰を前後運動させていた。
もちろん、その男根を彼女の花弁へと挿入させたままで。
『気持ちいいっ、心地良いっ、どうしてこんなおかしくなっちゃうくらい求めてしまうのかっっ……っボクにもわからないんです……っ、とにかくっ……、とにかくあなたを抱いていたいんですっっ、愛するあなたをっ、あなただけをっ、ッああ! カオリナイトッ! カオリナイトッ!』
『あっああ……んっ、……んんっ……っ、ん……んはっ……あ……ぐりお……っ、激しいですわ……っ、けれども……っ、こんなにきもちい──っああん』
気持ちが良い。あまりにも気持ちが良い。それはおかしなほどに気持ちが良すぎた。
いつもしてもらうとき、いつもされるときとは別種の征服感と、尽きないカオリナイトへの欲望が、次々と沸いてきては、彼女の中へ思いの丈を送り込まずにはいられない。送らずにはいられないほどに強い強い性欲──愛欲と、肉欲と、そして愛情が彼を支配していた。
彼女にもその思いやその行為、感触は直に伝わってくる。身体を一つにして求め合っているのだから伝わらないはずもなかった。
一点異なるのは、いま彼女自身は一切の主導権を握れていないこと。
性交でも普通の生活でも、総ての面において彼女は海野をリードしている。それは彼女の性格と海野の性格が、自然とそういった関係を形作る物であるからに相違ない。
強気で冷酷なカオリナイト。弱気で、勇気はあったりする時もあれど、何処か決められない決まらない海野ぐりお。
恋人にして婚約者にして家庭教師。そういう間柄で対等な関係にあっても、勝手にカオリナイトが上で海野が下という関係になってしまうのだ。
しかし今夜は、このときは違った。
海野は獰猛なる野獣と化して、カオリナイトという愛する美しき美女をまるで獲物を捕らえて放さないかのように抱いていたのだ。
カオリナイトは気づいていた。己が名を呼び捨てとされている事を。
海野がカオリナイトを呼び捨てにするほどのセックスを行う。
それは、それほどに強い愛情の発露であるという事を、カオリナイトは経験上知っていた。
『うっ、うう……っ。ぐり、お……っ、も、もうわたく、しはっ、限界……ですわ……っ、ぁぁ……ぁぁっ』
もう無理。疲れた。だから終わりにしましょう。
意思を伝えるカオリナイトに、また海野は“ドクっ──! ”っと、中へ押し込んだ男根を震えさせてはひと射精行う。
『ご、ごめんなさ、……ボク、なんかまだ、全然したりなくって……、もっと……もっと、カオリナイトを、抱いていたい……ですっ!』
優しげな普段の言葉遣いや性格こそ変わらずとも、ひと射精・ふた射精・み射精。捕らえた美しき獲物に己の精を解き放つ。
そうして切りよく止まるところまで注ぎ込んだ海野は、彼女同様に、その彼女へと自分の意思を伝えながら、子宮の口のそのまた向こう側まで男根を押し込んだまま、自分は身体を倒して一度その彼女の浮いた背の下へと腕を入れると。
『ふんんん──っ』
腕に力を入れて彼女を抱き起こした。不用にも抱き起こされてしまったカオリナイトは力の入らない身体で海野にもたれかけては、首だけは何とか倒さずに眼鏡少年が行おうとしていた口づけに応じた。
この不用な抱き起こしは唯々愛に溢れた深いキスをする。そのための行為。
『んう……っ、んっちゅ……っ、あむっ、ふうっん……ンンン──』
カオリナイトの舌がまず海野の口を通して中へと入り、右の左の、上も下も、彼の口内という口内をなぞり・触れ・舐め、そうして唾液をなすり付けながら、最後は彼の舌によって拘束され動きを封じられる。
これ以上の勝手は駄目、貴女の舌はボクのもの。絡め取られた舌はまず舌先同士からの触れ合いに始まり、続いて側面同士を併せては擦り付け塗り込む作業へと切り替わった。
その途上で絡み合う舌は導かれるようにしてカオリナイトの口の中へと入っていく。
共に入った海野の舌は、今度は自分がそうしなきゃと云わんばかりに彼女の口腔、右奥下歯茎のラインに舌先を入れて奥から手前。
また反対側の左下歯茎の奥までなぞったあと。続いて下の歯を一つ一つ丁寧に舐めてねぶり、まるで歯磨きをしているかのような愛撫を続けつつ、次に上の右奥歯、歯茎と上唇の隙間へ舌先を滑り込ませ、下唇と歯茎の間で始めた歯茎と歯その物への愛撫を行った。
この間、放置されていたカオリナイトの舌は、侵入してきた小さな舌に、舌先だけをつつかせながら時折側面にてなぞり、すりつける程度に留めていた。
留めるしかなかったからだ。それだけ体力を消耗させられていたのである。ねっとりねっとり、絡み合う舌に隙間が生まれる都度伸びる混ざり合った唾液。
甘く酸っぱく、無色透明の温かい唾液を飲ませ合いながらキスは続くも、カオリナイトの方が混ざる唾液を飲まされる量は多かった。
こうなったのは海野が野獣化していた事に加えて、彼女の体力が失われつつある証明でもあった。
セーラー戦士達や、仲間割れの末に戦闘となったシプリンとの半ば一方的に受けさせられた攻撃。
これらの戦いでも充分持ったはずの体力が消耗するほど激しさと優しさ、力強さと緩やかさの入り混じった性交に、カオリナイトは堪えられなかったのである。
要因はそのセックスの時間と回数だ。愛撫も無しに胎内まで貫かれて始まった性交はもう6時間になろうとしている。
早く寝ましょうと言うから早々に家庭教師としての仕事を終わらせ夜9時、つまり21時には就寝するよう早めの入浴と、共に入浴しながら風呂場で行った僅かな愛の確かめ合いに止めた今夜。それがもう日を跨いで午前3時になろうとしているのに海野はまだ続けようとしているのだから予定外にもほどがある。
いくらデスバスターズの幹部として仕事に戦闘にと、時間など問わず取り組んできた彼女も、こう快楽ばかりを6時間も与え続けられては思考も体力も、持つはずがないのだ
『くちゅ、んんむっ……んっンン──』
蛇のように絡み合いだした舌。二人が共に求めて愛を込めながらではあったが、終始海野が支配していたような感じだ。
海野の舌がカオリナイトの舌裏筋を、口腔底よりゆっくりなぞる。唾液を塗り込み、はたまた彼女の唾液を自分の口へと誘導したりしながら、彼は一方的な愛で彼女に接する。
『ちゅ、んっ……んうっ!』
もちろん疲れに襲われていたカオリナイトも大人しくされてばかりなのは性に合わない。
本来元々が自分は攻める側であり彼は受ける側である。性格は冷たく冷静で強気、計算高く常に相手を上には立たせない彼女らしかった。
それが中学生の、更にただの貧弱なボーヤから為す術無くされている。
しかし悔しさはない。愛故にの行為の果てがこれならば諦めも付こう。
ただ、まったく悔しくないかと言われれば、彼女はNOと言う。
こんな一方的なセックスを長い時間受けさせられて、黙ってやられてさあ終わり──にさせてあげるほどには彼女という人間、優しくはない。優しくはないが、いまはもうどうしようもなかった。
(うっんん……、あっ……はあっ……! み、みてなさい……そのうち、この借りは返させて、いただきましてよ……っ。黙ってされるがままなんて、幾ら相手がぐりおでも赦せませんわ……っ、──ああっ、でも……っっ、……き、きもち……いっ……、ぐりお……っ、ぐり、お……ッ──―ッああ! ああ!)
既に濡れに濡れた自分たちの股間。そこが大きく“じゅぱぁぁン”と鳴り響いて、正常位から抱き締め合い、対面座位──正確には、一方的に抱き起こされて無理に付き合わされているような態勢のまま、海老反りの如く背が反りに反り返ったカオリナイトは、胎内へ注がれてくる海野の熱く煮える精を感じながら、今日一番の絶頂の果てに悲鳴という嬌声を上げながらぐったりとなり、自らの身体を支える一抹ほどの力までも失ってしまった。
長時間の交合に続くキスをされながらの射精が彼女へのとどめとなってしまったのだ。
力を失ったカオリナイトは再び海野の小柄な身体に全身をもたれかけさせ、今度は追加で首を彼の右肩に載せた……いな、倒れかけさせた。倒れかけさせた反動で流れ落ちた三つ編みが海野の背中をばちんと叩き、長丁場の性交で振り乱されることも多かった三つ編みのゴムが解けかけてしまった。
ならばもういいでしょう。とばかりに。カオリナイトの長い三つ編みをそっと静かにたぐっては、ほどけかけた緩んだゴムを海野は抜き去り彼女の髪を解いてあげた。
『カオリナイト、髪をほどきますね』
三つ編みを、編み込まれているのとは反対に、順繰りに解いていくぐりお。ぐりおはカオリナイトの綺麗で艶やかな紅玉の色の長い髪が大好きであった。
自然の成り行きのままに解かれる事となったカオリナイトの赤色の長い髪。解かれたことで、艶のある真っ直ぐな赤いその流れが、海野の小柄な背中やお尻へと流れ落ちて覆い尽くし、そしてその髪の動きを最後に彼女の身体は動きを止めた。
振り乱され続けた末に海野の手でほどかれてしまった三つ編みにしていた赤い髪も。
がつがつとぶつけられては振動していた腰も。
侵入してきた猛り狂う逞しきペニスへと絡みついて蠢いては締まり続けた彼女の中も。
折れてしまいそうな程に反りに反り返っていた背中も。
揉みし抱き吸い上げていた、大きく豊かな、柔らかさと張りを持つ白い両の乳房も。
総ての動きが止まってしまった。
『カオリナイト……?』
海野が呼び掛けても彼女は返事をしない。ただ荒くも一定の呼吸音だけが響くだけで碌に言葉も発せないようなのだ。
長時間の性交に失われた体力が、彼女の意識を混濁させて、また疲労を蓄積させて、カオリナイトはついに指一つ動かすことすら適わなくなってしまった。
海野はそんな彼女を心配して、呼び掛けたり揺すったりしてみるも、彼自身の胸部に当たる大きな白い膨らみと、その先に色付くサクランボが、自身のけして逞しいとは言えない貧弱な胸部と擦れ合い揺さぶられるだけ。
または右肩に載せられた彼女の頭より彼の背に流れて、汗ばむ彼の背に張り付いていた髪の感触と香りが振りまかれるだけだった。
一本の三つ編みに纏められていた髪はもうほどいてしまっていたので、汗にまみれた背中全体に広がり覆い隠すようにカオリナイトの長い髪がぺとっと張り付いていたが、揺さぶりに張り付いていた髪が引き剥がれて揺れたのみ。つまり彼女の頭なり顔なりが動いたわけではなかった。
右肩に載せられた彼女の瞳は相変わらず閉じている。いつも見せてくれる綺麗で冷たい紫色の瞳は瞼の下に隠れて見えない。
しかし開いた口は荒い呼吸を暫く繰り返しており、やがては彼女の呼吸を落ち着いた物へと変えていったので海野はひと安心していた。
『……』
海野はそんなカオリナイトの長い髪を暫く撫でるだけに止めて、それ以上を行わないよう自分を抑制していた。
ここまで彼女が疲れてしまって、これ以上するなんてできないですよと。しかし。
『実用新案出願中の超強力精力剤。終わった老人でも活力漲る最高の効力を発揮致しますので是非ともお試し下さい』
とかなんとかと売り込んできたひとが、カオリナイトさんのような真っ直ぐな赤い長髪を毛先の方で三つの束に分けて束ね、売り子に海野そっくりの“天野ぐりかず”という助手を連れた“有村ゆう子”という名の白衣の女性に、なぜだか他人の気がしないからと父が貰ってきたという精力剤の大量引用は、彼の性的な衝動を次から次へと沸き上がらせていき、続きの行動を促そうと心身を再び飢えた狼に変えていく。
駄目だ駄目だっ絶対に駄目ですっ。だいたい清い交際を言い続けてきたボクがこんなことを積極的にするなんて駄目ですよっ。
カオリナイトさんから誘われて毎日色々しちゃってますがそれはそれっ、これはこれですっ! ──―っと、我慢に我慢を重ねて汗に濡れた彼女の髪を撫でていた海野であったが、結局自分自身に負けてしまい、彼は彼女をゆっくりベッドに寝かせてあげていた。
もちろん眠らせてあげるためにではない。更なるセックスを敢行し、彼女を堪能するために。
『ごめんなさいカオリナイト、ッボクは、ボクはもっとカオリナイトを愛したいのです!』
いつものポニーテール風でも、就寝時の三つ編みでもない、艶やかで真っ直ぐな長い髪が白いシーツに広がり、大きな二つの乳房の頂点は紅く充血し勃起させ、同じ様に股間の肉芽も勃起して紅くなっている。
四肢はだらりと力抜けたまま、ぴくぴく痙攣するカオリナイトを見て海野は呟き、しかし彼女の太腿だけは立たせて、脚の下に回した腕で優しく静かに抱えてあげながら再び正常位の態勢となった。
『カオリナイト、ボクはまだ……っ、もっともっと貴女を抱き続けたい……っ、愛したいんです……っ、お疲れのところを大変申し訳ないのですが、まだこのままセックスを続けさせていただきます……っ」
じゅっぷ──じゅっ──じゅぶ……。
また花弁の口から、子宮口を貫き通す、深く甘く優しく、割り裂かれる感触と快感に襲われるカオリナイト。
海野の逞しい猛りがこすりつけられる襞、膣内、秘口、子宮口と胎内の入り口回り。
全域に渡ってただ快楽だけを味わわされる行為がカオリナイトには気持ち良く、また、疲労感を蓄積させていく。
『くうっ──うン……あっ……っ、あ、ぁぁ……っ、はあっん、ううっ……うっ……んんっ……わ、わた、くし、ッもうっあ! ああ……っ!』
すり合わされる膝と膝は汗と体液に塗れてぬるぬるとよく滑り、快適なリズムで事を行えている。
たとえ性交時であろうと主導権を握り強気な彼女が、儚げな少女のようにさえずり、喘いでいる。
この初めて聞く声に一時的とはいえ嗜虐心と優越感、そして慈愛的な感情をも併せ持った海野は、欲望のままにカオリナイトの中を蹂躙しながら、彼女にも気持ちよくなってもらえるような出し入れを試み、性交を続ける。
甘い、そして切ない時間は続く。冷酷さの欠片もない甘い喘ぎだけを吐き出しながら、やがてカオリナイトは海野によって行われる奥深い抽挿のみの果てしない性交のさなかに確かな幸福感と心地よさを感じさせられながら、完全に意識を失っていった。
こうして彼女自身は失神してしまうも、やはり猛り覚め止まぬ海野は己の性の欲望に。
否、カオリナイトに対して抱く消火しきれない愛欲に身も心も任せながら、セックスを続けた。
カオリナイトの両の脚の間へと己が身を入れたまま彼女の太腿を腕に抱え、静かにしかし深く腰を振りながら、彼女の股間に自分の股間をしっかり重ね合わせつつ、肥大化した男根を根本から竿。
子種を放出すべき道が口を開けている亀頭の切っ先に至るまで、彼女の中で彼女という愛する女性へと想いを込めて塗り込むようになすりつけながら、押し付け、亀頭部を子宮口の中にまで入れてしまい、そうして愛の籠もった射精を続ける。
時は3時、時間はまだある。
そう、夜明けはまだまだ来ないのだから……。
海野ぐりおとカオリナイトの夜は長い。
◇
「目覚めたら目覚めたであなたはまだわたくしの中へと奥の奥まで挿入したまま。わたくしの胸を枕にして暢気にいびきを掻いていらっしゃいますし。朝の御両親のお手伝いも行わなければならないというのに本当に困らせてくれたものね」
性交の、正常位の崩れたような態勢のまま寝ていたのだ。
彼女とて海野の家庭教師以外にも、海野家の家事手伝いもしているために急がなければと焦りもする。
「ですからあなたの身体、主に腰を押し上げさせてわたくしの側より性器を引き抜かさせて戴きましたけれど、胎内まで刺し貫いていた性器を抜くのですから身体を貫く快感と痺れにまた喘ぎそうになってしまいましたわ。抜いたら抜いたで今度は広がりきったわたくしの彼処より大量の白濁が溢れ出してきて処理するのに時間を取られましたし、まったく朝から手間の掛かることをしてくださったものですわ」
胎内、子宮の中に収まりきらないほどの精。海野自身のモノが栓となっていたその白く濁る白濁が、栓を引き抜いたことで決壊し溢れ出して、彼女の股間も彼の股間も、そして二人のベッドもべとべとに濡れさせてしまったわけである。
「平然とぐっすりおねむなぐりおの股間を拭い、汗まみれの身体をお湯で濡らしたタオルで拭いたあと、あなたの身体を抱き上げてから床に寝かせて、濡れたシーツを敷き直し。もう一度あなたを抱き上げながらベッドに寝かせて布団を掛けてあげてから、わたくしも汗と身体に付着した精や臭いを洗い流すためにシャワーを浴びてと大変でしたのよ? ただでさえ御両親のお出掛けのお支度や、お手伝いをしなければならないというのに髪はくしゃくしゃに乱れていつものようにセットするのも一苦労でしたわ……。まあとにかく朝からする事が多すぎてあなたを起こすところまで手が回らなかったというわけですわね。さ、それで? なにか文句等はございまして?」
「……と、とんでもありませんですっ、文句なんてそんな──全部ボクがやってしまったことなのですからして……」
縮こまる海野に「それならば結構よ」と訴えつつ、そこはカオリナイトも大人だ。
愛する海野に深く、そして強く愛され抱かれることに悦びを感じはしても、それを機に怒る理由など欠片ほども無い。
ただでさえ腕組みをするだけでも緊張するようなウブにすぎる少年が、あの様に長時間のあいだ積極的に求め愛してくれたなどとなれば、それは冷静の塊のような彼女とて悦びと愉悦の感情以外持ち得ないというものだ。
ただ、そんな彼女ではあったが呆れてもいた。呆れ、そしてまた妙にも感じていた。
精力的にも性的にも。それ以前の問題として、日常に置けるデートなどでも羞恥心が目立ち、けして自ら積極的には慣れないぐりおがどうしてか昨夜だけ異常な性欲を保ち、己へとぶつけ続けてこれていたのか。
「す、すみませんでしたカオリナイトさん……、実は夕べから今朝に賭けて何だかヘンになっていたんですボク……カッと熱くなって、頭も身体も、ただただカオリナイトさんの事だけでいっぱいになって、押し倒してはあんなことをせざるを得ない心境になってしまったというか……たぶんですが、お父様が戴いてきたという試供品の精力剤がまずかったんだと思います。本当にごめんなさいですっ──!」
主に性的に、精力的に。尽きない精力をただただ愛する女性にぶつけたくて日を跨ぎ朝が近くなるまでの信じられないほどの長時間、海野はカオリナイトを抱いていた。抱かれていたカオリナイトは止まらぬ性交にとうとう身体や伸ばされきった手足等をぴくぴくと痙攣させながら失神した。そこまでの精力が出続けたのは間違いなくその精力剤とやらが原因だろう。
「わたくしが気を失ったあともお抱きになっていらしたのでしょう?」
抱き寄せられて性交を行われ、再びベッドへ押し倒されて抽挿に継ぐ抽挿、中出しに継ぐ中出しを繰り返された先の記憶はないので、まだ性交を続けられ、続けながら彼自身も限界の果てに挿入して射精しながら気絶した。
というのが大凡の顛末だったのだろうと、カオリナイトは考えた。そして事実その通りだったのだが。
「は、はいカオリナイトさんが気を失われてからもう1時間ほどさせて戴いておりましたです……ごめんなさい……」
「べつに謝る必要は無くてよ。それほどまでに昨夜から今朝にかけてのぐりおはわたくしを欲していた。まあそう考えれば気分は宜しいものですわ。ただその精力剤の使用は以後やめておいた方が良さそうね。相手も自分も気絶するほどセックスを続けてしまうというのは身体によくはないでしょうし、あまりいただけませんわ」
「はい、父にもお伝え下さいあの精力剤強力すぎますのでご使用にならない方が良いでしょうって。ボクが使ったことも言っちゃってください。そのぅ、実際勝手に使っちゃってましたのでぇ……」
「ええ、承りましたわ。まああなたの方が早ければあなたが伝えてくださらない? 御自分のなさったことでもありますし、わたくしも今日は個人的な用で夕刻より夜までのあいだお出掛け致しますので」
「わかりました──―って、あと5分~~~~~ッッ!!」
遅刻までの時間である。
「カオリナイトさんまたテレポートお願いしますぅぅ!!」
「ふう、仕方のない子ね……」
海野の叫びにカオリナイトは彼を抱き寄せた。
「い、いつも思ってますが、カオリナイトさんって良い匂いです」
無茶苦茶してくれて、更に遅刻だと騒ぎ自分を頼ってきた海野の一言に、カオリナイトは彼を抱き締めながらも。
「だまらっしゃい」
ぴしゃりと叱り付けたのち“シュウン──”一瞬にして海野と二人でその場をあとにした。
◇
シュウン──。
「ほらご到着ですわよ」
「ハア、助かりましたぁ、一時はどうなることかと──って、ここどこです?!」
瞬時に辿り着いたことにほっと一息の海野は、そこが学校より大分離れた交差点であることに直ぐさま気が付いた。どうしてかといえば──
「あっ、海野──っ、早く行かないと遅刻だよあんた──っ」
目の前に走ってくる長い金髪をお団子頭にした同級生の月野うさぎが、そのお団子ツインテールを揺らしながら息せき切っていたからである。
「ええ~~っ、うさぎさん~~っ!!」
割と遅刻率高しなうさぎが今日も遅刻寸前で走っていた。その近くにテレポートさせられた。ということは=学校の近くではない。という図式が出来上がる。
「カオリナイトさはぁんっ」
「基本は自分で歩きなさい。泣き言などみっとも無くってよ?」
カオリナイトも蕩けていた昨夜とは打って変わっての冷たさで彼を突き放し。
「気絶していたわたくしを朝まで抱いていたのなら睡眠時間も当然短いもの。寝起きが悪くなるのは当たり前でしょうし体力的にも疲れている。わたくしもわたくしでまだ疲労感が残っておりますし大変だったのですから、あなたも自業自得と諦めなさい」
シュウン──。
最後まで冷たいカオリナイトはにこっと海野に微笑みかけると「じゃあね」と言い残し、早々にテレポートをして、海野宅へと帰宅していった。
◇
うさぎちゃん視点
「カオリナイトさんおはようございます~~~っ」
「おはようございますうさぎさん。早く走らないと遅刻なさいますわよ?」
「だぁ~から走ってんじゃないですかぁっ! とにかくいってきま~すっ! 海野~っ、あんたも早く行かないとアウトだよ~~っ」
うさぎは海野が未練がましくしがみついているカオリナイトと挨拶を交わす。
そうカオリナイトと平然と挨拶をしている。海野の家庭教師の彼女が自分たちセーラー戦士と戦っていたあのデスバスターズのカオリナイトと同一人物だと知った上で。
それはもう危険がない、海野と出逢い恋をしたらしいカオリナイトはもう敵にはならないとわかっていたからだ。
彼女とは現在のところ一応知り合い以上、友人未満の間柄にまではなれている。
それは海野自身のカオリナイトへのプレゼント選びに関わった事が切っ掛けとなっていたがまた別の話。
といってもカオリナイトがうさぎの正体を知っているわけではない。セーラー戦士はあくまでも正体を知られてはならないのだ。
うさぎにとっていまのカオリナイトは結婚を前提とした海野の恋人で、海野の家庭教師で、たまに自分たちにも勉強を教えてくれる美人なおば──もとい、お姉さんという感じだった。
(海野ってば、ま~だカオリナイトにしがみついてる──あのねえ、カオリナイトも恋人であるあんたにゃすっごく甘いらしいけれどさ、一応はあんたの家庭教師でもあるんだからそこまで甘やかしてくれるわけないでしょうが~)
うさぎはここしばらくの交流でカオリナイトが恋人には相当甘い人柄であることをつぶさに見てきた。二人のやり取りや間柄、彼女の海野へと向けるときの表情等より感じ取ったと言ってもいい。まさに自分とまもちゃん、ネフライトとなるちゃんと同じような、愛する相手にはすっごく甘いひと。
でもだからこそ厳しいときには厳しい。まして彼女は海野の婚約者であっても家庭教師。いわば先生だ。教育者だ。だから遅刻のピンチだからといっても原因が自分自身にあるのならテレポートなどしちゃくれないだろう。以前に『これからのボクには遅刻の心配はありませんよっ!』とかなんとか大見得切っていた海野だが、その時は特別にテレポートしてくれたんだろう。
なにがあってかは知らないけれども海野の自業自得っぽいさねあの感じじゃ。
それとね。あたしだってセーラー戦士としての能力を使えばずっと早く走れるしジャンプ力だってある。でもそんな狡いことはしない。特別な力ってのは必要なとき以外に使っちゃ駄目なのだ。必要が無くても使って良いのはそこに狡いなにかが含まれたりしていないときだけ。
まあカオリナイトは元々デスバスターズって敵だったし、詳しいところは分からないけど、学校の遅刻程度にそうほいほいテレポートなんてしちゃくんないでしょ。
と思ってたら海野に「じゃあね」って微笑みかけて、あたしにも「失礼致しますわ」ってカオリナイトが消えちゃって、取り残されちゃった海野が「ひいひい」息を切らせて走ってきた。
どうも彼女は先に帰ってしまったようだ。そりゃまそうなるってば。てゆーかあたしの前でテレポートしても彼女的には問題無いのだろうか? う~ん、でも敵対してたときなんかでも街中でへーきでテレポートしてたし。
まいっか。どーせ彼女がそういうこと出来る人だってのは知ってるから。
「カオリっ、ナイトっ、さんにっ、頼めっ、ばっ、一瞬っ、だとっ、思ってっ、たのにっ、ボクってっ、どこまでっ、駄目なっ、やつっ、なのでっ、しょうかっ」
独り言口走って走ってくる海野。誰に訊かれても意味は分からないだろうけれど、あたしにゃ分かります。やっぱりカオリナイトのテレポートをあてにしてたんだと。でもね、どんなに愛し合ってようが先生ってひとが教え子に甘いことばかりしてくれるわけないのだよ海野くん。
先生じゃないけど、うちのママだって優しいけど怖いんだから。元々怖いとか冷たいとかそんな感じの強いカオリナイトがそうそう甘やかしちゃくれないの。
だいたい駄目ってなにさ駄目って。運動は駄目でも勉強はトップクラスでしょうがあんたはっ! カオリナイトって美人の恋人っていうか婚約者さん? まで出来て、そんで駄目とか言ってたらクラスメイトの反感買っちゃうよあんた。
「カオリっ、ナイトっ、さんっ、時々っ、きびしっ」
どこが? あたしから観るとカオリナイトってあんたには母性本能擽られまくってる印象なんだけど。とくにのろけ話だけ聞くと~、い、行き着くとこまで行っちゃってるみたいだし~、駄々甘っぽい印象しかないよ。
だけども……。まあ──厳しいとこはやっぱ厳しいみたい。それにぜーんぶがぜーんぶカオリナイト主導みたいだし、まあ彼女おば──結構なお姉さんだから仕方ないけどさ。海野が彼女相手に主導権にぎるとかそんなのないない。
いいじゃんべつに。あたしやなるちゃんみたく甘え倒しちゃえば。もち、自分をしっかり持ってだよ? 愛想尽かされたり嫌われたりしないよーに。
でもまあ大丈夫だと思うよあんたならね。あんたとカオリナイトって運命の赤い糸かなんかで繋がってそうなくらい、出逢いそうにないはずなのに出逢って、恋する相手であるなんて絶対無さそうなのに恋して、結ばれちゃったんだからさ。
幸せいっぱいなんだから、ちょっと厳しいくらい我慢しなさいっ!
「げっ、もう予鈴鳴るよっ!」
「ひいっはあっ、ひいっ、ボクっもう駄目っぽいですうっ」
テレポートしてもらおうとか甘いこと考えてるからだよ。
──ってああもう、んなこと言ってる間にこっちまでヤバイよおっ!
とにかくダッシュだあたしっ!!
結局あたしは間に合いました。
秒単位のギリギリだったけどなんとか間に合ったぁ-!
んでもって海野は──アウトでしたとさー。ご愁傷様です。
PS
「みなさい天野、私の言った通りちょっと試供品をくれてやれば性に自身のなくなってきてる連中にはあっという間に完売しちゃったでしょ?」
「で、でもユージアルさんっ、あれって理性を失うとか何とか、変な副作用の話も返ってきたんですけど大丈夫なのでしょうか?」
「はあっ? 副作用ですって? あのね天野、あんたには、あんた自身とあの三條院とかいう美形の金持ちに、大阪とかいうくっそ腹立つミメットを思い出させるようなウェービーヘアの女に助けられた借りがあんのよっ! 私のワゴン車と衝突してこっちの暴走を止めてくれたあの美形の車代いくらすると思ってんのよったく……手段なんか選んでらんないっつーの」
「ですからそれは、そのお車の弁償代はボクが返すと言ってるじゃないですか。それに三條院さんも仰っていたじゃありませんか。代金は別にいらんって」
「だからって事故のもみ消しまでしてもらって私はなにも返さないとか私のプライドが傷付くんだっつーのよっ!! そこらの軍隊が使用しているような火炎放射器なんかゴミみたいな強力な火炎発射砲ファイアーバスターまで作れるこの私がっ、設備無いからってバイア○ラを元にした超強力改良型精力剤やら、風邪薬の類の薬なんか作って小銭稼ぎしてるだけでも情けなくって死にたくなるっていうのにこれであんたに車の弁償代まで払わせたら、元デスバスターズ・ウィッチーズ5のリーダー格にして次期大幹部候補の筆頭でもあったユージアル様の沽券に関わるっての!」
「悪い組織から抜けられてと言いますか、追い出されたことで平和的になれて良い事じゃないですか。風邪薬なんかについては効力が凄いって実際に製薬会社の方からのお声掛かりまでされておりますし、ひとを傷付けたりする物作って売るよりずっと社会の役に立ちますよ」
「ええいうっさい! あんたが何て言おうが、ミメットに復讐するためにいずれ強力な武器を作ってやるんだからねっ! ファイヤーバスター3とかそんなやつをっ。で、もちろんあんたにもミメット復讐作戦には付き合って貰うからそのつもりで居なさいよわかった!」
「えっええなんでボクまでそんな危ないことっ──。ユージアルさんにはぼ、ボクの部屋貸してあげてるだけでも充分以上の協力をさせていただいてるつもり──―」
「ああ~んっ!? なんか文句でもあるわけっ!?」
「ひいっ! あ、ありませんっっ!」
「ないなら一々うだうだと意見してくるんじゃないわよこのクソ中坊如きがっ、高校生で天才で優秀なこの私に対してっっ──!」
そう言いながらユージアルと呼ばれた少女、女性への成長途上にある本名:有村ゆう子という女は、海野ぐりおという十番中学校に通う少年とそっくりな少年で一切血のつながりも関係もない、自分を助けてくれたぐりぐり瓶底眼鏡を掛けている中学生──天野ぐりかずに怒鳴りながらの説教をしていた。
たかが中坊如きにあーだこーだと意見されるのが癇に障るのだ。それでいて彼の協力はいまのところ絶対に必要でもあった。
彼の部屋を借りながら、自分を殺そうとしたデスバスターズ・ウィッチーズ4(現在)のミメットに復讐するために。
「やられたまま引き下がる私じゃないってところを存分に味わわせてあげるわあのガキっ、みてなさいよミメットォォォ──―っっ!!」
「か、顔近いっ、顔が近いですってっ、こんな近くで叫ばないでくださいってっ!」
興奮のあまり天野に対して身を乗り出していたユージアルの、後ろ髪を二束に、前に流した髪を一束に、センター分けにしてピンク色の髪留めで三つの房に分けて束ねられた毛先の、身体の前に流されている一房が天野の頬にさわさわと触れる。
さわさわと触れる髪の房の感触が気持ちいいらしい天野を、そのままの態勢で彼女はじーっと見ていた。天野のベッドに身を乗り出して、彼を押し倒しているような態勢のままで。瓶底眼鏡のダサイ少年のあたふたするその様を。
一方の天野少年はと言えば、やはりユージアルのことを考えて居た。いまのこの態勢のことについてをだ。
すうっと大きく息を吸い込んだりするまでもなく彼女の白衣からは薬品の臭いがする、しかしその薬品の臭いよりも気になる匂いが彼の鼻腔を擽っていた。そう、彼女の白衣の胸元が大きく開いているために、彼女自身の身体の匂いもするのだ。
これに加えて髪の毛の束が頬に触れて更に髪の感触と匂いで彼は頭がクラクラしていた。
「ねえあのさ……ひょっとしてあんた、中坊の、ガキの分際でこのあたしに発情してたりする?」
「は、はつ──っ?! なんてこと口走るのですか年頃の女性がそんな──っ」
発情とは情欲が起ること。または発生することである。
「はいはいそういう正論唱えて誤魔化してんじゃないわよ。で、どうなのそこのところは?」
迫るユージアル。タジタジの天野。で、結論から言うと、天野はこの体勢に持ち込まれた瞬間にはそりゃま健全なる男の子としての反応を示していた。
当たり前のことだ。美人に迫られて発情はともかくとして、なにも反応しない男の子なんてよっぽどのお子様か、同性愛者くらいではなかろうか? 因みに天野は健全な男子であるが故にまあこうなる。
「し、しますよそりゃ……。だって、美奈さんとはタイプこそ違いますけれど、ユージアルさんみたいな年上の美人さんにこんな迫られ方をされちゃガキっぽい、実際に中学生ですが、それでも無反応では居られませんって!」
天野の返しに顎に手を当て考え込むユージアル。
「ふ~ん。年上美人ねえ……この私が」
「美人ですよユージアルさんは。ユージアルさんが美人じゃなかったら結構な女の人が普通以下になっちゃいます」
「ちょ、調子に乗っておだててんじゃないわよこのっ」
ユージアルは乗り出した態勢のままに天野の頭を“ぱぁん”とはたく。
「痛いっ!」
「しばかれたくなかったら余計な事言わないで頂戴ったく、ほんと調子狂わされるわねえ」
実は彼女、そんな事を直接的に言われたのはこの時が初めてのことだったのだ。
組織はボスのおっさん(教授)以外は皆女で男との出逢いはない。それに研究に没頭していてとくに興味もなかった。天野の部屋にころがりこんだのも特別な意味など無い。ただ単に身を隠すのに丁度良かったからだ。親が外国に別荘を持ってるような金持ちで、天野が“懇意にしている発明家さんで、いま貧乏で行き先無いらしくって、ボク偶然助けられまして”等、嘘八百なでたらめ設定を考えてくれた上に、どうにかなりませんかなど両親に頼み込み、発明家だというと変に興味を抱かれて、実験器具に開発費にと、色々と工面までしてくれたのは偶然の産物で実に幸運だった。がそれだけ。
男と女とか、異性の関係とか、そんなことは断じて考えた事もなかった事であり、いま漸く考えたというところであった。
「まあけど実際私のこと助けてもくれてるしねえ」
「いえいえ、とんでもないですよボクなんかが。ユージアルさんを助けたのは三條院さんと大阪さんですよ。車の持ち主はあの方々ですし、ボクは帰りの脚が無くって乗っけて貰ったところをあの湾岸道路であなたの車と衝突して、まあ直接介抱させていただきましたのは事実ですが、それをもって別に恩着せがましくするつもりなんてボクにはありませんので」
友達のパーティに呼ばれた帰りだった天野。脚が無く途方に暮れていたところを青年実業家として有名な、パーティにも参加していた三條院さんと、その恋人の大阪なるさんという美人美男なお二人に助けて貰ったというわけである。その帰り道でユージアルのワゴン車と衝突したわけだ。
スピードからして衝突しなければ彼女は車ごと海へ転落していた可能性が高いと、三條院さんは仰っていた。
「つまりあの二人に助けられたあんたが私を助けた……それじゃ結局はあんただって私を助けてくれたことには違いないでしょーが」
「そ、それはまあそう仰られますと……」
「そのあとからもこうしてずっと隠れさせて貰ってる義理もあるし」
デスバスターズの事情は既に天野にお話し済みだ。仲間割れで追い出されたことも、前にも内紛で追い出された女が居たこともユージアルは話していた。
「カオリナイト……様はもういらないか。カオリナイトも私も、他のメンバーと折り合いが悪くってね」
「ご、ご心中お察し致します」
よくよく考えると実に仲間内が宜しくない間柄の組織だと、客観的立場になれたことでユージアルも考えるようになっていた。
まあそれはそれとして。考えれば考える程むかむかしてくる。
「ああもうむしゃくしゃしてきたわほんっとーに。ねえ天野。いっそこのまましましょうかナニを」
「な、ナニって、ナニですかっっ?」
「そうよ。ま、普段からあんたにゃ部屋借りたり実験器具の資金提供して貰ったり恩もあることだしね。ムカムカしてきたこの気分も晴らしたいことだし、あんたが私としてみたいってならさせたげるわよ」
顔は好みではない、という以前に男に興味は無い。そんな彼女でもこのお人好しな中坊がしたいというなら、させてあげようしてみよう。そんな考えを持つには至っていた。
袖触れ合うのは多生の縁だが、袖触れ合わせ続けているいまは立派に縁が出来ていた。
年下の友人といったところだが男と女。相手がよければしてもいい。自分もまあ興味を持つ年頃の真っ直中であることだしと。
そしてイライラの解消には事に及んで気持ち良くなることが一番いい。無論、お世話になっている天野相手だからそう考えるのであって、美形だろうが何だろうが、赤の他人と身体を交わらせるなどそんな考えは毛頭無いのだが、この少年ならばいいと、彼女は考えたのだ。
「ゆ、ユージアルさんと……、よ、要はその、えっちを……ってことですか?」
「それ以外になにがあるってのよ。あんたの好きにしなさいよ。するならするでしないならしない。私はするってならとことんまで付き合ってあげるわ。こんなことあんたにだから特別ってことだけは覚えていて貰える? 私はね、そんな安い女じゃないのよ」
その後二人がどういう回答にいたり、どうしたのかは翌朝二人を起こしに来た母だけが知っていた。
そしてその日に食べた久しぶりのお赤飯。なんでも天野とユージアルの為に炊いたというそのお赤飯こそがその答えだった。
旧アニメを観る限りではカオリナイトって愛するひとにはとことん甘そうですよね。海野くん年下ですし、普段はとっても甘やかせてくれてますでしょう。
でもその一方では海野くんの家庭教師でもあるので、教育上宜しくないテレポート登校なんてそんな都合よくさせてなんてもらえませんってことですねぇ。
ネフライト様生存によるバタフライ効果でユージアルを助けて彼女と結ばれた設定の天野ぐりかず君ですが、天野君は武内直子先生の『コードネームはセーラーV』に出てきています。本当に海野君と瓜二つの別人だったりします。
出してほしいキャラは誰ですか?本当はもっと書きたいですデマンドとかちびうさとか(期待に応えられるかは分かりません)
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カオリナイト
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海野ぐりお
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ユージアル
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天野ぐりかず
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地場衛
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月野うさぎ
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ネフライト様
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大阪なる
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テルル
-
ビリユイ
-
シプリン
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プチロル
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水野亜美
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浦和良
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火野レイ
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木野まこと
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愛野美奈子
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天皇はるか
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海王みちる
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冥王せつな