10月31日。
秋も深まり、時折冬の空気すら拭き抜ける10月末日ハロウィン。
西洋とくにアメリカで子供がお菓子を貰いに行くお祭りのような日であります。此処日本でもそれなりに知られた風物詩ではないだろうか。
無論、アメリカのように大々的ではありませんが、ささやかにお祝いする家庭もあるのだろうかと察します。
ところで、ボクこと海野ぐりおは中学生。流石に小さなお子様というわけには行きませんが子供の範疇に入ります。
少しばかり大きなお子様となってしまいますけど、このお祭りをボクなりに楽しんでみたいと思うのです。
まず大きな白い布を探して参りました。
布は家にある物ですが使われていなかったのでちょっと拝借。
これを頭から被ります。上手く布の真ん中を頭の上に来る位置に持ってきましてと。
ホントはお目々やお口を書いて差し上げるとより一層それっぽくなるのだけれど。
そう、西洋風のかわいらしい幽霊さんのお姿に……。まあ、即席ですので真っ白いお化けなだけで致し方無しですね。
準備はこれだけ。事前準備とかしてたらまた話は違いますけど下手にパーティーグッズ等を使うよりオーソドックスでいいのかも。
上下青いパジャマの上から大きな白い布。鏡で見ると……うん、電気を消して部屋を暗くしていれば怖い、かな?
「これでよしっと。さて」
廊下を覗く。
「右良し、左良し、もう一度右良し。誰も居ませんね?」
お母様もお父様もおりません。
いま在宅中なのはボクと、もう一人だけです。
廊下の確認を終えたところでいざ出陣。
幽霊感を演出するために廊下の電気を消します。
これで布に蛍光塗料なんか塗ってたらバッチリなんでしょうねえ。
目指すはボクのお部屋。といって意気込んだところでそこからそこなのですけどね。
しかし廊下の明かりを消したのと被っている布で視界が……少し見辛いな。
転倒注意、安全第一で廊下を歩き、辿り着きたるはボクのお部屋の前。
「すぅ~はぁ~すぅ~」
失敗しないように一度深呼吸。
こういうのは第一歩が重要なのです。
背景は電気を消しているので影となっている。
その暗がりの中に浮かぶのは白い物、ボク扮するお化け。
OKです。ドアノブを掴み。
すわっ。
「トリックオアトリートっ!」
開いたドアの先には。
豆球だけが点灯した仄暗い室内があって、ちょうどボクと向かい合う形で……。
背の高い人が一人立っていた。
人……、それを人と呼んでも良いのだろうか。
その人は。
その顔は。
赤黒い物に塗れた青白い顔に、青と緑、そして赤い血管が太く浮き上がり。
開いた口には大きく鋭い牙が突き出している。
見開かれた目は血走り、瞳は赤銅色に輝かせて。
悪魔……。
ゾンビ……。
それは両手を大きく広げてボクを……。
「ひぎゃあああ────ッッッ!!!」
◇
◆◇
◇◆◇
気が付くとボクはベッドに寝ていた。
「うう……」
天井や蛍光灯の明かりは遮られていて。ボクの顔に影を落とす形で、毎日見ている顔がボクを見下ろしている。
「カオリナイトさん……」
ボクの家庭教師であり、恋人にして婚約者──白衣姿のカオリナイトさんがベッドサイドに腰掛けてボクの顔をのぞき込んでいたのです。
血の気の薄い様にも見えるきめ細やかな白い肌、紫色の鋭い双眸に真っ赤な唇。艶やかで鮮やかな赤色の長く美しい髪。
その髪の一部を編み込んでポニーテール風にしている長い髪の一房が彼女の肩口から流れてボクの頬を擽っていた。
いつもと変わらない絶世の美貌をボクに向けて微笑んで。
「おっほほほほ。ごめんなさいね」
口許に指を当てて悪戯っ子のように笑うカオリナイトさん。
化け物、怪物、リビングデッド。
確かに対面した、ソレのいたボクの部屋。
その顔が、その怪物が、なんということか。
カオリナイトさんの右手にぶら下がっていた。
「うひゃああっっ」
右手の怪物は、浮き出た血管に鋭い牙、赤銅の瞳と。暗がりだとさぞ本物としか思えないだろう青白い肌をしている。
「うふふ、よく出来ているでしょう? これ、一昔前にヨーロッパで上映されていたホラー映画の怪物に似せて作られているの」
カオリナイトさんは右手をフリフリしてその顔をボクに近づけてきた。
「この怪物は怖いわよ? 噛まれることは勿論、爪で傷つけられたりこの怪物の血を浴びたりすると、その者もまた怪物と成り果てる」
「ひッ、や、やめてくださいカオリナイトさんッ、っていうかカオリナイトさんだったんですかあの化け物!?」
怖いことを仰ってますが、結果としては怪物の正体見たり枯れ尾花。人魂狐火ならぬお面だった。
「あら、化け物とは酷い」
「ば、化け物じゃないですか、悪魔って言うかゾンビっぽい感じもしますし背筋がゾゾゾッとしますよッ。どこから持ってこられたんですか?」
「映画村」
「え、映画村? 映画村にそんなのあるのかしらん」
「ないわ」
「嘘ですかっ」
「借り物よ」
「か、借り物? う~ん」
借り物にしてもよく出来てるなあ。以前お勤めだった組織の、なにかその頃の伝手とかそんな感じのところからでしょうか?
「今日、10月31日はハロウィン……、ですから、ぐりおが考えそうなことの裏を突いてみたわ。どうやら合っていたようだしね」
カオリナイトさんの視線がベッドの脇に行く、その視線を追いかけるとそこには白い布が折りたたんでありました。
ええ、ボクが被っていた布ですねえ……。
いえまあ怖がらせるつもりではなくですね驚かせて、それでお菓子くださいなーって。
「お菓子?」
「はい、トリックオアトリート、ですので」
「そう……うふふふ」
カオリナイトさんは右手に持っていた怪物のお面を布団の上に置くと、ボクの方へと体を寄せてくる。
お布団を剥ぎ取って、ボクの小柄な体に長身の体躯を合わせて。
「なら、こういうのはいかが?」
白衣のポッケに右手を入れて、彼女はなにやら取り出しました。
片方が細くて反対側が太めな銀紙に包まれたお菓子っぽい物。
彼女はその銀紙を剥いてしまうと親指と人差し指でそれを摘まむ。
「チョコレートですか」
「さあどうかしら」
おそらくチョコレート、を、ルージュの引かれたお口に咥えて。
彼女はお顔を近づけてきました。
まず重ねられたのは両手。
柔らかい手がボクの手を捕らえて。
「えっと、か、カオリナイトさん?」
両手の平の指と指の間に白く細い指が折り重ねられ、条件反射でその手指の間にボクも指を折り込んで。
触れ合った手の平をカオリナイトさんと二人でお互いに重ね合う。
「あ、あの、カオリナイトさん。ち、近い、です」
ぐっと近づく彼女の美貌、微かに見えていた天井が彼女の頭に隠されて完全に見えなくなった。
変わって目に映るのはその美貌と切れ長の瞳。紫色の両眼が潤んでいて吸い込まれそうな程に深い色をたたえている。
赤色の美しい長い髪が彼女の両肩口からさらさらと流れ落ちてボクの両頬を撫でながら顔の周りに広がった。
赤い清流の如く頬に沿って流れ触れたまま、長い髪は甘い芳香と艶めかしさをボクにもたらしてくれ、ドクドクと高鳴る胸の鼓動をなお一層大きくしていく。
「ん──」
突き出されたお顔、そのお口にチョコレートの端っこを咥えてカオリナイトさんは瞳を閉じる。
瓶のような形をしたチョコレートの底の方を彼女が咥え、瓶の飲み口の形をした細い方がボクのお口へと近づけられます。
お顔が近い以前に……、ああ、もう、唐突にこんな。
ボクとカオリナイトさんは恋人同士にして婚約者。
こういう時にどうすべきかなんて言われずともわかります。
すべきことはこうです。
「はむ──」
差し出されたチョコレートの片側を彼女と同じく口に咥えて。
そのまま、つつつっとボクの方へと押し出されてくるチョコレートを待つ……彼女の唇が寄せられ来るのを。
「んン──」
ボクのお口に触れるのは湿り気の帯びた温かい唇。
柔らかくって甘い、甘くて酸っぱくもあるそんな感覚。
口の中に入ってきてるチョコレートを押し出す舌がボクのお口に入れられて。
「ん、ちゅ──」
一瞬だけ入ってきた彼女の舌と、舌と舌が触れ合い、ぷよぷよと弾力のある舌にボクの舌の裏側をなぞられる。
ぞくぞくと走り抜ける痺れに気持ち良さを感じながら、かあっと体が熱くなっていくのがわかった。
ドクドクしながらきゅううっと締まる胸。恥ずかしさと一緒に嬉しさがあって、嬉しい以上に幸せな気持ちがある。息が詰まりそう。
瞬間だけ深く口づけられた後、お口に入ってきたチョコレートの甘い味が口内に広がる。
離れる唇。深く口づけられたといってもそれは一瞬のことでした。
だから名残を残す糸が伸びることも無く口移しはさらっとした感じの終わりを見ます。
しかしながらまだお体は乗り出されままに、お顔はすぐ近くでお鼻が触れ合いそうな距離。
彼女の肩口より流れ落ちてボクの頬にかかり、頬をさらさらと撫でている艶やかな長い髪も甘い香りを振りまいて。
胸のドキドキは治まらず、気が気ではありません。
そんなボクの胸の内をきっと見透かしていらっしゃるカオリナイトさんは悪戯っぽく微笑んで。
「Trick.or.treat。お菓子をくれないと悪戯しますわ」
ボクに頬をすり寄せながら、逆にボクへとおねだりしていた。
出してほしいキャラは誰ですか?本当はもっと書きたいですデマンドとかちびうさとか(期待に応えられるかは分かりません)
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カオリナイト
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海野ぐりお
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ユージアル
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天野ぐりかず
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地場衛
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月野うさぎ
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ネフライト様
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大阪なる
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テルル
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ビリユイ
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シプリン
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プチロル
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水野亜美
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浦和良
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火野レイ
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木野まこと
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愛野美奈子
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天皇はるか
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海王みちる
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冥王せつな