亜美ちゃんはカオリナイトの超能力について考えます。
えちえちは無しですが浦和くんと亜美ちゃんが事始めまで。
本当の友達になら
今日、距離的な問題であまり会えない良くんとあたしを、カオリナイト。ううん、カオリナイトさんが引き合わせてくれた。
方法はごく単純だった。良くんの家にみんなで招待されたこともあったのだけど、その時、良くんの家をお覚えていたカオリナイトさんが、良くんの家の前まであたしを連れてテレポートしたの。
セーラーテレポートとは違う普通のテレポート。もう何度か経験しているけれど、本当不思議な感じ。
カオリナイトさんの手に触れて、手を握って、一瞬で仙台の良くんの家に。
良くん居るかしら? 急な訪問だけれど。
「ウフフフ、亜美さん顔に出ていらっしゃるわよ? 浦和さんがいらっしゃるかしらと」
「か、カオリナイトさん、もうっ」
ピンポーン。
インターフォンを鳴らしてみると『はーい』良くんの声だわ。
「良くんあたしよ。亜美よ」
『え、ええっ?! ちょ、ちょっと待ってくださいね』
それは慌てるでしょうね。事前連絡もなくいきなり来たら。
一言連絡くらい入れておくべきだったわね。今から行くからって。
うふふ、それはそれで驚くでしょうけれど。
「サプライズ……そう、お考えになればよろしいのよ亜美さん」
編み込みにした赤い色の長い髪を風に揺らせながら、そう言って笑うカオリナイトさん。
そういえば、異次元空間部屋の時も感じてた違和感、何かあるなあって思って居たのだけれど。少し体を宙に浮かせている彼女を見て気が付いたわ。
カオリナイトさん、海野くんの前ではまあ当然なのだとして、あたしやうさぎちゃんの前でもあの異次元空間部屋の秘密や、宙に浮かべる事、テレポートが出来る事。
全く隠していないのよ!!
良くんの前でも、以前良くんをあたしのところへ連れて来て下さったり、隠してないっ。
へ? でも、大丈夫なの? 超能力を隠さないで。
あたしたちセーラー戦士は皆正体を隠しているけれど、騒ぎになったり、ニュースになったりして大変な事になるから、隠すべきを隠しているのに。
そんな、大っぴらに使ってもいいのかしら?
何かの組織に狙われたりとか絶対にあると思うのだけれど。
それは、カオリナイトさんくらい強い人だったら、少々の妖魔が相手でもエナジーの力で何とかしそうだし。
もしも危なそうなら私たちセーラー戦士が助けるけれど。
悶々と考えていると良くんが出てきた。
「亜美さん、急にどうし──あっ!」
カオリナイトさんを見て全てを察したみたいな顔をする良くん。でしょうね。実際に良くんもテレポートで麻布に来てるものね。
「どうもこんにちは浦和さん。ウフフフ」
「か、カオリナイトさんがご一緒という事は、瞬間移動で?」
「ええ、カオリナイトさんと話し込んでいて、良くんのお話になったんだけれど」
「いっそ、そこまでお想いでしたらお会いしにまいりませんかと、わたくしが言い出しましたの。突然の訪問はよろしくないと考えては居りましたが、お二人を見ていると余計なおせっかいを焼いてしまいたくなるんです。亜美さんを責めないで上げてくださいね」
「そんなっ、亜美さんを責めるだなんて絶対にありえませんよ。僕は、亜美さんを愛しているので、いつだってどこでだって会えるのならそれで……いいんです」
「り、良くん……」
顔が熱くなるのが分かる。きっと今、私の顔真っ赤になっているわ。
カオリナイトさんの赤い髪の色よりも、もっと真っ赤に。
「さ、外で話すのも何です、上がってください亜美さん、カオリナイトさん」
良くん優しいなあ。突然訪問したのに直ぐにお部屋へ入れてくれて。
「さ、カオリナイトさんも行きましょう」
あたしは宙にふわふわ浮いているカオリナイトさんの手を取ると、彼女を地面に立たせる。
いつまでも浮かんでいて、ご近所さんに見つかったら大変よ? 気にしていなさそうだけれど。
「わたくしもよろしいのでしょうか? わたくし、亜美さんの御帰宅の御時間だけをお聞きして、帰ろうかと考えていたのですけれど……」
……ああ、そっか、あたしと良くんを二人きりにさせたいのね。
「大丈夫。お気を使われなくてもいいですよ。別にいつでも二人きりでいる訳でもありませんし」
「ですがっ、お二人だけの方が」
遠慮するカオリナイトさん、こんなに遠慮深い性格だったかしら?
もっと高慢な性格だったような……、海野くんと愛し合う様になってから、彼女にも何かいい変化があったのねきっと。
「さあ、お二人共」
「ほら、良くんもそう仰ってくれていますから」
「……」
◇
「浦和さん亜美さんすみません、本当にわたくしまでお邪魔してしまって」
「ご予定はないのでしょう? だったらご一緒しましょうよせっかくですから」
カオリナイトさんは飽く迄もお暇したいご様子。
「わたくしは単にお節介なだけの大人で充分ですのに」
「お節介を焼いたのでしたら最後までお付き合いください」
あたしが言うと困ったようにだけれど彼女は微笑んだ。
「お茶、入りましたよ」
良くんが淹れてくれたお紅茶。とても美味しいの。あたしには良くんの想いが感じられる。あたしへの想いが。
カオリナイトさんのお茶はどんな味かしら? 人によっても時間によっても、温度や淹れ方によってもお茶の味は変わってくるわ。
今日の味はとても優しい味の中に気遣う心を感じ取ることが出来る。これは彼女への配慮かしら。
優しい味は良くんの味。あたしには良く分かる愛の気持ちの込められた味。
「あ、亜美さん、どうですか?」
「美味しいわ。とても優しい味ね……良くんらしい味」
「良かった。カオリナイトさんは如何ですか? お口に合いますか?」
「……」
一口飲んで、味を確かめてから彼女は答えを出した。
「とても、お優しい味が致します」
でも……と挟む彼女。
「この味は本来亜美さんの味ですわ。わたくしがいただくのは」
流石は大人だわ。あたしに合わせた味だとすぐに見抜いている。
だけどね、カオリナイトさん。今日は違うの。仙台へ、浦和さんのところへ行きましょう亜美さん。
あたしと良くんの恋話。カオリナイトさんと海野くんの恋話に花を咲かせていたあたしたち。
居てもたってもいられなくなった。お節介を焼かせてくださいなんて彼女は言いだして、仙台の良くんの家へテレポートしてきたの。
つまりあたしと良くんを今日引き合わせてくれたあなただからこそ、この味を口にするにふさわしいの。
それに良くんは意地悪な性格じゃない。誰かと誰かで差を付けたりしない優しい人よ?
「いいんです。今日は特別です。こうして亜美さんとの予定にない邂逅をさせて頂いているんですから。ありがとうございます」
また困ったような微笑を浮かべる彼女。
「これまで、わたくし誰かから感謝をされるような生き方をしてこなかったものですから。慣れていなくて」
あたしと良くんは顔を見合わせる。あたしたち貴女の能力の恩恵を結構受けているんだけれど。
ありがとうって言われるたびに戸惑っているのかしら?
そうそう、能力と言えば気が付いている間に聞いて置かなくちゃ。
「カオリナイトさん、一つお尋ねしてもいいかしら?」
「ええ、なんでもお答えいたしますわ」
「その、海野くんの前では絶対に見せていらっしゃるでしょうから省きますけれど、あたしたちやうさぎちゃんに、その、カオリナイトさんのお持ちの超能力って見せてしまってもいい物なんですか?」
「あ、それは僕も思ってました、あんな能力、むやみやたらに見せてもいい物なんですか?!」
カオリナイトさんは特別な能力を持ってはいるけれど人間。
妖魔とかダイモーンとかじゃない。
そんな彼女が平然と超能力を使って居れば……普通、騒ぎになるわよね?
だけど、実際は騒ぎになっていない。つまり彼女の能力はセーラー戦士やデス・バスターズみたいに一種の、枠の外の力なのかしら?
「ああ、それですか。それでしたらわたくし最近は目立つようには使わないようにしております」
「目立つようには」
「使わない」
あたしと良くんの目が合う、ドキッとした。他の人が居るというのに胸がときめいて。ああ、やっぱりあたし、良くんが好きなんだなあ。
良くんも同じみたいで顔がトマトみたいになっている。
「やはりわたくしはお邪魔なようでは?」
「い、いえいえ、そんなこと。ね、ねえ、良くん?」
「そ、そうですよね亜美さん?」
「初々しいですわね……。ああ、わたくしの能力でしたわね。わたくし、これでも以前は無作為に力を使っておりましたの」
知ってる。その力で大勢の人を傷つけて、あたしたちとも戦って……。そんな彼女が海野くんと出逢い、愛する事を知って、彼女は変わり、今がある。
それは素敵な事。それはまるで、なるちゃんとネフライトさんの様に。数理くるめさんとエスメロードの様に、デマンド、サフィール、妖の四姉妹の様に。
あたしは過去に何をしてきても、改心して今の幸せがあるのならそれでいいと思う。どんな人にだって幸せになる権利はあると思うもの。
「でも、僕らの前では平気で見せてますが」
「あの異次元部屋だってそうです。あんな異空間の部屋を作ってあたしたちに見せたり使わせたり、大丈夫なんですか」
あの部屋はきっと海野くんのご両親も知っているはずだし、あたしとうさぎちゃん、良くんの三人は知ってる。
彼女はあたしたちを一般人としてしか知らないけれど、あたしとうさぎちゃんはセーラー戦士で、良くんは元最強妖魔七人衆の一人。正確には一般人じゃない。
だけど、彼女からしてみればそれを知らない以上は本当に一般人のはずなのよ。だけどそんなあたしたちの前で彼女は能力を使う。
そんなあたしと良くんの疑問に対して、今度は困ったような笑顔じゃない、本当の微笑を以て応えてくれた。
「あなた達は初めてできた、わたくしの本当のお友達ですもの」
「えっ?!」
「あ!」
あ、そ、っか。そうか。そうなんだ。カオリナイトさんのお友達なのよ、あたしたちって。
「こんな力を持つわたくしを怖がりもしなければ怪しみもせず受け入れて下さった方々。ぐりおはわたくしを愛してくださる方。あなた達はお友達。そんなあなたたちにだけなら、わたくしは力を見せても良いかと思いましたの」
とても素敵な微笑を浮かべながら、カオリナイトさんはあたしや良くん、うさぎちゃんをお友達だと言って喜んでいた。
◇
「さて、と。お紅茶もいただいた事ですし、少し仙台をぶらりと見て回ってまいりますわ」
色々話し終えたカオリナイトさんはそう言って立ち上がる。
ああ、やっぱりそういう流れ。カオリナイトさん、どうしてもあたしたちを二人きりにさせたいのね。
ありがとう。嬉しいわ。
「亜美さんをお送りするお時間もありますし、いつ頃戻ればよろしいでしょうか?」
あたしが時間を告げると、玄関まで出てきちんと揃えていた赤いヒールを彼女は履くと。
「それではまた二時間後に。しっかりと愛を膨らませてくださいね。ウフフフ」
シュンっ! テレポートして消えた。仙台の何処かに居るのでしょうけれど。
「きえ、ちゃった」
「こうしてみると不思議よね。テレポートって」
カオリナイトさんから頂いた、自分で決めた時間は二時間。
「良くん……」
「亜美さん……」
──んんっ
夏の午後、冷房の効いた部屋の中で、あたしと良くんまずは、普段会えない分だけ。
「んっ、あむっ、ふううっ」
外の暑さにも負けない、熱い口付けを交わし合った。
「亜美さん、っん、亜美さんのこの青い水を、清らかな清流その物の色をした綺麗な髪が、好きだ!」
「んっ、髪、だけっ?」
その一言だけでも十分嬉しいけれど、あたしはその先を求める。
「いいえ、海の色をここに、この瞳に凝縮したような眼も、貴女の豊かな体も、水野亜美という美しい女性の全てが、僕は愛おしいのですっっ。っああ、亜美さん、僕の亜美っっ」
その愛は未だ始まったばかりなのに、活火山の様に爆発してしまいそう。
啄み合う唇、お互いにまだ紅茶の味が残っていた。
瑞々しい唇が擦れ合うの。
どこまでも、いつまでも。
そうしてお互いの手が、やがてお互いを求め始める。
「りょ、う、くんっ……好き、愛してるっ」
「僕もっ、この距離が、もどかしいっ、いつでも亜美さんをっっ、っ愛し、たいのに!!」
ああ、あたしにもテレポート能力があれば。
そう思わずには居られない、愛しさと切なさに包まれるときは始められた。
二時間……、長くも短い、この時を……。
出してほしいキャラは誰ですか?本当はもっと書きたいですデマンドとかちびうさとか(期待に応えられるかは分かりません)
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カオリナイト
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海野ぐりお
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ユージアル
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天野ぐりかず
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地場衛
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月野うさぎ
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ネフライト様
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大阪なる
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テルル
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ビリユイ
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シプリン
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プチロル
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水野亜美
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浦和良
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火野レイ
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木野まこと
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愛野美奈子
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天皇はるか
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海王みちる
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冥王せつな