※この作品はR-18です。

それは平凡なる恋の日々   作:夜半の月

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運命の男女“ひと”

 

 

 

 

 運命の男女“ひと”

 

 

 

 

 

「まだ手向かうつもり?」

 

「て、手向かうってそんなことっ」

 

 情けないことに勇気が出てこないのだ。

 

 カオリナイトを守ることには命をかけられる海野だが、でもこういった大人の恋が内包する性的な事柄については免疫無しの純情少年でしかない。

 

「情けないことなのですが恥ずかしいんです僕、こういうの経験無くって……、いまこうしてるだけでもう心臓が破裂しそうな程ですので」

 

 キスは普通のキスなら大丈夫だった。だが実際には普通と程遠いディープなキスを受けた。

 

 股間の息子も触られるだけで済めばまだよかった。しかし口に咥えられて射精するまでしゃぶりつくされた。

 

「嬉しいんですよ。気持ちいいんですよ。こんなにも愛されてるんだって思うと……。でもやっぱり恥ずかしさがあって」

 

 海野は幸せに満たされていた。

 

 ここまでしてくれる彼女の好意を受けられて幸せなのだ。

 

 幸せなのだが羞恥の感情がブレーキを掛けてしまう。

 

 真面目な純情少年なだけにそう簡単に気持ちの切り替えができない。

 

 大人の女性との恋。必然的に体の関係が生まれると理解しても、急すぎるこの流れに追い付けないのが現状だった。

 

「いいわ」

 

 カオリナイトもそれはわかっている。

 

「それならこう考えなさい。これは性教育の実践であると」

 

「せ、性教育ですか?」

 

 わかった上で彼の男を刺激して育てようとしている。

 

「確かに保健体育には性のお話しもありますが、正直ここまでのことは──」

 

「だから勉強するのでしょう。知らない知識を身に付けて己を高めるために。────さあ、私の身体を触って私を気持ち良くさせなさい。私が貴方にしてあげたように」

 

 海野がされた事と同じというのは言うまでもなく性的な行為に他ならない。

 

 カオリナイトが言うのは実に単純明快だ。自分がしてあげたのだから自分にも同じ事をしろ。

 

 性の授業を実践形式で行うだけ。ただ、恋人を相手とするからには本番その物となるという違いこそあったが、それならばそれでいいではないか。

 

「それともし私の口に体液を出した事に後ろめたさでも感じているのなら、それこそ拒否は許されなくてよ」

 

 悪いと思っているなら言う事を聞けるはずであるし、尚のこと拒否もさせない。

 

 天秤が傾いているとはいっても自分からは積極的にならないだろう彼に、せざるを得ないようにしてやろうと考えた彼女はそこを突いた。

 

「あの~、別の形でっ──という訳には?」

 

 自分が掴んでいる柔らかくて温かい大きな胸の感触を手の平に感じながら、もっと触っていたいと思う一方でいけないと否定し心の中で葛藤していた海野は、やんわりと拒否する。

 

 拒否したところで彼女が聞き入れないことは、もうこの短くも濃密な語らいの中で理解していながら。

 

 そしてそのとおり。

 

 彼女は海野の提案を聞き入れなかった。

 

「拒否は許さないって言ったはずよ? さあ海野、わかったら貴方はこのまま私の胸を揉みなさい」

 

 ゴクリと唾を飲み込んだ海野に、カオリナイトはうまくいったと唇の端を歪めて妖艶に笑う。

 

 

 

 自分で言った事を利用されたとはいえ逃げ場を失った海野は、心の何処かで安心しつつ、手に感じる大きな丸い物に力を入れてみた。

 

「んッ──!」

 

 乳房に食い込む指の感触に小さな声を上げるカオリナイト。

 

「わああッ──ごめんなさいィィ──!」

 

「一々謝らなくてもいいわ」

 

 胸を揉まれた感触に少し声を上げただけで謝られていては切りがないと思った彼女は、語気を強くして海野を叱りつける。

 

「ただもう少し優しく力を入れなさい。女性の体というのは思う以上にデリケートなのよ?」

 

「す……、すみません……」

 

「いいから手を動かしなさい」

 

「は、はい……っ」

 

 海野は彼女の言葉に再び止めた手を動かし、乳房を揉んでいく。

 

「んっ……、ふうっ……、いい力加減だわ……」

 

「と、とっても、大きくて柔らかいんですね……、カオリナイトさんの胸って」

 

「ん……、胸は元々……柔らかい物よ」

 

 女性の胸を触るのは初めてだという彼に、彼女は遠慮なく触っていいと言いながら彼の開いている左手も掴んで胸元に滑り込ませると、右の膨らみに触れさせた。

 

「外側に円を描くよう回しながら揉みなさい」

 

「え、円を描くように……?」

 

 海野は言われた通り両方の手を外側に丸を描くように回す。

 

 すると大きな胸がつきたての餅のように“ぐにゅんぐにゅん”と形を変えていく。

 

「こ、こうですか?」

 

「はああっ……そう、そんな感じで……強くしたり、弱くしたり……」

 

 彼女が指示すると、彼も指の動きを少しずつ変えながらマッサージするような手付きで胸を揉みし抱き始めた。

 

 緊張からだと思われる手の震えも丁度良い刺激となって伝わり、彼女を感じさせる物となっている。

 

「しかしこれは、マシュマロ……、いいえこれは大きさからして、柔らかい……メロンのような……」

 

 まだまだ拙い指の動きだが、少年は少年なりに頑張っているのだ。恋人を満足させられる男を目指して。

 

 十歳以上は確実に離れているだろうカオリナイトとの年齢差。

 

 埋めがたい、埋まらない差はせめて行為でだけでも埋めてみせよう。

 

 想いの強さについては語るまでも無し、世界中のどの男性諸氏が自分の恋人へ抱く愛を束ねても適わないくらいの強いもの。

 

 彼には自信があった。カオリナイトを愛する心の強さだけには絶対的な自信が。

 

 手に収まらない乳房を揉む彼の指先は、その強い想いを彼女に届ける。

 

「ああ……、いいわ……」

 

 胸に置かれた手の温もりと、緩急付けて揉まれ始めた事で与えられる心地良さ。

 

 カオリナイトは恍惚とした表情を浮かべながら頬を赤らめた。

 

 与えられる刺激に彼女の双丘の頂点にある突起が、ぷっくりと立ち上がり悦びを伝える。

 

「はぁ……、もう……、ダメだわ……」

 

 胸を揉まれたぐらいで達する訳ではない物の、身体の方が疼いて仕方がない。

 

 愛する恋人に体を触られるとは、これほどまでに女を刺激するものなのか? 

 

 その疼きに堪えかねた彼女は服の前を開いて、大切な処をさらけ出し、必死になって胸を揉みし抱いている海野へと見せつける。

 

「ぶ、ブラジャーも、パンティも──っ!?」

 

 ブラは疎か下着さえも着けていない彼女に慌てふためく海野。

 

 普通は身に着けているはずのそれらを、彼女は身に着けていないのだ。

 

「んふふ……、ブラはそうだけれど下着はいつもなら着けているわ。今夜は慌てていたからよ……、貴方のことでね」

 

 彼からすれば驚愕に値するそれも、彼女に取ってはどうでも良いことなので、恥ずかしげな素振りも見せていない。

 

「ほら……、ココを触るのよ」

 

「ココって……! こ、こここッ、股間をですか!?」

 

 服の前が開かれたことで、ミニのスカートの奥に隠されていたカオリナイトの秘所が丸見えになっていた。

 

 今にも溢れそうなくらいの愛液が溜まり濡れそぼる花園へ、彼女は胸を揉んでいる海野の右手を取り、触れさせた。

 

「あっ──」

 

 くちゅ──と、海野が出した体液と同じ様な粘性を持つ液が彼の指に付着する。

 

「ぬ、濡れてます……っ、カオリナイトさんの、大切な所……」

 

 割れ目の真ん中に触れた指に愛の液が吸い付き、つーっと伝い落ちていく。

 

「はぁっ……、ココに穴が……、あるでしょう?」

 

 剥き出しの粘膜に触れる海野の指先に、熱の籠もる息を吐き出したカオリナイトは先を指示する。

 

「は、はい、あります……、ピンク色のお肉が、落ちくぼんで奥へと穴が空いています」

 

「人差し指と中指を、挿れなさい」

 

「いいん、ですか?」

 

「いいと言ってるでしょう……、ほら、挿れてみなさい」

 

 割れ目に開いている穴。肉に阻まれて見えそうもないが奥まで続いていそうなその深そうな穴。

 

 海野は息を呑んで、カオリナイトの言うとおりに二本の指を挿れてみた。

 

「はぁ……、あっ」

 

 ぬるり。挿れた瞬間に滑り込む指。

 

「ぬ、ぬるっとしてます……、すごく滑りやすくて……ねちょねちょってしてますよ」

 

「んっ、第二関節まで挿れて……、挿れたら……周りの肉を擦りなさい」

 

「は、はい」

 

 指示に従い指の第二関節まで挿れた海野は、ぬめる肉の中を静かに擦り始める。

 

「んっ……そう……上手よ」

 

 柔肉の壁を震えながら撫でる指の感触。

 

 それが振動となり奥まで響いて愛液を分泌させる呼び水となり、穴の中が液で満たされる事で更に滑りの良くなった指が彼女の快楽を誘う。

 

「はっ……、うぅ……、奥に……響いてくるわ」

 

 指の動きその物は先ほど胸を揉ませていた時と同じく実に拙い物だ。だが、それが意外に良いとも感じる。

 

 でなければ、こうして気持ち良くはならないだろう。それとも愛しているからこそ心地良いのか? 

 

 拙い愛撫に感じ続ける彼女はふとそんな事を考え、その良い感触を自分に与え続ける彼の股間に目を向けた。

 

「ん……また、勃起しているわね」

 

 そこは再び硬くそそり立っていた。よく見れば竿の部分に血管が浮きあがり、ぴくぴく震えているのがわかる。

 

 射精により落ち着いていた彼の男根はカオリナイトの胸や股間を触っている内に、すっかり元気を取り戻していたのだ。

 

「えっ!? い、いやこれはっ!? はうっ!」

 

 カオリナイトはそれを指摘しながら、硬直した彼自身へと手を伸ばして下からすくい上げるようになぞる。

 

 触れられる事を望んでいただろう肉の棒は、彼女の手の中で嬉しそうに震えた。

 

「ふああっ──カオリナイトさんっ! そんなっ…………いきなりっ」

 

「もうこんなに硬くして……、そんなに私が恋しいのかしら?」

 

 彼女は可愛がるように肉の頭を撫でてあげながら、彼の反応を楽しむ。

 

「こ、恋しいかと問われましたならば恋しいですけどッッ……、意味がッ……違いますよぉ~ッ」

 

「そう? でもココは、これほどまでに私を求めているわ……」

 

 そう言って海野の手を掴んだ彼女は秘所に挿れさせている指を抜かせ、自身の愛液に濡れたその指を彼の口に入れ舐めさせた。

 

「ほら分かるでしょう……? これが私の味よ……。貴方のココは……、この味を欲しがっているのよ」

 

「う、く……、か、カオリナイトさんの味」

 

「そうよ」

 

 彼女は中途半端に前だけ開いていた服を脱ぎ、海野と同じく全裸となる。

 

 長身の、モデルのような美女の裸体。

 

「き、綺麗です……、なんて、綺麗なんだろう」

 

 先程揉みし抱いていた豊かな乳房が揺れ、触れていた紅い髪がさらりと波打ち。

 

 筋の中に光る雫を滴らせながら立つ彼女の姿に、再び激しくなる動悸。

 

 この人に、自分を刻みたい。

 

 カオリナイトさんに、海野ぐりおを刻み込みたい。

 

 彼女に言われた“私におまえを刻み込め”

 

 もう、それさえ必要としない海野の心は。

 

「海野……」

 

 そっと近づき両肩を押さえてくる彼女を捕らえて放さなかった。

 

「カオリナイトさ──」

 

 そしてここまで彼を誘導してきたカオリナイトは、そのまま海野をベッドへと静かに押し倒し。

 

「んっ」

 

 口付けた。

 

「──」

 

 触れ合わせただけの短い口付けをして、そのまま首筋にも数回口を付ける。

 

「ちゅっ、自分でも感じているのでしょう? 私と融け合うことへの期待感を」

 

「んあ……うぅっ」

 

 そして最後に胸板を舐めてから、自分の腰を彼の腰の位置に合せた。

 

「だというのに違うなどと言い張り否定するなんて……悪い子ねぇ貴方は」

 

「僕は……、そんな……、いまはもう……ううッ!」

 

 カオリナイトは腰を近付けていきり立つ肉の棒を自身の秘裂に触れさせぐりぐりと数回擦らせながら、亀頭に竿に、満遍なく蜜を塗り込む。

 

「ふァ……ぁぁッ、カオリ、ナイトさん──」

 

 硬くなった海野自身は割れ目に挟まれるようにして擦られ塗られ、びくびく痙攣した。

 

 強張りながらの我慢に暴れ続けている。この女の中へ早くと言って。

 

「そんな悪い子は、無理矢理にでも体にわからせてあげるわ」

 

 彼女の言葉に何をされるのか分かったが、最早抵抗は許されないし、してはいけないと理解した海野はその瞬間を待つ。

 

 言葉通り無理矢理犯すつもりのカオリナイトに例え彼が暴れたところで意味は無いのだが、自ら受け入れることが必要とされているのだ。

 

 海野も、カオリナイトも、お互いを愛しているのだから。

 

 そう、愛は一方からでは成し得ない。

 

 双方から贈り受け入れ、そして初めて成立を見る。

 

「うふふ──。海野、私の味を覚えさせてあげるわ」

 

 カオリナイトは蜜のしたたり落ちる割れ目を前に期待に膨らみきり。

 

 彼女を目指して硬い愛を内に秘めたままそそり立つ海野自身を添えると。

 

「ひぐぅッ!」

 

 勢いよく腰を落として全てを飲み込み、彼の体の上に馬乗りとなった。

 

「うっ……くぅぅ……」

 

 全体を締め付ける圧力。

 

 気が狂いそうなほどの快感。

 

 噛み締め、食いしばる海野を眼下に見下ろしながら、カオリナイトもこの瞬間に深く感じ入り呟く。

 

「はァ……っ、あっ……す、凄いわ……しっかりと奥まで届いて……、私の胎に触れている」

 

 蜜滴り潤う花園の深淵に飲み込まれた男根は最奥まで到達しており、海野の愛を注がれるべき部屋の入り口に彼自身の感触を感じたカオリナイトは歓喜の声を上げた。

 

「ほらごらん……わかるでしょう? 私の中に入れた貴方自身が、どれほど喜びに満ちた声を上げているのか」

 

「う、うう……っ……は、い……、カオリナイトさんの中……なんて温かいんでしょう……っ、こんな、こんなにも温かくて落ち着ける場所が……、この世に存在していたこと……っ、は……、初めて知りました……っ」

 

 あまりの気持ち良さに挿れられただけで到達しそうになった海野は、歯を食いしばりながら必死に堪えている。

 

 初めて女性の中に包まれる彼には少々過激すぎる刺激を耐えながら彼が望んでいたのは、この終着点を彼女と共に迎えること。

 

「うふふ……もうイキそうなのかしら?」

 

「ぼ、ぼく……はじめ……て……っ、なので……」

 

「そう……、ならば心行くまで味わうといいわ……、童貞を卒業した感動を」

 

 震える声で言葉少なに言う彼に、祝辞を述べるカオリナイトの声は若干弾んでいる。

 

「海野はこれから永遠に私だけを味わう事となるけれど、初めての瞬間はこの時だけ……、もう二度と味わえない甘美なる味なのよ」

 

 彼女も一人の女として、愛する男と一つになれたこの瞬間が嬉しいのだ。

 

 もう二度と味わえない甘美なる味は、ここから始まる愛の日々の訪れを物語ってもいるのだから。

 

 ただ初めての感動は。

 

「長くは持ちそうに……ないようね」

 

 わかるのだ。胎へと導く扉に触れた彼自身の先より伝わる緊張感から。

 

「ぅぅ、す、すみません……気持ち、良くて……」

 

 保たない。

 

 力を入れて堪えている彼が僅かでも力みを緩め解放した瞬間に射精へと繋がるだろう。

 

「謝らなくてもいいのよ……、これから幾らでも愛し合っていけばいいだけなのだから……」

 

 今日の所は身体を一つに重ね融け合うだけで良い。

 

 多くは望まず、ただ思うがままに動き、睦み合い、そうしてお互いを刻む。

 

「海野……、私に貴方を刻み込みなさい……」

 

 カオリナイトは落としていた腰を持ち上げ、己が深奥より、その硬い男根を抜いていく。

 

 抜けていく竿と、秘所の隙間から彼女の体液がぽたぽたと漏れ。

 

 そして──。

 

「ああ……っ」

 

 首までが抜けたところで再び腰を落としては、抜けていた竿を蜜に潤う花園の中へと導いていった。

 

 そうして繰り返し、始められたのは互いに初めて味わう抽挿の痺れ。

 

 抜け出て、飲み込まれて。

 

 冷たい空気と、熱い肉。接合部の撹拌が異なる温度差をより引き立たせ。

 

 カオリナイトに、海野に、二人に同じ感覚の共有を図らせていた。

 

「あっ……、海野、気持ちいいわ……、とても熱くて硬い……」

 

「ふっ……、うううっ……! ぼ、僕はっ……、僕は……っ!」

 

 女のカオリナイトよりも、男である海野の方が明らかに大きな声で喘いでいる。

 

 無論、それは彼が男としての至上の悦びを得ているからに他ならない。

 

 愛する女性の中に自身を挿入して一つになるというのは、それそのものが男として生まれた者の尤も幸せな瞬間の一つだ。

 

 人は何の為に生まれてきたのか? 

 

 それは発見するため。

 

 それは幸せになるため。

 

 感動するため。

 

 喜びを得るため。

 

 何かを成し遂げる、成功を収める、宇宙の神秘を追求する、己を磨く。

 

 十人十色、多種多様。

 

 人によってそれぞれ異なる答えを、海野は見つけたのだ。

 

 気がしたという錯覚ではなく。

 

 確かに感じ取った。

 

 それはこの女性に。

 

 カオリナイトに出逢うため。

 

 歳は離れ、立場は異なり、生きている世界も違う。

 

 出逢うこともなければ、すれ違うことさえないのがそもそも普通なのだろう。

 

 だがこうして出逢い、心も体も結ばれた現実が此処にある。

 

「感動ですっ、幸せですっ……カオリナイトさん、僕は貴方に……っ、ううっ……、僕は貴方に自分を刻みつけたい──!」

 

 心の声の発露。

 

 どうしようもなく大きなこの想い。

 

 言葉に載せて伝える相手は、深夜に部屋を訪れた、紅く長い髪の冷たい美女。

 

「貴方は僕のものですっ、僕の……海野ぐりおのものなんですっ」

 

 ぐっと落ちてくる腰に合わせて自らは押し上げて迎え撃った。

 

「あァァ──っ!!」

 

 心に響く想いと、重く響く体への衝撃。

 

 カオリナイトは愛の込められた一撃に背を反り返らせながら大きな声で喘いだ。

 

 童貞の……いや、童貞を失ったばかりの彼が自分からするのは無理だろうと考えて、自らが腰を上下させ、愛の交合を行おうとしていたというのに。

 

 刻みつけろという言葉通りに、彼は自分から突き上げてきた。

 

「ああっ、ああっ……、そうよ海野、私は貴方のもので……、そして貴方は私のもの」

 

 肉の隙間をかいくぐって奥へ。子宮への入り口をぐっぐと突き上げてくる海野の猛り。

 

 首まで抜いては根本まで、繰り返すたび蜜が押し出され、二人の股間を濡らしていく。

 

「生まれ変わっても……、また次生まれ変わってもっ……貴方は私のものよ」

 

 そのためにまず大切な一歩をいま踏み出しているのだ。

 

「はあ──っ、ああっ……、ほらもっと来なさいっ、もっと深く……私に海野を刻みつけなさい……っ」

 

 本当に単調な動きの、捻りのない性交。

 

 だが、それでも彼に取っては必死で堪えなければならないくらいの快楽となっている。

 

「うぐっ、ひあっ……っ、カオリナイトさん」

 

 それが分かっているからこそ彼女は自身の快楽よりも、彼を優先させるつもりでいた。

 

 一突きごと、体の中を擦る力に込められた愛が、彼女の深層へと擦り込まれていく。

 

 これで充分。いまはこれで。

 

 これだけの深い愛を受けて、こちらより受け渡して、これ以上のものは望めない。

 

「んっ……あっ……、 ふふ……そんなにっ……愛を送って、体力は保つのかしら……?」

 

「も、保ちませんっ、情けないですけど……っ、いまので出し切ってしまい……ううっ!」

 

 心は無限でも体力は有限。

 

 思いはぶちまけられても体は保たない。

 

「だったら……、我慢しなくても……良いのよ?」

 

 我慢せずに出せばいい。いまので充分受け取れた。

 

 カオリナイトがいくらそう言っても海野は中々出さない。

 

 僅かにある男の矜持がそうさせているのか? それとも、生まれて初めての性交をこんなに早く終わらせたくないといった肉欲的なものもあるからなのか? 

 

 それは分からない。唯、明らかに無理をしているだろう彼に、彼女もこれ以上我慢させるつもりはなかった。

 

 カオリナイトは右手を仰向けのままの海野の首の後ろに、左手を背中に回して、我慢する彼の身体を抱き寄せながら上半身だけをベッドより引き起こさせると、彼の耳元に口を寄せ“かぷり”と噛んだ。

 

「ひぐッ! ら、らめれふッ」

 

 瞬間最大風速の力を発揮し突き上げていた海野だったが、快感と体力の消耗には勝てない。

 

「んっ……、我慢しないで出しなさいっ」

 

 彼女は囁くように呟きながら何度も耳を噛んで、密着したまま海野の体に豊満な胸を擦り付ける。

 

 肩から流れ落ちる長い髪は彼の頬や身体を撫で、落し続ける腰は男根を飲み込んで尚彼の股間にぐっと押し付けた。

 

「あ……、ああ、ンっ……、あ……ァァっ、ほら、どうしたの……? 早く出すのよ……」

 

 頬を舐め、口付けをしながら更に腰の動きを速めて抜き差しし、彼を攻め立てていく。

 

「ひっ、ひはっ、カオリ……ナイトさ……っ、ぼく……も、もう……っ、らめ……っ……っっ」

 

 全身を使って性感を刺激するカオリナイトに、海野はとうとう音を上げた。

 

「いいわ、それで……、無理をしなくても、この身に貴方は刻まれたわ……深く深く、私の中に……ああっ」

 

 よく頑張った。

 

 海野を褒め称えたカオリナイトは、腰を落としきって彼の男根を奥まで咥え込み。

 

「あぅ……っ、さあ……、出しなさい……、ここが……出す所よ」

 

 そうして射精を促した。

 

「うッ……くぅぅッ!」

 

 “ドクンッ”全てのお膳立てを整えてくれたカオリナイトに、我慢に我慢を重ねて堪えていたモノを海野は漸く解放した。

 

 吹き出す白濁。

 

 何億もの生命を内包した濁流が、カオリナイトの胎へ解き放たれる。

 

「ああ……入ってくるわ……熱い精がっ、これが海野の子種……、なんて濃厚な、精なのかしらね……っ、あっぁぁ……!」

 

 胎内に続く扉に口付けられたまま、びゅくっ、びゅくっ、震えに合わせて中へ入る濁りに満ちた粘液。

 

 受け入れるカオリナイトは己が子宮の中へ溜まる温もりと、勢いよく射精されることで内部で飛び散る感覚に恍惚とし。

 

 唯々、海野より注がれ続ける子種その物という濃度の体液に悦びの声を上げた。

 

 その間も絶え間なく精は送り出される。

 

「うう~っ!」

 

 ここに出す。ここが自分の出すところ。

 

 そう思えば思うほどに体の奥からは止め処なく熱いモノが沸き上がり、カオリナイトの子宮と接面した状態の噴火口から白いマグマを吹き出させるのだ。

 

「か、カオリナイトさんの中に出すのって……、こんなにもっ、気持ちが良いんですね……、僕……、僕は……なんて」

 

 幸せ者なんだろうか。愛する女性へ精を注ぐ幸福感。

 

 カオリナイトが受け取ってくれている……、この愛を受け止めてくれている。

 

 気持ちが良いのは快楽から感じ取ったものじゃない、共に一糸纏わずの生まれたままとなって融け合い、抱き締め合っているからだ。

 

 そしてそれはカオリナイトとだからこその幸せなのだ。

 

 いつかはと思っていたことが、彼女に手を引かれていまとなった。

 

 健全な中学生の恋をと考えていた事が、大人である彼女に合わせる形となり自然──大人の恋となった。

 

 それがこの瞬間の幸せへと繋がった。

 

 愛し愛され、互いに互いの存在を、心へ体へ、深く深く刻み込む。

 

「こんな、恋の形も……あったんですね……うっ──!」

 

 迸る白く濁った精液が、カオリナイトの胎内を瞬く間に満たしていく。

 

「ああっ──こんなにたくさん……、まだ、出そうなの?」

 

「も、もう……、終わりそう……です……っ」

 

 終わるというそれはもう満タンに近かった。

 

「溜めすぎね坊やは……、フフ……、でもこれからは、溜まる前にしぼりとってあげるから……安心なさい」

 

 カオリナイトは胎内の熱さを感じながら、自分が抱き締めている彼の背中を優しく撫で、「よく頑張ったわね」と、労いの言葉を掛ける。

 

 彼女自身はまだ達してはいなかったが、これ以上抱き続けると彼の体力が保たないだろうと思い、名残惜しくはあるものの、今はこれで終わる事にした。

 

「い……、いえ……、そんな……」

 

 そんな彼女の腕に抱かれたままの海野は息も絶え絶えに返事をすると、自分を抱いて男にしてくれた彼女の紅色の長い髪を誤魔化すように撫でた。

 

「僕を引っ張ってくださったのはカオリナイトさんですから」

 

 彼の想像していた男女交際とは違う形にはなったが、こうして彼女に抱かれて良かったとも思い、逆に性の悦びと快楽を教えてくれた事に感謝する。

 

「ありがとうございます、僕を男にしてくださいまして」

 

 お礼を述べる海野に。

 

「こちらこそ、深くて濃密な愛をありがとうといっておくわ……うふふふ」

 

 同じく礼で返したカオリナイト。

 

 

 

 こうして始まる日々、その本当の始まりとなった夜は静かに幕を下ろしていった。

 

 

 

 

 

 *

 

 

 

 

 

 一月後──。

 

 

 

「ほら、ここが間違っているわよ」

 

「あっ、ほ、ホントですね」

 

 カオリナイトは海野に勉強を教えていた。この間返ってきたテストの点数が悪かったと聞いた彼女は、彼の家庭教師を買って出たのだ。

 

 天才的頭脳を持つ教授の助手をしていた彼女は、強いだけではなく頭も良い。そのため家庭教師としても申し分はないということで。

 

 英才塾一本のみで今までやってきた息子が自ら頼み込むほど熱心に家庭教師が欲しいと願い出れば、塾の成績も芳しくない今日この頃。

 

 新しい試みも必要として彼の家族も無料で買って出てくれた彼女を快く雇い入れた。

 

 一応、海野は両親に対し、歳の離れた大人の女性だが黒峰カオリさんは(カオリナイトは)恋人であるという旨を話している。

 

 恋人になった経緯は事故の時に助け、また助けられた事からお互いを好きになったとありのままを打ち明け。

 

 初めての夜の流れも手伝い結婚を前提とした交際の宣言までしていた。

 

 此を受け、さすがに何か苦言を呈されるかと考えるも、そこは純粋な純情少年海野の親。

 

 無料で家庭教師まで引き受けてくれるというのもあり、暖かい言葉と共に了承してくれた。

 

 その上で彼の両親はある事情で(デスバスターズを警戒して)カオリナイトがホテル泊まりの身であると知り、家庭教師代の代わりとして彼女を家に住まわせることにしたのである。

 

 もちろん彼女が受け入れてくれるならという話だったが、此には海野が「是非ともそうしてください!」そう声を張り上げ主張したことで、結果彼の親の好意と、彼の熱意により全ては落ち着くべき所へと落ち着いた。

 

 部屋は海野と同室。

 

 ベッドがダブルサイズへと変えられたのは、“結婚を前提に”という二人への両親なりの心遣いなのだろう。

 

 お陰で毎夜、誰憚ることなく大人の恋に耽ることができていた。

 

 

 

「さあ、後はこれが終われば入浴して就寝よ。お疲れ様」

 

「ハァ~っ、漸く終わりですか~。ずいぶん時間が掛かっちゃいました」

 

 もうすっかり夜の時間。

 

 浅い夜ではなく、深い夜の。

 

 ふと、海野は思い出した。

 

「そういえばカオリナイトさん、お母様もお父様も今夜は遅くなると仰っておりましたがまだ帰られてませんでしたっけ?」

 

 となれば少々長く入浴していても問題は無い。

 

「うふふふ、なにを期待しているのかしらねェこの坊やは」

 

「い、いえいえっ、僕は邪な考えなんて抱いてはおりませんよ! ただこんなにも遅い時間にゆっくりと入浴することが出来そうですのでいつもと違った情緒が味わえそうであると、そう思ったのです!」

 

 事実、邪な考えは抱いていない。

 

「ふふふ、そういうことにしておきましょうか」

 

 ただ一つ云えるのはそれがどうであれ、カオリナイトには関係無いということだ。

 

「お背中流して差し上げるわ。お勉強を頑張ったご褒美に」

 

 彼女はしたいようにするだけなのだから。

 

「ありがとう、ございます……、と、ところで、押しに弱いですよね、僕って?」

 

「押してあげなければ抱こうとさえしないでしょう」

 

「はあ、まあそれは僕中学生ですので自分からそんな事は……」

 

 

 

 純情少年は“男”となっても尚、やはり純情少年のままであった。

 

 

 

 




 

出してほしいキャラは誰ですか?本当はもっと書きたいですデマンドとかちびうさとか(期待に応えられるかは分かりません)

  • カオリナイト
  • 海野ぐりお
  • ユージアル
  • 天野ぐりかず
  • 地場衛
  • 月野うさぎ
  • ネフライト様
  • 大阪なる
  • テルル
  • ビリユイ
  • シプリン
  • プチロル
  • 水野亜美
  • 浦和良
  • 火野レイ
  • 木野まこと
  • 愛野美奈子
  • 天皇はるか
  • 海王みちる
  • 冥王せつな
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