部長、宜しいのでしょうか?
「はあ、はあ、はあ」
一通りの説明をしてくれたキャリー部長だったが、未だ以て荒い呼吸を繰り返していた。
本当に大丈夫なのだろうか。顔は紅く紅潮して熱が出ているようだし、脂汗なのか、額から頬をつたいずっと汗が流れっぱなし。
大丈夫と言われても心配になる。若い女性がこんなに苦しんでいるというのにただ傍観しているだけしかできないのは本当にやるせない気分だ。
そんなことを考えながら息を荒げ続ける彼女を見ていると、困ったような残念なような、それから期待もしているような目で私を見つめながら彼女は話し掛けてきた。
「貴方、70って言ったわね」
「ええ、今年で71ですが」
キャリー部長は私の身体を頭から足下までジロジロと見回した後、一度大きく溜め息をついた。
一体何なのだろう?
「70の老人で、少々肥満体型気味、容姿は平均より下、ハッキリ言って女の歯牙にも掛からない男ね。たとえ若かろうとそんな容貌では若い頃も含めてさぞ女性との縁がなかったことでしょうね」
「は? な、何ですかいきなりッ、事実ではありますがそうハッキリと言われますと結構心に突き刺さりますよ?!」
こんな年寄りをいじめて、この方はなにがしたいのだろうか。
「ジャパニーズの平均寿命はいま100~110、70ならまだまだ行けそうかしら」
何なんだ? 私の年齢など聞いて。日本人の寿命など考え出して。
今のこの状況と何の関係があるんだろう。
部長は寝ていた布団の上に何を思ったのか徐に両膝を立てた。
そのまま上半身だけを少し起こし、私に傍へ来いと言う。
「な、なんでしょうか?」
「ちょっとね……、はあ、はあ、貴方に……、してもらいたいことが……あるのよ、はあ……、はあ……、はあ……、業務命令……、そう、理解してもらえれば、いいわ」
「め、命令、ですか?」
なにを命令されるのだろうか。無茶な事は指示されないと思うが。
されたところでそんな能力も無し、何か食べ物を買ってこいくらいならできる。
掃除しろ、と言われたら、掃除するほど物も置いてなければ埃も溜まってないからやりようがない。
なにせ私の部屋には炊事場とテレビと冷蔵庫しかないのだ。
後はいま部長がご使用になられている使い古したぺたんこの布団だけ。
ではなにをと考えていると。
「はあ、はあ、まず……私のスカートを、腰までめくりあげて」
「え、ええッッ!? ど、どうしてッ……」
なんだか、想定外の凄いことを指示されてしまった。
さっき、怪我の具合は確認したから別のことだと思われるが、ちょっと、これは。
「いいから、はあ、はあ、早くなさい」
有無を言わさない自称業務命令。
おかしな命令ではあったが、私も一応はサラリーマン。
清掃作業員だが正社員のサラリーマンには違いない。
「……は、はい。了解……です」
監査部長の命令には逆らえない。
「スカート、め、捲らせていただきます」
さっきと同じでレザー製スーツのミニなスカートの裾を摘むと、私は生唾を飲み込みながら静かに捲っていった。
太腿が全体的に露わになって行く。むっちりと、すべすべで、この太腿だけでも若人たちなら悩殺されそうな……。
70歳童貞とはいえ、歳を重ねることで性的な物も穏やかになっている私でも、興奮してくるのだから。
止まることなく捲っていくと純白の下着が隠す股間部が姿を現す。
そうしながらお尻の後ろにも手を回してめくりあげていき、お尻全体他、股間の上まで見える様なまでキャリー部長のスカートをめくりあげてしまった。
「め、めくりあげましたが、これくらいで、宜しいのでしょうか……?」
スカートをめくりあげた私の手は彼女の腰に添えたまま。
指についてはお尻に掛かってしまっている。
構図だけを見ればとんだエロジジイだった。
「ええ、いいわ……。次に……下着を、降ろして脱がせて、くれる?」
は?
なんていったんだこの人。
「え……? や、あの……もう一度、お願いします」
聞き間違いだろうか。
もう一度訊いてみた。
「下着、よ……、はあはあ、私の下着を、脱がせてと言ったのよ……」
聞き間違いではなかったようだ。
部長は下着を脱がせろと、私に命令しているらしい。
どうして。
なんども問いたくなる疑問を押し込める。
どうしてもなにも、そう命令されている以上、従うのが組織の人間という物だから。
「し、失礼、いたします」
一言だけ断りを入れ、部長の股間を守る純白の布に指を掛けた。
掛けた指は、その布の内側の肌に僅かながら触れ、それがとても温かいと感じる。
それを、下へ、脚へ向けて手前にゆっくりと引っ張っていく。
する……するするり。
脱げていく、私が脱がせている白い布。
部長の大切な所を隠す下着。
こっちの息も荒くなってくる。
唾はずっと出続けて、喉の動きも止まらない。
「お、お尻、ちょっとだけ浮かせていただけませんか……?」
私の求めに、すっと部長のお尻が浮き上がる。
「こう……?」
「け、結構です、脱がしにくかったものでして……」
「そう、はあはあ、早く、してちょうだいね」
少しだけ布団から離れるお尻。覆っていた薄い布が手前へと引かれていくことでお尻を露出させ。
前では、引かれた布が遂に股間を外気の下へと露わさせて、股間の真ん中を縦に走る美しい秘肉を私に見せてくれていた。
「お手数ですが、両脚を揃えてください、下着、脱がせてしまいたいので……いいですか」
「いい、わよ」
またも指示通りにしてくださる部長にありがとうございますと言い、彼女の脚から下着を脱がせていった。
くるくる丸まりながら脱げていく下着を脚から抜き去る。
「……」
手に持つのはキャリー部長の白い下着。
刺繍入りの、明らかなブランド物と思わしき下着は手触りも良く、シルクのよう。
ほかほかと温かいのは彼女の股間の温もりだ。
肌と、股間部、秘肉とお尻の温もりと匂い。
私のような老人でもこの下着の温もりと、そして何を置いてもこの目にはっきりと映り込む部長の美しい桃色と紅色の秘肉を前にそそられ。
性的な衝動と興奮を抑えられなかった。
「こ、これで、いい……のでしょうか?」
なんの自信も、なんの根拠もない。
ただそうしろという命令のままに部長の下着を脱がせて、神聖な美しい股間をさらけ出させてしまった。
「ええ、……はあ、はあ、今から、貴方にしてもらうことのためには、必要……だから」
「な、にを……。私は、なにをすれば……良いのでしょう」
「はあ、はあ、はあ、ん……今から……説明するわ……。まず、すること……それは、もう察しているでしょ……性交、セックス……よ」
「セセ、セっ、セック、ス──!?」
彼女の話はこうだった。
損傷したM・Dの修復には大量の生体エネルギーを必要とする。
その間、生体エネルギーを吸い取られ続ける彼女自身は体力を奪われ続けて動けず、このまま何もしなければ修復に時間が掛かり行動に遅れが出てしまう。
本社への報告は終わり、緊急は脱したと言える状況ながら、一分一秒でも早く社と連携を取らなければならない現状で、この遅れはあまり良い事とは言えない。
せめて明日にはまともに動ける態勢を整えておき、遅くとも昼頃には既に警察も撤退しているだろう日本支社へ出向いておきたい。
今回の事件の事後処理、警察への対応等を重役会議で話すために日本である程度目処を付けた後に、続きアメリカ本社へ向い以後の方針を決める必要がある。
しかし損傷したM・Dの影響で体力的に動くのがキツイ今、一歩を踏み出すのも厳しい。
なら修復を待つしかないが、食事摂取や自然回復に任せていては修復に時間が掛かってしまう。
だが、M・Dの修復スピードを急加速させる方法が別にあるにはあるのだ。
その方法とは、無論生体エネルギーの供給に他ならないのだが、実は食事以外にも体外からの生体エネルギーの供給という方法もあり、これが最も早い修復法なのだという。
M・Dとは、通常時は子宮の改造を受けた女性、通称保持者(ホルダー)の子宮内にて生体維持に必要なエネルギーや酸素を補給するのだが、それは女性が生まれながらにして“別の生物を体内で養育する器官”即ち子を育成する器官(子宮)を持っているからであって、実は生体エネルギーのみの補給だけに限れば男性にも出来るとのこと。
生体エネルギーとは文字通り生命の源。
毎日を生きるときに活動するにはカロリーを消費するが、つまりそれこそがエネルギーと為っている。
そして、食事からのカロリー摂取それ以上の生体エネルギー接種法もある。
それは男性の精巣にて作られる生物その物とも言える命の源。
生命エネルギー、生体エネルギーの塊とも言える物、即ち精子。
この精子を子宮内に収納されている状態のM・Dは吸収することが可能なのだという。
休眠状態のM・Dが精子を吸収することによって修復を急速に行い回復を早めるというものだ。
「つまり、私と、貴方が、セックスを行い、貴方が私の胎内に精子を注ぐ……。そして、私の胎内に収納されているM・Dが子宮へと注ぎ込まれた貴方の精子を栄養源に、より多くのエネルギーを補給する形となり、M・Dの修復が一気に進む、ということよ」
「な、なるほど……。確かに、精子とはその一つ一つが一個の生命体とも言えましょう……。生体エネルギーとしてこれほど強力な物は無いかも知れません……。し、しかし……、しかし部長はよろしいのですか? その、私などと……セックスを行って……、その、貴女の中に、私のような老人の精子を、注がれることに……」
自分的にはいい……それよりも何の御褒美というぐらいの役得だった。
70年間、相手にも巡り会えず童貞のまま今に至る私。
もう一生、老い先短い残りの人生、自らの持つ男たるの象徴を、男性器を、使用することなく命を終えると考えていたのに。
それは私も男、死ぬまでに一度くらいは女性と抱き合ってみたかった。
女性を抱いて、心行くままに気持ち良い時を過ごすのは、男子の本懐にして最たる幸福の時間である……という話だ。
「私は太っています、容姿だって不細工のランクに該当します、なにより……70歳の、年老いた老人なのですよ?」
問題は彼女との圧倒的な差の方。小太りで歳相応に頭髪は薄く、容姿も悪い方だ。自分で言うのもあれだが男としては底辺だ。
おまけに歳も70と老人に片足どころかどっぷりそのものの老人だった。更に言えばただの平社員で清掃作業員。
若い女性からしてみれば性の対象として見られるなど、絶対に無いと自身を持って言い切ることができる論外な男だった。
それに対して、メル=キャリー監査部長はとても若く美しい20代のエリートキャリア。I・E・Mの本社監査部長。雲の上のお人。
海のような、或いは快晴の空のような、透き通った鋭い視線をも持つ碧い瞳。
腰下まで届く癖のないストレートの長い金髪は、さらさらと流れるような柔らかさと艶やかさを併せ持ち瑞々しく光り輝いている。
シミ一つ無い綺麗な白い肌にはち切れんばかりの大きな胸。私の手にはとても収まらないメロンのような、しかしメロンとは違い柔らかさの、弾力の塊そのもの。
きっと触らせて貰えばこれほどに触り心地の良い気持ちいい感触は味わえないものだろうこと間違い無しの芸術的な胸だ。
ムッチリとした尻と太股。腰も細く括れていて、女優やモデルをやっていてもおかしくはない美貌を持っている。
そんな彼女と自分では比較にも為らない。比較することが烏滸がましい。
月とスッポン所か太陽と石ころだ。それなのに。
「好みかどうか、そんなことこの際どうでもいいことだわ。緊急時だから仕方がないという事情もある……それに、貴方は私の命の恩人でもある訳だし……、抱かれてその精を受けるのも、それはそれで女として悪い事でもないと思うわね」
別に良い、私と身体を重ねる事を彼女は別に嫌だと、気持ちが悪いとは思っていないという。
勿論好みの男かどうかで言えば好みではない。太り気味で不細工よりな老人。普通に考えるならば無し以外にない相手だ。
ただしそれとこれとは別。いまセックスを行える相手かどうか、自分が受け入れても良いかどうかという相手で言えば。
「こういう体外供給を受けるのは、初めてのことだけれど、私的には……、貴方からなら、受け入れても良いと、思ったのよ」
「日本人、有色人種ですよ私は。その、つまり、白人は異人種が……」
「白人皆が、異人種嫌いでもないわよ。私だってね……、平和ボケした日本人には……、ほとほと呆れるばかりで、多少差別的に見ていることもあるけれど、助けてくれた相手に対してまで差別心を抱くほど……、恩知らずではないわ」
好みの男を=好きというわけではない。
好みの男だから受け入れても良いわけではない。
どんなに好みから外れていようとも自分が受け入れても良い、受け入れてみようという男でなければこんな試みはしたりしない。
そも人種や年齢の違いなど端から考慮に入れては居らず、部長は私からの生体エネルギー補給なら受けても良いと思った。ただそれだけだという。
「ぶ、部長がよろしいのでしたら、私としては願ってもないことです」
古稀を超えたとはいえ私も男だ。
こんな、若くて美しい女性と一度は抱き合ってみたいと思うのは至極当然のこと。
業務命令という言い訳もあるし、なによりお互いに合意の上なら。
「だったら早く支度なさい、ズボン穿いたままではできないでしょう」
「わ、分かりました」
部長に急かされて素早くズボンを脱いだ私は、緊張気味に次の指示を待つ。
「なにを、してるの、はあ、はあ、こっちは、疲れてるのだから……、突っ立ってないで、早く来なさい」
「は、いえ、勝手に行動して以前上司に怒られたことがあるので」
これは本当だ。昔、仕事中に自分で判断して怒鳴り散らされたことが有った。
勝手なことをするなッ! と。
それ以来、指示無く行動しないようにしている。
セックスとはいえ業務の一環であるなら上司の命令を。
「こういうことくらい、自分でどうするか考えてもらえない?」
と考えていたら叱責を受けた……。
「す、すみませんっ」
確かにそうだ。役職がとんでもなく上の人なので、必要以上に考えすぎていた。
するのは初めてだが、する事が決まっている以上は自分で考えて動かなければ。
まずは布団に寝る部長の脚の側に座ると、膝を掴み、開き戸のようにして左右へ開いた。
「こ、こんな風に、ですか?」
「ええ、それでいいの……特別なことはしなくてもいいわ」
キャリー部長、服は脱がないようだ。
服を着たままするのもいいが、多分人生で最初で最後となる女性とのまぐわい。
彼女の裸を見てみたかった。しかし開かせた真正面の股間の中心。
紅色に咲き誇る華が口を開けているそこへ、老廃物を出すのみに終わる予定だった自分の男根を挿れさせていただけるのだと考えれば、これ以上を望むのは贅沢だともいえる。
「はあ、ふう……、はあ、歳は取っても、はあはあ、きちんと、反応するのね」
意外な物を見たと言わんばかりに彼女は目を丸めている。
その視線は私の股間にそそり立つ肉棒に向けられていた。
彼女のスカートをめくりはじめた時から、徐々に徐々に硬度を増していた私の男根。
海綿体は大きく膨張して、部長の淡紅の華に差し込まれるときを今か今かと待ち望んでいる。
「部長のような美しい女性が相手なら、きっと、誰だって、こうなると思いますよ。私みたいな、枯れた老人でも、奮い立ちます」
「それなら、奮い立たせて、しっかり私を抱いて頂戴、はあ、はあ」
腰までめくりあげたスカート、脱がせた下着、もうすべてが見えている彼女のまたぐら。
淡紅の華がぱくっと口を開けている。口の上にはぷくっと膨れた肉芽。
私はあまりに綺麗なその金色の陰毛が生えている部分に思わず触れてしまう。
人差し指と中指でつっとなぞるように、口の周りを優しく撫でる。
「あっ……」
呟くような小さな声を上げる部長。
華の周りに触れられて感じている。
「あ、あの、宜しいでしょうか?」
まだ彼女に了解を取っていないのに勝手に触ってしまった私は、そのことに気づき聞いてみる。
まあ、無理もないと言えばそうなのだが。
こんな綺麗なものを見せられたのだから触らずには居られなかった。
「いいのよ……、触って……、ああ……っ」
了承を得た私は、続けて陰毛の下に隠されているぱくっと割れた秘所の、粘膜部に触れてつつっと優しく擦ってみた。
「あ……うぅ……ふぁ……っ」
濡れている、指先にねちゃっとした液体が付く。
これが部長の蜜なのだ。私の指に秘口を撫でられて気持ちが良いのだ。
「あっ……、あっ……、はあぁ……、はっ……」
部長は吐息を吐きながら、感じている声を出す。
私は男だから分からないが、そもそもどのような感じがするのだろうか?
気持ちが良い、というのは彼女の反応を見ていれば分かるが。
「ん……はっ……あ……」
やはり彼女にしか分からないことか。
そんなことを考えながら、彼女の開いた脚の間へ身体をどんどん躙り寄らせていく。
まるで蜂蜜の匂いに誘われた昆虫のように。
黒いサイハイソックスに包まれた脚を空いている左手で撫で撫でと触りながら、私はむちむちの脚の間に身体を入れていくのだ。
血液の通いきった海綿体の膨張は痛いくらいのものとなり、私は彼女の秘口をなぞっていた指を二本。
第二関節まで差し入れていた、そう留めることなく一息に。
「はああ──っ!」
ぬるりと入った二本の指。
中はぬちゃぬちゃと水気に覆われ、穴の壁はざわざわ蠢いている。
「入れ、ましたよ……指」
「わ、かってるわ……指が二本……、枯れた、小枝みたいに……っ、かさかさ、してる指を、感じるわ……っ」
「老人の指ですので、かさついてるのは、我慢ください」
と、指を奥へ手前へ、動かしてみる。柔い肉に指圧を加えながら。
「ふうっ……うっ、ん、んんっ……かさかさ、してるの……、意外と、気持ちい……っ」
「そ、それは、どうも……、キャリー部長の中、すごい……ぬるぬるで……。襞も、肉も、柔らかい……」
ぬちゅぬちゅ、指を抜き差す口の音。
彼女の液に濡らされた指が奏でる音。
「んっふああ、指っ、ああっ、かさかさの指……っ」
気持ち良さに堪えられなくなったのか。
喘ぐ彼女に突然腕を掴まれてそのまま顔を胸に押し付けられた。
「わぷっ……んん……っ」
丁度、覗き込むようにして近付いていた部長の股間の間。
レザースーツの胸部は胸元が大きく空いたデザイン。
引っ張られた拍子に私の顔が彼女の胸の谷間へと突っ込んだのだ。
「ん……むふぅ」
顔に押さえつけられている柔らかい物は部長のおっぱい以外にはない。
口元と鼻は露出した谷間と衣服の境目に押し付けられ、鼻から上は谷間に入る。
(部長の、おっぱい……大きい、綺麗で……、や、柔らかい)
なんとか見える間近の肌は白い胸の表面だ。きめ細やかで染みのない白いもちもちした膨らみだ。
衣服に隔てられていても尚柔らかい弾力と甘い香りが漂ってきて私は魅了される。
何をどうやったらこんなに大きな胸に育つのだろう?
白人さんというのは、背も胸も大きくなるような遺伝子を生まれながらに持っているのだろうか。
気持ちいい、柔らかい、甘い、三拍子揃った心地良さがしわの刻まれた私の顔を受け止めている。
「んぐ……っ、ふぐ……っ」
いかん……感触は気持ち良いのだが、段々苦しくなってきた。
良い匂いがするし、こんな巨乳に顔を押し付けられて贅沢極まりないが、これはまずい……窒息してしまう……。
「あっ……くぅっ……ん」
それが分かっているのかいないのか、部長は華口内部に入る私の二本の指に柔肉を指圧されながらも、感じる自分を抑えて私の頭を撫で回している。
子供の頃に近所に住んでいたお姉さんになでなでされたことを思い出すな。
あのお姉さんも今の部長と同じくらいの歳だった筈だ。
「ふぐぅ、んぷっ」
顔に押し付けられている大きなおっぱいは相変わらず気持ちいい。
柔らかく弾力に富んだ膨らみであることは文句の付けようもないし、手さえ自由ならば服の間に手を忍ばせて、乳首や乳輪を触りながら心行くまで揉みし抱きたい衝動に駆られる。
だが生憎右手は膣に指を挿れたまま彼女の股間を抑えており、左手は彼女の肩を押さえ付ける形となっている。
部長の大きなおっぱい、私は大好きになってしまった。
その大好きなおっぱいを触れないのは残念で為らない。
しかし……。
しかし、苦しい。
気持ちいいが、本当に窒息死する。
流石に逃れようとした私は、部長の秘所を触っている指でクリトリスを探り当てると、少し強めに摘んでみた。
「ッッ……あッ! そこは……っ、あぁぁ……ッ!」
いきなりそんなところを触られるとは思っていなかったのか、彼女の体がビクッと震えて、私の頭を押さえつけていた腕の力が抜けていく。
「あ……はっ……」
「部長……イったんですか?」
そう聞いた私を見下ろしながら、彼女は相も変わらず頭をなでなでしている。
私の禿げた頭を撫でて何が楽しいのだろうか?
「少し、ね……それより、部長は……やめなさい、こういうときは……、名前で呼ぶものよ」
性的な行いをしているとき。見知った相手なら名前で呼ぶもの。
愛し合う者同士なら当然のことだが、そうではない私たちの場合もお互いに了承し合い性交に及ぶのだ。
「セックスを行うというのに、ただの上司と部下、というのも変でしょう?」
確かに今日見知ったばかりの上司と部下だが、ここは普通に名前で呼び合って仲良く抱き合おう。
生体エネルギーの補給目的を第一に据えたセックスではあっても、こうして肌を重ねるのだから余所余所しく呼び合うのは気分が乗らないという。
アメリカ人は確かにそういうところがある。フレンドリーというか、初対面でも名前で呼び合う人さえいたりするくらいだ。
目的ありきのセックスとはいえ、和姦であるということは、妙な話だが私と部長は上司と部下以前にfriend以上。
そういう関係を望むのならそういう関係となってもいいと言ってくれているのである。
「し、しかし」
「いいから」
梃子でも、キャリー部長は名前で呼び合うことを提示してくる。
「…………キ、キャリーさん」
だから私は役職名を外したが。
彼女は目を細めて睨んできた。
「名前って言ったでしょう? ファーストネームよ」
アメリカの文化でしょうそれは。ここは日本ですよ。
ファーストネームって、自慢じゃないが女性を下の名前で呼んだのは子供の時だけだ。
「メルよ」
そんな私を急かす部長。
だから私は呼ぶしかない。
「……メ、メル」
正直さん付けで呼ぼうと思った。しかしそうするとまた睨まれそうなので覚悟を決めて呼び捨てにすると。
彼女は火照る身体に顔を赤くさせたままにこりと微笑み。
「それでいいわ」
満足したように私の薄い頭を撫で回してくれた。
「あ、あの部……メル」
「なに?」
「い、今からメルの中に挿入して、いくわけですが……心配事が、一つ」
私は頭を撫でる部長……メルから、少し離れて、開かれたそのまたぐらの間に身体を再接近させながら、彼女の秘口に男根を近付けていき触れさせる。
続き、秘口の周りになすり付けながら。
「あ……ん、なんで、焦らすの……っ」
男根にメルの愛液を塗りたくっていく。
そうしながら肉芽をつついた。
「んんっ……!」
ペニスとクリトリスによる接触。
陰茎と陰核のキス。
私がすりつけると、紅く充血してどんどん膨らみをまし、陰核は小さいながらも男性器のように立ち上がった。
「はぁん! だ、めっ! ソコとっ……こすれ合わせるっ……なんて──ぁぁ!」
「メル、ここって……、メルの、ペニスみたいなところなんですよね……。ぷっくりと、赤く膨らんで、可愛いですよ」
ぬちゃぬちゃと塗り合わせ、こする。すると、メルも腰を少し浮かせて、触れる男根に肉芽を擦り合わせてくれた。
「あ、ううっ、気持ち、いいわ……あっ、マメを、擦り合わせるだけで……こんなに、感じるなんて……っ」
メルの両脚を下から抱えて秘口と肉芽に男根をこすらせながら、彼女を感じさせ、私も、共に感じる。
秘口からじわじわ溢れてきた愛液はすっかり彼女の股間と私の男根をぬらせており、つるつると滑るような摺り合わせとなっていた。
「早くっ……早くきなさいっ、もう、私……っ、待てない……わ……っ」
「メル、私も……っ、メルと……一つになりたいのですがっ、先程の、ことが……」
「さっきの……? 心配事が……どうとかいう、やつ……かしら?」
たくし上げたスカートの辺りを両手で触る。丁度彼女の腰の辺りだ。
そのままもう少し手の甲でレザースーツのスカートを押し上げながら私は彼女の腰を掴む。
しっかりと掴んでメルのクリトリスと戯れさせてクリトリスとのキスを楽しんでいた男根を下方の華の中央に据えた。
くちゅっと音がして華にぱくっと開いた開口部へ根の先が潜り込む。
「ああっ……入ってくる、先が私の中に……入ってる……っ」
潜り込ませた切っ先を、更に奥へと埋没させていく。腰を前に進ませながら。
じゅぶうううう。音を立てて、淫らでいて耳障りの良い音を立てながら、男根は沈んでいく。
「あはぁぁ……ああっあ、あううう~~~っ、そんなっ、はああっ、い、いっきに」
割れていく肉の穴。入っていく男根。
亀頭は飲まれ、竿が進んで奥へ奥へと射し入れていくほどのぐぐっと筋肉に力を入れるが如き抵抗を感じた。
しかし止まらずに置くまで進めるため腰に力を入れて締まる柔肉を割り裂いて、道を切り開く。
「あっああ……っあああ~~~っ!」
叫ぶような、悲鳴にも似たメルの喘ぎ。私が喘がせている。
接点のない平社員、落ちぶれた老人の私が重役のメルと、若い女性と、こんな。
征服欲と、征服される喜び。電撃が男根を通じて流れる。この初めて味わう痺れが殊の外快感だった。
ズグっ……抵抗を押し切り、襞をすりあげながら到達させた場所はメルの最も深い場所。
「あぐぅぅぅっ……あっ……ぁぁ」
喘ぎが途絶える。か細い声だけを残して。
胸は荒い呼吸の元上下運動を繰り返しつつも、布団を掴んだ両手からは力が抜けていた。
私の両手も依然として彼女の腰を掴んだままだが、力みを少し緩くしていた。
「奥……しっかりと、入ってるわ……はあっ、はあっ……子宮の、口、開き掛けて……」
「わ、わかります……ここが、メルの一番深い場所だと……ああ、なんて気持ちい場所なんだ……メル、貴女の中に、ずっと……居させて、ほしいくらいです……っ」
「そう……そんなに、気持ちいいのね……っ、私も、気持ちいいわ……早く、始めて……、子宮の中に居るM・Dに……、ああ、精子を……注いで、あげて……」
一つに触れ合う股間をぐっと押し込むと、先が更に奥へぬっと入った。
「あうっ」
メルの喘ぎと身体の痙攣。それで分かる。ここが子宮口の中、胎内なのだと。
目には見えないが、ここにM・Dが収納されているようだ。
「あ、あの、その前に心配事の」
伝えるべき事があった。挿入に夢中で伝えそびれていたことをいまメルに伝える私。
掴んだ彼女の腰を撫でながら、お尻を触りながら、太腿やガーターに触れながら、そうやって優しく彼女に触れていると彼女は赤い頬と荒い息のまま、私を見てきた。
視線を合わせる碧い瞳がとても綺麗。
「なにを、言いたかったの……?」
先を促すメルは社で水を掛けたときとは打って変わっての穏やかな声で、それがとても気分を高揚させる。
しかしそんな彼女に申し訳ないと思うのが自分の状態だった。それこそが言おう言おうとしていた事の内容。
「た、大変申し上げにくいのですがメル……。腰が、腰が持たないかも知れません……」
「……」
メルをお姫様だっこして家まで運んできたことが予想以上に腰にきているようなのだ。
家は二階の端の部屋、つまり階段もお姫様だっこして上ったわけで。
メルの中に挿れるだけならば挿れられたが、しっかり抽挿して性交できるのかが心配になっていたのだ。
「も、申し訳ございません……なにぶんにもその、70歳の老人なものでして……」
「……はあ、わかった……。それじゃ、私がなんとかするわよ……あなたはじっとしてなさい」
「……申し訳ございま」
「オウムみたいな言い訳はもういいから黙りなさい」
「は、はい……」