(マジで置いてきちゃったけど、
良いのかなぁ?)
カタルスフィーニ
『そう言えば、
ちゃんとメモは、
読まれたでしょうか?』
ヌエ
『え?メモ?』
カタルスフィーニ
『いい加減、
あの二人には、
“二人きりの時間”を、
褒美として、
あげたかったのですの。』
ヌエ
『はぃ?』
先生
『えっと、
マジか。』
マメンナ
『お嬢様ぁあああっ!!』
メモ
《二人で
子作りするまで
帰ってはダメですの》
▽
ヌエ
『おバカぁあああっ!!』
今世紀最大であろう声を荒らげ、
お嬢様を説教する。
カタルスフィーニ
『なんでですのぉおおっ!?』
▽
先生
(参ったな、
フィニにまで、
後押しされるなんてな)
マメンナ
『オノレお嬢様、
オノレお嬢様・・・。』
先生
(まぁ、
さりげなくヌエにも、
財布に潜り込ませられたしな)
財布の中身が、
普段の十倍に膨れ上がっていた。
先生
『マメンナ!!
兎に角、宿を確保しよう、
それとも、
“手配に数日は掛かる馬車”を、
今から探すのか?』
マメンナ
『っ!
誰が呼び捨てしていいと?』
先生
『ぉ~、怖っ、
だけど止めません、
そこまで取り乱している
マメンナなら、
俺でも抑えられるからな。』
いとも簡単に手を掴まれ、
“壁ドン”される。
マメンナ
『ひゃぅっ!?
ちょっと!?』
先生
『・・・・ごめん。』
(やヴぇぇえええええっ!?
改めて見ると、
ほんと、やべぇって、
え?
なにこの巨乳、
美顔、くびれに、
長い足、
とてもじゃないが、
六代目様の元奥様なんて、
思えない体つき、
本当に一度、
子供を産んだ人なのか?
人じゃなくてエルフか)
マメンナ
『はっ、離して!!』
先生
『っと、
兎に角、
宿へ行こう、
荷物も、直ぐに腐るものでもないし、
ツッペリン家には、
ヌエがいるだろう?
一旦落ち着いて、
明日帰ろう、な?』
マメンナ
『くっ、確かにそうですね、
荷車程度なら、
リース下がりの中古品が、
買える筈、
明日、市場へ行きましょう。』
▽
ヌエ
『お嬢様?
どうしてあんなメモを?』
カタルスフィーニ
『“生きていれば”
わたくしのお姉様を、
産み、育て、
“お父様と、お姉様”を、
同時に失ったマメンナ、
もう、
“わたくしを、
お姉様とダブらせるのが”
嫌なのですわ!!』
ヌエ
『お嬢様、
それは出過ぎた行為です、
マメンナさんの中で、
まだ、折り合いが付いていない、
いえ、
生涯をかけても、
残り続けるでしょう、
その傷を、
えぐり出すような行為なのですよ?』
カタルスフィーニ
『わかっていますわ、
だから、
“現・臨時七代目当主”として、
考え、
わたくしも、マメンナも、
けじめを付ける為に、
あのメモを残したのですわ!
もぅ、
“必要以上の愛情を貰いましたの”
だから、
“わたくしの妹”を、
マメンナに託して、
私(わたし)が、
わたくしが、
正式にお姉様の後を継げる様に、
はっぱをかけたつもりだったのですの。』
ヌエ
『お嬢様、
泣いていますね。』
カタルスフィーニ
『な、
泣いていませんわ。』
写真は、この世界には無い。
あるのは、小さい頃の肖像画だけ。
先代達も肖像画のみ、
その中に、
マメンナさんの娘が、
“今のカタルスフィーニお嬢様”と、
瓜二つ。
ヌエ
『僕じゃ役不足でしょうけど、
隠してあげます。』
僕の6歳の身体でも、
抱えられる、小柄なお嬢様。
カタルスフィーニ
『もぅ、
十分なのです・・・、
マメンナは、
自分の幸せの為に、
“わたくし如きに時間を使う必要は”
ありませんの・・・。』
ヌエ
『それは言い過ぎです、
少なくても、
お嬢様が居たから、
マメンナさんは、
笑ったり、怒ったり、悲しんだりしています、
それは、
マメンナさんの幸せに一役買っているのです、
決して、
お嬢様如きではなく、
“カタルスフィーニお嬢様があっての”
マメンナさんの幸せなんだと、
僕は思いますよ?』
▽
マメンナ
『家内戦争以来だわ、
家を離れて宿を取るなんて。』
先生
『俺が生まれる前の事ですね?』
マメンナ
『そうよ、
貴方は、たった25年、
私は、512年、
これだけでも、
私と、貴方は、釣り合わないし、
“どうあがいても私が先に死ぬのよ?”』
先生
『させませんし、
死ぬなら、
息子娘に看取られて死んで下さい。』
マメンナ
『殺されたいの?』
なんの躊躇(ためら)いもなく、
ダガーを引き抜く。
先生
『マメンナに殺されるなら、
それもまた、
人生だ、謹(つつし)んで受け入れるよ。』
マメンナ
『呆れた、
12の頃から、
毎日毎日、よくも飽きずに、
こんなおばさんに詰め寄るわね、
どうして、私なの?
元とはいえ、人妻よ?』
先生
『そこが好「ドゴン」嘘デス。』
机にダガーが突き立てられる。
先生
『単純に、
一目惚れなのと、
毎日、六代目様と、
楽しそうにしていた、
貴女が綺麗で、
俺も、その輪に入りたい、
並んで、その人の子供と、
生涯を共にしたいと、
強く願った、
六代目様を失ったあの日、
俺がもっと、強ければと、
後悔したように、
これ以上、マメンナを、
不幸にしないように、
俺が、少しでもその隙間を埋められるように、
“最前線で強くなって”
先生の職に就いて、
安定した収入、
下手に手出しできない立場を手に入れた、
でも、
貴女は、マメンナは、
どうして俺を、
その輪の中に入れてくれない?
どうしてなんだ?』
マメンナ
『貴方が、
“ツッペリン家の血筋だから”
って言ったら、
怒るかしら?』
先生
『・・・やっぱり、
知ってたんですね?
俺が、
“三代目様の子孫”だと。』
マメンナ
『当然よ、
三代目様は、六代目様と同じ顔、
それに、
“同じゴーレムマスター”
何一つ変わらない戦い方、
世代回帰、とでも言うのかしらね、
技術は上がっても、
基礎は変わらない、
“会話の仕方もそっくりで、
声も同じ”
だから、嫌なのよ。』
先生
『そんなにそっくりなんですか?』
マメンナ
『気持ち悪いぐらいに。』
先生
『でも!!
この200年で、
血も薄くなった!!
もう、血なんて関係ない!!
俺は!!
例え、
エルフの限界寿命が間近な人だろうと!!
“愛する人を、変える事はしない!!”』
マメンナ
『貴方の200年、
私の200年、
捉え方の違い、わかるわよね?』
先生
『それは・・・。』
マメンナ
『自分が産まれ、
初代様に拾われ、
お使いのみの使用人として雇われ、
二代目様、三代目様、
四代目様、五代目様、
そして、六代目様、
この512年、
ずっと、ツッペリン家に仕えて来た、
だからこそ、
貴方には、
薄くなったツッペリン家の血を、
世界に広げて欲しい、
決して、
途絶えさせない為に、
1000年、2000年、更に先へ続く、
誰にも成し得ない、
ツッペリン家の血を、
見えない明日へ繋いで行って欲しいの、
だから、
こんなおばさん一人の為に、
貴方の残りの時間を、使わせたく無いのよ。』
先生
『嫌です、
ついさっきの夜食に、
“エルフ御用達の媚薬”
混ぜてありますんで、
逃げないでくださいね?』
マメンナ
『知ってる?
年老いていくエルフに、
媚薬は効きにくくなるのよ?』
先生
『知ってますか?
600歳で子を産み、
606歳で亡くなった
エルフの前例があるんですよ?』
マメンナ
『・・・やれるものなら、
やってみなさい///
もぅ、熱くてたまらないんだから、
簡単には、
妊娠、してあげない、んっ、
だか、らぁっ!!』
▽
ヌエ
(出処を聞かれなかったけど、
上手く行ってるのかなぁ?
“媚薬”
あれ、
本気でヤバイ奴だから、
先生の体力持つのかなぁ?)
カタルスフィーニ
『ヌエ!!
わたくしには、
あれだけお説教しておいて!!』
ヌエ
『お嬢様?
先生は成人なさっていますし、
教師と言う職を持っています、
それに、
前線帰りは、
国に重宝されます、
早々に、手を出す輩もいません、
なら、
助力を求められるなら、
それに答えるまで。』
カタルスフィーニ
『むきぃ~っ!!』
ヌエ
『だから、申し上げた通り、
成人なさるまでは、
その方面のお勉強はさせませんと、
あれほど言いましたよね!!』
カタルスフィーニ
『なら!
ヌエはなんで知っているのですか!!』
▽
先生
(きっつ~・・・、
底なしかよ、
この媚薬、劇物指定品目の、
“ブラックリスト物”だよなぁ?
なんで、
ヌエが持ってるんだ?)
マメンナ
『・・・休んだわ、
もっと///
貴方をわたしに///』
先生
(うぉ~・・・)