※この作品はR-18です。

シングル・ウォー   作:扶桑畝傍

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先生
『マメンナさん、
 フィニは?』

マメンナ
『眠っています、
 そう言うしかありません、
 国内の医療魔術師には、
 診せたのですが、
 原因不明、
 眠っている以外に、
 わかった事はありません。』

先生
(ヌエ、
 お前の魔力はいったい、
 なにを、フィニにもたらしたんだ?)



少年は、なにを思う?

僕の“血”と、“魔力”を

 

取り込んだお嬢様は、

 

あれからずっと眠ったまま。

 

ヌエ

『お嬢様。』

 

学校には、自宅療養と伝えてあり、

 

先生にも、根回しをお願いしている。

 

メイヤ

『ダメだ、

 さっぱりわからん。』

 

メイヤにも、解析を進めもらっているが、

 

何一つ解からないまま。

 

既に3週間、

 

栄養に関しては、

 

“経口補給”で、賄う。

 

メイヤ

『“血液”で、栄養を賄うにも、

 そろそろ限界だろうに、

 どうして目を覚まさない?』

 

ヌエ

『ソウダ、アイツは?』

 

アイツ、虎狼族の、アイツ、

 

どうしたんだっけ?

 

メイヤ

『とっくに国に帰しただろうに、

 あんなにトラウマを刷り込みやがって、

 あれじゃぁ、

 一族でも、

 厄介者扱いされるぞ?』

 

ヌエ

『まぁ、それが目的でもあるんで、

 いずれ、

 “戻って来る筈”です。』

 

メイヤ

『目的って・・・。』

 

▽

 

???

『ですから!!』

 

族長

『くどいぞ、

 クェール、

 一族の中でも、

 一、ニを争う実力者の貴様が、

 こんなにも、しおらしくなりおって、

 恥晒しめ!!

 破門だ!!二度とこの地へ、

 戻るでない!!』

 

クェール

『そんなっ!?

 お願いです、父上!!

 あの国には、

 手をだしてはなりません!!

 あの国には、

 危険すぎる人間がいます!!

 我々の命を、

 “羽虫すら思わない人間が1人いるのです”』

 

族長

『ならば好都合、

 数千年もの間、

 “休戦”などと、条約を結んでから、

 ロクな戦争も、紛争もない、

 “丁度、退屈しておったわ”

 者共、

 戦(いくさ)じゃ、

 戦争の準備だ!!』

 

クェール

(い、いけない!!

 でも、どうすれば・・・)

 

族長

『そうだ、貴様の処分が先だったな?』

 

▽

 

ヌエ

(まったく、

 この国周辺に配置した、

 偵察衛星から、

 まぁまぁ、

 獣臭い奴らが集まっているもんだ、

 数日で、軍を招集でき、

 国境集結に3日か、

 機動力は凄いと言える、

 でも、

 この国には、お嬢様が居る、

 僕が居る、

 目的の為には手段なんて選ばない、

 いずれ、

 “自分で壊す世界だとしても”

 今は、ここを護る)

 

先生

『ヌエ、

 非常召集が掛かった、

 俺も、

 前線へ向かう、

 お前は、

 フィニを護ってやってくれ。』

 

ヌエ

『・・・先生、

 “彼らの種族って、

  最低維持人数って、

  何人でしょうか?”』

 

先生

『ば、

 馬鹿な事を言うな、

 あれだけ戦闘に、

 格闘に特化した種族だ、

 そんな事出来ないし、

 させる訳にもいかない。』

 

ヌエ

『何人ですか?』

 

クェール

『・・・200人ぐらいが、

 かつての部族間集落人数だ、

 だが、

 この数千年で、繁殖力の低下が著しく、

 1000人は、

 “別々の血族が望ましい”と、

 部族の魔術師達は言っていた。』

 

ヌエ

『そぅ、

 アリガトウ、

 態々教エニ、

 戻ッテキテクレテ。』

 

クェール

『ひっ!?』

 

先生

『き、君はっ!?

 あの日の亜人!!』

 

ヌエ

『予防線ヲ張ッテイテヨカッタデスヨ、

 名前、聞イテナカッタヨネ?

 教エテ?僕ハ、“ヌエ”』

 

クェール

『く、クェール・ケェッタ、です、

 ヌエ様。』

 

ヌエ

『悪くない、

 今、集まっている軍勢は、

 何人なんだ?

 “そこから選んで間引きしなきゃ”』

 

クェール

『ヌエ様!!

 み、皆を生かしては貰えないのですかっ!?』

 

ヌエ

『その傷、破門か、処分されかけた感じだね?』

 

先生

『よ、よく、

 そんな傷で・・・。』

 

ヌエ

『《万物を司る精霊よ、

  彼女の傷を癒す手助けをしたまえ、

  我が血肉を、

  彼女へ分け与え給え、

  その、戒めの傷を、

  消し去り給え》』

 

先生

『呪文詠唱!?

 ヌエ!!

 なんでお前は使えるんだ!?』

 

クェール

『・・・痛みが、

 でも、なぜっ!?』

 

ヌエ

『まぁ、

 君を利用して、

 亜人の“傍観する者”

    “様子見の者”

    “攻めてくる者”

 これの、大まかな見分けをしたんだ、

 せめてもの、お礼だよ、

 “女の子”に戻ってるから、

 頑張ってね。』

 

クェール

『へ?』

 

メイヤ

『くんくん、

 ヌエ?

 処女にまで身体を治したのかい?

 “君の命を一日削ってまで”』

 

クェール

『命をっ!?

 なりません!!

 この命、お返し致します!!』

 

先生

『ヌエ!!

 フィニと居る時間を削ってまで、

 なぜ、亜人を治したんだ!!』

 

ヌエ

『さぁ?

 僕にも分かれば苦労しません、

 でも、

 “フィニ”も同じ事をするでしょうから。』

 

クェール

『フィニ、

 例の空を飛んで行った娘ですね?』

 

ヌエ

『君に首輪をあげよう。』

 

クェール

『え、えっと、これ、は?』

 

ヌエ

『その命、尽き果てるまで、

 彼女、カタルスフィーニお嬢様を、

 護る為に使え、

 それ以外は好きにして良いよ。』

 

クェール

『わ、わたくしめに、

 使命を、与えてくれるのですか?』

 

ヌエ

『使命?違うよ、

 “最後まで利用するだけだ”』

 

先生

『おい!!ヌエ!!

 いい加減、

 ガキにしては、過ぎた事をしているんだぞ!!

 大体、そんな首輪、

 “SS級禁物指定”だろうに!!』

 

クェール

『いいのです!!

 傷を治して貰い、

 “純血”までも治して頂きました、

 確かに、

 あれほどの恐怖を、

 ヌエ様に植えつけられました、

 ですが、

 “今しがたのヌエ様は、

  アレとは、同一人物ではありません”』

 

ヌエ

『そぅ?

 まぁ、いいや、

 必ず、フィニを護ってね?

 “間引きするけど”

 誰か、指定して、

 殺さないでもいいかな?』

 

クェール

『お父様は、残して欲しいのです、

 私の父は、

 虎狼族の、族長なのです、

 だから、

 あの、その・・・。』

 

ヌエ

『・・・いいよ、

 生きているのが苦痛になる程度に、

 “生かしてあげる”』

 

クェール

『そんな・・・。』

 

ヌエ

『他国に攻め入る以上、

 “綺麗事なんて、

  政治家の口だけで十分だよ”』

 

先生

『ぬ、ヌエ、

 本当にお前は何者なんだ?

 時折、大人びた口調なり、

 我々大人の考えすら、

 飛び越える知識量、

 “本当に、この世界の人間なのか?”』

 

▽

 

族長

『なんだ、

 拍子抜けも良い所だな、

 人間達のと言うのは。』

 

亜人

『大した魔力も感知できないし、

 アイツが危険だと言った人間も1人、

 たった一人で、

 なにができるのやら。』

 

亜人

『人間側に、動きアリ!!

 誰かが立っています!!』

 

▽

 

ヌエ

『第一、第二、第三リミッター解除、

 肉体、強制成長、

 機体選択、

 “儚き夢と戦いに殉じた戦士の機体”

 FTO、Go。』

 

▽

 

亜人

『なんだ!?

 あの、巨大なゴーレムはっ!?』

 

亜人

『みろ!!

 空に、巨大な飛空船が居るぞ!!』

 

族長

『人間は、

 あんな小細工でしか、

 戦えんのか?

 全軍、見掛け倒しのゴーレム如き、

 砕いて見せろ!!』

 

▽

 

ヌエ?

『ふっ、

 小細工なんてしませんよ?

 この速度に、

 ついてこれますか?』

 

亜人

『はっ!?

 はやいっ!?』

 

亜人

『ダメだっ!?

 早すぎて、拳が届かない!!』

 

亜人

『誰でもいい!!

 足止めをするんだ!!』

 

亜人

『俺達より早い奴の足止めなんて、

 どうやるんだよ!?』

 

ヌエ?

『先ずは、一個小隊、捕縛。』

 

光緑の網が、数十人を捉える。

 

亜人

『族長!!

 一個小隊が!!』

 

族長

『なっ!?』

 

ヌエ?

『さて、問題です。』

 

族長

『問題だと!?』

 

ヌエ?

『この網を、

 “絞り切る”と、

 この中の亜人は、

 “どうなるのでしょうか?”』

 

亜人

『ぉ、おぃ、

 まさか・・・。』

 

ヌエ?

『まぁ、

 正解しても、

 “離しませんけどね”』

 

族長

『やめろぉおおっ!!』

 

一言ずつの悲鳴が、人数分響く。

 

ヌエ?

『さぁ、

 次はどなたが、

 “ブロック肉になりますか?”』

 

▽

 

クェール

『屈強な戦士達が、

 あぁも、簡単に・・・。』

 

先生

『一人ですら、

 万全を期した状態で苦戦する、

 亜人達が・・・、

 ヌエ、やはりお前は、

 “この世界の人間ではない”』

 

▽

 

ヌエ?

『随分、消極的になりましたね、

 これでは、

 攻め入られる側の大義名分が果たせませんね。』

 

族長

(魔法は外され、

 拳も、蹴りも届かない、

 なんなのだ、

 このゴーレムはっ!?)

 

ヌエ?

『詰まらないですね、

 ならば、

 “殲滅でもすれば”

 反撃の一つぐらい来ますかね?』

 

族長

『ふっ!?

 ふざけるなぁあっ!!』

 

ヌエ?

『“ラグナ砲”

 局地収束モードで、

 発射用意。』

 

族長

『な、なんなのだ!?

 その魔力の奔流は!?

 貴様!!

 いったいどうやって!?』

 

ヌエ?

『知った所で、

 出来ませんよ、

 “知らない物を

  再現なんて出来ませんから”』

 

▽

 

先生

『不味い!?

 《精霊よ、

  我を護る巨壁を成せ

  我が後ろにある、

  守るべき場所を護る力を》

 “ヘル・ウォール”』

 

クェール

『《太古より存在せり魔力よ、

  我が身を、

  護るべき者を護る力に、

  我が意思に答えよ》

 “ヘブンズ・ウォール”』

 

神々しい壁と、

 

禍々しい壁が、

 

ヌエ達と、国境を隔てる。

 

▽

 

ヌエ?

『発射。』

 

▽

 

族長

『・・・こ、ここは?』

 

辺り一帯は、荒野が広がる。

 

族長

『み、皆、

 誰か、誰かおらぬのか?』

(魔力が、一つも感じられない、

 なにが起こったのだ?)

 

ヌエ?

『族長、

 貴方が、娘さんの忠告を無視し、

 彼女を破門、処分した事により、

 “みんな、死んじゃいましたよ?”』

 

亜人?

【族長、ひどいですよぉ~

 おれ、となり村のあの娘と婚儀、

 来月だったのに】

 

亜人?

【族長、

 あなたはなぜ、

 イキテルノデスカ?】

 

亜人?

【シネ】

 

亜人?

【族長の恥ダ!!】

 

亜人?

【亜人ノ恥サラシダ!!】

 

亜人達【【【死ヌベキダ!!】】】

 

▽

 

クェール

『ヌエ様、

 あの、父上は、

 一体、なにに怯えているのですか!?』

 

ヌエ

『付いてきた軍勢一人一人の、

 “怨念”のみを、

 見ているのさ、

 “安心してよ、

  誰も殺してないから”』

 

先生

『収容は終わったぞ、ヌエ。』

 

ヌエ

『怖い顔ですね、先生。』

 

先生

『国王が、直接謁見を申し入れて来た、

 断れば、国外追放だ、

 いいな?』

 

ヌエ

『仕方ないですね、

 フィニの傍を、

 離れすぎるのは、

 嫌なんですけどね。』

 

カタルスフィーニ?

『問題ありませんわ、

 わたくしも、謁見に参列致しますわ。』

 

ヌエ

『え?

 フィニ?お嬢様?』

(だ、だれ?

 こんなに綺麗な顔立ち、

 白い髪は、地面に擦れそうだし、

 出るとこは出てるし、

 引っ込む所は引っ込んでるし、

 “でも、そこまで身長は高くない”)

 

ばちーん!!

 

カタルスフィーニ

『あ・な・た・の!!

 せいで、

 こんなに“急成長したのですわ!!”

 責任は絶対とってくださいまし!!

 ヌエ!!』

 

クェール

『ま、まけた・・・。』

 

先生

『そうか!

 吸血鬼特有のアレか!!』

 

ヌエ

『はぃ?』

 

カタルスフィーニ〈150cmモード〉

『ヌエ、

 吸血鬼には、

 いくつかの成長分岐があるのです、

 “大量の血液”

 “生き延びた年数”

 “良質な魔力”

 これらが、

 吸血鬼として、成長に不可欠なのですわ。』

 

ヌエ

『つ、つまり?』

 

先生

『お前の血液と、

 “良質過ぎる魔力”の、

 大量摂取が、原因だ。』

 

カタルスフィーニ〈150cmモード〉

『後は、年齢を重ねれば、

 正式に、眷属、

 夫婦(めおと)関係になれますわ!

 これで、

 “貴方に純血も予約済みですわね♪”』

 

クェール

『じゅ!?純血///』

 

ヌエ

『フィニぃいいいっ!!』

 

カタルスフィーニ〈150cmモード〉

『なんで、

 怒られるのですのぉ~っ!?』

 

先生

(マメンナの方が、

 数段マシなんだなぁ~)

 

 




ぼふん!

カタルスフィーニ
『もぅ!!
 今回のお話は、長いですわ!!』

ヌエ
『いや、どっちに対してですか?』

先生
『ヌエ、
 国王の謁見、忘れるなよ?』

マメンナ
『さ、貴方、
 “子供の名前、決めて下さいな?”』

先生
『ぅえ!?
 う、生まれたのか!?』

マメンナ
『はい♪
 双子の“姉妹”でしたの♪』

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