ヌエ
(反動には耐えられないけど、
反動を利用すれば、
魔力以上の威力が出せる、
ただ、
“そのダメージ”も、
結界魔法に含まれるのだろうか?)
先生
『ヌエのやつ、
大丈夫なのか?』
マメンナ
『大丈夫でしょう、
ただ、
普段以上に、
不穏な気配を出していますね。』
カタルスフィーニ
『ヌエ、無理しないでね。』
スクゥーカ
『この、
ネイチャー・W・スクゥーカが、
貴様に、
本当の実力差を、
分からせてやろう。』
ヌエ
(確かに、
こいつは僕との喧嘩をしなかった、
必ず、ヴェッチルと、
遠巻きに見ているだけ、
だけど、
ヴェッチルよりは強いだろうから、
多少は本気でやれそうだ)
▽
先生
『両者、構え。』
スクゥーカ
(なんだ?あの構えは?)
ヌエ
(魔力リミッター開放、
術式固定、
追跡手裏剣)
先生
『始め!!』
スクゥーカ
『んなっ!?』
(投擲!?)
ヌエ
『コイツは、
お前に当たるまで、
“消えないよ”』
素早く距離をとるスクゥーカを、
なんの戸惑いもなく、
手裏剣をかたどった魔法は、
スクゥーカ目掛け迫る。
スクゥーカ
『“ストーンウォール”』
目の前に構築される石壁は、
手裏剣を。
スクゥーカ
『避けたっ!?』
ヴェッチル
『兄さん!!上!!』
ヌエ
『一刀両断、
チェエストォオオオオっ!!』
ナタを巨大化させたような、
身丈には全く合わない大剣が、
スクゥーカ目掛け、
“撃ち下ろされる”
爆音が響く。
振り回されるなら、
“コントロール出来る”
振り回されをすればいい。
ヌエ
『ちっ!』
舌打ちを付く一拍で、
再び距離を空ける。
スクゥーカ
(あ、危なかった、
ストーンウォールが、
ナイフで切り裂かれるように、
一瞬で・・・、
一体、アレは、なんなんだ!?)
先生
(アレは・・・魔力核を使ってはいるが、
明らか、体のサイズに合っていない、
普通なら持ち上げる事すら、
ままならない筈、
一体どうやって?)
▽
爆音
それが繰り返される度に、
壁は切り裂かれ、
疲労が溜まっていく。
スクゥーカ
(くそ、
魔力が上手く練れない、
強度が出せない、
それに、
この強烈な音はなんだ?
耳が痛い、
ヴェッチルの声も、
聞き取りづらい、
どうすれば・・・)
ヌエ
(しぶとい、
段階をあげるか?
でも、
下手に手札を見せられない)
▽
マメンナ
『決めに入りますね。』
先生
『決め?
マメンナさん、
ツッペリン家に、
代々仕える護衛メイドの、
貴女が言うのだから、
なっとくできるのですが、
ヌエは、
何時から、
あんな戦い方を?』
マメンナ
『今回が始めて、
“公(おおやけ)”に、
出したのでしょう、
私自身、
あの対処法を、
必死に組み立てています。』
先生
『代々の教えには?』
マメンナ
『ありません、
あんな爆音、
この“匂い”
今まで経験した事のない代物です。』
▽
スクゥーカ
『くそっ、
さっきから、
ドカンドカン五月蝿いんだよ!!』
無詠唱の火球がヌエに飛び込む。
ヌエ
『う゛ら゛ぁっ!!』
なんと、極大剣で、叩き切った。
スクゥーカ
(馬鹿なっ!?
いくら威力がない火球でも、
あんな大剣で、
切れるなんてっ!?)
ヌエ
(だ~っ!?
思った以上に手がヤバイ!!
仕方ない、
手札をもう一つ出すか)
▽
カタルスフィーニ
『マメンナ?
ヌエが先ほど放った投擲物は、
何処に?』
マメンナ
『まさかっ!?』
その声と同時に、
手裏剣は、空中待機を解き、
スクゥーカに再び肉薄する。
スクゥーカ
『うわっ!?
なんでっ!?』
とっくに添加魔力が尽きて、
消えていると思っていたスクゥーカ。
しかし、
供給される魔力は途切れる事無く、
その鋭さと、突進力を、
維持したままだった。
服は切れ、
切り傷が増えて行く。
その間にも、
爆音と切り伏せる攻撃は、
止まる事はなかった。
▽
先生
『極大剣に使う魔力に、
飛翔し続ける投擲武器、
なんてコントロールなんだ。』
(まだ、5歳だぞ!?
こんな子供がこんな身近にいるなんて!)
マメンナ
(全く、
コレは厳しいですね、
今までの戦略では、
対処しきれません、
これは、
ヌエさんと、
メイヤに、
問い詰めないといけませんね)
カタルスフィーニ
『ヌエ!!
見せしめにはもう良いでしょう!!
決めてしまいなさい!!
“私の為に”』
ヌエ
『へ?』
あらぬ方向へ手裏剣が曲がるが、
直ぐに立て直す。
マメンナ
『っ~、お嬢様?
発言には十分注意なさるようにと、
あれほど言い聞かせましたよね!!』
カタルスフィーニ
『はへ?
わたくし、
なにかいけない事言いましたか?』
全員《無自覚かっ!!》
カタルスフィーニ
『なんの事ですのっ!?』
▽
ヌエ
(ま、まぁ、
いい加減疲れるし、
決めなきゃね!)
スクゥーカ
『くぅっ。』
(先程よりも早い、
なんて体力なんだ、
僕に息切れを、
体現させるなんて!)
ヴェッチル
『兄様!!
なにか仕掛けて来ます!!
警戒を!!』
スクゥーカ
『わかっている!!』
ヌエ
『“ツインウォール”』
二つの壁がせり上がり、
スクゥーカの動きを、
上か、前後に絞り込む。
スクゥーカ
『“ロックシューター”』
単純だが、打撃力は侮れない、
石つぶてが、
複数直進するだけの魔法、
これを防ぐには、
防御をするか、避けるか
否。
ヌエ
『“縦(たて)!!
鼠花火回転切りぃいいっ!!”』
極大剣を真っ直ぐに構えたまま飛び上がり、
爆音を連続させ、
ぐるぐると回転しながら、
スクゥーカへ落下して行く。
スクゥーカ
『いつの間にっ!?』
避けようにも、
前も、後ろも、
壁に閉ざされていた。
ヌエ
『チェエエエストォオオオ!!』
▽
へたり込むスクゥーカ。
刃先は、鼻先で止まり、
地面に減り込んでいた。
ヌエ
『ぷっ、だっせぇ、
おもらししてやんのww』
結局、先生に叱られ、
校庭の修繕を罰として、言い渡された。
別に悪い事してないのにぃ~。
マメンナ
『さ、今度は私の番ですよ?』
ヌエ
『え?
お腹空いてるんですけど?』
カタルスフィーニ
『と、言うか、
なんで魔力核で、
武器を作っていたんですか?』
先生
『逃げ場は無い、
観念して、洗いざらい吐くんだな。』
メイヤ
『ぬきあ~し、さしあ~し。』
マメンナ
『逃がすか、コラぁ。』
メイヤ
『ア、ハイ、スイマセン。』
全員
((マメンナさん、怖ぇ~))
マメンナ
『他言無用、
よろしいですね?』
全員
《イエス!!ユア、マメンナ!!》
マメンナ
『よろしい。』