胸糞注意、かも
≪回想≫
--今ではこうして、年下の女の子を襲っては囲っているレイプ犯な俺だが、これでも高校ぐらいまでは女受けは悪くなかった。
クラスの大多数に勉強を教えてやれるくらいに、学力がトップだったからだ。俺は勉強ができる上に、教える才能もあったのか、教えた相手は面白いように俺の話についてきたし、例外なく成績も上がった。
努力はしてるけど成績が伸び悩むガリ勉な奴は、「時間を切り詰めて勉強しなければ」と強迫観念にとらわれていたので、時間に追われるよりもじっくりと集中するのが大事だと教えた。プレッシャーを意識させずに、無心で勉強を積み上げさせてやると、肩の力が抜けて、すいすいと問題をとけるようになった。
放課後は塾、家に帰れば家庭教師と、親にスケジュールで忙殺されて学校の勉強に手がつけられない奴は、自分で可能なスケジュールを組み立てて、親に提示するように勧めた。勉強のスピードを理解している俺が監修したスケジュールを示し、有言実行で成績を上げたところ、親も無理は言わなくなったそうだ。
授業に全然集中しておらず、テスト前日になって俺に泣きついてくる奴らも結構いた。どうにかギリギリで踏みとどまろうとする危機感だけは買って、俺の家で一夜漬け勉強会をよく開いたものだ。一夜で全範囲習得は無理なので、傾向と対策を意識して、重要部分を全員がかりで要約した。ノート1ページに圧縮したメモを、「みんなで作り上げた、この1枚だけに集中して覚えるぞ!」と言って、全員に熟読させる。
これでも全員で協力して行った圧縮作業が記憶に残って、赤点を回避できる程度の点は取れた。
俺の家に泊まる一夜漬け組には女子も多かったが、問題にされない程度には、親教師からの信頼も得ていた。
クラスには、俺よりルックスのいい奴は他にもいたし、他にもスポーツマンや、トークの軽快な奴、面白い遊び場を知ってる奴など、それぞれ女と仲のいい男子はいたが、そいつらも勉強では俺に頼ってきた。それはそいつらの紹介で仲のいい女子も、俺に声をかけてくるということだった。女子とは勉強の話題が基本で、「それ以上」を期待しないでもなかったが、当時の俺は女子を含めても周囲の大勢に頼られるだけでも満足していた。
『氷浦君ってさ、将来は何目指してるの?』
『将来か…とりあえず大学は行くつもりだけど、その先は何となくしか考えてないんだよな』
『瞑司ならさ、難関大学出て、超エリートになりそうじゃね?』
『いっそのこと、自分で会社起こして、青年実業家になっちゃいそう。受験勉強してる上級生にも教えるくらい、頭いいもの』
『その時は俺たちも呼んでほしいよな、社長様』
その場の同級生に持ち上げられるままに、俺は何となく抱いていた夢を照れくさく語った。
『俺はなー。教師とか塾講師になりたいと思ってるんだよ。やっぱ、みんなに教えてる今が、一番楽しいからさ」
一瞬シン…と静まり返った後に、意外な答えにその場が盛り上がる。
『先生か~、瞑司の頭なら偉くなれそうなのに、もったいなくね?』
『でも氷浦君らしいよね。私なら自分の子供も、氷浦君に教えてもらいたいかも』
『おいおい、今どきは先生もテレビに出るから馬鹿にできねえぞ。有名人になる前にサインもらっとこうぜ!』
『私らみたいな落ちこぼれでも教えるのが楽しいなんて…そんな先生珍しいよ。瞑司君なら、きっといい先生になりそう』
『みんな先生の授業正直嫌いって言ってたから、俺が先生になりたいなんて言ったら、どんな目で見られるかと思ったよ』
『やだなあ、氷浦君なら別だよ!」
俺が思うように自由に話しても、周りから笑って受け入れられる時代だった。--
「まさに、俺の全盛期だったわけだ……」
映優梨のひざ上に寝そべりながら語っている俺の過去話を、かつての同級生たちよりもレベルの高い美少女3人が聞いてるが、話の中の同級生と違って、3人とも微妙な反応だ。二彩の手慰みに揉まれている麗緒瑠も、白けたような反応。
「でっ、その綺麗なめ~じ兄ぃが、なんで今の変態め~じ兄ぃになったの?今の話だと、リア充自慢にしか聞こえないけど?」
「おい映優梨、これ以上時間稼ぎするなら、そいつの鼓膜破ってもいいぞ」
「麗緒瑠さん!瞑司さん、私は変なこと絶対にしませんから。続きがあるんですよね?」
「話の順序をわかってるのは、映優梨だけか?そう、ただの仲良し同級生で済むなら、”奴ら”なんて呼ばなくてよかったんだけどな…」
--時は進んで、俺たちの学年もセンター試験を受ける季節になった。もちろんこの前日もセンター対策で俺の同級生の大半が家に集まった。俺の両親は気を利かせて家を空けてくれた。
みんなでの最後の追い込みが終わると、夜食として女子たちが鍋焼きうどんを作ってくれた。みんなで材料を持ち寄ってくれたそうで、軽い寄せ鍋のような具だくさんの鍋が湯気を立てて、風味豊かな香りを届けてくれる。
『いいのか、俺が先に食べちゃって?』
『いいの、いいの。氷浦君が一番頑張ってくれたんだから』
『一度に全員分麺茹でるとと時間かかっちゃうからさ。まずは瞑司君からってことで』
『俺たちの日頃の気持ちだよ。冷めないうちに食えよ』
『ほら一気にすすってさ!』
『『『一気!一気!』』』
『みんな…。お先に、いただきます』
ちょうど腹も減っていたところに、温かい食事と声援。みんなの盛り上がりにこたえて、熱々のうどんを一気にすすりこんだ。汁が熱いが、豊富な具材からとった出汁は、肉のうまみ、野菜の甘味、その他もろもろの風味が入り混じった濃厚な味わいだ。だから茶碗一杯に盛られたうどんを、知るまで一気に飲み干してやると、周りから拍手と歓声が上がった。
『ぷはっ。みんな、礼を言うのは俺の方だ。みんながいたから、俺も教職を目指して、国公立に入ろうと……うっ!?」
それを言う前に、腹に強烈な痛みと便意が走った。うどんを一気食いしたせいか?いや、この熱く煮えくり返るような腹痛は、食べ過ぎどころじゃない。腹を片手で押さえて膝をつく。トイレに行きたいのに、寒気がして力が入らない。やばい、手を貸してもらわなくては。
そう思ってみんなの顔を見上げると、彼らは俺を見ながら吹き出し……先ほど以上に爆笑していた。
『うっは、瞑司漏らしそうでプルプルしてるじゃん、ざまあ!』
『見て、ハイハイしそうな歩き方なんだけど。オムツが欲しいんでちゅか~』
『マジウケるんですけど~。撮っとこ』
『引っかかってやがんの。お前馬鹿だなあ!』
さっきまでお祝いムードだった同級生が、下痢に苦しむ俺を見て、してやったりと笑っている。この状況なら、馬鹿でも原因に思い至る。
『なんで俺に、下剤なんか…』
『ハァ……アンタさ、ムカつくんだよね。もっとアンタに頼らなきゃ、私らはどこにも合格できないって、親や先公からボロクソ言われるしさ…』
『俺の親父なんか、もっとお前を見習えって無茶言いやがるしさ。なんで俺がクソガリ勉のお前と比べられるんだよ!』
『俺なんかいくら頑張っても、瞑司にはかなわないしさ…邪魔なんだよ』
『私らを教えるのが楽しいって、見下してたんでしょ?私らが必死なテストでも、瞑司だけ余裕そうだったものね!』
次々にぶちまけられる汚い本音に、俺は吐き気までこみあげてきた。
実のところ、俺は同級生の勤めて仲良くしようとする態度に、内心嫉妬が混ざっていたのは薄々気づいていた。あまりに卑屈に俺を持ち上げようとする言動に、その裏の羨望を指摘しそうにもなったが、言っても惨めにさせるだけだと気遣って、ただ黙って成績の引き上げに手を貸した。全員で志望校に合格すれば、そんなコンプレックスなど消えると信じて。
だが、まともな努力なんて無意味だった。こいつらは、素直に自己の能力を高めるより、俺を引きずり下ろそうとした。周囲からの評価が、俺に向いていて目障りというだけの理由で。
『そのクスリ、下痢が2,3日は止まらないらしいぜ。明日からのセンターは無理だな』
『ほら、さっさと漏らせば?撮っててあげるからさ』
『誰かにチクったら、お前がクソしてる動画、ネットにあげるからな』
『『『もーらーせっ!もーらーせっ!』』』
俺はその場から立ち上がる気力もなかった。こいつらと周囲の大人、そして何もできず罠にかかった俺自身の愚かさを呪って。--
先ほどの静けさと違って、重い空気が漂っている。映優梨は耳かきを俺の耳に入れたまま手が止まっている。
「それから、どうなったんですか?」
「どうもこうも、俺のセンター試験はお流れ。俺は今の私立を目指すことにしたわけだ。ハハッ、難関大学って言われるが、もとは第一志望じゃなかったんだぜ?」
俺はニヒルに笑って見せた。しかし、聞いてる3人は笑い事じゃないって顔だ。
「瞑司、お前ならそんな逆恨みのゲスども、タダじゃ置かないよな?そのあと何か復讐したんだろ?ダチだった相手に」
麗緒瑠は怒りにアーモンド形の瞳を燃えさせて、横になった俺にわざわざ顔を近づけて見据えてくる。こういう話になると、どうやら麗緒瑠の方がカンがいいな。
「そうだ。そいつらが『2,3日効く下剤らしい』と口を滑らせたのが引っかかってな」
それほど強力な下剤を、高校生が普通の薬局で買えると思えない。「らしい」なんて曖昧な説明をしてることから、後ろ暗い売人から買ったと見るべきか。ネットを通じてやり取りした線が一番強いだろう。
腹の中身をいやというほど排泄されたせいか、朝に両親が帰ってきてから入院しても、薬の成分などは検出されなかった。もともと足のつかないタイプの薬だったせいかもしれない。その他の証拠も片づけられてしまっていたが、脅迫ネタを握られている俺には、その方が好都合だった。俺を火元として下手に騒がれると、奴らに動画流出されてしまうからな。
俺の手が見えないように奴らに復讐するアプローチ、つまりは他の人間を利用して奴らを追い詰めることにした。俺は奴らの親に宛てて匿名の手紙を送り付けた。内容はこんなところだ。
「あなたの家のお子さんが、我々から高価な薬を買っているが、代金を支払ってくれない。このままでは、あなたの社会的信用にもかかわりますよ。どうすべきかは後日相談を」
要するに、奴らが利用したと思しき薬の売人を装った架空請求。犯罪スレスレだが、いくらいつまでに払えと具体的には指示せず、連絡先も書いていない。金を請求する目的ではないからだ。
こんな不気味な手紙を受け取った親の最初にとる行動は、状況確認だ。警察に相談するにしても情報の少なすぎる手紙だし、下手に調べられると子供にまで罪が及ぶかもしれない。だから、子供がどの程度かかわっているかを、先に調べてから決めるところだろう。
そして子供の後をつけるなり、パソコンやスマホの履歴を調べるなりしてみるはずだ。
薬の売人とのやり取りはもちろん親にも隠しているだろうが、隠しきれてると思っている隙に調べられれば、中にはバレるやつもいるだろう。また、これを機に薬の売人を新規利用し始めたやつは、ガードが甘くなっている可能性も高い。
そして、親に問い詰められた挙句に、警察沙汰になる奴が何人か出始めた。違法な下剤を買ったことまでバレたそうだが、そいつらから見ればいつの間にやら親バレした形のため、俺よりも親を恨みながら少年院行きとなった。また、同級生が薬を買っていたことで、その他大多数までもが疑われ、身に覚えがあるそいつらは親といがみ合う羽目に。
捕まった奴らのスマホに残っていた脅迫用の動画は、警察が見つけて俺の方にも話を聞かれた。ここに来て俺は動画を押収してほしいと依頼し、同級生の親を通じて、脅迫用の動画はすべて没収された。何しろスマホやパソコンの契約者は親なのだから、高校生の身分で逆らうことはできない。
マスコミには取り上げられず、動画そのものは広められなかったが、俺の周囲には「下剤で受験妨害事件」が知れ渡る形になった。俺以外のほとんどの同級生は、この結果で自暴自棄になり、受験に失敗、その学年ではまともに合格できたのは、俺か事件にかかわっていない少数のみだった。あれほど俺を蹴落とそうとしていた連中を、自滅の道に追い込んだうえで悠々と合格。もはや俺に後悔はなかった。
事情に気付いてなくて病気と思っていた両親からもひどく謝られたが、俺にはそんな同情さえ不要なものだった。俺が反撃を受けず復讐するために、心配する両親を相手に会えて沈黙を貫いたのだから。
俺はその時から、醜聞のささやかれる実家や母校から遠く離れた大学で、一人で過ごすと決めた。人間、信じて助けるには値しない。絶対服従と付き合うだけの価値が見込める、完全な上下関係で支配できる相手以外は。ーー
俺の壮絶な復讐劇を、麗緒瑠は眉ををしかめて固唾を飲んで聞いていた。痛快なリベンジでうっぷんを晴らすと、スケバン的な思考で期待していた麗緒瑠にとっては、苦い結末だったようだ。
麗緒瑠に代わって、ドロドロした話に少しは耐性のありそうな二彩が口を開く。
「…なんていうか、め~じ兄ぃってエロイことしか考えてない変態に見えて、闇が深いキャラだったんだ。ぼっちだから、エロイネタしか考えなくていいって感じ?ま、め~じ兄ぃがエロイ方に頭の良さを使うのは、二彩たちもそこそこ楽しめてるからいいけど」
「私はよくありません!そんなのって、悲しすぎるじゃないですか……」
その震えた泣き声とともに、俺の頬に熱い雫がポタッ、ポタッと垂れ落ちてくる。顔を上げると、映優梨が俺を見つめながら、次から次へと大粒の涙を落としている。鼻からすすりあげる音を上げて、耳かきを持った手で口元を多い、喉をを細かく上下に震わせている。
至近距離で見た映優梨の泣き顔は、今まで俺が見たどれよりも、感情の高まりで熱を帯びて白い肌が紅潮した本気の泣き顔だった。映優梨自身の弱みを見せたり、セックスで追い詰めた時とも違う、涙を全く抑えていない目は、赤々と充血している。
「私は瞑司さんのこと、誰よりも信じられる人だと思います。それなのに瞑司さんには、信じられる人がいないって、そんなのってあんまりです!」
「俺をそれだけ信じられるのは、俺がそうなるように仕向けたからさ。俺は映優梨ちゃんの生着替えを盗撮して、いじめという弱みも握れた時は、ラッキーだと思ったね!最初逃げるように指示したのも、そうしていじめを長引かせれば俺に依存すると思ったからだ」
俺はそんな甘い同情をはねのけるように、かつての思惑をぶっちゃける。お人よしだった俺が目を覚ますきっかけになったのと同じ、悪意をむき出しにして映優梨を真っ向からあおる。そうしなければわからないだろう、同情した人間に裏切られる恐ろしさ。そして、いじめてきた同級生に勉強を教えるなんて、いかに危険な行動をとっているかを。
「……そうだった、かもしれませんね。でも、瞑司さんは、それだけじゃなかったんです!私に同じつらい思いをさせたくないって、助けてくれたじゃないですか!今だって、自分で悪者になりきろうとして……でも私には、どうしても悪い人には見えないんです。だからもう、無理しないでください……」
とうとう涙と熱と感情があふれ出す顔を、すべて白くたおやかな手で覆って、泣き崩れる映優梨。
俺には信じられなかった。ここまで他人から信じてもらえる現実が。ただただ、反論もできずに映優梨の泣き声を聞いていた。
「ここまで言ってくれる映優梨が信用できないのかよ、瞑司。過去がどうだったとしても、今は変わっていくもんだと、ウチは思うけどな」
麗緒瑠は俺にそんなセリフをサラッと言って見せる。決断の早い麗緒瑠にとっては、それが信念なのかもしれない。
「映優梨んも泣かないで。こうなったら耳かきで、人間不信のめ~じ兄ぃを慰めてあげたら?さっきまで、め~じ兄ぃも、膝枕でおとなしくしてたんだからいけるって!」
二彩は映優梨を励まして、耳かきアプローチを続けさせる気のようだ。それを聞いて映優梨が顔を上げる。濡れ光る涙を細長く繊細な指先でぬぐい、耳かきを持ち直す。
「瞑司さん、まずは私を信じてみてください。ちゃんと最後まで、耳掃除して見せますから」
再びむっちりした純白の膝枕が差し出される。俺はその低反発膝枕に乗ってやった。たかが耳掃除で何が変わるのかって気持ちもあったし、言いたいことを言いきって疲れた感覚もあった。
映優梨が綿棒をそうっと、耳に差し入れてくる。さっきまで大泣きしてたとは思えない、余計な力も震えもない丁寧な手つき。充血した目で、狭い耳穴の視界も確保してると思うと、彼女の一心がうかがえる。
先の一回で耳の構造を把握したのか、今度は耳壁に綿棒を軽く擦り付ける動きが入ってくる。こびりついた耳垢を剥がすカリカリ音が、耳の中に穏やかに響く。
「私は瞑司さんに脅されて迫られて、怖かったですけど……でも今ではそれでよかったと思ってます。そうでもないと、私は誰にもいじめを相談できなくて、ずっと苦しんでたかもしれないんです」
「それは俺が、恩を売って映優梨ちゃんを縛ったから、そう思えるんだろう?映優梨ちゃん真面目だからな」
俺があくまで映優梨のひたむきさを否定しようとすると、綿棒が耳壁に押し当てられる感覚がした。頑固にこびりついた耳垢をひっかけたのだ。今までのこそばゆい感触と違って、綿棒の先に細指の力が集中している。
「きっと運命だったんです。私と一緒にドラマを見ていたとき、瞑司さんも『ハッピーエンドがいい』って同意してくれたじゃないですか。瞑司さんがどう考えてたとしても、私は、ハッピーエンドまであと少しなんです」
「まあ確かに、映優梨ちゃんはドラマのヒロインになれそうな境遇だったけど、だからって俺まで当てはめるのは、さすがにドラマの見過ぎなんじゃ…くおっ!」
映優梨が耳壁に押し当てた綿棒を引いて、張り付いていた大きな耳垢を引きはがしたのだ。べったりくっついていた耳垢を剥がされて、異物に覆われていた耳壁がむき出しになると、急に耳穴が広がってゾクッとした感覚が走り、思わず声を上げてしまう。
「あっ、大丈夫ですか?痛くしちゃいましたか?」
「いや……。悪くなかった。今みたいな感じで、隅まで取ってほしいな」
「はい。痛かったら、すぐ言って下さいね…」
映優梨の指つきは大胆さを増して、耳垢をこそぎ落とそうと、綿棒で耳壁を素早くひっかく。一瞬だけ耳垢をこすられたと思うと、耳垢が剥がれ落ち、かゆい場所を快く掻いてもらっている時の、すーっとする感覚で耳奥の神経が震える。
やさしく、丁寧に耳垢をとってもらうと、こうも快感が走るのか。
「瞑司さん、私の膝の上でもじもじしてるのが伝わってきます。私の耳かきで、気持ちよくなってるんですね?」
「ああ、こういう奉仕だと上手いな映優梨ちゃん…」
俺が落ち着いてきたのを見てか、二彩と麗緒瑠も動き出す。
「盛り上がってきたじゃん。お邪魔しないように二彩たちも続き、しよ?」
「あっ、また揉み始めて…くっ、ならウチもお返しだ!」
再び麗緒瑠にしがみついて美乳を鷲掴みにする二彩に対して、麗緒瑠は力ずくで体勢を入れ替えると、二彩の水彩ピンク水着に手を突っ込んで、その中に潜んだ微乳を手中に収める。
「んにゃっ、センパイ、二彩のおっぱいは、んぅ…ナシでしょ!」
「んふっ、自分が攻められることも考えないとな。それに、二彩のここ、ぷにぷにして柔らかいぞっ」
普段はエロテクで攻めに回ってる二彩が、珍しく俺以外でネコになっている。やっぱり先輩後輩の上下関係は厚いってことか。
二彩は、三角ビキニの丈夫な布地ごとDカップ美乳を揉みまわして、布地の接触を含めた刺激を与えて、麗緒瑠の小麦肌から汗を噴き出させている。
一方麗緒瑠は握力と弾力の強い掌で、直接Aカップ貧乳の生乳を揉みほぐして、二彩の息を乱して鼻にかかった声で喘がせている。
二人の絡みも色気たっぷりだったが、俺に直接快感を与えているのは映優梨。もっちりした膝枕と華奢な手で俺の頭を支えながら、積極的な指遣いで俺に奉仕してくれている。おかげで耳の入り口あたりがかなりすっきりした。
「耳の浅いところは終わりました。ちょっと頭上げてくださいね」
餅肌の太ももがもじもじ動き出したので、頭を持ち上げて癒しの膝枕から離れて、映優梨を動かせてやる。映優梨は綿棒と交換で、細長い耳かきを取り出す。
「まだ奥の方に残ってます。綿棒じゃなくて、奥まで届くこっちにしますね」
「耳かきも持ってたのか。映優梨ちゃんの耳にも入った耳かきでしてもらえるとは、光栄だね」
「瞑司さんったら、そんなの意識してなかったのに……でも私の愛用ですから、心配いりませんよ」
軽口を飛ばしたが、映優梨が耳かきまで使うと思わなかった。衛生上は使い捨て綿棒の方がいいが、耳かきはより耳掃除のために洗練された道具だ。綿棒もかなり使いこなしてたのに、あれでまだ本腰を入れてなかっただと?
「まずは、ここからしますね」
まずは耳縁を耳かきでツツーッとなぞり、耳の入り口に引っかかった耳垢を絡め取る。耳の入り口に触れる木製の耳かきは、綿棒よりも固いが、細くまっすぐでピンポイントに耳垢をとらえる。映優梨の指付きは、まだ木製耳かきに俺の耳が合うかどうかを確かめるような、慎重なものだ。
優しいフェザータッチだが、先ほどの耳壁への刺激よりは物足りなくも感じる。
「力加減はこのくらいで、いいですか?」
「映優梨ちゃんが上手いから、あまり遠慮しなくても大丈夫だな」
「でしたら、今度は奥の方まで取りますね」
耳穴は傾斜がかかっているから、自分で耳かきを確認できない耳奥まで挿し入れるのは、危険がある。だが、映優梨は自分では届かない耳奥まで、耳かきを滑らせて侵入させてくれる。
耳かきが、耳の奥底に突き当たる音が聞こえた。
耳底に到達した耳かきが、沈殿して固まった耳垢をサクッと一さじ掘り上げた。その瞬間、耳の底から響いて来る、さっきの何倍もの快美感。耳奥の粘膜に近いデリケートエリアへの快刺激に、目をつぶる程の震えが走る。
「うっ、くうっ…効くな」
「瞑司さん、きついですか?」
「いや、奥の方は耳垢が溜まってるから、丁度いい。続けて」
更に耳垢の層を掘られると、その度に耳粘膜が剥き出されていくように敏感になっていく。自分で浅い場所を掃除するしかなかった耳を、映優梨から深く丁寧にこすられると特に快感が強い。
深く挿し入れて、奥を掘り、耳垢を取って穴の中を引いて、外に出す。普段と逆で、俺が映優梨に挿入されているシチュだ。しかし、映優梨の侵入は、刺激を感じさせながらも優しい。彼女らしい奉仕する挿入だ。
「奥の方に溜まってたんですね…。この際、全部取っちゃいますね」
耳垢をサクサク取り除くのは、映優梨からしても達成感があって、積極的になってるみたいだ。
俺の深みに侵入しながら、映優梨が畳みかけてくる。涼やかな声が耳の奥に直接響く。
「私は、瞑司さんに恋人みたいに愛して欲しいんです……瞑司さんから離れたりしません」
「俺みたいなのが、今更女子高生の恋人面できるはずが、っく!」
耳の奥底を撫でるように掻かれて、耳粘膜が震わされる。
「ほら、私も瞑司さんに感じさせることができるんですよ?私たち、お互い離れられないですよね」
映優梨が涼やかな声質はそのままに、小声で耳に囁きかける。普段よりも映優梨に耳元で迫られているドキッとした感覚。
おそらく映優梨は、俺を耳かきで惹きつける手応えを感じている。しかも、性奉仕と違い、恥じらうことなく手練手管を見せられる。
二彩と麗緒瑠と同じで攻守逆転しているが、不思議と悪い気分では、ない。
「瞑司さんが、私も同じ目に遭いそうと心配なら、乗り越えて見せます。もう一度瞑司さんに、人を信じてもらえるように」
「っ、俺に見せるために、同級生を教えたいって、うぁっ…言うのか?」
「もし瞑司さんの言う通り、裏切られた時は、その痛みが実感できた時です。もう瞑司さんと、ここにいる二彩さんと麗緒瑠さん以外信じません。どうですか?」
強い決意を語りながら、耳かきで脳に響く快刺激を与えてくれる映優梨。耳かきがカリッ、カリッと軽快に動きながらも、俺の耳元に寄せて説得し続ける。
あくまでも俺の人間不信を拭うために、かつてのいじめっ子たちから信頼を勝ち取り、駄目なら俺の人間不信を共に背負うという、絶対に俺を一人にさせない覚悟。
俺への妄信だけでは、到底出てこない言葉。俺でも認めざるを得ない、これが映優梨の本心だと。それを余すことなく伝えようと、言葉や奉仕を尽くしていると。かと言って、自分の意思を通そうと、卑屈になってもいない真実の声だ。
正直言うと、今までにないときめきが心の奥で鼓動している。美少女を屈服してモノにした時とは別の、心を揺さぶられるような。
「瞑司さん、顔が熱くなってますよ。なんだか、可愛いですね…」
冷んやりした映優梨の細指に撫でられて、俺が照れているのに気づかされた。
人から指摘されると、尚更恥ずかしい。
「なんと言うか、まあ、映優梨ちゃんがそこまで言うんなら……俺も恋人にするしかないな」
「瞑司さん、それって……」
「ああ、映優梨ちゃんは、初めて会った時からタイプだったよ!でも覗いたJKを恋人にできるなんて、思って無かった。俺にとっても、告白は予想外だったよ全く…」
「私たち、最初から両思いだったんですね!嬉しいです!」
恥ずかしい本音を吐き出してしまったが、映優梨は耳元に歓声を降らせてくる。
「あっ、まだ途中でしたね。仕上げに入ります」
映優梨が耳かきで、耳奥に残っていた耳垢を掘り起こすと、塞がれていた耳道が開く開放感と、耳粘膜を直にくすぐられる妖美感が走り、膝枕の上で身悶えする。
映優梨はそんな俺の頭を優しく支え、耳かきを耳穴からすり抜ける。
「もうっ、危ないですよ瞑司さん。ゴロゴロしてたのは、もう取れました」
映優梨は耳かきを持ち替え、フワフワの梵天を耳に入れる。耳奥に落ちた細かな粉末を、サワサワと梵天に付着させる。過敏になっていた耳粘膜も、撫でつけてアフターケアする。耳粘膜から吹き出した余分な粘液も梵天に吸われ、耳穴は清々しい程に掃除された。
「これでおしまいです。フーッ…」
最後に耳かきを抜き出した耳に、映優梨が吐息を吹きかけてくれる。爽やかな息が、通気性の良くなった耳を吹き抜ける。映優梨の涼やかな声で息を吹き込まれて、快美感が静かに落ち着いていく。
耳かきが終わると、自然に俺と映優梨は見つめ合う。映優梨は黒い瞳を煌めかせて満足げな表情だった。
「映優梨ちゃん、元いじめられっ娘とは思えないな。耳かき、最高に気持ち良かった」
「もう片方もしてほしくなったら、すぐにご奉仕しますね。私は瞑司さんのモノで恋人ですから」
言うまでもなく、俺は左右を入れ替えて、映優梨の餅肌膝枕に横たわる。
「やっぱ、映優梨が告るのが正解だったな。ウチらの立場じゃ入れないことだし」
「め〜じ兄ぃが素直にデレたら済む話だったもんね。ま、20代大学生とJKじゃ、キケンな関係だから、仕方なかったけど。責任取らないとね」
一汗かいた二彩と麗緒瑠にニヤニヤしながら、見られてた。うわっ、恥ずかしい。
「瞑司さん、恥ずかしがらなくていいんですよ」
「いや、やっぱり後で二人の時に頼もうかと」
「こら逃げるな瞑司!」
「二彩たちにも見せつけちゃってよ!」
結局俺は、遠ざけていた二彩と麗緒瑠に見られながら、膝枕から逃げ切れずに、恋人耳かきをされることになった。
というか、俺のハーレムの趣旨変わってないか?