「旦那、タマミツネのクエストを頼む」
何時ものように集会酒場、クエストカウンターに立つ禿頭の男性に要求する。
サングラスをかけた厳つい外見に反し紳士的で知的な彼は、僅かにその眉間を揺らすが依頼書の束ねられたファイルを手繰り始めた。
私が三眼装備であることから、全てを理解しているのだろう。溜息一つ漏らさずに、しかし諦観を感じさせながら一枚の依頼書を私へと差し出した。
私の嗜好……趣味についてギルドはあまりいい顔をしてはいない。
それがお目こぼしされているのは私が数少ないG級ハンターであり、数々の功績を上げているからである。でなければ、一歩間違えると生態系に関わる行為をあのギルドが許すはずがない。
私としても節度を守り、生態系へ大きな影響を残すようなことは極力避けるようにしているしな。
「……申し訳ございません。本日タマミツネが狩猟対象のクエストはこちらのみとなります」
「上位、三頭か」
ある雑誌の編集部からの依頼。取材の為に原生林で泡狐竜を三頭狩猟してきて欲しいという内容だ。
上位とはいえ、大型が三頭。文字通り手に余るかもしれない。いや、普通に狩猟するというのなら問題ないのだが。
「受ける。出発は私一人だ」
かしこまりました、と慇懃に手続きを始める旦那。
さて、どうしたものかとこちらも準備をしながら考える。単体クエストを受けるつもりが予定が狂ってしまった。二頭ならともかく三頭か。穴は足りるが三対一は死にかねんな。
猫飯で保険をつけておいて、装備は防御重視のものを選択。回復薬の類も持てるだけ持つことにする。
「では、いってくる!」
◇
原生林。
巨大な植物が生い茂る、自然豊かな地域だ。桃色の美しい鳥が舞い、木々の濃緑が蒼い空に映えている。
しかし一度その奥へ足を踏み入れれば過酷な高低の地形、巨木に光を遮られた最奥は墓場のような陰鬱さ。毒の沼まであるという場所だ。
今回の目的であるタマミツネは水源を好む。ここだと崖下辺りにあったはずだが。
「……いた」
その姿を認めると手近な岩影に身を潜める。双眼鏡をポーチから取り出し、様子を伺う。
一頭。
周囲に他のタマミツネは認められない。腰を下ろし、眠っているのだろうか。周囲に他のモンスターもいない。
仕掛けるなら好機。数の不利は先手を取る事で埋めておきたい。
3Pも愉しそうだが安全第一、最初の二頭は狩ってしまうつもりだ。お愉しみはその後。乱入のないよう後顧の憂いは絶っておきたい。彼には不運だろうが、彼と次のもう一頭には黙っていてもらうことにする。
注意深く周囲に気を配りながら背の双剣、双雷宝剣【麒麟児】に手をかける。
……けむり玉、忘れた。
多頭クエストで重宝する煙幕。こちらの視界も悪くなるが目標以外からの襲撃を阻止することが出来るアイテムなのだが、持ち込むのを忘れていた。
普段用意周到にアイテムを用意する私だが、三頭クエストしかなかったということに気が動転していたのだろうか。しかし今から戻るというのもな……上位であれば数分でカタを付ける自信がある、何とかなるだろう。
強走薬グレートをぐい、と飲み干してから限界ぎりぎりまでタマミツネまで接近する。
とっとと片付けて次も片付けて。お愉しみを始めるとしよう。
◇
「ひぎッ、ぁ、待っ、やぁ……ッ」
やらかした。やってしまった。
今、私は三頭のタマミツネに輪姦されている。
「ぁっ、ちょ……ひぅっ!!」
三頭が身体に絡みつき、内二頭は私の膣と尻穴にその剛直を捻じ込み腰を揺らしている。揺れるたび私の肌と彼らの滑らかな鱗やきめ細かな体毛が絡み合い、ぬるぬるとした泡がそれの間で潰れ潤滑油となっている。
もう一頭は挿入れる穴を探るようにお腹や胸に擦り付け続け、その熱さで火傷しそうな程だ。
……一頭目を追い込み、そろそろトドメ、という所で二頭目の乱入。その二頭を相手にしても何とか優位に戦闘を続けたのだが、駄目押しの三頭目参戦。最後まで戦い続けたのだが、流石の私も三対一では体力を削られ続けられこのザマだ。
せめて最初の一頭を仕留めきっていれば、と思うが目印をつける前に乱戦になってしまったのが仇となった。
武器を取り落としもはやここまで、とモドリ玉を手にした途端に集中攻撃を受けポーチの中身が散乱。アイテムは散り散りになってしまい、三頭により揉みくちゃに。
散らばったアイテムの内の一つを、タマミツネが踏んで潰してしまったようだ。
『催淫玉』。
女王のフェロモンを始めとし、いくつかのアイテムを調合した特別製。弱ったモンスターに使用することで強制的に発情させるアイテム。
そう、『弱った』モンスターをだ。
今回私の装備は防御重視の為にその効果が発揮されるか否かを、捕獲と同様把握できるようになる観察眼スキルを発動できていない。とにかく手近な所、切り刻むだけ刻んだ為か三頭のタマミツネの体力を均等に減らしていたらしい。
結果。
私は予定外に三頭から輪姦されることとなった。
「おひ、おしり、こわれッ――!!」
にぢゅ、にぢゅり。
彼らの動きは激しくはない。だが、しなやかな体躯が泡の潤滑を得てほとんど摩擦なく私の肌を撫で続ける。さらにぷっくりと壺のような形をした彼らの性器は私の入り口を大きく拡張し、膣はともかくお尻がきつい。
しかし。
性器の表面を覆う無数の突起が膣壁を、尻穴を削るように撫で上げていく。その度にぞくぞくと快楽が背を駆け抜けていく。
「あッ、ぐ、っ、ひい……!」
その快楽に浸る間もなく膣に捻じ込まれた性器が抉り込まれる。ごり、と中で私の内側が磨り潰される。
太いが長くはない。しかしこうも執拗に入り口を、中を擦られ続ければ甘く短い絶頂を繰り返してしまう。既にその回数は両手に余っていた。三頭は私に絡みつき、絡み合うように身を寄せ続ける。
流石に私も二頭以上相手にするのは初めての経験だ。
「ぁっ、あ……っ、ぃ、ッ」
――あ、またイっちゃった……。
既に三十分以上が経過しているはずだが、未だに彼らの射精はなく性交が続けられている。
執拗に、執拗に。
泡狐竜は蛇の性質も併せ持つという。
雄蛇の性器は通常体内に収納されており、片側を露出し性交する。牝も同じく性器が二つあり、それ故一頭の牝と二頭の雄が同時に交尾することも珍しくないそうだ。
「も、ぅ……あッ……!!」
――また。
絶頂の頻度が狭まっている。
幸福感でちかちかと明滅する視界に、桃色の泡が浮かんでいた。
泡狐竜の泡。
彼らの泡、通常は白濁だが赤や緑といった泡を生じさせることがある。摂取した餌の性質を残すそれらは人間に作用をもたらすことがあるという。
思えば、何時もより感度が高い。
思えば、何時もより発情している。
もしかすれば、彼らタマミツネが交尾する際に用いる特別な泡があるのではないのだろうか?
もしくは、催淫玉の影響を受けたのか?
桃色の泡が弾ける。
むわりと濃厚な果物のような香りが広がり、鼻腔を愛撫する。脳髄が溶ける感覚。
思考は、まとまることもなく泡のように弾けて消えていった。悦楽に浸り続けようとする本能に脳髄を犯され続ける。
「あっ、ぁっ……あー……ぁ……ッ!!?」
だらん、とだらしなく顎が落ちて開いた口。
そこにずっと挿入れる穴を探していた三頭目の性器が捻じ込まれる。待ちかねたように、すぐさま腰が揺すられ口内一杯に精の味が広がる。たっぷりと体液が塗り込められたおちんちん。
「んぶッ……んぅっ」
呼吸が浅くなり、更に思考が劣化していく。ばかになっていく。
求められるままに舌を這わせる。ざらざらとした感触。
恐らく初めてであろうその感触に、三頭目のおちんちんが更に膨らむ。舐めしゃぶって、吸い付いて。
もう何も考えられない。考えたくない。
彼らの体温を感じ、泡塗れになったまま快楽に浸り続けたい。
「ちゅぶ……んっ、ん……」
三頭と絡み合っているのにそこに激しさはない。
ゆっくりと肉と肉を絡み合わせ続ける。せいぜい数十分程度の人間とのそれに比べれば、永遠に続くかと思うような交尾。三頭と一人が玉の形をつくって絡み続ける。
蛇の交尾は、丸一日続くこともある。
体躯も大きな彼らのそれは、どれほど続くのだろうか。
朝に出発したはずだが、随分と日に位置が高い。
まだ、まだ。
もっと、もっと。
◇
「ぁー……ぁ……ぅー……」
どぷッ。
幾度目になるか分からない射精を受け入れる。
三頭のタマミツネは次々と私の中へと吐精を続けていた。
すでにどっぷりと陽は暮れて、月明かりと雷光虫の仄かな光が照らすのみだ。
周囲に漂う桃色の泡が僅かな光を反射している。幻想的な、光景。果実のような甘ったるい香りに混じる獣臭。それらを塗り潰すような、精の匂い。
彼らは入れ替わり、口と膣と尻穴を犯している。ハンターとして体力のある方の私だが、流石にここまでの長時間の性交となれば身体が保たない。
既に幾度か意識が途切れている。腕どころか指一本動かせそうにない。
「ぁッ……ひ、んぅ」
しかし身体は律儀に彼らの愛撫に反応し続けている。
ねちっこい膣への抽出に弱々しく腰が跳ねる。喘ぐ声も枯れ果て、この状況から脱する気力も萎え切った。
このまま、終わってしまうのも、悪くない……かな……。
「――ッッッ!!」
追い討ちをかけるような射精。声もなく悲鳴をあげる。
何もかも投げ打った思考を砕くように口内に、尻穴、そして膣へ熱い精が打ち込まれる。勢いこそ激しいものではないがそれ故にその粘り、濃さを感じさせられる。ねっとりとへばりつく様な精液。
牝の中で絶対に受精させようと胎内で何日も生き残る精子。
それで胎が満たされ、孕まされるという恐怖と牝としての悦びに感情が支配される。
「ぁ、は……」
精で膨らむ腹を撫でる。
擬似的な妊婦となった気持ちになってしまい、慈愛が沸き上がる。
こういう、最後も――。
「……はいはい、お迎えですニャー」
鮮血。
視界が赤に染まる。遅れてやってくる斬撃音。
私と共に性交に耽り、体力を使っていた三頭のタマミツネは急所をそれぞれ一閃され沈むように倒れる。
ずるり、と抜け落ちた三本のおちんちんに喪失感を覚えながら、その声の主へと精一杯の抗議の視線を向けた。まだもうちょいイけたのに。喉が枯れてその言葉を出せないから。
「ネコタクも手配済みニャ。さっさと帰るニャ」
てきぱきと手持ちの布を私の身体に羽織らせた彼は、周囲に散らばったアイテムを回収していく。
彼は私のオトモアイルー。駆け出しハンターだった頃からの付き合いだ。
長年寝食を共にした彼。ニャンターとしての経験も持っており、経歴としては先輩のような彼。
年齢不詳でどうも私を手のかかる子供と思っている節のある彼は、私の趣味について心配し過ぎる嫌いがある。
「ヤりに行く時は一声かけろと言ったはずニャ」
「……」
つーん。
視線を逸らす。モンスターとの性交は一対一で愉しみたい。猫に覗かれながらしたくない。
たとえ人間の男にしか欲情しない変態猫だとしてもだ。いや、だからこそか。
それとタマミツネ達を狩ってしまったのも気に食わない。愉しませてくれた相手を『余裕がある場合は』狩らないのが私の主義だ。
やがてアイルー達の引く台車、ネコタクがやってきた。
「……よっこいしょ、っと。臭ッ、ご主人臭ッ」
私を台車に乗せるオトモが酷いことを言う。腕さえ動けばこの場で自慰を始めてしまいそうなほどいい匂いなのに。
次は、どのモンスターにしようか。
ぐったりと脱力しながら、次のお相手に思いを馳せる。
「ド変態ニャ」
うるせぇホモ。
今回も誰得なタリサさんの装備設定。
いよいよとなったら火事場で何とかできたっぽい。
武器:双雷宝剣【麒麟児】
頭部:ザザミXRキャップ
胴部:フルフルXRメイル
腕部:ザザミXRアーム
腰部:凛戦流【腰当て】
脚部:フルフルXRグリーヴ
護石:3スロット護石
全て三眼シリーズと防具合成済み
発動スキル:回復速度+2 防御力UP【大】 火事場力+2