将来を有望視された青年が、冤罪で問題山積みの鎮守府に着任されました。 ~地獄の底からこんにちは~ 作:ガリアムス
将来を有望視された青年が、冤罪で鎮守府に着任されました。 ~ウッド島再調査、其之一~
アキラ「やるか…ウッド島再調査!」
提督執務室の壁一面に貼り付けられた(攻略!ウッド島!!!)の張り紙達。彼の前には大淀さんと吹雪の姿があり、その眼は決意で固め、光が灯っている。
アキラ「大淀さん、吹雪。これからウッド島を再調査する。各員に通達後、各々が持つ力の全てを出し切り、任を全うする事を期待する!以上!
さぁ…始めるぞ!」
* * *
ウッド島、再調査戦。
この作戦は西部海域最深部に存在する、ウッド島の再調査である。敵艦隊との遭遇は避けられない。確認次第、可能で有れば撃滅せよ!
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島島島島島.................
島島(ウッド)島島島.............
島島島島島島................
島島島島..................
...........島島.........
............O島........
...........島......島島..
..................島β島.
...................島..
....島島島島島.............
.....島Ω島..............
.....島島...............
......................
..........島島島.........
..........島Θ島島........
..........島.島島........
......................
......................
......................
..................島島..
.................島α...
..................島島島.
.................島島...
......................
..島島島島島...............
..島島島島島島..............
....島島島A島.............
......島島島島島島..........
........島島島島..........
.........島島島島.........
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.............港........
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* * *
アキラ「さて、前回俺達は最後まで行けなかったが、今回は違う。ウッド島へ進む為にスタート地点から最も近い島(A)を足掛かりとして通り、小島(α)に航空基地を設置。三部隊でΘ、Ω、βを制圧してウッド島を攻略する!
じゃあ行こうか…!」
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A島進行部隊
吹雪改二 練度155
木曾改二 練度93
長良改 練度84
赤城改 練度90
天城改 練度85
比叡改二 練度89
α島基地設置部隊
朝潮改二乙 練度98
大潮改二 練度95
荒潮改二 練度91
霞改二乙 練度92
鈴谷改二 練度89
最上改 練度90
Θ島撃滅部隊
祥鳳改 練度79
瑞鳳改 練度77
瑞穂改 練度76
神通改二 練度86
秋月改 練度87
日向改 練度90
β島撃滅部隊
霧島改二 練度94
球磨改 練度76
古鷹改二 練度86
初霜改二 練度82
大鳳改 練度85
初春改二 練度86
Ω島撃滅部隊
川内改二 練度125
加古改二 練度81
衣笠改二 練度86
熊野改二 練度89
龍驤改二 練度99
加賀改 練度94
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A島進行部隊視点…
長良「長良の脚に付いてこれる?ふっふん♪」
木曾「ふっ…敵艦隊の出鼻挫きの役目、俺に任せとけ」
長良と木曾の二人を先頭に、複縦陣形でA島へと進むのは吹雪を旗艦とする周辺の敵艦隊撃破部隊。彼女達は港(スタート)地点から直線距離で、最南端を目指し進み続ける。だが敵は現れない。
他の皆が呑気(?)に進む中、吹雪と赤城は戦いの中で培われてきた感覚から、微弱な違和感を感じ取る。例えるならば、自分が入れたコップの水がごく僅かに減らされたような…そんな違和感。
赤城「吹雪さん、何か胸騒ぎがします」
吹雪「私もです…嫌な、まるで…(死神)に鎌を掛けられたような、そんな気が…」
「まぁまぁ。そんな空気になったら、作戦だって上手くいきません!」と二人の言葉を蹴っ飛ばし、空気を変えたのは、金剛型高速戦艦四姉妹・次女の比叡だった。
比叡「下ばかり向いてたら、交通事故起こしちゃいますよ!もっとポジティブに、ね!」
天城「比叡さんの言う通りです、下ばかり向いてたら何も成りません!」
長良「そうそう♪いつだって顔を上げて、前を見て進めば、良い事だってあるんだから!!」
吹雪「皆…!はいっ!!これから私達は島の東側を通り、島を一周。A島に前線港を造り、α島への足がかりを繋ぎます!」
五人「「了解!」」
全速力を以て、艦隊は海を駆ける。大本営の巨大な権力を前に、かつて先へ進む事を許されなかった彼女達。
だが、今は違う。大本営からの横槍が無い今だからこそ…否、(今でなければ)出来ないのだ。
A島の東側の沖に出て、二分十一秒が経過した時。
天城「偵察機より各艦娘へ連絡!A島最北端からウッド島方向に北上中の敵艦隊を発見!距離二万三千、数は十一で一個中隊程度!重巡三を主力とする偵察艦隊と思われます!」
吹雪「天城さんと赤城さんは航空攻撃を!木曾さんは甲標的の射程に入った瞬間に雷撃で、足並みを崩して下さい!私と比叡さん、長良さんで敵艦隊に突撃します!」
天城・赤城「了解!」
木曾「任された!」
吹雪「…行きます!」
比叡を先頭に、長良と吹雪が単縦陣で続く。その背中を見、天城は木箱から艦載機を模した式神型の紙達を、赤城は矢筒から三本の矢を取り出して一つを口に、一つを薬指と小指で握り、一つを弦に乗せて、狙いを定める…!
天城「天城航空部隊、発艦始め!です!」
赤城「艦載機の皆さん、用意は良い?第一次航空隊、発艦始め!!!」
空を蝗が覆うが如く、鋼鉄(はがね)の鳥達が、先行する吹雪達の真上を飛び越え、敵艦隊に迫っていった…!
* * *
敵艦隊視点…
リ級f1「ナァ…キイタカ?サイキン、戦艦棲姫サマガ新型ノ艤装ヲ手ニシタトカ…」
リ級f2「ダガ、ソイツハウミノモクズカシテ、シズンダ…ラシイ」
ホ級f1「…戦艦棲姫サマッテ、イッタイナンニンイルノカ…?」
ホ級f2「ワカンネ…トイウカ、アノヒト不死身ジャナイカ…?」
深海棲艦達の話は、アキラの鎮守府に攻め行った仲間達の事で話が持ちきりの様子だ。奴等の上空高く、電探の策敵範囲に引っ掛からない高さに赤城達の航空部隊が居た事に、気付かない…!
天城が装備した艦載機、烈風(六◯一空)に搭乗していたパイロットの妖精の一人が、ハンドサインで合図を送ると、真っ逆さまに急降下を開始!!!
イ級後期型e1「…アレ…?」
イ級後期型e2「ドシタノ?」
イ級後期型e1「ナニカ、ヘンナ音…キコエナカッタ?」
ホ級f2「…キコエナカッタゾ?」
イ級後期型e1「オカシイナァ…キコエタ、ヨウナキガ…」
電探は海や空気の些細なブレ等をキャッチし、艦隊全体に敵襲を報せる優れたアイテムである。だが優れた性能で有れば有るほど、微弱な(慢心)が産まれ、付き纏う。
(慢心)はやがて、取り返しの付かない(悲劇)へと変わる。
妖精さん「今だっ!!」
彗星一二甲から爆弾が投下されると同時に、妖精さん達の載る艦載機は、上空へU字を描く形で上昇離脱を開始。
ホ級f1「電探ニカンアリ!コチラニ、セッキンスルヒコウブッタイタスウ!」
リ級f2「ナニ…?ハヤクウチオトセ!」
イ級後期型e3「シ、シカシ!テッキノスガタガ、ミアタリマセン!」
当たり前だ。天城達の放った艦載機体は既に上空高く、対空火器も、ましてや電探さえ届かぬ地点に逃げ仰せている。落ちてくるのは…無数の爆弾のみ!
イ級後期型e3「ゴベ…ァ!?」
イ級の一体が、突然爆ぜ、身体が粉々に弾け飛ぶ!鉄片と体液を撒き散らし、藻屑と変わったのだ!
ホ級f2「イ級!?ドコカ、ベボハラ!?」
降注ぐ爆弾の嵐と、立ち上る水柱。砕け散る深海棲艦達。永遠と思えた刹那の攻撃は、艦隊に大きな傷痕を刻み込んだ。
リ級f1「リ級、ホ級ガ!ドウスル、テッタイカ?」
リ級f2「クソガ!!テキノイチスラワカラネェ…!!ウゴケルヤツハ、ゼンインウッドトウへ、ヒナンシロ!
シンガリハ、オレガヤル!…イケ!!!」
リ級flagshipは爆撃の中で、辛うじて生き残り、中破以下の仲間達を連れて、戦闘海域から即座に離脱を開始する…!
* * *
吹雪達視点…
天城「艦隊各艦に通達。我等、航空爆撃に成功せり。駆逐三隻撃沈・軽巡一隻中破、二隻大破。敵艦隊、健全な艦を連れ、ウッド島方面に逃走。
吹雪さん、そちらに残存艦が進行中。おそらく特攻だと思われます!」
吹雪「木曾さんは雷撃準備!天城さんと赤城さんは策敵機をもう一度飛ばして、島の反対側に敵が居ないかの確認をお願いします!」
天城・赤城「了解!」
木曾「俺の出番だな!任せておけ…!」
小石を投擲し川で跳ねさせる要領で甲標的を海へ放った後、木曾は自身の腰に付けた刀を抜刀する!
長良「木曾!これに捕まって、一気に前に出るよ!」
此処で長良が自身の艤装に収納していたロープをターンしつつ木曾へ投げ、彼女は其れを掴み、水上スキーヤーの如く急加速し、吹雪達に追い付く!
長良「吹雪さん!比叡さん!私達が敵を潰すので其所で待っててください!」
長良の缶が更に高速回転を起こし、赤い息吹の様な炎が放出!速度は既に駆逐艦の領域を越えている!!
長良「敵艦目視完了!木曾ちゃん、このまま一気に駆け抜けてくよ!」
木曾「よし!やるぞ!!!」
艤装の右側に備え付けた、20,3㎝連装砲(3号)がギギギと耳をつんざく音を響かせ稼働…!長良に高速寄航され、大きく速く視界が動き続く中、木曾の放った砲撃が手負いのイ級後期型の一体に直撃し、爆散!!!
木曾「一体撃沈!」
ホ級f2「ハ、ヤイ…!コレジャ、ネライ」
長良「そこっ!ドンピシャ!!!」
高速移動しながらも、長良は自身の砲撃の間合いにホ級flagshipの一体を入れ込み、ほぼ接射の距離で奴の頭蓋に風穴を穿ち、木曾の剣撃で三枚卸に変わる。
敵とは言えど、ここまでオーバーキルにする手の入れ様。深海棲艦組に御愁傷様と言わざるを得ない。
イ級後期型e2「ダメダ!アノ軽巡ハヤスギル!」
リ級f「ウロタエルンジャネェ!!アタンナイナラ、アタンナイデ、テキノアシモトヲブチヌケ!」
リ級flagshipの叱喝に、傷付き気が沈んだ艦隊の空気が押し上がり、盛り上がる。イ級後期型達は砲撃で、長良の足元を狙い出す!
長良「っう…!それがどうしたぁ!!!」
派ね上がる水飛沫を突き抜けて、砲撃の雨の中を走り続ける。火を噴き上げ、缶が熱で真っ赤に染まり、いつ熱暴走で爆発しても、最早おかしくない。
だが長良は、己の身体がバラバラになりかねない速度の中で、主砲を構え。敵を見定め。砲撃し。木曾を寄航する!
長良「おおおおおおおおおおお!命を…!燃やせぇええええええええええええ!!!」
木曾「でぇええええええええええええええ!!!ああああああああああああああああああああああ!!!」
缶から噴き上がる赤い炎が、閃光のように速く、線香の煙の様に、揺らめき暫し停滞する。
それほどまでに速く、刹那を駆け抜け、敵が気付く時は、自分の艤装が切り裂かれ、砕け散り、鉄片と変わりて海へと沈む!
リ級f2「艦娘ドモガアアアアアアアアアア!ヨクモォ!ヨクモ、ナカマタチォオオオオオオオ!!!」
木曾「怨まれ、恨まれ…それも結構。だがな…俺達も此処で終われないんだよ」
長良のロープから手を離し、木曾が敵艦隊旗艦のリ級flagshipに攻め寄った!当たればただでは済まない砲撃を、右に左に体の軸をほんの少しずらしながら躱わし、流れる剣撃が砲弾に次々炸裂。
上下に、左右に、斜めに。切り開かれ、爆発し、火薬の匂いと肌に焼け着く熱が、走る木曾の体に、艤装に染み付き、広がる。
リ級f2「オオオオオオアアアアアアアアアアア!!!」
喉が潰れる程叫び、砲撃し突撃するモノ。死に直面した表情とは思えぬ命懸けの咆哮。木曾には敵が己の死期を悟り、一矢報わんとしている事に、彼女は察した。
木曾「受けてやる…お前の全力!」
牙突の構えで海を駆け、砲弾を切り裂き、リ級flagshipとの間合いに入った!
リ級f2「ガアアアアアアアアア!!!」
木曾「オオオオオオオオオオオ!!!」
リ級flagshipの左腕が迫り、木曾の軍刀が煌めき、三日月の弧を描き、下から腕を斬り飛ばす!スプリンクラーめいて空へ噴き上がる深海棲艦の体液!!
が、しかし!
リ級f2「ウギィイイイ…!?ッ…トッタ!!!」
筆舌ならざる痛みを引き換えに、リ級は攻撃への布石を作り出した。自身の血液を使い、木曾の顔面に血を吹き付けた!
木曾「なっ…!?」
リ級f2「シネェ!ワガドウホウノカタキィイイイイイイ!!!!!!」
右腕の深海艤装が淡い青の光を放ち、木曾のこめかみに砲口を当て…
木曾「しゃあ!!」
艤装、そして腕と肩が、真っ二つに斬り割れた。木曾の右目に付けた眼帯が取られ、黄色の細い猫のような瞳孔が、ギラリと敵を捉える!
リ級f2「ア…ガ…!アアアアアア!」
だが、リ級flagshipも両腕を失いながら、残された牙を奮い、木曾の肩へ噛み付いた!肩に食い込み、流れ滴り落ち、リ級の顔へ掛かる鮮血!
木曾「ぐぅうううう!?だが…、まだだぁ!!!」
かじられ、腱が動かない右腕を左拳で殴り、握る軍刀を落とすと、右足で刀身をリフティングして左手に飛ばし、がら空きの胸部に深く鋭く突き刺したのだ!!!
リ級「ゴ…ゴボッ…!?ゴゴゴ、ゴゴ…!?」
噛み付きながら、吐血するリ級。身体が震え、目が血走り、やがて…水面に崩れ落ち、ハイライトが失せた瞳のまま沈み、海の闇へと消え失せた。
木曾「お前の執念。最後まで諦めない姿。確かに刻んだぞ…リ級flagship。
アキラ、敵分隊壊滅に成功した」
アキラ(赤城さん達から通信で、敵艦隊がウッド島に向かった事を聴きました。皆さんは一度華裏鎮守府に帰投し、補給と入居してください)
木曾「了解。吹雪さん達と合流し、帰投する」
彼女は噛み付かれた傷口を、自身のマントを引き裂いて包帯変わりとし、固くきつく縛り付けた。
木曾「…ッ」
長良「木曾ー帰るよ~」
木曾「お、おう…!」
傷口に、今まで付けられた物とは異質な違和感を覚えるも、長良から渡されたロープを掴み、吹雪達と合流すべく快速で飛ばし、走る二人。
この時、沈みゆく鉄片に再び灯が灯った事を、知るよしもなかった…。
* * *
大本営…それは日之國の海を護る砦たる場所。鋼の掟の下に提督達は今日も海の平和と安全を護る…
と、(表側(ひかり)はそのようになっている)ようだ。(表)があるならば、必ず。絶対的に。(裏側(やみ)が存在(あ)る)のだ。
大本営の地下に(凶悪過ぎる者共が収監されている)…これもまた、大本営の持つ闇の一面の一つ。その地下牢屋にある人影が、石階段を一つ一つ、ゆっくりと降りて、真っ直ぐな廊下を歩く。その足はやがて、ある牢屋の前で止まった。
???「…久しいねぇ。『アイツ』に逮捕される時に付けられた頬の傷が、今朝から疼いてたから、そろそろだと思ったよ」
水滴が石造りの天井からぽつりぽつりと落ちる音が、静寂の空気を震わせ、暗黒の空間をより不気味さで充たす。
???「(あの方)が、どうゆう訳かは知らぬかキサマの釈放を命じたのでな。私は…納得していない」
???「…ハッ!誰かは知らないが、此方は好都合さ。んで?何処に行けば良いんだ?」
荒い口調で問い掛ける時。暗闇に響く答えは、新たな嵐が起きる…。
???「言ってはおくが、キサマが釈放された理由は(監視)だ。暇潰しを称した(虐殺)では無い事を忘れるなよ。お前が向かう場所は…
(華裏鎮守府)だ」