将来を有望視された青年が、冤罪で問題山積みの鎮守府に着任されました。 ~地獄の底からこんにちは~ 作:ガリアムス
成果としてはジャービス以外のイベント限定艦娘全員、狭霧、グラーフ、アイオワ、二人目のリシュリュー、アーク・ロイアル、サラトガが着任。三隈も五人ほど来ました。
雲龍は来なかった…ぢぐぜう
※3/31に連載一周年を迎えます。稚拙な作品では有りますが、今後とも宜しくお願い致します
七月の第二週…日本列島に居座り続けた長い梅雨が遂に明け、華裏鎮守府にも少しばかり遅めの夏が到来した。
「…ふぁあ~」
時刻はマルゴーフタマル。薄い掛け布団を退けて体を伸ばすアキラは、少し明るくなった青空を覗く窓を見る。彼の朝は早い、何故なら龍驤直々の修行を受けているからだ。
「…さて、朝の修行も頑張らなくちゃ」
パンツと寝間着を脱ぎ洗濯籠に入れてから、修行用のシャツと短パンに着替える。靴下を履いて、手首足首等に重りを巻き付けながら、掌を開閉し自分の調子を調べる。
「よし、行こう」
ランニングシューズに足を通して、彼は中庭へと向かう。こうして彼の一日は始まるのだ。
* * *
華裏鎮守府中庭。昼間の暑さが無い時間帯で、修行をするには最適な環境。そんな中庭にポツンと置かれたベンチに座る、ツインテールに髪を結った少女…龍驤が居た。彼女は約三週間前からアキラの体作りと称した、地獄の修行を付けており、内容は日を置く毎に厳しさを増し続けている。
そんな修行に彼は泣き言や弱音を何度も吐き、体力の枯渇や疲労困憊で倒れながら、それでも必死に着いて行く。
「よ、アキラはん。今日から修行のメニューを一新して行う。覚悟はエエな?」
「はい。今日もよろしくお願いします」
空手による試合時に於ける挨拶と構えで龍驤に挨拶する。ここから一時間×三回、朝昼晩を龍驤が構築した訓練を受けるのだ。地獄など生温い彼女の訓練を…。
* * *
マルロクゴーマル。
華裏鎮守府内、入渠ドック…。遠征や演習、出撃により疲弊・傷付いた艦娘達が早期戦線復帰の為に利用する施設の一つである。入渠ドックと言っても、巨大でだだっ広い浴槽と、バブルバス等の変わった風呂とが区別されている、ホテルでは当たり前のような風景なのだが。
「疲れた…。
しっかし、『いつもの』が終わった後に業務用クレーンに巻き付けたロープを、重りを付けたまま命綱無しで登れって相当無茶な事を言ったもんな…先生は」
彼が言う『いつもの』とは、腕立て・腹筋・背筋・スクワット・ランニングの事であり、其の行われる回数は、日を追う度に増加の一途を辿り続けている。しかも手を抜けば最初から全てやり直しになる為、真剣に取り組まなければならない。
「まぁ、それくらいやらなきゃならないってくらいダメダメなんだろうな。俺の身体は」
『そうでもないぞ?』
「!?」
不意に飛んで来た声に振り返ろうとするが、足を滑らせ彼の頭が浸水する。数秒の静寂をブハァ!?というギャグ補正か何かが掛かった呼吸と共に浮上した。
「だ、ちょっ!?」
目の前に立つ一人の女性。白銀の髪とオレンジ色の瞳、ガングートである。バスタオルどころか、一糸纏わぬ堂々と仁王立ちしている姿に、アキラは赤面しながら明後日の方角へと視線を反らす。
大淀、荒潮、サラトガを抱いたというのに、未だ慣れない感覚に、アキラは困り果てる。もっと彼女のような堂々とした姿勢を持たなければ…と。
「はっはっは!シャイだな、可愛いぞアキラ」
「ば、バスタオルの一枚くらい巻いてくださいよ!」
「それは無理だな」とあっさり断られ、しかも湯船に入ってきた。
「何せ『真に愛する者』に見て貰いたいから…だ」
「え…」
次の瞬間、ガングートの両手が顔を捕まえ、彼女と目が逢った。逢ってしまった。小さくも美しい形の乳房、すらりとしたボディーライン。そして其の裸体に付いた無数の傷痕を。
「私はアイオワ達のように胸は大きくない。身体も昔の戦いで負った傷が残って綺麗じゃない。料理は他の連中に劣るだろうし、老朽艦で粗末な戦いを見せるかもしれない。
それでも…力になると誓ったお前に、私は自分の全てを捧げたい」
「ガングート…」
心臓が跳ねる。体の芯から熱くなる。彼女の顔が、唇がゆっくりと…
『御用改めや!!!』
ガァン!!と蹴り飛ばされ、飛来した曇りガラスの扉がガングートの頭部を直撃。勢い其のままに、彼女は二回ほど横回転の後、湯船に沈没していった。
「が、ガングートォオオオオオオオオ!?」
「やっぱり居たかいな、全く!」
ずかずかと入って来て、『お前は説教とマナー講座や、覚悟しぃガングート!』とブチギレながら、全裸で気絶したガングートを抱えて風呂場を離れた。
アキラは小さく合掌、そして「南無」と一言だけ呟いた。
* * *
マルナナサンマル。
朝風呂から上がり、間宮で朝食を食べようと移動していた時である。
「司令、おはようございます。少しお話を聞いて貰えませんか?」
彼が振り向くと、不知火が敬礼して立っている。少し悩みを抱えたような顔をしているのを見て、何か有ったのかと考えた。
「ん?良いよ」
「あの…。私…はんばぁがぁ…が、また食べたいのですが…」
もじもじと上目遣いで言ってきた。詳しく聞くと、アイオワが作ってくれたハンバーガーが相当美味しかったらしく、次のハンバーガーの日まで待てなかったとの事。本格的な味とボリュームは、この鎮守府に今まで無かったのも要因だろう。
「分かった。アイオワさんと交渉してみるよ」
「すいません…。間宮まで護衛致します」
大丈夫だよと言ったが、頑なに譲れませんと張った彼女に負け、並んで歩く事になった。
網戸越しに吹き込む穏やかで涼しい風が、二人の肌を髪を撫で、通り過ぎて行く。
ふと窓に目を向けると、外は明るく水平線の果てまで広がる空と海の蒼が太陽に照らされ、サファイアのようにキラキラと光るのを見たアキラは、その場で立ち止まり眺めていた。
「司令、如何しましたか?」
「不知火。此処って、夏の時期は流れ星や天の川とかは見えたりするか?」
「流れ星や天の川…天体観測は出来なくは有りませんが…何故です?」
「列島から離れた場所で、街灯とかが無い。星の輝きを遮る物が無いから綺麗に見えるんじゃないかなって」
「確かに…言われてみればそうですね」
「だから、今夜写真を撮って見ようかなってさ。カメラとかに詳しい娘が居たら、俺に知らせてくれないか?」
「分かりました、任せてください」
こんな偏狭から見上げる空はどんな世界を写すのだろう。彼はそんな期待を胸に、不知火と共に間宮へと向かった。
* * *
甘味処・間宮…この時間帯は既に多くの艦娘達が起床し、朝御飯を食べている。其れが終われば、各自遠征や演習等に赴く。
非公認鎮守府となってから…いや、此の島に鎮守府が出来てからずっと変わらない、そんな当たり前な日常。
「司令、おはよー!」
「おっはー、司令はーん。不知火ねぇー♪」
「陽炎、黒潮。おはよう。今日も元気だな」
二人が手を振っている。陽炎と黒潮は彼を提督として認めている側の艦娘達であり、気兼ね無く普通に接してくれ、話し掛けても無視する素振りもせず、絶妙な関係距離を取っているので、寧ろ話しやすくて助かる。
「今日は…ベーコンエッグと鶏肉の煮付け…か」
「今まで通りの和食も有るけど、今の所は半々ね」
「ほな、ベーコンエッグにしよー」
「鶏肉の煮付けにします」
「私は不知火と同じで良いかな。ベーコンはちょっと苦手…」
「俺は黒潮と同じにするか。卵食べたい」
各々頼む物を決めて、陽炎が四人用のテーブルを確保し、不知火はセルフサービスの牛乳を四人分コップに注ぐ。黒潮は御絞りを取り、アキラは食器と出来上がった物を御盆に乗せて陽炎が座るテーブルに運び、並べて行く。
「じゃあ…いただきます」
「いただきます」からの合掌。アキラは目玉焼きの白身の部分を慎重に箸で取りながら、焼き立てのベーコンに巻いて頬張る。
『旨い』と、ほぼ同士に声が上がる。
「卵料理って、どうしてこう美味しいのかな?」
「シンプルな分、作る人の技量が物を言うからね。昔バイト先の親父さんが『卵料理を極めれば、一個で千の価値を産み出せる』って」
「あ、聞いたことあるー。ホテルなんかのオープンキッチンでシェフが作るオムレツ。アレ、一個千円なんやけど、聞いた話やと二個でめっさふわとろになるんやて。一個百円の卵で五倍の儲けが出来るんやから、すんごいわぁ~」
「おむれつ…食べてみたい…」
「不知火は相変わらず食いしん坊さんね、可愛い♪」
「ぬい!?」
大本営に搾取されてこそいるが、華裏鎮守府(此処)の艦娘達は本当に逞しいなと、アキラは思った。
と…
ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリ!
ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリ!
間宮に設置された黒電話が鳴り響く。三度目の鐘が鳴る前に間宮が受話器を取り、応対する。
「はい、此方甘味処間宮でございます。………え?提督に?少々お待ち下さい。…提督、御電話が」
「俺?」
食べる手を止めて箸を置き、彼女から受話器を受け取り、「もしもし」と答えた。
『提督!?大至急工厰に来て下さい!『バラバラにされていた艦娘達の接合及び再起動準備』が終わりました!これから行います!』
ウッド島沖に沈んでいた無数の艦娘達。惨たらしく殺され、海の底に放置され、誰にも知られずにいた。だがこれで聞く事が出来る。知る事が出来る。
あの島で何が起きたのかを…。
アキラは受話器を元の位置に置き直し、陽炎達に状況を伝えると、足早に工厰へと向かった。
* * *
その日の華裏鎮守府の工厰は、不気味な程に静寂であった。普段は金属の加工音の一つや二つが、毎日当たり前のように鳴っている。だが今日、その音は一切無い。
其処だけの時間が、まるで止まっているかのように。
「明石さん!来たよ!」
「提督、お待ちしていました。状況は電話にて伝えた通りです」
「此方になります」と、夕張がアキラを実験台が並んだ場所へと案内する。
並列で並ぶ五台の上には、五人の艦娘達が病院の患者服を着せられた状態で乗せられており、バラバラになっていた身体は嘘のように縫い目もない、綺麗なものになっていた。まるで、先程まで生きていたかのように…。
「ねぇ、他の艦娘達は?五人だけじゃないよね?あんなに有ったんだ、何処に…」
辺りを見回すアキラに、二人が告げたのは。
「……………提督。蘇生可能な艦娘は、五人以外…『いませんでした』…」
技術者として。メカニックとしての。
「…他の艦娘達は、間に合いませんでした…。
提督。申し訳、ありません…」
辛く…受け入れたくない。苦々しい現実だった。
「……………嘘じゃ、無いんだね」
「…はい。」
「…………俺の、せいだな」
アキラは言う。
「金剛さんが最初に言ってた…『助けて』の声。あの時、もっと早く行動していれば…。
もっと早く…あの場所に辿り着けていたら…他の艦娘の命も、救えたんだろうな…」
睡魔に負けず、振り払い、早期に動き出していれば。救えた命が在っただろう。
「二人は頑張ってくれた。…悪いのは、俺だ」
「提督…」
「…………ごめん、しんみりさせちゃって。再起動、お願い」
「…了解です」
五人の身体に艦娘専用の特製電機パットが次々に貼られてゆく。艦娘の脳と心臓に当たる部位に高圧電流を流し込み、心臓の再稼働及び意識の覚醒を促す。人とは違い、感電死してしまうような電撃も、艦娘ならば耐える事が出来る。
「電流を流します。提督、夕張さん、離れてください」
二人が離れたことを確認し、明石は意を決して手に持つリモコンの赤いボタンを押した。バチン!と言う刹那の轟音と共に五人の身体が大きく跳ね上がると、台の上で幾度の痙攣。そして変化が起こる。
冷たく白い肌が、段々と血の気を帯びたクリーム色に変わり、手足の爪の内側が赤く、顔色は生気を取り戻したのだ。
「血圧、体温、緩やかに上昇。心肺及び各部異常無し…後は彼女達次第です」
「…皆…」
三人が静かに食入るように、五人の艦娘達の復活を見守る。生きて、返って来て欲しいと。
このまま目覚めなければ全てが無駄になってしまう。強く、強く。ただただ祈り、祈った。
そして…其の時は訪れた。
「……………う、…………ぁ………?」
「わ…………た………し……」
「三番、意識が回復しました!提督!続いて四番、二番、五番!ああ、一番も!
全員…復活です…!!」
『や…やっ…!たぁあああああああ!』
工厰内に響く歓喜の声。やり遂げた。艦娘達を助け出せた。その達成感で三人の心は満ちている。
「…状…況…は………」
「わからない…ですっ…て…」
覚醒した五人の中、ある者は瞼を擦り、ある者は頭を傾け、ある者は周りを見渡して、自分達が置かれた現状を思考する。だが…
『……………あ、………ああ、ああああ………!!』
一人。腰所か踵まで長さが有るのではと思えるポニーテールの黒髪を振るい、赤目の少女がアキラの姿を捉え、叫び始めた。
振り返った時、其の眼は彼が見た残骸達の『憤怒』と『憎悪』に染め上げられたモノと同じ、どす黒く、正常な精神を一気に侵略する、於曾ましい感覚だった。
『アアア、アアア…!!!』
心奥に潜めた激情と狂気を解き放つ。
自分達が味わった無尽蔵の恐怖を与えんと。
今目の前に立つ人間を確実に殺せるだけの殺意を。
死した仲間達の絶望を、無念を、果たすために。
アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!
血眼の瞳がアキラを捉える。台から飛び上がり、刹那を赤い残光が駆け抜け走った。
獣のように猛り、其の腕が、其の手が、アキラの首を鷲掴み、鋼鉄の壁に叩き付ける。
「が…!!?」
『提督ッ!』
『矢矧!!!!!!』
各々が近付こうとするが、アキラを睨み付け、指が食い込む程に彼を締め上げる、矢矧と言う少女…其の身体から漏れ出す、黒い気質(オーラ)に気圧されて、金縛りに掛けられたように身動き一つ取る事も出来ない。
『私達を見知らぬ顔で見棄て。海の底に沈め。のうのうとで生きているとはな…人間が!』
「矢矧!その人は!」
『友よ…家族よ…。
皆の無念。悲しみ。怒り。苦しみ。憎しみ。そして絶望。
冥府から蘇った、此の命尽き果てる瞬間まで!
人を!この世から!!駆逐するッ!!!!』
首が締まり、息が止まる。
皮膚と筋肉に、指が爪が食い込む。
巡るべき血が行き場を失い、滞る。
「ぐ、………あ…が………………あ………………」
波に削り取られる砂城のように、アキラは自分の命の終わりが刻々と、突き迫ってきている事を感じ取る。目の前の少女の握力が上がって、指先が自分の骨に到達する。
口から白い泡が噴き出し、視界が暗転していった。
(もう…駄目、か………………お、れ…は…………)
誰かが叫ぶ声が耳に聴こえてくる…
『先ずは…一人…!!!』
握力が更に強くなる。後数秒もしない内に骨を握り潰すか、捻り外すかで、終わり。
呆気ない。人の命とは、こんなにも。
『矢矧ッ!!!!』
『矢矧お姉ちゃん!』
『矢矧さんッ!』
静寂を切り裂き、響いた叫び達が矢矧の動きを止めた。
『!……………………
え、………あが、の…………ねぇ………の、しろ……………?
さ…かわ…………ろー………?いき……て………いた……………の?』
「ッ!ゲホッ!?ゲホッ、ゲホッ!」
手から解放され地面に落ちたアキラは喉を押さえ、肺炎を患ったように苦しみ、咳を吐く。明石と夕張が駆け寄り、アキラを抱え起こし、矢矧の方をキッと睨む。もし数秒遅ければ、確実に殺されていただろう。
「…矢矧」
「あ、阿賀」
「ていっ」と言葉を紡ぐより早く、黒短髪の彼女の空手チョップが矢矧に直撃する。
「阿賀野ねぇ!?」
「矢矧、いつも言ってるでしょ。私達の事を思って行動してるのは嬉しいわ。けれど、貴女は先走り過ぎてるって。この間だって…」と、矢矧を正座させ説教紛いに話す。其れは数十分続く事になった…。
* * *
「妹の矢矧が多大な御迷惑を御掛けしました。姉である私から御詫び申し上げます」
説教の後、阿賀野と呼ばれる少女は彼から三歩後ろに退き、深く頭を下げた。
「そんなんで私達が許すと思っているんですか!?よくも…」
「明石さん。…過ぎた事だし、現に俺は生きてる。彼女もこう言ってる訳だし…ね?此処は一つ、矢矧さんの失態に目を瞑ってやってはくれないか?」
「しかし!」
明石の気持ちも分からなくもない。けれど今は、其れよりもずっと大事な事がある。
「俺達がやらなきゃならない事。『真実を知る事』…でしょ?」
「………!………ええ、その通りです」
小さく頷き、アキラは彼女達の方を向いて「では改めて…」と言う。
「俺は『牧園 アキラ』。此所、華裏鎮守府に三ヶ月前に着任したばかりの新人提督で」
「ちょっと待っていただけますでしょうか!」と切迫した声で、阿賀野が彼に声を掛けた。
「…『牧園一族』。…この人が…」
「えっ、何か言った?」
「あ、いえ。気にしないでください」と阿賀野の横に立つ赤みがかった短髪の少女が明後日の方角を見ながら言った。
「提督さん…『牧園一族』を御存知でしょうか?」
(牧園…)
(一族…?)
工厰内に不穏な空気が流れ始める。だが…
「えっと…『牧園一族』って、俺の名字に何か関係あるのか?」
「…………へ?」
「…………嘘…でしょ?」
「……………何も知らないの…?」
「…………ぴゃあ………」
「え、何その反応?俺、重要な事を知らないっていうの?
『うん』と同時に頷かれ、「えぇ…」と思い切り落ち込むアキラ。
「…えっとね…。提督さんはね…『牧園一族』の人間なんです」
阿賀野が話始めた。
俺は知る事となる。
『牧園一族』と呼ばれる人間達を。
そして…
その血に刻まれた、数多くの『戦いの歴史』を。
人物・艦娘紹介
月乃世 甲(つきのせ こう)
大本営在籍提督の一人。階級は少尉。龍驤の教え子の一人であり、『心理の先読み』が出来る数少ない人間である。飄々した性格ではあるが、仕事はきっちりこなす。
現在の大本営の実態を知っており、アキラの祖父である牧園 ジュウゴの事を『大本営の良心』と言っている。プリンツ・オイゲンの保護者で、彼女によってもたらされる賠償請求書に頭を悩ませている。
プリンツ・オイゲン
月乃世 甲少尉の秘書艦娘であり、同時に彼の唯一のケッコンカッコカリ艦娘である。神が依り付いたかのような業運を持ち、様々な作戦で多大な成果の挙げた事から、二之名『神運(ゴッドラック)』を持つ。
但し重度の方向音痴であり、甲が持つ鈴が無いと帰ってこれず、仮に鈴の音で場所が分かっても最速最短を通る為に建物の壁や窓ガラスを何度も壊し、その度に山積みの賠償請求書と格闘する原因を作っている。