将来を有望視された青年が、冤罪で問題山積みの鎮守府に着任されました。 ~地獄の底からこんにちは~ 作:ガリアムス
*3/31に連載二周年を迎えました。まだまだ未熟な小説ですが、今後ともよろしくお願いいたします。
ワイワイ…ガヤガヤ…
時刻はマルキュウサンマル、場所は大本営多目的ホール内。
現在行われている項目は、最強鎮守府決定戦・代表者所信表明演説…。
「どうゆう…こと、だよ…」
俺は
きっとこれは、この先を生きて過去の自分を思い返しても、記憶に根強く、根深く残り続ける…そんな確信が持てる。
その状況に至るまで、少しばかり時間を戻して話をしよう。
* * *
時刻、マルナナヨンハチ。場所は電車の中。
『まもなく、大本営前。大本営前。終点でございます。御出口は右側から順に開きます』
時は満ちる。日ノ出町から横浜、品川を経て俺達は漸く目的地である大本営に辿り着く事が出来た。
いや…俺達というには、現在二人欠けてはいるが。
電車のドアが開き、人が艦娘が、我先にと電車を降りて一斉に改札口へと押し寄せる。駅員の注意の声も彼等の声に掻き消されて、耳には届かない。
焦る必要は無い。怪我でもすれば、それこそ大変だ。此所は大事をとって、慌てず騒がず落ち着いて、駅構内の売店に向かおう。
アキラは朝御飯の入ったビニール袋を持ったまま、横浜駅で人混みに圧されて、電車から離れてしまった。
…あれから俺達は何も食べていない。そろそろ腹の虫も限界に近いし、少しでも食べ物を口に入れておきたいところ。
「グラーフ。朝御飯買いに行ってくる、皆を頼めるか?」
「分かった。アドミラール、気を付けて…」
グラーフに仲間達を任せ、俺は売店に向かう。入ると店内は混雑こそしてはいるものの、日ノ出町駅周辺のコンビニの時のような人口密度では無い。狭い通路を交錯し合う人の間を縫いながら、サンドイッチやおにぎりを一つ一つ取り、腕の中に収めてレジに向かう。
「Suicaでお願いします」
支払いは迅速に終えるために交通マネーで済ませ、すぐに店を出る。
「皆、只今。それじゃあ…行こうか」
* * *
大本営…日本の海の平和を守る組織の名前。各地に点在する鎮守府の運営を管理、情報の提供と各所の連携を行いながら、日々進化し激化する深海棲艦と終わり無き戦いを続けている。
そんな組織が、年に一度開催する大きな大会がある。
最強鎮守府決定戦…各地の鎮守府の提督及び艦娘達の、更なる練度向上と連携強化を目的に始まった此の催し物は、今では年末の紅白歌合戦に並ぶ、エンターテイメントの一つになった。
深海棲艦と最前線で戦う日本…其の艦娘達を指揮する最強の提督を決める戦いは、各国首脳や著名人も視察に訪れる。提督達にとって、この大会に出場する事だけでも十分素晴らしい事なのだが、より上位の成績を納め、優勝する事が出来たのならば、其の名声は絶大な物となる。
誰でも参加可能で、誰にでも優勝しうる可能性が在る…それが最強鎮守府決定戦の最大の魅力だ。
「到着だ…漸く来たんだ」
時刻、マルハチヒトマル。
正面に立つ事で、建物の大きさを改めて実感した俺達は、多目的ホールに向かう前に正門入口横に設置されているテントへ向かう。開会式の進行内容を記載したパンフレットを受け取る為だ。
「此方になります」と受付係の男性から受け取った其れを見た時、俺は『ある物』に気が付いた。それは、B5版の大きさの厚紙よりも分厚い造りであろう、二枚の色紙のような物。
一枚には五つの四角い空欄で部分けされ、もう一つは事細かく文章が羅列し、一見すると何がなんだか分からない物。文章を注意深く目を凝らして観ると、謎々やクイズに近い『問題文』である事が分かった。
しかし、俺達には現状これをどう扱えば良いのかまでは分からず、人の流れに付いて行き、大本営多目的ホールに向かうことにする。
この渡された二枚の物が、これから一時間と少しの後、自分達を大きな『畝り』となって巻き込む事になるとは、一部の人間を除いて、考え付く事は無かったのだ。
* * *
大本営に入ると、中はやはりと言うか提督と艦娘達で賑わい、押しつ押されながら多目的ホールへ流れていた。
また、人混みに呑まれるのか…そんな憂鬱な気分で居た時だ。
「おや、真守君じゃあないか」
聞き覚えの声がして振り替えると、見覚えた顔の軍人が一人居た。小太りの大きな身体、胸には幾つもの手入れが行き届いたピカピカの勲章達。年代物のパイプを加えた男性。
「お久し振りです、渡辺大佐」
海軍士官育成高等学校の卒業式に会って以来の再会。
穏やかで落ち着いた口調と共に、彼が話を切り出す。
「うむ、元気そうで何より。ところで、アキラ君はどうした?」
「アキラは…少し遅れてくると言っていました」
「ふむ、そうか…開始時刻に間に合えば良いが…」
顎に手を当て、アキラの事を心配している。次期大将に有力視されるほどの人物である渡辺 道ノ尾大佐。其の理由は、これまで積み上げた確かな信頼と、彼自身のおおらかな性格、そして小さな事にも気が利く事なのだろう。
「では、私はこれで。真守君。最強鎮守府決定戦での活躍、楽しみにしているよ。アキラ君にもそう伝えてくれ」
「はっ、お心遣い感謝致します」
敬礼し、去る背を見送る。自分も彼のような大人になりたいと思う。
「あの方、渡辺大佐ですよね。真守さん」
そんな折、俺はアキラの鎮守府に居る艦娘の一人、吹雪に声を掛けられる。
「そうだけど…どうして?」
「……………いえ、何も」
彼女の微妙な反応に、自分はどう答えれば良いのか分からなくなる。昨日会った時から、彼女は此方に対する姿勢が何故か冷たい。
自分は彼女達と仲良くしたいと思っているのだが、吹雪は此方と距離を取り、踏み込ませようとしない。
そうまでしたい理由は何なのか…?疑問は積るばかりだ。
* * *
提督と艦娘が入り雑じる人混みの中を自分達は進む。
通り過ぎてゆく提督と艦娘達を見ると、各々気に入った艦娘やケッコンカッコカリで契りを結び、指輪を着けた艦娘を秘書に置いてる。
因みに自分がヴェールヌイを秘書、グラーフとウォースパイトを付き添いで選んだ理由として、着任した鎮守府の最初の艦娘がヴェールヌイで、二人は集中育成期間中の艦娘だからだ。
決して卑しい理由では無い。
「真守!久しぶり、元気だった?」
「あぁ、そっちも元気みたいで良かった」
同じ学校の卒業生達とすれ違いで出会いながら、言葉を交わしてゆく。皆それぞれの鎮守府に就き、提督としての任を全うしているのだと考えると、自分も負けてはいられない気持ちになる。
「真守~!」
「ん?…あ!」
その中でも特に見知った顔が居た。背丈はアキラよりちょっとだけ小さく、青い光彩を宿す瞳と金の癖っ毛、雪のような白い肌に、ふわりとした雰囲気と表情。其の姿を一目見て『女の子』と勘違いする人は多い。
此方に気付いた『彼』が自分の元に走り寄って来る。
「ふゅにゃん!?」
が、途中で足首を思い切り挫き、びたーん!と盛大に転んでしまう。
「あうぅ…」
「…おっちょこちょいなのは相変わらずか。…大丈夫か?クリス」
倒れ伏した青年に、俺はそっと手を伸ばす。
海軍士官育成高等学校を通して同じ
母方が『由緒ある英国人』の家系に産まれた彼は「女みたいな名前では、軟弱者に思われてしまう。日本人のような強いブシドーを身に付けたい」という理由から、父方の西村を名乗っている…のだが、母親の血の影響が強いのか、身長は伸び悩んだ上に、声変わりも出来ず高い声のまま。
おまけに軟弱さを捨てると言って名乗った自分の名前が、女々しさに拍車を掛けてしまい、学校時代の文化祭で組の出し物が女装カフェになった際、女装ウェイトレスの役回りに推された。
当時のクリスは、クラスの一部の連中から嫌がらせを受けていて、その連中に推薦され、笑い物にされるようなメイド服を着用させられそうになった。
其れを救ったのが、俺の親友…牧園 アキラ。
何も言わず、奴等が用意したメイド服を着、何事もなく自分に与えられた役回りを全うしきった。
連中の批判とブーイングを一身に受けたアキラ。だけど其の顔は『後悔』が無い、とても澄みきった表情だったのを今も良く覚えている。
文化祭が終わって、俺とクリスがアキラに庇った理由を聞くと、アイツは小さく笑ってこう答えた。
「嫌がってる人や困ってる人を無視するような、最低な人間に成るつもりは毛頭無い。それに、俺は『助けたいと思ったから助けたんだ』。其れ以外に何か理由が
助けたいから助ける…それだけの理由。
クリスは感謝の言葉と共に何度も頭を深く下げた。同時に俺は、アキラが『真に正しい選択』が出来る人間だと知った。その場の雰囲気や状況に流されず、信念と心を以て自らの答えを掲げられる…そんな人間だと。
「う、うん…ありがとう。真守…」
いてて…と涙目のクリスは俺の手を取って立ち上がる。
衣装や髪型等を変えれば、彼はお姫様にさえなれてしまう程に美人だ。
「てーいとくぅ♪」
その時である。肩をポンポン叩かれ、クリスが振り向いた瞬間、パシャリとシャッターを切る音が聞こえた。其処に居たのは春に芽吹いた新緑の若葉に近いグリーンのロングヘアー、
其の手には最新機種のスマフォを持っている。
「うーん…バッチグー!可愛い涙顔いっただきました!」
「や、止めてよ…鈴谷…」
にっひひ~♪と悪戯気に笑みを浮かべる彼女…鈴谷に対して、クリスが涙目ながらに抗議する。
「あらぁ~…良い写真録れたの?私にも見せて?」
「アンタ等、馬鹿やってんじゃないわよ!」
「お、龍田に霞ちゃん♪二人とも見るぅ?ホント、家の提督は可愛いんだから」
そんな鈴谷に、二人の付き添いの艦娘の龍田と霞がやってくる。鈴谷が見せた写真を見て、龍田は悪魔的な笑みを浮かべながら、口から一筋の涎を滴かけていた。
「んん~♪相変わらず、本当に可愛い…♪」
「でしょでしょ~!うちらの服着せたらぜっっったいに似合うでしょ!!!」
「ボ、ボクは…そうゆうの、着ない…から…っ」
涙声で勇気を絞り出してクリスが言うと、「ジョーダン、ジョーダン。だから泣かないで?…ね?」と鈴谷が慰めに掛かり、霞が二人に対してぶーたらと説教を始めた。
十人十色の鎮守府なれば、こうゆう艦娘も居るんだなと、そしてクリス自身は以前よりもずっと強くなったと改めて実感する。
「お前も艦娘に好かれてるな」
「好かれてる…より、ボクの場合は弄られてる…かな」
「…困った事があれば、ちゃんと言ってくれ。絶対助けるからな」
「うん…ありがとう」
互いに言葉を交わして、俺達はそれぞれの向かうべき場所に向かう。
開会式開始時刻は、今尚刻々と迫りつつある…。
* * *
時刻、マルハチヨンマル。
開会式場となる大本営多目的ホールへと入る。既に到着していた提督達が指定された席に付き、始まりの瞬間を今か今かと待っている。
因みに艦娘達は別室で待機する事になった。ホールの座席は数に限りがある、建物をパンクさせるわけにもいかない。
自分の指定座席は『F-61』。正面のステージからは少し前寄りの場所…足元に気を付け、道中通路で擦れ違う人と道を譲り、譲られながら歩く。
「H…J…F…。…此処だな」
既に座っている提督達に、失礼しますと声を掛けつつ、自分の席に辿り着く。
「……………ふぅ…」
席に座ると、今まで全身を張り積めていた糸が一斉に切れたような感覚に襲われ、思わず息を漏らしてしまった。此処まで来るのに人に揉まれ過ぎた…仕方無い。
『…分からない訳では、ない。が、デリカシーに欠ける呼吸だ…。以後、気を付けろ』
「あ…失礼しま、す…」
そう言い切り横を向いた矢先。俺は目を丸くし、声を出せなかった。自分と同じ白の海軍服に身を包んでいるが、頭に被っている物がとんでもない物だった。
騎士の兜…其れも『血を血で洗う、惨劇の渦中を生き残った』ような、
兜もあちこちが凹み、呼吸口の鉄板も歪んでいた。
…この人は『怖い』、そう思う。独特の呼吸音が騎士兜から聞こえ、見えない顔が恐怖を加速させている。
『…………何だ』
「あ、いえ……すみません………」
ハッと我に返って、正面に顔を戻す。自分は出会ってはならない者と出会ってしまったような気になり、全身の血の気が引く。
『…………初めてか。決定戦に、参加するのは』
「え!?…アッハイ、ソノトオリデゴザイマス!」
絶妙過ぎるタイミングで話し掛けられ、緊張感から片言気味の声を出た。本当に情けなくて虚しさが心に積る。
『…無理もない。オレの、話し方は…独特、というよりも…不気味、だからな』
ただ、彼(?)はそう言ってステージを見ている。一刻も早く帰りたい…今までこんな気持ちに襲われる事と無縁だった為に、どうすれば良いのか分からない。
そもそも、この人は一体何なんだ?本当に自分と同じ海軍の軍人なのか?
『…貴君の名は何だ』
「え…?」
『名前を聞いている。貴君の名前を答えよ』
口数は少ない、が…ヤバい。何か出てちゃいけないオーラが、この人から駄々漏れてる。
例えるなら、そう…『人体を軽々真っ二つに出来る大鋏を携えた巨人に首筋を捉えられて、あと数秒しない内に断頭されそうになっている』と言った方が分かりやすい。
「に、二階堂 真守…です」
恐る恐る自分の名前を言った。
兜を被った人は無言のまま、自分達の周りを俺の好きな漫画の演出の『ニブニブニブニブニブ…』の音が鳴り始めているような気がしてきた。
…しかし。
『二階堂…二階堂、か』
空気が確かに変わった。
『…いや、すまない。『探し人』が、いた。どうやら…違った、みたいだ』
そう言ったのを聞き、自分の身体がどっと重くなったのを感じた。それだけ、この人との会話に神経を使っていたのだと実感。
『名を知ったなら、此方も…名乗る。オレは
今さらっと、とんでもない事を言った。
大本営の中将が、何故自分達と同じ一般席に座っているの?ワケが分からない…。
《ピンポンパンポーン♪》
と、うんぬんかんぬんしていたらホール内にアナウンスが響く。
《御来場の提督方に御知らせします。あと十分で、大本営最強鎮守府決定戦の開会式を開始致します。開始時刻はヒトキュウマルマルより一時間程度を予定しております。
また、一度開会式が始まりますと、ホール内は締切となり、途中退出が出来ません。今一度、御手洗いを済ませた上で、指定された席に御座り下さいますよう、御理解、御協力を御願い致します》
《ピンポンパンポーン♪》
十分後に開始するなら今から行ったとしても、十分間に合う。念には念を、磐石の態勢で臨んでおくのが絶対。
俺は座席に手渡されたパンフレットを置き、急ぎ足で男子トイレに向かった。
* * *
「よし、戻ってこれた」
俺がトイレから戻ったのは五分経った後。ホールは既に照明が橙色に変わり、静寂の空気を帯びている。
自分の席に戻って座り、スマフォの電源を忘れずに落とし、静かに待つ。
のだが…
《……………落ち着かない》
右隣に座る、縫蒲田中将の放っている気迫やらが凄まじい。底が見えない真っ黒と言うか、某
《御来場の提督方に御知らせします。これより、大本営最強鎮守府決定戦、開会式を開始致します。
開始前に御願い致します。盗聴・盗撮の防止の為、スマートフォンを含めた電子機器類の電源を一旦御切り下さい。
それでは、始めさせていただきます》
正面のステージがライトアップされ、暗い室内でより一層明るくなる。
《始めに、小笠中将による開会宣言を行います》
ステージ左端の幕より、小笠 兼続中将が現れる。一礼と共に中央の台へ歩き、再び一礼。小さく折り込んだ手持ちの紙を広げ、一拍置いて話す。
「今年も大本営最強鎮守府決定戦の時期がやって参りました。大会へ参加する、全ての鎮守府の提督と艦娘達が、各々が持てる力を集約し、正々堂々と悔いの残らぬ、素晴らしい闘いをする事を期待します」
パチパチパチパチパチパチ…!
拍手が響き、小笠は左の幕へと歩いて行った。
『小笠中将、ありがとうございました。続きまして…』
* * *
『在り来たり』という言葉がある。
良くも悪くも無く、前々から存在し、珍しくもない物事を指した言葉だ。
『開会式も閉会式も『人』が変わっただけで、喋っている事や話している内容とか、学校でやっている事とあまり変わらない』
…と、俺の友達の一人はそんな言葉を呟いた。
自分に必要な物事、不必要な物事。膨大な中から常日頃から『取捨選択』し、自らに取り込む。『父親』が、まだ幼い頃の俺に教えた『二階堂家の家訓』だ。
《でも…俺はそうは思わない》
確かに長い話は集中力を削ぎ、睡魔を呼び起こす事もある。
必要ない話を聞いて、聞き損じたと思う事もある。
だが、世の中には不必要な物は何もない。必ず何かと繋がっている。今は価値が無くとも、後々になって其れが大きな力に変わると。
《一言一句、聞き耳を立てて集中だ》
『…ありがとうございました。続きまして、今年度代表提督による、最強鎮守府決定戦への抱負と致します、『スピーチ』を行わせていただきます』
代表としてステージに立つ。そんな役目に選ばれた提督は在る意味、幸運だろう。
だが。
俺はこの時、『無知』だったのかもしれない。知らず知らずの内に抱え、気付けなかった、自分自身の『無知』。其れが既に『最悪の形』になっていたというのを。
『それでは、御願い致します。今年度代表提督』
華裏鎮守府提督、牧園 アキラ
「…………………………………………え」
ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…
ざわざわ…………ざわざわ…ざわざわ……
会場の静寂が、破られる。
青年が一人、右の幕から現れ、ステージ中央の台へと向かって歩いている。
「………………嘘だ」
見間違いであって欲しい。
悪い夢であって欲しい。
「…………………………なんで」
信じられる訳がなかった。
受け入れられる訳がなかった。
「どうゆう…………事、だよ……」
俺は誰よりも知っている。
彼が優しく、誰にも出来ない選択を出来る事を。
寂しさを圧し殺し、上部の笑みで『大丈夫』と言っている事を。
最高の親友、牧園 アキラ。
俺が一番に嫌う、華裏鎮守府。
其処の提督だと、俺は…知った。
人物紹介
西村 クリス 本名『エリーゼ・クリス』…日本人の父と英国の母親の間に生まれ、十五歳の時に日本に引っ越してきた。『日本の艦隊運用を学び、英国海軍に生かす』と『武士道を学び、強靭な男子になる』の二つの目的を果たすために海軍士官育成高等学校に入学。
アキラ、真守と同じクラスとなる。
性別は男だが、英国人の母親の血の影響か女子と見間違える程の美人であり、その事でよく弄られていた。勉学成績は常に上位十名に入り、特に英語と数学に於いては学年トップを一度たりとも落としたことがない。
彼にとって、真守は『頼れるお兄さん』で、アキラは『自分を助けてくれた恩人』。