※この作品はR-18です。

おま〇こエルフ三姉妹 同棲生活はじめました♡   作:お互いがお互いのために

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暗雲

「うん、分かったよ。二人とも、気をつけていってらっしゃい」

「ばいば~い♪」

 

 マリアは微笑んで答え、アーシャは元気に手を振った。

 

「え、送るって、どういうこと……? 車でも持ってるとか?」

「そんなもの、必要ないわよ。私はエルフよ?」

 

 ツカツカと僕に歩み寄る。ソフィは、僕と腕を組んだ。一瞬、彼女のとんがった耳の先端が、僕の耳をくすぐる……けど、あくまで一瞬のこと。彼女は、僕を引っ張って歩きだした。

 

 デートでエスコート……という艶っぽい雰囲気ではなく、むしろ戦場の衛生兵みたいで頼りがいがある。

 

「エルフなんだから、とうぜん魔法くらい使えるわ。……それっ」

 

 パチン、とソフィが指を鳴らすと、彼女の体が光に包まれる。びっくりして目をつぶってしまった。

 

「うっ……!?」

 

 目を開けると、ソフィの格好は様変わりしていた。

 

 下着だけの、あられもない姿だったのが、ちゃんと服を着ている。

 

 ノースリーブのシャツに短パン。

 長い手袋に、ブーツ。

 腰には矢筒。

 背中にマントを羽織り、手には弓を持っている。

 

 いかにも、ファンタジー小説などに出てくる、森エルフの狩人、あるいは弓射手――といった装いだった。

   

「す、すごい……!」

「これが、森での普段の格好なのよ。今日は、最初から脱いでいただけで」

「そ、そうなんだ……似合ってるね」

 

 ツリ目でいかにも気が強そうな彼女には、こんな格好はぴったりだと思う。掛け値なしの感想を述べると、ソフィはウインクで返した。

 

「ありがと。兄貴もスーツかっこいいわよ。で、忘れ物はないわね? じゃ行きましょ」

 

 ソフィは僕を引っ張って、ドアの外に出る。

 

「また魔法を使うけど、びっくりしないでよ」

「ま、魔法……? え、何するの」

 

 エルフと言えば、魔法が得意……という設定も多いと思うけど、彼女はいったいどういう魔法を使うのだろうか。

 

「飛ぶのよ。こうやって……ね!」

「うぉっ……!?」

 

 僕とソフィの体が、急に浮かび上がった。

 

 ふわふわと前に、ついで上に移動し、アパートの吹き抜けを器用に通り抜ける。ついに、屋上の上に浮かんだ。

 

「あ、あぁ……なんだこりゃあ……!」

「だから、飛んでるんだってば。正確には、上向きの動力をかけて、体を浮かせているんだけど。……準備はいい? 時間ないし、飛ばすわよ!」 

 

 その刹那、僕たちの体が強く前方に加速した。

 

 言うなれば、大砲から撃ち出されたような勢い。

 

「う、うぁぁぁぁぁっ!?」

 

 はるか下の地面に見える建物が、ものすごい勢いで後ろにすっ飛んでいく。もちろん、実際には、僕たちがそのスピードで飛んでいるのだ。

 

 向かい風で、顔の肉がぶるぶる震え、髪がぼっさぼさに――なるかと思ったんだけど、なぜか、そんなことはない。風ひとつなく、空中を快適(?)に突き進んでいく。

 

「すごいでしょう? 向かい風も、念動力《サイコキネシス》で散らしてるから。寒くないし、あんたの髪型も乱れたりしないわ」

「さ、サイコ……それってさ、魔法って呼べるのかな?」

 

 むしろ超能力とかの類では、と僕は頭をひねる。 

 

「細かいことはどうでもいいの……よ!」

「ひええっ!?」

 

 ソフィが腕を強く握り、僕と頬が触れあうくらいに近づいた。

 

「こここここれっ、どれくらい速いんだ?!」

「音速にいったらまずいから、セーブしてるけど……たぶん、新幹線よりは早いわね。さ、もうすぐ着くわ!」

 

 ぎゅぅんっ! と、僕たちは急降下した。

 

 なんとそこは、僕の勤め先。 

 

 時刻は8時57分。ものの一分しかかかっていなかった。けっきょく、僕は遅刻せずに済んだってこと。

 

 そしてソフィは、「私たちが養ってあげるって言ってるのに……」とぶつぶつ言いながらも、再び飛翔して去っていった。

 

「ふぅ。助かった……のかな?」

 

 エルフが飛びさった後の空を、僕は苦笑いで眺めた。

 

 通勤も、それからついでに、おちんぽのムラムラも、あのエルフ三姉妹に助けられちゃったみたいだ。ははは……。

 

 今朝だけでも、本当に大変な騒ぎだった。これから先、いったいどうなることやら……。僕は、しばらく一人でニマニマしてしまった。

 

 

 午前10時頃になって、僕は準備を終えて会社を出ようとした。

 

 その間、会議というか、打ち合わせがあったのだ。

 

 ただ、そういった事務的な会話を除いて、同僚との会話は一切なかった。

 

 成績競争になっているから、なんだか僕らみたいな営業マンどうしはギスギスしているのだ。いやだなぁ……。まぁ、今から会社出るわけだし、話さなくていいから、いいけど。

 

 しかしそんな僕でも、会社で雑談を交わす相手が、ゆいいつ一人だけいた。

 

 経理部の諸島(しょとう)さんという、恰幅のいい40代くらいのおじさん。たまたま今日、会社の出口付近で出くわした。にこやかに挨拶を交わす。

 

 あぁ、僕と雑談してくれるのは、この人くらいだな……。まぁ、エルフの三姉妹が、今は来てくれたけど。

 

「おや、何か顔がやつれてないかい? あまり寝てないのか?」

 

 と尋ねられる。

 

 僕は、今朝からの経緯を(ヤバイ所はカットしつつ)語った。当然、美少女エルフに、おちんぽミルク搾られまくった――という点も、カットしている。

 

 今まで存在を知らなかった兄弟が、とつぜんやってきた――という、まだ穏当なストーリーにしておいた。

 

 ところが、穏やかな諸島さんの顔が、みるみる内に渋くなる。

 

「え? あの、どうかしましたか」

「君、それはまずいんじゃないか……!?」

 

 えっ、何がまずいんだろう……僕は、ごくっと唾を飲み込んだ。

 

「それは、もしかすると……犯罪に巻き込まれてるんじゃないか?!」

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