おま〇こエルフ三姉妹 同棲生活はじめました♡ 作:お互いがお互いのために
「うん、分かったよ。二人とも、気をつけていってらっしゃい」
「ばいば~い♪」
マリアは微笑んで答え、アーシャは元気に手を振った。
「え、送るって、どういうこと……? 車でも持ってるとか?」
「そんなもの、必要ないわよ。私はエルフよ?」
ツカツカと僕に歩み寄る。ソフィは、僕と腕を組んだ。一瞬、彼女のとんがった耳の先端が、僕の耳をくすぐる……けど、あくまで一瞬のこと。彼女は、僕を引っ張って歩きだした。
デートでエスコート……という艶っぽい雰囲気ではなく、むしろ戦場の衛生兵みたいで頼りがいがある。
「エルフなんだから、とうぜん魔法くらい使えるわ。……それっ」
パチン、とソフィが指を鳴らすと、彼女の体が光に包まれる。びっくりして目をつぶってしまった。
「うっ……!?」
目を開けると、ソフィの格好は様変わりしていた。
下着だけの、あられもない姿だったのが、ちゃんと服を着ている。
ノースリーブのシャツに短パン。
長い手袋に、ブーツ。
腰には矢筒。
背中にマントを羽織り、手には弓を持っている。
いかにも、ファンタジー小説などに出てくる、森エルフの狩人、あるいは弓射手――といった装いだった。
「す、すごい……!」
「これが、森での普段の格好なのよ。今日は、最初から脱いでいただけで」
「そ、そうなんだ……似合ってるね」
ツリ目でいかにも気が強そうな彼女には、こんな格好はぴったりだと思う。掛け値なしの感想を述べると、ソフィはウインクで返した。
「ありがと。兄貴もスーツかっこいいわよ。で、忘れ物はないわね? じゃ行きましょ」
ソフィは僕を引っ張って、ドアの外に出る。
「また魔法を使うけど、びっくりしないでよ」
「ま、魔法……? え、何するの」
エルフと言えば、魔法が得意……という設定も多いと思うけど、彼女はいったいどういう魔法を使うのだろうか。
「飛ぶのよ。こうやって……ね!」
「うぉっ……!?」
僕とソフィの体が、急に浮かび上がった。
ふわふわと前に、ついで上に移動し、アパートの吹き抜けを器用に通り抜ける。ついに、屋上の上に浮かんだ。
「あ、あぁ……なんだこりゃあ……!」
「だから、飛んでるんだってば。正確には、上向きの動力をかけて、体を浮かせているんだけど。……準備はいい? 時間ないし、飛ばすわよ!」
その刹那、僕たちの体が強く前方に加速した。
言うなれば、大砲から撃ち出されたような勢い。
「う、うぁぁぁぁぁっ!?」
はるか下の地面に見える建物が、ものすごい勢いで後ろにすっ飛んでいく。もちろん、実際には、僕たちがそのスピードで飛んでいるのだ。
向かい風で、顔の肉がぶるぶる震え、髪がぼっさぼさに――なるかと思ったんだけど、なぜか、そんなことはない。風ひとつなく、空中を快適(?)に突き進んでいく。
「すごいでしょう? 向かい風も、念動力《サイコキネシス》で散らしてるから。寒くないし、あんたの髪型も乱れたりしないわ」
「さ、サイコ……それってさ、魔法って呼べるのかな?」
むしろ超能力とかの類では、と僕は頭をひねる。
「細かいことはどうでもいいの……よ!」
「ひええっ!?」
ソフィが腕を強く握り、僕と頬が触れあうくらいに近づいた。
「こここここれっ、どれくらい速いんだ?!」
「音速にいったらまずいから、セーブしてるけど……たぶん、新幹線よりは早いわね。さ、もうすぐ着くわ!」
ぎゅぅんっ! と、僕たちは急降下した。
なんとそこは、僕の勤め先。
時刻は8時57分。ものの一分しかかかっていなかった。けっきょく、僕は遅刻せずに済んだってこと。
そしてソフィは、「私たちが養ってあげるって言ってるのに……」とぶつぶつ言いながらも、再び飛翔して去っていった。
「ふぅ。助かった……のかな?」
エルフが飛びさった後の空を、僕は苦笑いで眺めた。
通勤も、それからついでに、おちんぽのムラムラも、あのエルフ三姉妹に助けられちゃったみたいだ。ははは……。
今朝だけでも、本当に大変な騒ぎだった。これから先、いったいどうなることやら……。僕は、しばらく一人でニマニマしてしまった。
午前10時頃になって、僕は準備を終えて会社を出ようとした。
その間、会議というか、打ち合わせがあったのだ。
ただ、そういった事務的な会話を除いて、同僚との会話は一切なかった。
成績競争になっているから、なんだか僕らみたいな営業マンどうしはギスギスしているのだ。いやだなぁ……。まぁ、今から会社出るわけだし、話さなくていいから、いいけど。
しかしそんな僕でも、会社で雑談を交わす相手が、ゆいいつ一人だけいた。
経理部の諸島(しょとう)さんという、恰幅のいい40代くらいのおじさん。たまたま今日、会社の出口付近で出くわした。にこやかに挨拶を交わす。
あぁ、僕と雑談してくれるのは、この人くらいだな……。まぁ、エルフの三姉妹が、今は来てくれたけど。
「おや、何か顔がやつれてないかい? あまり寝てないのか?」
と尋ねられる。
僕は、今朝からの経緯を(ヤバイ所はカットしつつ)語った。当然、美少女エルフに、おちんぽミルク搾られまくった――という点も、カットしている。
今まで存在を知らなかった兄弟が、とつぜんやってきた――という、まだ穏当なストーリーにしておいた。
ところが、穏やかな諸島さんの顔が、みるみる内に渋くなる。
「え? あの、どうかしましたか」
「君、それはまずいんじゃないか……!?」
えっ、何がまずいんだろう……僕は、ごくっと唾を飲み込んだ。
「それは、もしかすると……犯罪に巻き込まれてるんじゃないか?!」