おま〇こエルフ三姉妹 同棲生活はじめました♡ 作:お互いがお互いのために
街頭と、月のかすかな明かりだけしかない。全く、どこにいるのか見当もつかなかった。
「うぅ、アパートはどっちだ……? とりあえず、駅まで戻るか……」
暗い通りで、僕は元来た方に踵を返す。
こんな事なら、青春映画みたいに後先考えず走り出すんじゃなかった……!
バカな自分を呪っていると、
「っ……!?」
段差か何かが足に引っかかり、僕は派手に転んだ。
「いったぁーっ……!」
全身に鈍痛が走る。膝すりむいたかな……?
その上、痛みだけじゃない。水たまりの上にすっころんだせいで、スーツはびしゃびしゃ。
明日だって、仕事はあるっていうのに……。
けれど、そんな事は、もうどうでもいい。
「会わなきゃ、ソフィ達に……!」
僕は走った。
濡れた道の上を、先がよく見えなくても、転んでも、躓いても、走った。
どうにかタクシーを拾い、アパートに着いた時、空はもうかすかに白んでいた。
「ソフィ! マリア、アーシャ!」
近所迷惑だろう叫びを発しながら、部屋の鍵を開ける。
すごく、息が切れていた。
「はぁ、はぁっ……みんな、ただいま……!」
返事はない。部屋は真っ暗だ。
もしかしたら……というか確実に、みんなまだ寝ているだろうけど、やむなく電気をつける。
トイレを、風呂場を、キッチンを、そして一つしかない部屋を明るくし、ドアを開け放つ。
僕は、誰も見つけることができなかった。
マリアも、ソフィも、アーシャも、僕以外には誰一人部屋にいなかった。
「うそ……だ……!」
濡れたスーツを脱ぎもせず、僕はがくんと手を床についた。
どうして、みんないないんだ……?
今朝は、頼んでも帰ってくれないような感じだったのに。
「三人とも……帰っちゃったのか?」
やっぱりみんな、詐欺師だった?
それとも、愛想を尽かして帰ったのか……。
僕は、床に転がっていたビニール袋を、ぐしゃっとつぶした。
「どっちでもいい……どっちでもいいけど。頼むよ……もう一回、出てきてくれ。俺に、謝らせて……ソフィ! うぅっ……」
そうやって、5分も10分も、嗚咽を漏らしていると。
「何言ってんのよ、バカ兄貴」
「えっ」
「私は……ずっといたわよ」
顔を上げると、三人のエルフがいた。
白い肌に金髪。
尖った耳。
緑色に瞳……これは、間違いない。
彼女たちは、マリア、ソフィ、アーシャの三姉妹だった。
ソフィはむすっとした顔で腕を組み、マリアとアーシャはちょっと困った感じの顔。
「あ、あれ……っ? なんで? 今、どこにもいなかったのに……」
部屋の中には、それどころか、トイレにも風呂場にも、彼女たちはいなかったはずだ。
まるでマジックみたいな感じで、僕はぽかんとした。
「い、今までどこに!? ずっと探してたんだよ……もしかして、隠れてたりした!?」
「ばか、隠れるわけないでしょ。私たちは、ずっとあんたのそばにいたわ。……まぁ、お昼ご飯の時、いちど頭に来て帰ったけど、寛大な気持ちでもう一度様子を見に来てやったの。感謝なさい」
い、今も頭に来てるような気がするのは、僕だけだろうか……?
「そ、そうなの……?!」
「――で、その後はずっと一緒よ」
ソフィは、不機嫌そうにトントンと足を床に打ち鳴らした。
「えぇ? ず、ずっと一緒だって?」
訳が分からず、僕はひとまず立ち上がってちゃんと話する姿勢になった。
「いや、だって……どこにもいなかったじゃないか」
「いいえ。ずっと、兄貴のそばにいたわ。兄貴が見えなかっただけ。私たちが声をかけても、触れても、あんたは……人間は気づいてくれないんだから。でも、あんたが呼んでくれたから、また出てこれた――という所ね」
「……それって」
なんだかそれって、夢の中で、幽霊になってた僕みたいだ。
「と、とにかく、ゴメン……。怒らせるようなことを言っちゃって。やっと、分かったんだよ。君たちは、僕のきょうだいだったんだね?」
ソフィ、マリア、アーシャと、僕は順番に手をとって握手する。三人とも、目を丸くしていた。
僕が、泣いていたからだろう。
「……夢でっ、見たんだ。あれは、幻じゃない。すごいリアルな夢だったし……マリアの名前も出てきたし。三人とも姉とか妹だったし。うん……間違いないよ……!」
ぐすっ、としゃくりあげつつ、僕は言い切った。
「また来てくれて、三人とも、ありがとう……! ありが――」
その時、でかい物体が僕に突進してきた。
ばふっ! という音を立てて僕の顔に衝突する。
「ぅぶっ!?」
「ん〜〜〜〜っ! 思い出してくれてうれしいよ〜弟く〜んっ♡」
「うぶっ……!?」
マリアが抱き着いてきたのだ。僕の顔が、豊満なおっぱいに埋めつくされる。
嬉しいんだけど、息ができない。
「んっ、んんン〜〜〜っ!? ちょっ、放し――」
「わ〜いっ! お兄ちゃ〜んっ、やっとお兄ちゃんだねっ♪」
さらには、腰のあたりに、アーシャが抱き着いてくる感触が。
彼女の体がもぞもぞ動いている。微妙に、おちんぽの所をお腹ですりすりされているような……気のせいだよね?
ともかく、マリアのおっぱいとアーシャのお腹を押しのけ――
「きゃっ♡」
「ふぁっ……♪」
――向こう側のソフィへと、どうにか身を乗り出した。
「あ、あの〜。そ、ソフィ……もっ……!」
「は、はぁっ!? 私にも抱き着けっていうの?」
「え? いや、そうではなく」
謝ろうと思ったんだけど……。何故か、ソフィは嬉しそうだった。
「しょっ、しょうがないわね、兄貴は本当に甘えん坊なんだから……ふっ、ふふふふっ……♡」
ソフィは、ちょっとよだれを垂らしていた。やばい薬でも飲んだかのように、恍惚とした顔だ。悪い気はしないけど……。
「と、とにかくみんな落ち着いて!」
僕はひとまず、姉妹全員をちゃぶ台の周りに座らせた。
「……と、いう訳で、ごめんソフィ。あんな事を言っちゃって」
「……フン」
ソフィは、つんと鼻を上げた。
もっとも、本気で怒っているという感じじゃない。本気だったら、さっきみたいに弁当箱を投げつけるだろう。
彼女の言葉を借りるなら、「安い女と思わないでよね」――という所か。
「だ、だからさ……」
僕は咳払いした。