おま〇こエルフ三姉妹 同棲生活はじめました♡ 作:お互いがお互いのために
少し未来の話、三姉妹と主人公が大きめのアパートに引っ越した後のこと。
三人の姉妹は今、それぞれの部屋を持っている。
マリアは、ソフィの部屋のドアを開けた。
「ねぇソフィちゃん、ちょっといいかし--あらっ?」
するとマリアの口も、パカッと丸く開いた。
ソフィが、オナニーしていたからだ。
壁によりかって寝転がったまま、パンツ(ショーツ)をずらし、自分のおまんこを執拗に指で弄っている。愛液が指にからんで、くちゅくちゅ激しく鳴っていた。
気持ちよさそうに目を閉じ、荒い吐息も漏らしている。
いつも履いているホットパンツに至っては、完全に脱げて足首に引っかかっていた。もうすっかり、みだらな夢の中にドップリ……と、いうありさま。
「はぁっ、はぁぁ〜〜っ……ンふぁっ、あぁぁんっ……♡ いいっ、気持ち、いいよぉっ……あにきっ、兄貴ぃっ、もっと、もっとおまんこっ、虐めてぇっ……♡ アァだめっ、だめぇ♡ そんなに奥までじゅぷじゅぷってしたらァっ……♡ ふぁぁっ、うくぅっ、イっちゃうっ、イっちゃうからぁ……っ♡ ……って、え?」
「そ、ソフィちゃん、いったい何してるの……?」
「あれ? ……きゃあぁぁぁっ!?」
ソフィは、ようやくマリアに気づいて叫んだ。急いでパンツをズリ上げる。
しかし、あまりに急いだせいで、さらなる災難が!
力を入れ過ぎたせいなのか、ソフィの真っ白いパンツが、びりりっと真っ二つに裂けたのだった。
一瞬前まで、秘所を彩る乙女の可憐なマストアイテムだったそれは、たちまち単なる雑巾にまで堕してしまった。
「いっ……いやああぁぁぁぁぁ!?」
ソフィの悲痛な金切り声が、3LDKの部屋にこだました。
新しいパンツを履きなおしてから、ソフィは顔を真っ赤にして怒鳴った。
「……んもう! マリア姉さん、なんでいきなり部屋に入ってくるのよ! ノックくらいしなさいよね!」
「ご、ごめんね……。ちょっと、頼みたいことがあったから、声かけたんだけど。ソフィちゃん、声隠してオナニーしていたみたいだから、気づかなくって」
「……! お、おなにーなんか、私はしてないわ! ただ、ちょっと……そう、おまんこを触診してただけ! 本当にそれだけだからっ! ましてや、兄貴に無理やり犯される所を想像してオナニーとか、そんな事……ゼッタイ、違うのっ!」
「そ、そうなの? まぁソフィちゃんがそう言うなら、そうだよね……」
マリアはちょっと汗をかきながら、露骨に顔をそらした。
「そ、そうよ……」
ソフィは、半ばヤケクソ気味に念押しした。
「それより姉さん、頼みたい事って何?」
「それがね。第一章と第二章に出てきた言葉の意味を、チョット幕間で解説したいの。だから、ソフィちゃんにはそのアシスタントを頼みたいんだ」
すると、ソフィはぎょっとした。
「な、何、その『第一章』とか『第二章』って。まるでここが小説の世界みたいな言いぐさじゃない」
「やだなぁ、ソフィちゃん。物のたとえよ?」
「そう?」
「うん。あ、あと、ちなみに幕間は『まくあい』っていう読むらしいわよ?」
「だから、何でそんなことを解説する必要あるのよ!? ……まぁ、いいわ。やることもないし、頼まれてあげる」
「ありがとう♡ じゃあ、一緒に解説しましょう!」
マリアはぐっ! と右腕でガッツポーズを作った。
彼女たちは、ダイニングのテーブルに腰かける。ソフィは足を組み、いっぽうマリアはきれいに揃えていた。
二人の目の前には、紅茶の入ったカップが湯気を立たせ、優雅な香りを放っている。二人ともが音を立てずに一口飲んだあと、唐突に会話が始まった。
「ねぇソフィちゃん。おねえちゃんね、このあいだ、『私たちは、ずっとひとつだよ』って言ったんだけど、覚えてるかな?」
「ん〜……。そんな事も言ってたかしらね。まぁ、あの時はちょっと感動しちゃったわ」
「ふふっ、ありがと♡」
「でも、今よくよく考えると、ドラマとかでよくあるキレイごと台詞って感じで、ちょっと微妙な感じよね」
ソフィは、鼻白んだようにティーカップに手を伸ばし、取っての部分を弄び始めた。
「ソフィちゃん、それはちょっとひどいよ……。でも、別にキレイごとを言ったつもりはなくって、ホントのことよ? ……ソフィちゃんは、エルフの森の教えを、ちゃんと覚えてるかな」
「え、何のこと?」
「えっとね……」
マリアは、メモ用紙にペンで、人を表すようなマークをいくつか書く。そして、ソフィのほうに、それを示した。
「この世界には、いろんな人、いろんな物、いろんな現象が、たくさんあるよね? けど……っ!」
そして、その人々を全て包み込むような大きなマルを、しゅっと紙に記してみせた。
「それはぜんぶ、もともと一つのものなの。宇宙の全ての存在は、この宇宙を創造した『根源のいのち』--人間風に言えば、『創造主』の一部だ。っていう、エルフの教えよ」
「……えぇ。まぁ、なんとなく姉さんが言いたいことは覚えてるわ。私、アウトドア派だから、姉さんほど物覚えはよくないけどね」
「じゃあ、復習してみよっか。ソフィちゃんには、何か嫌いな人とか、嫌いな物とかある?」
「嫌い……?」
ソフィは少しうつむいてから、
「兄貴を苦しめた、あの母親はちょっと嫌いかもね……まぁ反省はしてるみたいだけど。それから、虫は嫌いよ」
「ソフィちゃん、ゴキブリが出るといつも大騒ぎだもんね、ふふっ」
「だ、誰が、いつどこで大騒ぎなんかしたのよ! 優雅なレディが、それしきで取り乱すわけないでしょ! ちょ、ちょっと混乱して白目を剥いちゃったことがあるだけよっ」
「……そうそう、まぁそんな感じで、世の中に嫌いな物なんて、誰にでも、いくらでもあるよね? けどね。嫌いな物も含めたすべてが、もともとは自分と同じもの。一つのもの……なんだよ? それがエルフの教えの、いちばん大事なところね。だから本当は、この世の中に、嫌いな相手も、憎むべき敵も、いないってことなの」
すると、ソフィは、首をひねった。自分の頬に指をとんとんやって、プニプニさせている。
「ん? それってどういう事? いまいち、話が分からないんだけど……」
「そ、ソフィちゃん、ホントに覚えてたの……?」
マリアは困惑気味だった。いっぽうのソフィも、エルフの森の教えを忘れていたことが恥ずかしいのか、
「ちっ、違う違う! これは……そう! さっきオナニーしてて頭が真っ白になっちゃって、記憶がちょっと飛んでて--って、ちがっ、いっ今のなし、今のなし!」
彼女は、顔を真っ赤にしてぶんぶん両手を振った。あんまり震えるものだから、紅茶が一滴こぼれてしまう。
マリアは、それをいそいそと布巾で拭き取りつつ、
「で、でも、考えてみてソフィちゃん。ソフィちゃんは、自分の体のどこかが、具合が悪くて困った感じだったら、どうする?」
「え? 具合が……。そりゃ……そうね、ひとまず応急処置とかして。その後、マリア姉さんに、回復魔法をかけてもらいにいくかしら」
「うん、そうだよね。体は自分の一部だもん。困った事があったら、それこそ、親身になって手当てしてあげるよね? でも、それは他人も同じ事よ」
「え……?」
「ほら。他人は自分--でしょ?」
マリアは、いたずらっぽく人差し指をピンと立てる。そして自分と、ソフィの方とを、チョンチョン往復させた。
「他人は、自分の体の一部も同然……だから、もし困っちゃうような人が、自分の目の前に現れたとしてもね。その人を助けてあげはしても……まさか、憎んだり嫌ったりなんて、しないほうがいいの。だって、その他人は、自分自身なんだもん。自分の体に優しくするのと同じように、他人へ優しくしてあげる……そうよね?」
「あ……あぁ、そ、そうそう。そういえば森で、そんな事を長老だか教師だかから、たくさん聞かされた気がするわ」
珍しいことに、ソフィは自信なさげに言う。
「……ま、私でさえなかなか分からないのに、たかが人間ごときには、こんな事分かりっこないでしょうね! その証拠に、森と違って、人間界は悪徳だらけだもの! 兄貴を想って、人間界くんだりにまで助けに来てあげてる私たちとは大違い! ふんっ、まったく救いようがないわねっ」
すぐに自信たっぷりに戻り、ソフィは楽しそうに長い金髪を梳いた。
「あ、あははは……。でもソフィちゃん、人間のみんなだって、捨てたものじゃないよ」
「そうかしら?」
「そうだよ〜。人間にだって、良心はあるもの。みんな、『ほかの人にやさしくしなきゃ』って、心のどこかでは、ちゃんと思ってるよ?」
「まぁ、それは……。でも、思ってるだけじゃあんまり意味ないじゃないの!」
「う、う〜ん……」
マリアは、答えに窮したように、腰まで垂れさがる長い金髪を撫でた。
「そういえば弟くんも、怖い上司さんの事とか、嫌なお客さんの事を、いつも話してたね。『明日、会社が爆発しないかなぁ……』とか、なんとか」
マリアとソフィは、同時にプッと噴き出してしまった。
「クスクス……。まぁ、やっぱり人間は、人間的だもんね。嫌いな人とか、敵にまで優しくできる人なんて、たしかにそうはいないよ。そこまでできた人間なんて……うぅん……マザー・テレサだとか、イエス・キリストだとか、そういう人ぐらいかな?」
「ほら、見なさい」
ソフィは、脚を組み替えて、背もたれにどかっと背中をあずけた。
「やっぱり、人間はその程度じゃないの」
ソフィの身もふたもない言葉に、しかし、マリアはゆっくり首を振った。
きゅっと、両手を心臓のところで握り合わせる。
「それでも……お姉ちゃんは人間を信じたいの。きっと、いつかは人間も、すべての人を愛せるようになるって。いやな事も、嫌いな人も……そういうのぜ〜んぶひっくるめて、世界のすべては一つ、宇宙は自分が創った作品だって思えれば、いつかは……遠くない未来に、そうなれるんじゃないかな? そう……弟くんが、お母さんを許してあげられたみたいにね」
マリアは、ニッコリ笑う。その笑顔には、心配や不安の色もない。
ただ、ぎゅっとカップを握って。
その平らな冷たさを、彼女は、のんびりと感じていた。いつかは、その紅茶の温かさが、手の平にまで届くのだと信じて……。
「楽しいティータイムだったわ、姉さん。たまには、こういう話もいいわね」
「うん♡ ならよかった。あ、カップは私が片づけておくから、ソフィちゃんは休んでいていいよ?」
「ありがと。じゃあ、部屋に戻ってようかしら」
ソフィがくるっと踵を返した。
その背中へ向けて、マリアが追い打ちをかける。
「あ、私キッチンにいるし、今度はソフィちゃんのお部屋には行かないわ。安心して励んでね♡」
「?! はげむって何よっ! だっ、だから私は……お、
オナニーなんてしてないって、いいい言ってるでしょぉぉぉ〜〜〜〜〜っ!?」
細長い耳の先端まで、もれなく真っ赤に染め、ソフィは絶叫するのだった。
参考文献
「シルバーバーチの霊訓」シリーズ(潮文社 2004~2005)
自由訳―老子(新井満 朝日文庫 2007)