出だしがマサキと似ていますが召喚期間が異なります。
ぶっちゃけ幻影本編やXの微妙なネタバレを一部含みます。
それでも宜しければどうぞ。
今回の話はかつて私がサイデリアルとして敵対していた頃の話。
陛下の御命令により私はある場所へ派遣される筈だった。
だが、道中で使用したクロスゲートに異変が生じてしまい…
目的の場所とは異なる未知の世界へ転移する事となった。
******
「また転移か…」
暴走したクロスゲートから大隊毎吐き出された私達は何処かの草原に降り立つ事となった。
そのクロスゲートも転移時にエネルギーを使い果たし沈黙してしまった。
何者かの干渉により再起動する事が出来ないのもあるが…
今は答える事が出来ないとだけ話して置こう。
「…念は安定、念神にも異常は見当たらない。」
自分自身と念神だけは無事であった事が救いだろう。
何かあればその場から動く事も敵わない。
同じくサイデリアルで共に行動している部下達も無事だった。
と、言っても全員が自立型AIの兵士達だ。
性格はロサよりも表現が少なく、任務に忠実な思考と言うべきだろう。
まあ女性らしい繊細さを持たせているのでこちらの意図を良く理解してくれている。
ちなみに彼女らは総称してラクダンと呼ぶ。
名の通り仮面を付けた踊り子の風貌を持つ。
「各艦、各機の損傷並びに被害状況を確認。」
「了解。」
「各艦、各機に異常なし。」
「任務続行可能。」
「ご指示を願います。」
「では…現任務を一時凍結とする。」
「何故でしょうか?」
「ここが目的地では無いからだ。」
「了解、ご指示を。」
「今はこのエリアの捜索、その後は我々の帰還を最優先とする。」
「了解しました。」
デイモーン、ティアマート、灰桜色のアンゲロイCAPが数機、母艦であるアドラティオ級が三艦。
今は出撃させていないが、ゲシュテルベン改、ガーダイド・カスタム、エルアインスなど馴染みのPTやAMも艦載されている。
これが現在の私に与えられた力と部下達である。
副官としてロサが同行しているが、今はアドラティオの一つに乗艦して貰っている。
「ハスミ、やっぱりこの世界って…」
「恐らく、ここはアル・ワースで間違いないでしょうね。」
「それじゃあ…」
「当然…召喚されているわ、あの人達もね。」
「戦うの?」
「監視の眼が何処にあるか判らない、私は今の自分の立ち位置を弁えているつもりよ。」
「うん、判ったわ。」
「ロサ、今の私はサイデリアルの葬華隊の隊長…ロトゥスである事を忘れないで。」
「了解。」
「ありがとう、ヴェレド。」
一時の会話に続き、アラートが鳴り響く。
「ロトゥス様、未確認の反応をキャッチ。」
「数は?」
「四機です、恐らくは偵察規模と思われます。」
「了解した、そのまま周囲の警戒を怠らないで。」
「了解。」
草原に現れたのは独特の風貌を持つ機体。
数は4、恐らくは量産型だろう。
お約束通り、こちら側へ攻撃を仕掛けて来た。
「…(やはりルーンゴーレム、奴らの眼が付いていない事だけが救いか。」
「応戦しますか?」
「いや、全機下がらせなさい。」
「ロトゥス様は?」
「私が露払いをする、あの規模なら私だけで十分だ。」
「ですが…!」
「陛下より賜った戦力をここで削ぐ事は出来ない、後の状況を見てこちらから指示を出す。」
「了解しました、ご武運を。」
指揮官が前線に出ると言うのは例外を除いて余りないだろう。
だが、これが私の戦闘スタイルだ。
無駄な血とオイルを流させる訳には行かない!
「そんな戦力で私に勝てると思わない事ね。」
私は剣を使う必要はないと判断し魔法で攻める事にした。
「そんな程度で勝てると思わない事ね、まずは紫闇の月輪!」
紫のチャクラムが二体のルーンゴーレムを切り裂く。
「残り二機!」
相手のルーンゴーレムも攻撃を開始するが動きを知っているので容易に交わす事は可能。
「ガトリングに似た攻撃、どこぞのピエロさんを思い出すわ。」
相手を翻弄しつつ距離を取って次の攻撃に移る。
「啼け、銀月の嘆き!」
銀色の涙雨が三体目のルーンゴーレムを撃ち貫く。
「唸れ、金陽の轟き!」
金色の閃光が最後のルーンゴーレムを撃ち抜く。
「…(セフィーロの魔法が通りやすい、やはりあれは魔導兵器の類か。」
「ロトゥス、敵機体の残骸はこっちで回収するけどいい?」
「ええ、お願いするわ。」
******
無事ルーンゴーレムを退けた私達は引き続き周囲地域の情報を集める事にした。
近くの村から手に入れた地図からココがアル・ワースである事は確実となった。
創界山、マナの国、獣の国は前世の記憶から調べがついているが…
のちに現れるであろう転移者達の動向も探らなければならない。
私の勝手な都合で元の世界の彼らと敵対しているとは言え心苦しいが…
私は絶望的未来の結末から皆を救いたい。
その為に私が闇に染まる事に後悔なんてしない。
今は臨時のベースとなる簡易基地を何処かに設置しなければならない。
理由とすれば皇国との連絡がつかない以上、物資の供給がままならないからである。
後々に兵糧攻めの物資不足になるのは明白。
どこかに傭兵として雇って貰うと言うオチもあったがそれが出来ない状況なので諦めるとする。
尻尾を掴ませる状況を限りなく無くす事でこちらの動きを相手に読ませない為である。
さて、こんな遊戯盤に私達を送り込んだ輩はどう出るかな?
その代償がとてつもなく大きいと言う事をその身を持って知って貰おうか!
=続?=
=とある戦闘の会話記録=
「マサキ、今の彼女は敵だ。」
「どういう事だよ、アムロ大尉!」
「…」
「彼女はサイデリアルと繋がっていた…それもかなり前からだ。」
「何だと!?」
「そう、アムロ大尉の言う通りよ。」
「ハスミ、お前…!」
「今の私はサイデリアルの葬華隊を預かる者、名はロトゥス。」
「ロトゥス、それが今の君の名前か。」
「そして貴方達が求めた『知りたがる山羊』のスフィアリアクターでもあります。」
「な!?」
「衝撃のネタ晴らしもそこそこに…それではさようなら、Z-BLUE。」
記録音声はここで途切れております。