リハビリを兼ねてますので短いです。
後書きが本編だったりしたり。
淡い青で統一した寝具の上で語り合う。
互いの身体を抱きしめ合い熱を感じ温もりを感じる。
柔い口付けを交わし深く絡め合う。
トクン、トクンと心音が高鳴り熱がこみ上げる。
時折、髪を梳く様に彼の手が触れた。
そしてまたその身を重ね合う。
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夜空の満月は変わらず輝いている。
時空修復によって増えた双子の重ね月が一層その輝きを増している。
「今宵も月が綺麗ね…」
「…お前は変わらず好きだな。」
「私は好きよ、この静かな夜に輝く月はね。」
互いの熱を感じ合った後、湯浴みを済ませ彼の髪から水気を拭き取っていた。
寝具の上で月の色に似ている彼の髪を梳きながら私は話を続けた。
「ここは静かでいいわ、誰も寄せ付けない私達の箱庭。」
ここは天鳥船島。
その一角に私はこの別荘を建てた。
月夜を感じ、誰も寄せ付けない箱庭。
ここで彼と永い永い時の中、二人だけの蜜月を過ごしている。
永き時の中で私は彼と生きている。
共に戦った仲間の死を受け入れ、永き時を生きる運命を受け入れた。
私が望めば仲間達も永き時を生きる事も出来た。
でも、私はしなかった。
私は彼らに別れを告げて、何時か何処かで逢いましょうと彼らの定められた生涯を見送った。
今は俗世を離れ、彼らの意思を受け継いだ子孫を見守っている。
かつての様な傲慢な行為を行わない様に律する事を忘れない様に。
必要ならば手を貸し、必要ならば罰する。
それを何度も続けている。
「…ハスミ、寂しくはないのか?」
「ヴィル、急にどうしたの?」
「いや、昔の事を思い出しただけだ…」
「昔の事?」
「お前と初めて出会った頃の…な。」
「懐かしいわね。」
私は彼の髪を梳き終えるとベッドの傍にあるサイドチェストに櫛を置いた。
そしてベッドに座り直して彼の傍に寄った。
「かつて御使いに敗れ、そして異空間で彷徨っていた俺の前にお前が現れた時の事…今でも忘れられん。」
「…私もよ。」
私はアシュラヤーの巫女としての運命を受け入れた後、何処かの異空間に飛ばされた。
そこで傷ついた彼に出会ったのだ。
憔悴し戦う事を諦めかけた彼に私は答えた。
『何時か必ず貴方の力になる、だから…諦めないで!』
それが彼の片腕として寄り添う事を決めた切っ掛けだった。
結果としてZ事変では仲間を裏切り、己の愛の為に戦う事になってしまった。
間違っていたとしても私は彼と寄り添うと決意した。
「今思い出すと私ったら恥ずかしい事を話していたのね。」
「…恥ずがしがる事か?」
「いえ…後悔はないわ、こうやって貴方の傍に寄り添えるのだから。」
彼はうっすらと笑みを浮かべると私を傍に引き寄せた。
「ヴィル?」
「お前の『歩む事を諦めるな。』その言葉があったからこそ、俺はここに居る事が出来る。」
「…うん。」
「お前は『識るからこそ、その手は鈍る。』記憶を持ち得ていたとしても流されず己の意思を貫いた。」
「…」
「その結果が今を生み出した、俺達は明日に歩む事を辞める事はないだろう。」
私は彼の傍で静かに頷いた。
テラスから春を告げる風が吹き込みカーテンを揺らす。
天窓とテラスから入り込む優しい月の光に身を委ねた。
「そろそろ眠ろう。」
「…ええ。」
彼に抱き占められながらベッドに潜り込んだ。
時折聞こえる海の小波の音と夜の春風の音を聞きながら。
私は彼の温もりを感じながら意識をゆっくりと沈めた。
=終=
=SRW・T編、嘘予告=
ある日、海底より地殻変動で沈んだ島が発見された。
その島の跡地から発掘された遺跡より、とある水晶が運び出された。
だが、人々は知る筈もなかった。
それを目覚めさせてはいけない事を。
解放されれば、総ての人類、地球、銀河、宇宙、世界は崩壊する。
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退廃と諦めの世界で生きる人々。
新たにVTX社に入社する二人の男女の姿があった。
「ゲシュペンストの真髄を理解していないのに大口を叩かないで貰いたい。」
凛とした夜の月の様な蒼い髪の女性。
「…この世界は既に病んでいるのか。」
屈強な戦士の風貌を持つ褐色の男性。
「私達、過去の記憶がないんです。」
「だが、共に居た事は覚えている。」
二人の目覚めは成してはならなかった。
「何故だろうか、俺達はあの二人を知っている様な気がする。」
戦士達の脳裏に過ぎる残像。
激化する戦いの中で二人は姿を消してしまう。
「この世界を救うにはやり直すしかない…。」
目覚めし蒼き女神。
「最早、躊躇う必要はない。」
呼応する次元の将。
「思い出した、彼女達は…!?」
戦士達の記憶に呼び起こされる魂の誓い。
だが、時既に遅い。
事は始まってしまったのだ。
「こうなってしまった以上、全力で貴方達の相手をしましょう。」
浮上する神々が住まうとされた遺跡島。
「止められるモノなら止めて見せよ、『■ ■ ■ ■ ■ ■』よ!」
永き眠りより復活する三体の守護神官と門番達。
女神達は退廃した世界の人々の障害と成りて滅亡か存続かの選択肢を与える。
次回、終天のエトランゼ・第??話『巡り遭う運命』。
「その決意がもっと早ければこうならなかったのに…」
※嘘予告です。