これは日常?
これは現実?
これは真実?
どうか『嘘』であって欲しい。
だが、世界が望んだのは『遊戯』。
その声が届く事は無い。
プロローグ
とある平行世界の新西暦と呼ばれる世界において。
******
何処か曖昧で静寂に満ちた空間にて。
「ここは?」
気がつくとその空間に私は存在した。
いつも着用している軍服ではなく白い質素なワンピースを纏っていた。
「夢の中にしては静かすぎるし、また喚ばれたのかな?」
私はこの能力の関係で夢を通して喚ばれたり逆に喚んだりする事がある。
今回もそれだと思っていた。
「判るのはこの空間が異常だって事だけか…」
どうもおかしい。
また喚んだり喚ばれたりしたのかと思ったけどそんな相手の気配が無い。
気配を感じない所か静かすぎて気持ちが悪い。
一言で言えば気味が悪い。
「ん、何か光ってる?」
私は空間を泳ぐ様に進んだ。
光り輝く場所を目指して。
どの位進んだだろうか?
「これはまた随分と変わった所に出たね。」
光り輝く場所を目指した結果。
夜空で結晶を所々に生成させた草原の様な場所に出たのだ。
夜空であるが星一つ見えず、満月の光だけがその空間を輝かせていた。
「綺麗だけどある意味で不思議な場所だね。」
今度、小説の題材にでもしようかと思った矢先だった。
岩のように突き出した結晶の中身を見てしまったからだ。
まるで琥珀に包まれた昆虫の様に様々な物が埋め込まれていた。
『古い形式の拳銃』
『水蛇を象った刀』
『百合に似た花と緑色の宝石』
『同じ百合に似た花と赤色の宝石』
『ハートのキングのトランプ』
『蒼い双子座のマーク』
『不可視な兵士』
見つけたのはそれだけだ。
探せば他にも存在しただろう。
だが、そんな猶予はなかった。
結晶に埋め込まれた物が一瞬で黒に染まり美しかった結晶は徐々に澱んでいった。
「これは一体!?」
『それは喚ばれたの。』
「誰っ!?」
声のする方向に振り向くとそこに居たのは黒に染まった美しい女性。
黒曜石に身を包んだかと思う位に綺麗な黒髪。
それに反して透き通る様な白い肌。
その眼は夜空の様な藍色の瞳。
艶やかな口元は控えめな紅い紅が付けられていた。
『こんばんは。』
「こ、こんばんは。」
一応、礼儀として挨拶はしておいた。
「ここに喚んだのは貴方なの?」
『どうかしら?』
「答えになってない。」
『そうね、喚んだのは貴方だけなのだけど?』
「私だけ…?」
『そこに有るのは貴方に引っ張られただけよ。』
「えっ!?」
『余程、『縁』が深いのかしら?』
「…」
喚ばれたのは私だけ?
じゃあ、ここにあるのはまさか!?
『私が欲しいのは貴方なの。』
「何の為に?」
『それは“ ”よ。』
「!?」
一瞬なのかもしれない。
唇に残る感触、人独特の温かみじゃない。
冷たい。
身も凍る様な冷たさだ。
「っ!?」
振り解けない。
こんな力が何処に!?
嫌だ。
何でこんな!?
『堕ちましょう、深き深淵へ?』
† † † † † †
「!?」
目を覚ますと伊豆基地にある女性士官用の寮の自室で目覚めた。
「あれは一体?」
これは始まりに過ぎず、戦いは一刻一刻と迫っていた。
=続=
以下はPV風です。
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様々な戦乱を潜り抜け、平穏を迎えた世界。
その代償は愚かにも高すぎた。
<消失事件始動>
「また誰かが消えた?」
<静かなる消失と記憶されない現象>
「誰も気が付いていないだと…?」
<消えゆく記憶所持者達>
「この現象は異常すぎる…!」
<忘れ去られし存在>
「敵の正体が判らぬ以上、不用意な行動を慎んだ方がいい。」
<在りし存在達は偽りの平穏と言う呪いに染まる>
「消えたって誰が?」
<望みは一振りの刀>
「奇跡は記憶の奥底に…」
<取り戻す為に禁忌の力が解放される>
「ならば、こちらから動くまでだ!」
次回、界乱のエトランゼ・消失ノ始マリ編。
『所詮、記憶とは忘れ去れるだけなのよ?』
next…