「次はどこへ行く?」
「んーどうしようかしら…特に行きたい所はないかなー…」
「じゃあゲーセンとかどうだ?結構色々あるぞ。」
俺は何回か行った事がある。結構広めでほぼ何でもあると言っても過言ではない程だ。
「いいわよ。行きましょ。」
—ゲームセンター—
「本当に色々あるわね…というかこの大きさのが2個あるんでしょう?なんでそんなに…」
詩乃がそう言いながら苦笑いする。
「俺もそう思うよ。」
釣られて俺も苦笑いする。
「で、何をしようかしら。」
「ま、適当に回りながらやってこうぜ。」
「そうね。」
そう言った俺達はいろんなゲームを楽しんだ。
エアホッケーでは鋭い攻撃を受け完敗。
VRではない昔ながらのシューティングゲームではGGOと同じように息の合ったプレイが出来た、のは良かったのだが、シノンがアサルトライフルを狙撃銃の如く使いこなし撃破数完敗。
コインゲームの完全な運ゲーですら完敗。
何でこんなに運がいいんですかねぇ…
だか、そんな俺でも唯一勝てるものがあった。
「クレーンゲームね。」
「クレーンゲームだな。」
「ま、まぁ別に欲しい物はないわね。」
何故か上ずった声の詩乃。詩乃の視線は景品のふわっふわの猫のクッションに釘付けだった。
「欲しいんだな。」
「う…ま、まぁ欲しいわ…」
顔を赤らめ俯きながらそう言った。
「まぁやってみるか。」
「とりあえず私からやってみるわ。」
「おう。」
今までのゲームを完璧にこなした詩乃。まぁすぐ取れるだろうと思っていた。が。
「うぅぅ…」
恐らく五百円程を無駄にしたらしい。
「はぁ…なんでこれだけは下手なんだよ…」
「こ、これが難しすぎるのよ!」
「そーですかー。」
「何よその言い方は!あなたもやってみなさいよっ。」
「まぁやってみる。」
百円を投入する。そしてちょうどクッションが収まるように…
「取れたぞ。」
「え、しかも一回で…負けた気がするわ…」
「てかこれそんなに難しいやつじゃないぞ…」
「そ、そんな…」
「ま、これは俺の勝ちだな。はい。」
そう言ってクッションを手渡す。
「くれるの?」
「この状況で他に何があるんだよ。」
「ありがとう。何か悔しいけれどまぁいいとするわ。」
こんな感じで、クレーンゲームだけは俺が勝った。
「さぁ。あらかた回ったけどどうするの?」
「んー。あ、あれやるか。」
「プリクラ?」
「そうだ。」
目の前には無駄に種類が多いプリ機。この違いが分かる人はいるのだろうか…ま、そんなことはさておき。
「ちょっと恥ずかしいけど…まぁいいわ。撮りましょうか。記念にもなるし。」
「そうだな。」
そう言って中に入る俺達。2人とも撮り慣れてなくて設定がグダグダだったがなんとかスタート。
「それでは最初は2人ともピース!」
ちょっと機械的な女の人の声でアナウンスされる。
「なんか恥ずかしいわね…」
「そうだな…」
最初は2人とも照れてカメラから目を逸らしていた。
だがどんどん撮影が進むうち、2人とも乗り気になってきた。
「それでは今度は後ろから抱きしめてー!」
「え?!」
「こんな司令もあるんだな…まぁやろうぜ。」
そう言って俺は詩乃を後ろから柔らかく抱きしめる。すると詩乃の甘い香りが舞う。そして本人は。
「ちょっ、うぅ…」
見事に茹で上がっていた。
そんなことはお構い無しに撮影は続く。
「今度は彼女から抱きついちゃいましょー!」
「えぇ?!そ、そんな…」
もう真っ赤っかになっている。
「ほらほら、早くしないともう撮られるぞ?」
「〜〜〜〜!!もういいわ!」
そう言ってぎゅっと抱きついてきた。そして恥ずかしそうに俺の胸におでこを擦り付けている。可愛すぎる。
「ラブラブですね〜。それでは最後はそのままキスしちゃいましょう!」
「〜〜〜〜〜!!」
詩乃はずっとこの状態だ。なので。
「ほら。」
俺は詩乃の顎に手をやり、顔を上げさせる。
「あっ………」
そして俺と詩乃の唇が重なり合う。周りの雑音がだんだん聞こえなくなる。詩乃の目はもうとろんとしていてこちらに身を委ねている。唇が重なり合うだけのキスだが、それだけでも俺達には十分すぎるくらいだった。
そして2人の顔が離れる。微かに涎の橋ができた。
「はぁ……はぁ………」
そして2人の顔が再び近づいていく。
続く