「え、えっと、つ、次はどこに行こうか?!」
見事なまでの焦りっぷりである。まぁあんな事しちゃったししょうがないよな…
あの後撮影が終わったのは良いものの、2人とも恥ずかしがって、なかなか顔を合わせられないような状況で…何とか回復した感じだ。
「そ、そうね。んーっと…」
「なんか考えてたりする?」
「えっと…今日は家に泊まってかない?折角の連休だしこれから結構遊びたいでしょ?家に泊まってたら色々と楽かなって…」
正直これには驚いた。実は俺も同じ事を考えてたのだが、まさか詩乃の方から言ってくれるなんて…
「いいのか?」
「私は構わない、というか、泊まって欲しい……かな………」
段々顔が赤く染まっていく詩乃。可愛いです。てか今日多くない?
「そ、そうか。じゃあそうさせてもらうかな。スグに連絡しておくよ。」
「分かった。服は…家に幾つかあるから大丈夫…かな?」
「そうだな。」
ちなみに俺達は両家公認のようなもので、もう家族に挨拶とかはしている。なのでお互いの家に泊まることは結構あるのだ。
「じゃあ次はスーパーにいって色々と食べ物を買いましょう。」
「了解。」
-スーパー-
「さて、何を買おうかなぁ…何か食べたいものはある?」
「んー詩乃が作るのは大体美味いからなぁ…別に何でもいいぞ?」
「まったく…いつもそう言って……大体、そういうのが一番悩むのよ。」
照れてる詩乃さんも可愛いっす。というか実際ほとんど美味い。だが、やっぱり一番は…
「ごめんごめん。じゃあカレーにしてもらおうかな。」
「いいわよ。じゃあ買いに行きましょう。」
そう言って俺がカゴを持ち、詩乃が食品を入れていく。なんかこういうの…
「夫婦みたいだな。」
「……ッ!!な、何言って……!」
あ、つい声に。てかこれ自爆ダメージもくらったな…
-帰り道-
「結構買ったわねー。」
「そうだなぁ。」
「えーっとー…ってこれ貴方が買ったのヨーグルトばっかじゃない…」
「おやつにと思ってな。詩乃ヨーグルト好きだろ?」
「そんなこといつ言ったかしら?」
ちょっとおこ気味な詩乃さん。
「あーれー言ってなかったっけなー(棒)」
「わざとでしょ…」
「いえいえそんなわざととかそんな……」
「はぁ…帰ったらクッキーか何か作るわ…」
「さっすが詩乃さん!愛してる!」
「もう…」
ー詩乃家ー
そんなこんなで到着。いつ見ても片付いてるなぁ…
「とりあえず食品冷蔵庫にいれるか。」
「そうね。」
次々と食品を入れていく。今はまだ2時なので少しゆっくり出来る。
「ふぅ…少しゆっくりするとしましょ。」
「そうだな。っておー。これはまさか人をダメにするソファとやらでは?」
目の前には柔らかそうな丸みを帯びた四角のソファ。これは気持ちよさそう…
「そうよ。最近買ったの。結構寝心地良いわよ?」
詩乃が笑みを浮かべながら言う。これはあれや。田舎の人が美味しいものを勧める時の顔だ。
「よろしい?」
「よろしい。」
許可を得た俺は遠慮なく目の前の柔物に腰を沈める。
「おぉぉ…」
あかん、これはほんまにあかんやつやでぇ…
「ふふっ。凄い幸せそうな顔。」
天使に穏やかな微笑みを向けられるともう…
「このまま天国行ける…」
「何言ってるのよ。」
「いやほんとこれはいいな。」
「まぁそれは認めるわ。ちょっと飲み物入れてくるわね。」
「ありがとー。」
その間も、俺はずっとソファにもたれていた。これは本当に癒されるぅ。
「持ってきたわよーってあんたなんて顔してるのよ。」
「え?」
「さっきより凄い緩んだ顔してるわよ。」
そう言って詩乃が微笑む。これが癒しってやつなんだなぁとしみじみ実感した。
そのまましばらくはゆっくりと話をしていた。大学の話。それぞれの友人の話。次のggoイベントについての話。とても和やかで穏やかな時間。こんなに幸せな時間が過ごせるのは、きっとこの目の前にいる少女のお陰だろう。それを考えると、手が勝手に動いていた。
「えっ?」
詩乃を自分の胸へ抱き寄せる。
「ちょっと…」
詩乃が少し動く度に甘い香りが鼻腔をくすぐる。しばらくすると詩乃も俺の腰に手をやり優しく抱き返す。
「こうしてるだけでも、俺はとっても幸せだ。」
「ふふふ。それは私もよ。和人。」
「俺がこんなに幸せで良いのかな。」
「それは貴方が決めることよ。」
「そうだな。」
「詩乃。好きだ。愛してる。いつまでも。一緒にいよう。」
「和人。私も貴方の事が大好き。愛してるわ。いつまでも。一緒に。」
この時間はいつまでも続かない。
だが、俺達の道はいつまでも続いてゆく。
終わり