※この作品はR-18です。

習作及び短編集   作:もっち~!

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天に認められし者のスローライフ Part2

 

---アリス・マクレガー---

 

弟のクリスの6歳の誕生日に、実家へと戻った。天職診断の日にあるのに、お祝いムードがまるで無い。

 

「父さん、クリスはどうだったの?」

 

父さんも母さんも表情が冴えない。悪い天職でも出たのか?

 

「アリスか…クリスはもういない」

 

もういない?6歳の診断で家から奪われることは無いはずだが。

 

「いないって、どういうこと?」

 

「即日死刑が執行された…」

 

死刑?教会に敵になる天職だったのか?それとも犯罪系か?

 

「クリスの天職はなんだったの?」

 

「教会が開示を拒否した。たぶん、教会にとって都合の悪い天職だったんだろう」

 

聖人とか聖者か?教会のトップになる天職であるが、公爵家の者がなると、教会にとって都合が悪くなる。教会が公爵家に支配されるってことになるからである。

 

「そんなことで、死罪なのか?助けられないの?」

 

「言っただろ?即日執行だ。私に知らされたのは、執行後だよ。アイツら…」

 

それは、クリスがもう生きていないってことである。

 

「なんで…あんな優しい子が…」

 

「分かっているが、もう抗議をしても、クリスは帰って来ない」

 

この国の教会は腐っている。本来、ボランティア団体であるはずが、営利団体となり、国に物を言える財力があるとも言われている。

 

「クリスの亡骸は?」

 

「『地獄の入り口』に投げ捨てたそうだ。生きたまま…」

 

それは、この国において一番の極刑である。生きたまま、地獄へ投げ捨てる。死ぬまで恐怖を与え、死んでからも恐怖を与え続けると言われる極刑であるのだ。

 

「クリスは6歳だよ。なんで、そんな極刑を?」

 

「6歳で引き当てたことが重罪だと言うんだ。存在自体が不敬に当たるって…くそっ!」

 

物静かで温和な父さんが、怒りを我慢している。その姿は痛々しい。

 

◇

 

泣き寝入りなんかしない。剣聖という立場を使い、王様に謁見をした。

 

「どうしたんだ、アリス」

 

王様は、父さんの弟である。

 

「クリスの天職を知りたい。教会が開示してくれない」

 

王様とため口な私。

 

「うん?教会が開示をしてくれない?なら、クリス本人に訊けば良いだろ?」

 

王様の耳に届いていないのか?確か、あの極刑は王様の許可が要るはずだが。クリスのことを王様に告げた。

 

「なんだと…即日執行した?私の許可は取っていないぞ。おい!直ぐに司祭を呼び出せ!」

 

しかし、司祭は現れなかった。用があるなら、王様が来いと言う。

 

「何を考えているだ?おい!大司教を呼び出せ!」

 

大司教とは教会組織のトップである。

 

「どうされましたか?」

 

大司教は王様の呼び出しに応えた。たぶん、クリスのことを聞いていないんだろう。王様が大司教にクリスのことを問い正した。

 

「いえ、聞いておりません。何かの間違いでありませんか?」

 

「ならば、クリス・マクレガーの天職と、クリス本人を連れてまいれ!」

 

「そのような者は、教会に来ておりません。何かの間違えでは無いですか?」

 

こいつもグルのようだ。何も調べずに即答した。大司教の言葉を受けて、王室で調査をしてみると、クリスが存在した証拠が、教会の記録から抹消されていた。

 

「公爵家の次男をいなかったことにしたいのか?」

 

「滅相もございません。しかし、いなかった者をいた者には出来ません。これは神の御業でしょう」

 

神の御業…人間が触れてはいけない行為である。教会が不利になると、口に出す常套句であるが、王様ですら人間である以上、触れてはいけないことであるそうだ。

 

「クリスのことは諦めろ」

 

王様が苦しげに言葉を吐いた。忘れろってことか?私の記憶には、クリスのことがあるのに…なんでだよ~!

 

 

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