※この作品はR-18です。

習作及び短編集   作:もっち~!

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異世界からの贈り物 Part15

発掘

 

----サマエル---

 

クリスの姉とその友人が、異世界生活に加わった。ラノベでは定番であるが、ファンタジー世界の住民である二人は、温水洗浄便座に感動しまくっていた。

 

「これ…何?凄くいいよ」

 

「うん?サマエルのアイデアか?お前は賢い!」

 

絶賛されていた。いや、俺もナルトもこれで無いとダメなんだ。この世界の人達と違い、軟弱な育ちであると思う。因みにトイレットペーパーも無い世界である為、温水で洗った後、温風乾燥させている。出した物は、ミー君達の力で土にされ、畑の土台になる予定であるが、まだまだ量が足り無い。魔石の層、ダイヤの層を除いた砂の上に、出来た土を置いていく。今は、出来上がった土で埋め戻す作業中である。

 

地下遺跡の調査も徐々にしている。先ず何階層あるかのチェック中である。完全に埋まっていた為、モンスターに出会う心配は皆無であるが、空気の澱みが酷い。

 

その為、移動式の空気清浄機と共に探索している。動力源になる魔石は大量にあるので、長時間運用も可能である。構造は、取り込んだ空気から身体に良くない物を分離して、分離物がタンク一杯になったら、炭焼きの炉の中へ強制転移させている。二酸化炭素や一酸化炭素は、酸素と炭素に分離し、酸素だけ排出し、炭素は炉のなかへ強制転移である。

 

廊下をくまなく歩くと階段があり、踊り場に『10』と言う数字を見つけた。10階層あるようだ。

 

「僕達の世界と同じ文字みたいだね」

 

「そうだな。次にこのフロアの部屋の調査だな」

 

「カギ開けなら任せてよ」

 

ナルトことクリスは、シーフのスキルを持っていたのでカギ開け、罠の発見、除去が得意のようだ。まずは階段の傍の部屋のドアからだ。クリスが器用に電子ロックを外していく。この建物には電気が通っているようだ。どこかに永久発電機関があるのだろう。あるとすれば、地下室かな。

 

「開いたよ」

 

ドアを少し開けて、まずは空気清浄機を突入させた。余程埃っぽかったのか、空気清浄機がフル駆動している。空気清浄機の駆動音が小さくなるのを待ち、掃除機を片手に持ち、部屋の中に突入した。この掃除機の構造は空気清浄機と似た物である。両機の違いは、掃除機の場合、埃以外の物体を俺の収納庫へ強制転移させる機能があることだ。収納庫に入った物体はギルが鑑定してくれることになっている。

 

「本棚に本があるよ」

 

クリスの声がした。俺も本棚に近づき、本を一冊手にした。その本は「看護記録」とある。文字は…俺達のいた世界の物である。

 

「まさか、この建物って、この世界に転移させられたのか?」

 

『あり得ない。建物は召喚出来無い』

 

俺の疑問をギルが速攻で否定した。そうなると、後は…「猿の惑星」パターンか?異世界に来たと思っていたのだが、ここは未来の俺達の世界であるパターンである。

 

「どう思う?」

 

クリスに訊いた。クリスにもギルの声が届いているそうだ。女神とギルは同僚だと言うことが、女神から知らされている。

 

「未来の世界なのか?そうなると、核戦争が起きたんだろうな。あの砂の層は…」

 

そうなるな。手にした看護記録に目を通していく。それによると、異世界から持ち込まれた病原体により、人類は滅亡の危機に陥ったようだ。病原体の名前は「ミノタウロス因子」と「アマゾネス因子」で、「アマゾネス因子」が生殖器官に入り込むと、産まれる子供は総て女性になるとある。女性だけになれば、生物の生存本能から疑似オスが生まれるか、雌雄同体になるかの進化があるはずだけど…

 

「そうか、あの天からの落下物って、核ミサイルのなのか…」

 

クリスことナルトが、前世の記憶を話した。天から降ってきた物により、ナルト達は死んだそうだ。まぁ、生き残った者達と、進化した病原体持ちにより、この世界は生き延びたのだろう。問題は、この建物内に、コールドスリープした女性達が数名いるって事実である。コールドスリープ装置は、その時点で治せない病気や怪我を未来に託して、永い冬眠をする装置である。

 

「その因子を取り除けば、助かるみたいだな」

 

「探す?」

 

「勿論だよ。救えることができる者は救いたいからね」

 

まずは館内マップ探しと、建物の発掘かな。

 

◇

 

翌日から、俺とクリスは発掘優先でポチとタマがガードに、アリス、レット、ティア、苗子で、狩りをしてくれることになった。俺とクリスは共に『強奪』持ちなので、建物の屋上の形を見ながら、魔石層、ダイヤ層、砂の層を退かしていった。

 

「取り敢えず、地表に着いたのかな?」

 

アスファルトの地面が出てきた。交通標識も見える。間違いなく、ここは俺達のいた世界の俺達の国だった場所である。建物を進むのでは無く建物の全体を発掘し、1階から探索することにしたのだ。俺達の国であれば、1階には館内マップがあるはずであるからだ。

 

入り口はあれか?入り口には看板があり、そこに『樋口財団記念病院』と刻まれていた。

 

「樋口財団って、ユーマの通っていた学校もそうだよな?」

 

「そうだよ。成美と父さん、母さんが働いていた財団だよ」

 

三人は他の星にいるから、生き延びているんだろうな。もう会えないけど…

 

「ユーマ、姉さんのことを思い出したのか?」

 

頷く俺。忘れるものか…って、ナルトだって忘れるはずが無い。

 

「入るか」

 

自動ドアだった部分は、壊されていた。その為か、内部には砂が大量に流れ込んでいた。まずは空気清浄機だな。建物の中に空気清浄機を入れ、空気が綺麗になるの待ちながら、建物内部にある砂を『強奪』して、現在の地表面へ強制転移させていく。

 

エントランス部分、ソファとかの什器が建物の奥で折り重なっている。爆風で飛ばされたのだろうか?後で修繕して家で使おうかな。いや、ここをリホームして住むのもいいかもな。

 

「あったよ。館内案内図だよ」

 

クリスの言葉を聞き、案内図に向かった。5階までが外来で、6階から上が入院病棟であったようだ。地下1階に食堂やスタッフルーム、地下2階3階4階に発電機などのインフラ関係とあり、地下5階にコールドスリープルームがあるようだ。

 

「階段が砂で埋まっているねぇ」

 

確かに…これ、掘り出さないとダメなパターンだ。まずは、回収した砂置き場を考え無いとダメかな?地表面に放置では、地表が砂だらけになりそうである。

 

『送ってくれた砂を分析したけど、無害だったよ。海岸に撒けば問題は少ないかな』

 

ギルから投棄場所の座標が送られて来た。そこへ大量の砂を強制転移させていく。俺とクリスは交代しながら砂を除去していく。

 

 

 

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