※この作品はR-18です。

習作及び短編集   作:もっち~!

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異世界からの贈り物 Part18

---夢民---

 

マズい…寝坊した。このままでは遅刻をしてしまう。走る。電車を降りて走り、駅を出て走り、門が見えて走り、門が閉まる前に学校の敷地内に入り、教室へ向かって走っていく。今日はテストである。期末試験の初日である。徹夜で勉強していた筈が、寝ていた。徹夜故、目覚ましをセットしていなかったのが敗因である。始業のチャイムが鳴り始めた。鳴り終わる前に、教室に飛び込まないと、試験が受けられないかもしれない。

 

幸運にもチャイムが鳴り終わる前に、教室の扉を開けて中に入れたのだが、突然光に飲み込まれていった…

 

◇

 

光が霧散していくと、真っ暗な場所にいた。手足は動かない。何が起きたのか?周囲を見回そうとするが、何も見えない、何も聞こえない。ここはどこだ?どういう状況なのだ?

 

目の前に突然、文字が浮かんだ。

 

名前無し ジョブ:受精したての受精卵

初期スキル:念話

スキル

王家の血…奴隷化無効

パーソナルスキル…前世のスキルを持ち込み済み

 

 

と…ツッコミどころ満載の内容である。受精したての受精卵に転生したのか?って、俺は死んだのか?はて?まさか、教室の扉に黒板消しがセットされており、当たり所が悪くて、死んだのだろうか?

 

で、スキル『王家の血』って、俺は王族の子供なのか?テストとか無いといいのだが…うん?待て待て、俺の性別は何だ?女性だと、ヤローにやられるのか。それはイヤだ。お願いです。男でお願いします。

 

 

日々、成長していく俺。まだ自発呼吸は出来無いが、思考は出来る。母体を通して、周囲の音や声が聞こえる。

 

『今回は大量に女性が手に入りましたな』

 

『あぁ、そうだな。我が王家は、異世界から召喚した女性の血で成り立っている』

 

異世界から召喚した女性?まさか、クラスメイトかな?って、俺だけ転生ってことか?そうか!遅刻ギリギリだったせいで、転移に巻き込まれて死んだってことか。ラノベで手に入れた知識から正解を導き出した気になった。まぁ、概ね正解だろうな。

 

『男達は戦士にする。異世界の者は、特殊なスキル持ちが多いのが良い』

 

『えぇ、これで我が国は安泰です。毎年、あの召喚陣で、召喚しましょう』

 

そうなると、彼女も転移したのか。このロクでも無い王族に抱かれているのか?許せない。まだキスしかしていないんだぞ、俺は…

 

◇

 

受精卵から胎児になった気がする。手足の感覚が若干芽生えてきた。ラノベでの知識…魔力を感じ取る練習を始めた。体内にある魔力を体内で循環させ、臍の緒から母体の魔力も貰う。臍から伸びているロープ状の物が臍の緒だろうな。うん?隣に誰かいる。双子ってことかな?呼び掛けてみるが、返事が無い。俺と違い、前世のPSを引き継いでいないのかもしれない。いや、そもそも転生者で無い可能性もあるな。

 

外から聞こえる会話から、現状が分かって来た。転移させた女性達は、薬で意識を奪い、王家の子作り専用の女体にしているようだ。まず王が好みの女性とやりまくり、1年の間に妊娠しない女体は、爵位持ちに払い下げになるらしい。そして、1年後、新たに異世界から女性を転移させて…を繰り返している王家のようだ。なので王家の者は異世界人の血が濃くなり、特殊な能力持ちが多いらしい。そして、この国の国民の殆どが、転移者もしくは、その子孫らしい。クソみたいな王国である。

 

今回生まれるのが、男なら第25王子になり、女なら初めての姫になるらしい。俺、25人目の王子になるのかな?25番目ともなると、産まれて直ぐに養子に出されそうだな。

 

『お兄ちゃん…がんばってね』

 

妹から念話が届いた。俺の隣にいるのは女で、俺は男だった。要するに彼女は初めての姫である。で、俺は無事男の子になれた。

 

『初めての姫だって、良かったな』

 

『お兄ちゃんと一緒に居られる?』

 

『まず無理だな。25番目だと…』

 

『イヤだよ~。毎日、話し掛けてくれるのは、お兄ちゃんだけだし』

 

まぁ、子宮にいるのは、俺と妹だけだからな。そう言えば、両親が話し掛けて来ないなぁ。母親は意識が無いから無理だが、父親はどうしたんだ?

 

◇

 

妹との二人の時間は楽しい。時には俺の前世の知識を教えたり、時には二人で魔力の鍛錬をしたり、時には妹に抱きつき、頭を撫でたり…そう言えば、俺と妹の会話は、念話と呼ばれるテレパシーで実現しているのだろうか?まだ声を出せないし、言葉を話せないはずだが、

 

『リンク…妹と距離に関係無く、念話での会話が出来る』

 

目の前に文字が浮かんだ。なるほどスキルのようだ。任意に自分のステイタスって見られると便利なんだけど…

 

『ステイタス…各種情報を見られる』

 

また文字が浮かんだ。『ステイタス』と念じると、

 

名前無し ジョブ:妊娠6ヶ月の胎児

スキル

ステイタス…各種情報を見られる。

王家の血…奴隷化無効

リンク…妹と距離に関係無く、念話での会話が出来る。

パーソナルスキル…前世のスキルを持ち込み済み

 

と表示された。これは便利である。妹に教えておく。

 

『凄い…流石はお兄ちゃんだね』

 

妹も出来るようだ。そうなると一卵双生児かもしれないな。妹に一卵双生児に付いて教えておく。

 

『お兄ちゃんと同じ顔なの?嬉しいな』

 

と、喜んでいるが、俺は美男子では無いので、妹は美少女では無いかもしれない。ごめんな…

 

 

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