※この作品はR-18です。

習作及び短編集   作:もっち~!

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俺は俺を知らない Part2

 

---霧積遙---

 

新発売したVR-MMO『Another World Online』を、高校の入学祝いに勝って貰った。ヘッドセットを付けて、ベッドに横になり、リンクをスタートさせた。目の前に広がるVRな世界。冒険者ギルド養成スクールの入学式に出席しているようだ。ここで、キャラクターメイキングをしていく。アバターの見た目、アバター名である。始めた当初は冒険者しかジョブは選べないが、経験を積むことで、様々なジョブになれるそうだ。

 

アバター名はハルカにした。見た目はボンキュボンな少女である。実際の私は、胸が控えめである為、大きな胸に憧れていたのだ。

 

見る物総てが珍しい。目の前で教師が何かを説明しているが、話半分で聞いている。プレイしている友人に聞いているので、始めに何を言われるのか、分かっていると言うか。NPCを無闇に殺さない事とか、犯罪をしないようにとかである。

 

「セーブポイント以外でログアウトすると死にます。この世界で死ぬと、転生しますので、気を付けて下さいね。それでは、良き人生を…解散」

 

説明が終わり、まずは剣士、魔法使い、僧侶、盗賊の初期ジョブのギルドで、冒険者認定試験に受かる程度の技量を学ぶ。冒険者認定試験に受かると、冒険者として、クエストが受けられるようになるそうだ。受かる見込みが無いと、町人としてプレイしないとダメらしい。女剣士を夢見て、剣士ギルドへと向かった。

 

「えっ?入門不可?」

 

剣士ギルドの入門試験が合格出来なかった。剣を振るには胸が大きすぎるそうだ。確かに、剣を振ると腕が胸に擦る。そんなぁ…身体測定の結果、魔法使いか僧侶にしかなれないらしい。アバターメイキングを失敗したようだ。こういう時はリセットだな。ログアウトをしよう。

 

『初期ギルドに入門しないとログアウトは出来ません』

 

と、表示された。リセマラ禁止ってことか?う~ん…よし!聖女狙いで、僧侶にしよう。僧侶ギルドに入門し、ログアウトした。

 

光の中を移動している。なんで?ログアウト出来ないの?

 

『セーブポイント以外でのログアウトは死亡扱いになり、魂をリセットいたします』

 

脳裏で声が聞こえた気がした。深い眠りが襲って来た。

 

暖かな温もりを感じ目覚めた。ここはどこだ?身体が浮かんでいる気がする。私は…あれ?私は誰?ここは?記憶が曖昧である。何も握れない。何も見えない。何かの鼓動が身体に伝わってくる。あれ?呼吸をしなくても大丈夫なのは何?

 

 

 

---西園寺綾香---

 

違う高校へ行った霧積さんが神隠しに遭ったらしい。学校から帰ってきて、外出をして、そのまま行方不明になったそうだ。そういえば、小学校の時も知り合いが数名、神隠しに遭遇して行方不明になっていたっけ。どこでどうしているのやら。

 

学校へ行き、護崎君を捕まえた。

 

「ねぇ、中学の時のクラスメイトの霧積さんが神隠しに遭ったんだって」

 

「霧積?誰?お前は…西園寺だっけ?」

 

毎日話し掛け、2週間ほどすると、私の名前を覚えてくれたようだ。

 

「そう、私は西園寺綾香よ!覚えてくれて、何よりだけど…もしかして、護崎君って、友達いないの?」

 

「いや、いたよ。テツとかキノとか…」

 

小学校の時に、神隠しに遭ったクラスメイトのニックネームを口にしている。遠い目をしている護崎君。本当にそれだけしか友達が居なかったのか?疑問が残るが…

 

放課後、部活に向かった。私の入部したクラブは、『都市伝説研究部』である。この辺りは神隠し事案が多い為、原因を探る為のクラブらしいので、興味本位で入部してしまったのだ。

 

「えっ!綾香ちゃんのお友達が神隠し?」

 

新井桃子先輩がメモを取っている。

 

「状況は?」

 

「学校から帰ってきて、ふらっと外出して、それっきりらしいです」

 

部員の殆どが、身近で神隠し事案が発生したそうだ。

 

「どの事案も、同じ行動パターンなんだよ。どこへ向かったのかな」

 

長峰部長が呟いた。どこへ?それが分かれば苦労も苦悩もしない。

 

「神隠しに遭った者達の家は、まばらだな」

 

部室の壁には、この辺りの地図が貼られていて、神隠しに遭った者達の家はマーキングされていた。その地図に、霧積さんの家をマーキングしている私。

 

「う~ん、ここが怪しいなぁ」

 

この地区最大の森を指差す部長。まぁ、怪しいのは森くらいだよね。

 

「この森について、調べてみるか」

 

皆で、図書室に向かい、森について調べてみた。

 

その森は、『護崎の森』と呼ばれ、『護崎神社の鎮守の森』とも呼ばれていた。護崎?まさか、護崎君絡みなのか?

 

「よし!今度の日曜は、皆でその森を探索しよう」

 

って、部長が予定を決めていた。護崎君に訊いてみた方が良いかな?翌日、教室で護崎君を捕まえた。

 

「ねぇ、『護崎の森』と護崎君って、関係あるの?」

 

「あるよ。一応、護崎神社の後取りだから…」

 

関係あるようだ。

 

「その神社のご神体って何?」

 

「人が知ってはダメな物かな」

 

なにやら物騒なことを言う。人が知ってはダメな物?禁忌系かな?

 

「森全体が神社だから、無闇に入るとバチが当たるよ。気を付けてね」

 

バチ?まさか、神隠しか?

 

 

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