※この作品はR-18です。

習作及び短編集   作:もっち~!

44 / 52
俺は俺を知らない Part3

 

---新井桃子---

 

綾香ちゃん以外の部員が森に侵入した。彼女は、神社の関係者に取材を頼んだ。森は鬱蒼としていて、いや~な風が吹いている。まるで私達に立ち去れと言いたいのだろうか?こんなことで怯む私達では無い。10分ほど進むと、参道らしき道に出た。森の奥へと参道を進んでいくと、三連鳥居があった。

 

「三連鳥居かぁ。何の意味があるんだ?まぁ、綾香ちゃんが取材をしておいてくれるだろう。鳥居をくぐるぞ」

 

部長の指示通り、皆でえ鳥居を潜った。鬱蒼とした森だったのに、鳥居を潜ると、そこは草原だった。今来た道を振り返るが、草原のど真ん中にいた。

 

「まさか、異世界転移か?」

 

「ラノベみたいな展開ですね」

 

周囲を見回す私達。

 

「あっちに、街のような物が見えます」

 

双眼鏡を覗いていた者が、声を上げた。その街のような物を目指して、歩いて行く。

 

そこは街だった。ラノベに出てくるようなファンタジー系RPGのような街だった。いい香りのする屋台で買い物をしようとしたら、通貨が違っていた。日本国の通貨は使えないそうだ。衛兵がやってきて、私達を捕縛して、収容所のような場所に連れて行かれた。

 

「ここは迷い人達が、この世界で生きていくための知識を覚えさせる、教習所だ」

 

異世界から転移してきた人を迷い人と、この世界では呼んでいるそうで、割と迷い人って多いそうだ。もしかして、神隠しの正体って、これかな?

 

 

 

---西園寺綾香---

 

護崎君の家は、森の入り口の鳥居を抜けて、すぐの場所にあった。社務所って言うのかな。これって…

 

「神社はもっと奥にある。社務所ももっと奥だよ」

 

家にはご両親はいない。社務所に居るのだろうか?

 

「で、神社の何が知りたいんだ?」

 

「どういう神社なの?」

 

歴女として、神社の歴史に興味があると伝えてある。歴女では無いけど…

 

「どういう?う~ん…そうだな、アカシックレコードを奉ってある神社って、言えば良いかな?」

 

アカシックレコード?

 

「アカシックレコードって言うのは、星の歴史だよ。その星がどういう歴史を歩んできたかの記録だ」

 

「誰が記録しているの?」

 

「奉ってある神様じゃ無いのかな?祠に入ったこと無いから、分からない」

 

「その記録って見られるの?」

 

「人間は見られない。触れれば燃えるそうだ」

 

人体発火現象か?

 

「とにかく、何人たりと、祠には入るべからず…それがうちに伝わる古文書に書かれている」

 

「その古文書は?」

 

「関係者以外、閲覧禁止だよ」

 

何も取材が出来ない。困ったなぁ。

 

◇

 

翌日、部長達、森の探索班が全員、行方不明になったと聞いた。部員である私は、捜査関係者、学校サイドの事情聴取を受けた。

 

「森の調査をしに行くと言ってましたが…」

 

「森?」

 

その日、捜査関係者の手により、山狩りならに森狩りが行われた。その結果、捜査関係者の半数が行方不明となり、森を管理している護崎君が捜査関係者の事情聴取を受ける羽目になったそうだ。

 

 

 

---護﨑守人---

 

とんだとばっちりである。勝手に敷地内を捜査し、まるで俺がどうかしたかのように、ねちっこく訊かれた。俺は西園寺綾香といたと、アリバイを証言したのだが…いや、森狩りの時間は学校にいたか。学校から帰っているうと、家の中は空き巣に入られたかのように物が散乱し、蔵の扉は破壊され、蔵の収納物は押収されていた。金庫もこじ開けられ、中身が総て押収って、何の虐めだ?

 

顧問弁護士に連絡し、生活費だけ返して欲しいと懇願するも、金の出所の捜査が判明しないと返さないと言う。近所の揚げ物屋にラードを売ったお金なんだけど…

 

俺の困窮を見かねたミカエル達が、エライ人に掛け合ってくれたらしく、お金は帰って来た。が…蔵の収納物は、国宝の可能性があるので返却不可だと、文化庁から言われたそうだ。まぁ、歴史的に価値のある物だろうな。代々、この森を護ってきた訳だし。

 

欲に目が眩んだ人間はよくいる訳で…何故か俺は立ち退きさせられて、森の所有権が知らないオッサンに移っていた。この世界は終わったな。時空渡りの穴が広がらないように、管理していたのに…バカなヤツラだ。

 

俺はミカエル達の住んでいるマンションに引っ越した。

 

 

 

---西園寺綾香---

 

護崎君は転校してしまった。護崎君の住んでいた森は、何故か西園寺不動産の持ち物になり、森の木々の伐採が始まっていた。蔵にあった収納物が国宝級のお宝だった為、森にもお宝があると思い、お父様が県議会を動かして、あの森を再開発地域に指定して、開発業者として森を手に入れたようだ。なんて、欲深いんだ?

 

「で、綾香。ご神体はなんだって?」

 

お父様に訊かれた。

 

「アカシックレコードだって」

 

「なんだと?それは世界遺産クラスじゃないか。ふふふ…バチカンに寄贈して、表彰して貰うか」

 

欲深そうな顔の父親。なんてヤツだ!それって、元々護崎君の物だろうに。

 

しかし、開発、お宝探しは難航しているようだ。森の中の鳥居を撤去したことが、祟りを招いたのかもしれない。研究員、作業員の行方不明事案が続発しているそうだ。バチが当たるって言っていたよな。そう言えば…

 

 

 

---ミカエル---

 

時空渡りの穴が広がらないように設置した結界が破られた。代々、穴が広がらないように託した一族を立ち退きって、愚かな者達だな。時空渡りの穴…異世界転移する入り口である。我々サイドの者以外、出口は無い。一方通行である。

 

まぁ、星として魂の総量は変わらないから、天界として問題は無いが…再度、結界を設置するか。この辺りの全域に…この日、とある県からとある市が消えた。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。