※この作品はR-18です。

女オリ主がIS学園であんなことやこんなことをするお話   作:奈麻

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完全に自己満足作品です。
どうぞよろしくお願いします。


生きたいと、願った。

沈む。

さらに深く、沈む。

ごぼり、と空気の塊が口から出ては登っていった。

光が遠く感じる。そして体にまとわりつくそれ。

 

いやだ。

こわい。

死にたくない。

誰か、誰でもいい、タスケテ……

 

強く、強く、その恐怖心が少女の心に刻まれるのは、仕方のないことだったのだろう。

 

 

 

 

ーーーー9歳の少女が、奇跡的に救助されました。繰り返しますーー

 

 

とある海難事故の記録である。

 

 

 

 

 

 

「朔姉、千冬姉呼んできてくれる?」

手際よく料理を盛り付けていく少年に頼まれ、少女は姉を呼びに行った。

「わかった。千冬さん、ご飯だよ」

「ああ、今行く」

そうして並ぶ、食卓。

普通の家庭の食卓だった。並ぶ人間の関係性を除けば。

 

「朔弥、千冬さん、じゃなくて姉と呼んでいいんだぞ」

「あ、えっと…、うん。千冬、姉さん」

照れて俯く少女の頭を、千冬は優しく撫でた。

「おれのことも、一夏でいいんだぞ!」

「うん、一夏」

微笑んで頷き、食事を開始する。確かにここは暖かい場所だった。

 

 

 

1年前の客船の沈没という、かつてない悲劇の中、唯一の生存者であった少女は織斑家に引き取られた。

家主たる織斑千冬から、どうしても、という要望があったためだ。

「朔弥…私がわかるか?」

病院で治療を受けていた少女の目は、濁った魚のようだった。

「ちふ、ゆ、さん…」

「ああ」

ほっと安堵したのも束の間、次に飛び出した言葉に、千冬は言葉を窮した。

「おかあさんは…?」

「…っ!!」

まだ、説明がされていない。その説明を買って出た上での、身元引受けなのだ。

「朔弥…。お前の母親は、亡くなった」

「亡く、な……」

9歳の少女には酷な話だろう。だが、この先どうしても知ることになってしまうのだ。千冬はできるだけ感情を抑えて告げた。

「船の事故で、お前を助ける事は出来た。だが。だが…明弥さんを助けることができなかったんだ」

「おかあ、さん……」

一筋の涙が少女の目から流れ落ちる。

千冬は少女を、朔弥を抱きしめた。

 

「急な話だとは思うが、朔弥。うちに来ないか」

「千冬さんの、おうち?」

「ああ、散々、返しきれないほどの愛情を私たちは明弥さんと朔弥から受けた。その恩返しをさせてくれ」

「わたし、何もしてない」

「そんな事はない。いつも一夏の面倒を見ていてくれただろう?」

「そんな…」

「頼む。今度は私達がお前を助けさせてくれ」

親がいなくなった後、そのままであれば織斑姉弟は路頭に迷っていただろう。

それを救ったのが、隣に住んでいた小菅明弥、朔弥母娘だったのだ。

千冬が高校を卒業できるようになるまで援助をし、バイト中の一夏の面倒を見、織斑姉弟にとって、小菅母娘は恩人だった。

 

こくっ、と小さく頷いて了承の意を示した朔弥に、千冬は心の底から安堵した。

 

 

 

 

「朔姉、おふろ入ったよ。」

「ああ、入ってこい」

「えっと、じゃあお先に」

どうしてか、脚が重い。

服を脱いで、洗濯機に入れて、浴室へ……

視界に入ったそれに、朔弥の頭の中でフラッシュバックした。

「いやぁああっ!!!!」

自身の身体の周りにまとわりつく液体。

声を出そうにも締め付けられるような喉。

身体の反応が、記憶が、

 

『水』というものを恐怖していた。

 

こわい。

コワイ。

 

どうしても太刀打ちできない恐怖、そこから逃れようとする人間が取る行動として、篭ることだった。

洗面器を放り出し、洗い場の隅で蹲って過呼吸で必死に絶える。

悲鳴を聞いて駆けつけた千冬が見たものは、そんな朔弥状態だった。

 

 

 

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