第30話(壱) 留里さんの強行排便
放課後、僕は親友の泰ちゃんと一緒に帰り道を歩いていた。
「ねー泰ちゃん。彼女さんとは最近どうなの、うまくやってる?」
「今日は部活で一緒に帰れんかったけど、あんたに言われんでもよろしくやっちょるよ。心配しんさんな」
色々とあって泰ちゃんは数か月前に彼女が出来たのだが、どうやら安定のカップル状態を維持しているということらしい。ならば別に良いのだけど。
「ちょっと前までは便秘で不機嫌じゃった時期もあったけど、水分補給をこまめにするようになってからは通じも良うなって、毎日ええ顔するようになったよ」
「そうなんだ」
確かに泰ちゃんの彼女――又下舞ちゃんが便秘体質で、何度となく浣腸のお世話になっているという話は知っていたけど、最近は克服しつつあるということか。かれこれ半年以上も前に彼女のトイレを覗き、その便秘ぶりをお尻ともどもたっぷり堪能した身としては、嬉しくもありどこか寂しい気分でもある。
「良かったじゃないの。これなら泰ちゃん、そろそろあの子と一線を越えて……」
チリンチリン!
会話の最中、僕が話している途中で妨害するかのように、背後から自転車のベル音が鳴り響いてくる。振り返ると、そこには一年の頃のクラスメートだった三木田がいた。彼は、当時から僕をいじめていた連中の一人だった。
「おい健二、そんなところを歩きよったら撥(は)ね飛ばすで」
僕たちの後ろを自転車に乗ったまま密着して、嫌がらせのようにベルを鳴らし続けてくる。
「何が撥ね飛ばすだよ、君こそ自転車から降りろよ。ここ、歩道だぞ」
「うるさいっちゃ」
僕の指摘をあざ笑うかのように、三木田がベルをガンガン鳴らしてくる。それは明らかに異質な光景であるものの、他の帰宅している生徒たちは誰一人そしらぬ顔で、僕の災難には見て見ぬ振りを決め込んでいた。
「何なんこの人。あんた、なんとかしんさいや」
「そうは言っても泰ちゃん、僕にもよく分からないんだよ……三木田君。歩道とはいえ僕たちはちゃんとスペースを空けてるんだから、そこを通れば済む話じゃないか」
「黙れっちゃ。調子に乗っちょると本当に撥ね飛ばすで」
僕たちが三木田の悪質な粘着に辟易していたその時だった。
ガシャン!!
「ごふっ!」
自転車が突き倒され、転落して道路脇の縁石に顔をぶつけた三木田が汚い声を上げて失神する。
「全く、こんなところで自転車に乗ってるから、突き飛ばしちゃったじゃないの。常識のない男ね」
「あっ……」
「おまたせ、健二君」
そこにいたのは、僕のアパートの部屋の隣人――小口留里子さんだった。
「留里さん、ありがとうございます。ヤバかったんで助かりました」
「いいのよ、お礼なんて。その代わり……」
ギュッ。
話の途中で留里さんが僕の手をつかんでくる。心なしか、今日の彼女は少し機嫌悪そうな風に見えてきた。
「今日は緊急の用事が出来ちゃったの。悪いけど、健二君はこのまま連れて帰るわよ」
「は、はぁ……」
留里さんが呆然とする泰ちゃんを承諾させて、僕の意見を聞くこともなく手を引っ張ってくる。こうなってくると、留里さんが隣人であることを考えれば、流れに沿うのが賢明な判断と言えるだろう。
「泰ちゃん。また明日ね、さようなら」
「う、うん、バイバイ」
とりあえず、留里さんに連れられながらも僕は顔だけ振り向かせ、泰ちゃんに挨拶をしておいた。
少しイレギュラーな帰り道にはなったけど、僕にも泰ちゃんにも怪我がなかったので、これはこれで良しとしておこう。
留里さんは家に帰るなり、有無を言わさず僕をトイレの中に連れ込んだ。彼女の部屋のトイレは床も壁も天井もガラス張りで、僕たちの姿があちらこちらに映し出されていた。
「あの、緊急の用事って言うのは一体……」
「決まってるじゃないの。今からウンチするから健二君にそばで見ててほしいのよ」
ギュム。
留里さんは僕のペニスを一握りすると、段を上がって和式便所に跨り、タイトスカートをめくり上げてTバックのお尻を露にした。
「く、黒……」
「何よ。いつも見慣れてるクセに、こんなことぐらいでオチンチン勃たせないでよね」
反射的に勃起していた僕をなじりながら、留里さんがゆっくりとTバックをずり下ろして屈む。ふと周囲を見渡すと、留里さんの丸出しのお尻とそそり立つ僕のペニスがトイレ中に映し出されていた。
「今日も便秘でね。会社のトイレで一時間近く屈んでたんだけどさ、結局オナラばっかりで何も出なかったの。それでどうもイライラしてるのよね」
「何か今日の留里さんは機嫌悪そうだなって思ってたんだけど、そういうことだったんですか」
「そうよ、便秘は心を蝕(むしば)むの」
プシャァァァァ…………
留里さんが左手の指をお尻に添えながら、ゆっくりと放尿する。僕はただ、その光景にペニスを固くして見惚れていた。
「健二君のエッチ。どうせ今『留里さんのトイレ姿をオカズにして、女の子のキス顔写真にピュッピュしてやるぞ~』とか考えてるんでしょ」
「勝手に人の本心を口に出さないで下さい」
面食らいながらも軽い仕返しに、留里さんのお尻を愛撫する。考えてみれば、このお尻の中に今ちょうど宿便が詰まってるわけだよな。だとすれば、どうしたらコイツらを目覚めさせて、肛門からひり出させるかという話である。
「……んっ!」
ブボッ、ブウッ!
思案している僕に向かって留里さんが強く放屁する。その臭いは強烈で、臭気が容赦なく鼻腔に突き刺さってきた。
「ふふっ、人のお尻をガン見しながら触ってきちゃう健二君へのささやかなプレゼントよ☆」
「留里さ~ん……」
「でも、冗談は抜きにしてそろそろ出さないとね。私、宿便で腸が詰まっちゃいそう……んっ、んくっ……う~ん……」
留里さんは再び前を向くと、うんうんとうなりながら肛門を開き、一生懸命腸内の宿便をひり出そうと努力した。しかし、宿便たちはそんな留里さんをあざ笑うかのように、腸内で眠り続けていた。
「はぁ、はぁ……」
十数分が経過したものの、留里さんのお尻からはオナラばかりが噴き出され、肝心のブツは欠片ほども姿を見せようとはしなかった。
「留里さん。もう無理しないで下剤か浣腸でも使った方が……」
「ダメ」
僕の申し出を留里さんは一秒で却下した。
「私、エッチなプレイでない限りは、下剤も浣腸も使わない主義なの。日常の排泄を薬に頼るなんて、健康的じゃないもの」
「ですよね……」
留里さんの持論に妙に納得をしてしまう。しかし、その納得こそが別次元への入り口だったのである。
「だから、どうせ頼るのなら健二君を頼らせてもらうわ。私の便秘解消に協力してちょうだい」
「はい?」
その時、ふと目に留まったのがタンクの上のゴム手袋(使い捨て)だった…………
Lサイズの手袋を利き手の左手に装着して、これから自分がやることを想像しながら複雑な心境になる。
「留里さん。本当にやっちゃうんですか?」
「本当よ。私だって一人の時は何度も自分でやってきたことだもの」
プゥ~~……プッ!
既に二十分以上は和式便器に屈んでいるであろう留里さんが、当然のように言い放ちながら本日何度目かの放屁をしながらクスクスと笑う。そして、お尻に両手を添えるとゆっくり広げ、肛門を僕の前にむき出しにしたのである。
「それに、健二君だって口では及び腰だけど、下のお口が正直に訴えているわよ。『僕の指を今すぐ留里さんの肛門に突っ込んで、ウンチを引きずり出してやる~』ってね☆」
「る、る、留里さん……」
どうやら、僕の理性はここが限界のようだった。扇情的な挑発を何度も繰り返され、次第に色欲が理性はおろか他の欲望たちまでもを呑み込んで、体内を駆け巡る。
「そういうことなら上等です。お望み通り、留里さんの腸内に眠るウンチを根こそぎ取り払ってあげましょう」
僕は体を屈め、迷うことなく留里さんのお尻の穴に人差し指と中指を挿入する。
「いやんっ、健二君のエッチな指が、私のお尻の穴をっ……!」
「そんな可愛いことを言っても、もう手遅れです!」
留里さんの肛内の感触に体を震わせながら、少し間を置いて薬指と小指も挿入する。どうだ留里さん、僕だってやる時はやるんだぞ。
「やだ、健二君のオチンチンが入ってきてるみたいで私、私っ……!」
「まだ入れられたこともないのに、変なことを言わないで下さい……よっ!」
ジュプゥッ!
仕上げと言わんばかりに親指を突っ込んで、ついには左手ごと留里さんのお尻の中に挿入する。すると、程なくして何かに触れている感触が指先に伝わってくる。
ちょっと固いけど、少し押したらグニュッと動くこの感触はひょっとして……
「いや~ん、健二君が私のウンチを触ってるよぉ~~!!」
確認するまでもなく、留里さんが艶っぽい声を張り上げて真相にたどり着く。ならば、ここから僕がすべきことはただ一つ。
「留里さん、覚悟して下さい……エッチな僕を本気にさせると、こういうことになるんです!」
ブジュルゥゥゥッ!!
僕は、潰れない程度の力加減で留里さんの宿便を握ると、一思いに引き抜いて肛門から摘出した。
「あっ、あんっ……今の一発で、溜まっていたウンチが、ウンチが……!」
通じをせき止めていた便が抜けた勢いで、留里さんは肛門から残っていた便を一気に排出した。
ムリムリムリムリッ! ムリリッ、メリメリッ!! ブリブリブリブリブビビッ!! ブブビシャッ、ビチャチヤッ!!
太くて臭い固形便たちが驚くほどスムーズにひり出され、少しずつ便質が緩くなり、やがてビチビチの下痢便が噴出される。ガラス張りのトイレの中でその光景は全体に映し出されていて、何とも言えない官能美を描き出していた。
「ああ、気持ち良い……好きな男の子の前でたっぷりウンチを出すのって、すごくいい……」
留里さんが我を忘れて局部をいじり、僕の目の前でオナニーを始める。もちろんその光景も全体に映し出され、僕の心を一層かき乱す。
「ずるいよ留里さん、だったら僕も気持ちよくなってやる……!」
僕は、色欲の赴くままにチャックを開くと、そそり立つペニスを揉みながら留里さんと同時に自慰行為に及んだ。もちろん、ペニスの竿(さお)先は留里さんのお尻に向けていた。
「エッチな健二君のオチンチンが、私を見ながら、膨れ上がってるって、考えた、だけで、私……!」
「僕だって、留里さんのお尻の中に指を入れたと思うだけで、勃ち過ぎちゃって、もう……!」
『イク――――――っ!!!』
ビュルッ、ビュルルル! ビュルルルッ、ビュクビュクッ!!
僕たちは、ガラス張りのトイレの中で絶叫しながら同時に絶頂を迎えた。
「はぁ、はぁ……」「はっ、はっ……」
留里さんのお尻には、僕の数日分をチャージした濁液がたっぷりと浴びせかけられていた。そのドロドロぶりは、顔射にも匹敵する背徳感が漂っているかのようだった。
「うふふ、健二君のエッチ。だけど、鏡に映ってた健二君のイキ顔、可愛かったわよ」
「あ、ありがとうございます」
妙なところを褒められて、妙な気分になりながら頭を下げる。
「……」
全くもって、この留里さんという人は本当につかみどころのない不思議な女性である。だけど、そんな彼女だからこそずっと一緒にいたいと願う僕がいる。
「お尻、拭きましょうか。多分さっきの肛門ズッポリでお尻が切れたと思うから、後で痔の薬も塗っておきます」
僕はペーパーを取り出すと、適量にちぎって丁寧に留里さんのお尻を拭いてあげた。
「流石は健二君ね。持つべきものは愛らしい隣人の男の子だわ」
「ついでに最初に出した留里さんのデカウンチを細分化して、水に流れやすいようにしておきますからね」
「……もう、やっぱり健二君ってエッチな男の子なのね」
僕たちはどちらからともなく微笑み合いながら、トイレの中での情事を心行くまで堪能した。お互いの姿が全面に映し出されるその空間で、僕たちの関係はより深い領域へと踏み込んだのであった。
第30話(弐) 福を呼ぶトイレ掃除
掃除時間、いつものように職員室の机を水拭きしていた僕のところに、女子限定の体育教師を務めている永戸先生がやってきた。
「おい、職員用の女子トイレを掃除する奴がおらんじゃないか」
「そうですね、二人とも今日は欠席です」
どういうわけだか職員室と職員用女子トイレの掃除は僕たちのクラスが担当で、何の偶然か現在トイレを担当している二人の女子はどちらも高熱を出したらしく、今日は休んでいた。
「ほいじゃが欠席言うても、誰かが掃除せんにゃあいけまーが(=掃除しないといけないでしょうが)」
「だったら僕が、教室を掃除している女子にでも声をかけて……」
「林葉、お前がやりゃあええじゃろうが」
「そうっちゃ。女子なんか呼ばんでええけえ、ワレ(=お前)が女子便を掃除せえや」
僕たちの会話にクラスメートの男子たちが割り込み、ハイエナのようにわらわらと群がってくる。
「……」
もちろん、彼らが単に僕をのけ者にしたいという魂胆しか持ち合わせていないことぐらいは容易に想像がついた。だけど、一日でも掃除場所を放置するのは衛生的に良くないし、ましてそれがトイレならばなおさらの話である。
「分かったよ、僕がやるから君らは早く掃除に戻ってくれ」
クラスメートたちの高圧的な態度は不愉快極まりなかったけど、僕は休んだ女子に代わって自分がトイレ掃除をすることに決めた。
「永戸先生、今日の職員用女子トイレの掃除は僕がやります」
「そうか。林葉君ならちゃんとやってくれると信じとるけえ頼んだで」
周囲でゲラゲラと笑っているクラスメートたちとは裏腹に、永戸先生が僕の肩に手を添えてエールを送ってくる。正直なところ、掃除という名目で堂々と女子トイレに入れるのだから、これは僕にとっては嬉しい誤算でもあった。
「……バカみたい。面倒事を押し付けられたのに、そんな嬉しそうな顔しちゃって」
「そう言ってくれるなよ。僕に同情してくれるのはありがたいけどさ」
ホースで床に水を撒きながら、現れたトイレの花子さんに笑顔で応対する。
「それに、ドアノブには掃除中のプラカードを下げてあるんだから、誰にも気兼ねせずに女子トイレを満喫出来るんだぜ。僕としてはありがたい限りだよ」
クラスメートたちに対する不快感や嫌悪感は別として、それは間違いなく僕の本音だった。もちろん、これが男子トイレだったらそうもいかなかっただろうけど。
「まぁいいわ。あなたが納得してやっているのだから、私がどうこう言う必要もなさそうね」
ギュム。
花子さんは僕のペニスを一握りすると、三つある個室の中央へと入って行った。
「健二、サービスタイムよ。いいものを見せてあげるからいらっしゃい」
「花子さん……」
後に続いて個室の中に入り、鍵を閉める。花子さんは少しはにかんでいる僕に一旦笑顔を向けると、和式便器に跨ってパンツを下ろし、ゆっくりとその上に屈んだ。
「そうそう。しっかりめくり上げて使うのが、和式のセクシーな使い方だったわよね」
花子さんがスカートを両手でまくり、膝の上にまとめ上げて小ぶりなお尻をむき出しにする。その瞬間、僕のペニスはビクリと反応していた。
プシャァァァァァァ……
僕に見られながら、花子さんがツルツルの局部からにこやかに放尿する。幽霊とはいえ、やはり女の子のお尻や局部を見ていると、股間に感じる刺激は強いものだった。
「可愛い女の子の生尻を眺めるのもいいけど、たまにはあなたみたいな男の子に私が見られるシチュエーションも悪くないわね」
「悪くないどころか最高だよ、花子さん。これなら僕も、張り切って掃除が出来そうだ」
「そう……だったら邪魔しちゃ悪いわね、あたしはこれで失礼するわ」
ザザ~ッ!
花子さんは手早く局部を一拭きすると、水を流してそのまま姿を消した。これで、トイレの中は完全に僕一人になった。
――よしっ、やるぞっ!
改めて水を撒き、床と便器に洗剤をたらしてそれぞれの専用ブラシで丹念にゴシゴシこする。寒いとはいえ作業自体は実にシンプルで、ウダウダ言って面倒事を押し付けてくる厄介なクラスメートたちがいないことを考えると、こっちの掃除の方が明らかに僕の性には合っていた。
――ま、それでも男子トイレの掃除となれば抵抗はあるんだけどね……
一通りの清掃を終えて、僕が洗面台で手を洗っていたその時だった。
ドンドン、ドンドン!
ドアをノックする音が響き、誰かが中に入れてほしいという意思表示をよこしてくる。しかし、掃除時間中は原則としてトイレ使用不可というのが我が校の校則である。
「……」
緊急時はやむを得ないとはいえ、ドアの向こうの人はそんなに切羽詰まった状況だったりするのだろうか。
ドンドン、ドンドン!
僕がぼんやり考えてる間に、再びドアが強く叩かれる。そして、今度はその向こうからとても馴染みのある声が聞こえてきたのである。
「ごめんやけど、トイレ使わしてもらえんじゃろうか。お腹が痛うて我慢出来んのんじゃけど……」
それは、聞き間違えることなく僕のクラスの担任――岸村香子先生の声だった。
「そういうことでしたか、ならば……」
ドアを開けて、女子トイレの中から先生と対面する。先生は、そんな僕を見てお尻をおさえた体勢のままで、目を丸くしていた。
「な、なんで健二君が職員用の女子トイレの中におるんじゃろうか……」
「そりゃあそうなりますよね。でも、説明は後です。ほら、早く」
僕は固まっている先生をトイレの中に連れ込むと、速やかにドアを閉めた。こうして、僕は今年初となる、香子先生とのトイレでのマンツーマンを堪能する運びとなったのである。
ブリブリブビビッ! ビリビチッ、ビチャッ、ビチャッ! ブビッ、ブプッ! ブリブリブリブリブリッ!!
「……じゃあ、健二君は室中さんと真田さんが休んだけえ、代わりにここを掃除することになったっちゅうことでええんやろうか?」
「はい。半ば強制的な節もあったけど、別に断る理由もないと思ったから僕がする形になりました」
先ほど花子さんとも入った中央の個室に同伴して、大きなお尻から激しい下痢便をひり出している香子先生に経緯を説明する。その間、先生はずっと複雑な表情で何かを考えているかのようだった。
「まぁ、健二君のこういうことを自ら買って出た姿勢は評価出来るし、室中さんたちよりも格段キレイに掃除してくれちょるけえ先生としてはありがたいんやけど、ここは女子トイレじゃけえね……」
プシャァァァァァ…………
ため息を交えて先生が長めの放尿を開始する。言うまでもなく、先生の便臭が充満していたこの個室の中で、僕のペニスは既にビンビンに膨れ上がっていた。
「やっぱり、マズかったですかね?」
「いや、先生はええと思う。じゃけど、なるべくこういう場所の掃除はクラスの女子に頼んで、代わりにやってもらうようにしようや」
先生は僕の掃除に対する取り組みに関しては認めてくれたものの、女子トイレでの清掃作業そのものに対してはやはり否定的だった。正直なところ、僕自身も少し下心に突き動かされた側面があったので、こればかりは先生の言うことに従うことにした。
「……分かりました。でも、先生のお尻を掃除していいのは僕だけですからね」
クチュッ!
僕はペーパーをちぎると、先生の右側に屈んでそのお尻を拭いてあげた。最初のうちはベットリ便の感触が生々しく、その都度股間が熱を帯びて破裂しそうな勢いだった。
「先生、相変わらず下痢っぽいんですね」
「うん、最近ちょっと下痢が続いちょるんじゃけど……健二君。学校なんじゃし、あんまりお尻をまさぐらんでくれんじゃろうか」
「すみません、先生のことを考えてるとつい……」
おそらくこれが最初で最後となるであろう職員用女子トイレの中で、僕は先生との濃密な一時を満喫した。それは、これまでの学校生活で最も充実した掃除時間だった。
放課後、昇降口の掲示板前でクラスメートたちが不貞腐れた顔をして立たされているのを見かけた。全員首にプラカードを下げていて、そこには『私は職務怠慢な高校生です』と書いてある。
「おう、林葉君。ご苦労じゃったね」
竹刀を持って彼らを監視していた永戸先生が僕に気付き、労いの言葉をかけてくる。
「先生、みんなどうしちゃったんですか?」
「気にすんな、ただの罰ゲームじゃ」
「罰ゲーム?」
永戸先生が言うにはこういうことだった。何でも、僕が女子トイレを掃除している時に、彼らのうちの誰かが教頭先生の大事にしていた壺を机から落として割ってしまったのだという。
本来ならその場限りの叱責で済ませるところだったらしいが、全員が容疑を否認して責任逃れをしようとしたことで、こういう形の『罰ゲーム』を開いているということらしい。
「コイツらみんな『勝手に壺が倒れた、風が吹いたんです』とかぬかしよったけど、20キロある壺がそよ風ぐらいで動くわけがないのいや、のお」
「そりゃそうですよね……」
その状況下で彼ら以外がやったのだとすれば、一人だけ大いに思い当たる節がある。だけど、確証もないことを口にするのは気が引けたので、僕は黙っておいた。
「それはそうと林葉君、さっき見たけどあんたはトイレをようキレイにしてくれちょったじゃないか」
「はい、そこは休んだ女子たちの代わりに、誠意を込めて磨き上げましたので」
先生のお褒めの言葉にドヤ顔気味に返答する。最も、香子先生がいなくなった後のトイレで改めて便器を磨き、より清掃に努めたのだから当然と言えば当然の話なのだけど。
「そうか。まぁ女子トイレを掃除させることはもうないと思うが、その気持ちはいつまでも忘れんさんなよ」
「はい!」
力強い返事とともに先生に一礼して、靴を履き替える。
「それでは先生、また明日」
「うん、明日も元気に来んさいよ」
僕は先生の笑顔に見送られながら、夕暮れの校舎を後にした。
――ふふっ、アイツらいい気味ね。そのまま明日の朝まで立たせておけばいいんだわ……
――同感だね。でも、それだと監視役の永戸先生も帰れなくなるから、僕としては夜までって気分かな……
彼女たちには見えていないであろう花子さんと、カップルのように寄り添いながら。