第34話(壱) 未衣ちゃんの仲良しトイレタイム
三月最初の日曜日。特に何もすることがなかった僕は、暇つぶしに町内を歩いていた。気持ちとしては、ウォーキングの感覚である。
――休日でも少しぐらい動かないと、体がなまっちゃうもんな……
最寄りのコンビニを通過して横断歩道を渡り、その先の踏切を越えて長い商店街を歩く。日曜日だけあって露店も出ていたが、お金の持ち合わせがなかったので今日は素通りした。
やがて商店街を抜けると、少し疲れてきたので目に付いた近くの公園で、僕は小休止を取ることにした。
ドサッ!
公園のベンチに腰を落として一つ息を吐く。三月初旬とはいえ外は思ったより暑く、歩いているうちに服は汗ばんでいた。
――そりゃそうか、もう三月だもんな。
そんなことを考えながら、白い雲たちが泳いでいる青空を見上げてみる。時は三月、僕たちの学校はつい先日卒業式を済ませたばかりだった。
「……」
振り返ると、決して仲の良い上級生などいなかったものの、これで彼らが全員いなくなるのかと思うと感慨深くも寂しい気持ちになってくる。果たして来年のこの日、彼らのように胸を張って僕は学び舎から巣立つことが出来るのだろうか。
そんなことを考えながら、家に帰ろうとゆっくり腰を上げようとしたその時だった。
「あっ、健二お兄さん!」
ベンチの向こうから可愛らしい声がして、女の子が駆けてくる。それは、僕の大事なコミケ仲間の小学生――未衣ちゃんだった。
「未衣ちゃんじゃないか。こんなところで何してるんだい?」
「う~ん、お散歩かな。お姉ちゃんが彼氏さん家に連れ込んでるから、未衣気を遣って外に出てきたの」
「そうなんだ……」
小学生ながら、姉にそこまで配慮が出来る未衣ちゃんの人となりに感心する。ならば僕も、こういう時に気を利かせるのが筋である。
「未衣ちゃん、だったら家に来ない? この前新しい同人誌買ったんだ、一緒に読もうよ」
「わーい、行く行く! 未衣、そろそろお兄さんのお家に行きたいなって思ってたから、ちょうどいいや!」
未衣ちゃんは、僕の誘いを二つ返事で承諾してくれた。そうと決まればあとは我が家まで一直線である。
「それじゃあ一緒に……」
「あ、ちょっと待ってお兄さん」
立ち上がった僕の手をつかむ前に、未衣ちゃんがモジモジしながら待ったをかける。
「どうしたの? ……何となく分かるけど」
「えへへ。未衣とお兄さんの長いお付き合いだもん、すぐに分かっちゃうよね……」
その仕草で見当はついたものの、未衣ちゃんは敢えて僕が思った通りの言葉を口にしたのであった。
「未衣、オシッコしたくなっちゃった」
僕と未衣ちゃんは、手を繋いでトイレへと向かった。この公園のトイレはベンチから離れていて、限界が近づいている未衣ちゃんには少し厳しい距離だった。
「う~、膀胱タプタプだよ~~……未衣、もうここでオシッコしたい」
「未衣ちゃん、トイレを目の前にしてそれはアウトだよ。辛いかもしれないけど、着くまで我慢すること」
「は~い……」
禁断の『野ション』をしようとしていた未衣ちゃんを冷静に諭して止めさせる。気持ちは分かるけど、道行く人たちに未衣ちゃんの排泄姿を見られてしまうのは、やはり面白くない。それに、すぐ近くにトイレがあるのを分かっていながら外でするのは、いかに未衣ちゃんと言えども厠(かわや)の神様への背徳行為である。
そんなことを考えているうちに、僕たちはトイレに到着した。
「よく頑張ったね未衣ちゃん、えらいえらい」
とりあえず、僕の言いつけを守ってトイレまで我慢してくれた未衣ちゃんの頭を撫でてあげる。
「へっへ~。オマンマンを『キュッ』と引き締めて歩いた未衣の頑張りに、お兄さんは感謝するのだっ」
僕のナデナデに気を良くしたのか未衣ちゃんが胸を張る。そして、二人で個室に入ろうと僕がドアを開けようとした、その時だった。
「健二君、ちょっと待ってくれんかね」
トイレの中にもう一人の来客が入ってくる。それは、僕のクラスの担任教師――香子先生だった。
「先生、こんなところで何を……」
「うん。天気がええけえ、ちょっと散歩しよったんよね。そしたら急にトイレに行きとうなったけえ、ここに寄ったんじゃけど……」
先生が腰を震わせながら、苦しそうに声を出す。間違いなく、これは未衣ちゃん以上に切羽詰まっている雰囲気だ。
「そうなんですか、でも……」
僕は限界が迫りつつある未衣ちゃんと香子先生を交互に見やりながら、頭を悩ませる。それもそのはず、ここの男女共用トイレは小便器と和式の個室が一つずつしか存在しないのである。
「……」
しかも、小便器の方は故障中の札が貼ってて使用不能。こうなると、どちらかが野外排泄を余儀なくされることとなる。
「えっと……健二君は付き添いで、未衣ちゃんが使うんよね?」
「は、はい」
「じゃったら使いんさい。先生、外でするけえ……」
先生が個室を未衣ちゃんに譲り、トイレを出ようとする。だけど、先生のそんな切ない自己犠牲の精神は、僕よりも先に未衣ちゃんが許さなかったのである。
「待って、香子先生! トイレを目の前にして、それはアウトだよっ!」
未衣ちゃんが両手を広げて先生の前に立ち塞がり、先ほどの僕と同じようなことを言って止める。
「ま、まぁ、未衣ちゃんの言うことは分かるんやけど、こういう時は先生の方が大人として、譲ってあげんといけんじゃろうけえね」
「未衣だって、先生の気持ちは嬉しいよ……だけど、未衣のせいで先生がお外でオシッコしてるところを誰かに見られちゃうなんて、絶対に嫌だもん!」
未衣ちゃんが珍しく感情的に言葉を紡ぎ出す。それは、彼女なりに先生を気遣っている優しさゆえの魂の叫びだった。
「いや、うん。未衣ちゃんの気持ちはありがたいんじゃけど、個室が一つしかないんじゃったら……」
「大丈夫だよ、先生! こんな時には、取って置きの作戦があるのだっ!」
よほどの秘策があるのか、未衣ちゃんが先ほど以上に胸を張る。それは、僕や先生では想像もつかない、児童ならではの奇抜かつ合理的な解決法だった――
和式便所の個室の中で、まさに今、革命的な排泄が行われようとしていた。
「こ、こんな感じでええんじゃろうか……」
「うん。それで未衣も、ここからオマンマンをクパッと開く……っと」
香子先生がいつもように便器の上に屈む。その先生の膝上に未衣ちゃんが乗っかり開脚する。
「何と言うか、新時代の官能美というヤツですかね、これは」
「う、うん……先生も和式便所を長らく使いよるけど、こんな使い方をするのは初めてじゃわ」
下半身丸出しの未衣ちゃんを膝上に置いたまま、先生が物珍しそうな顔をしてため息を吐く。未衣ちゃんの重みもあって、先生のお尻は便器の縁にベッタリくっ付いていた。
「へっへ~。未衣と先生の身長差だからこそ出来てしまう、秘技『膝車式ダブル排泄』なのだっ! さ、先生。未衣と一緒にオシッコしよっ☆」
「そ、そうじゃね……」
先生は、戸惑いと恥じらいに困惑気味だったが、未衣ちゃんの勢いに押されて一緒に放尿した。
ブシャァァァァァァァァ――――ッ…………!! ブシャァァァァァァァァ~~~~ッ…………!!
先生が便器の上で、未衣ちゃんが先生の上で、同時に放尿する。どちらも溜め込んでいたのか相当の量だったが、二人のオシッコが同時に便器に降り注がれるその光景は、エッチと言うよりどこか微笑ましいものがあった。
「わーい! お兄さんに見られながら先生とオシッコするのって、楽しい~~」
「み、未衣ちゃん。小学生なんじゃけえ、エッチなのは程々にしちょかんと……」
先生の放尿が未衣ちゃんと比べてどこか控えめに見えたのは、互いの性格の現れだったりするのだろうか……
「これはいいですね。和式だからこそ可能なこのスタイル、ネタとして最高だと思います」
僕はさり気なく先生のお尻を触りつつ、二人の局部を凝視する。出せる限りを出し尽くしたのか、どちらのオマ〇コからも既に雫が垂れ落ちているだけだった。
「はぁ~~……未衣、クセになっちゃいそう」
「…………」
惚(ほう)けている未衣ちゃんとは対照的に、先生の表情は出し終えたにも関わらずどこか険しかった。
「先生、どうしちゃったんですか?」
「ご、ごめん。健二君、未衣ちゃん……先生、ウンチも出そうやわ」
先生は律儀にも僕たちへとことわりを入れると、膀胱に続いて肛門に詰まっていた老廃物までも噴出した。
ブリブリブリッ、ブブビッ! ブリビリリ、ビチビチッ! ブウ~~ッ、ビリビビッ!!
すぐに先生の屁臭と便臭が、個室の中を包み込む。下痢だったのもあり、その臭いは大げさでなく悪臭そのものだった。
「や~ん。香子先生のウンチってくっさ~い」
「こらこら、未衣ちゃんだってトイレ中に臭いを充満させるようなウンチをすることだってあるんだから、先生のことを言えたクチじゃないだろ」
「ご、ごめんなさい……」
あまりにも率直な感想を口にした未衣ちゃんに釘を刺しておく。だが、先生の方はそんな言葉も耳に入らないほどに、惚けているかのようだった。
「先生、今度こそスッキリしましたか?」
「……うん。何か、こうやって誰かと一緒にオシッコとかウンチをするんは、先生もクセになりそうやわ」
「安心しました。やっぱり先生は最高の教師です」
先生の解放感に満ち溢れた表情を見ながら安堵する。どうやら、今回のトイレタイムは僕や未衣ちゃんだけでなく、先生にとっても素敵かつ画期的な時をもたらしたと考えて間違いなさそうだった。
「…………お兄さん。いつまでもオチンチン勃たせてないで、早くフキフキしてよ」
「うん、分かった」
未衣ちゃんに急かされながら、僕はペーパーを手に彼女たちのお尻や局部を拭いてあげた。その拭き心地は対照的で、未衣ちゃんのツルツル感と先生のザラザラ感が、僕の手の上でアンサンブルを奏でているかのようだった。
「む~~……」
心なしか、未衣ちゃんからは不協和音が奏でられていたような気もしたけれど……
「……健二お兄さんって、本当に香子先生のことが好きなんだね」
香子先生と別れた帰り道、未衣ちゃんは唐突にそんなことを言ってきた。
「まあね。何たって、僕にとっては最高の恩師だもん」
はぐらかすのも気が引けたので、僕はありのままを答えておく。だけど妙に引っ掛かる。
「それにしても、どうして急にそんなことを聞いてくるんだい? 僕が香子先生のことを好きなのは、未衣ちゃんだって知っていることじゃないか」
「……別に。ただ、先生見てる時のお兄さん、すごくエッチな顔してたなーって思ったからさ」
ギュム。
僕の質問に微妙な返答をしながら、未衣ちゃんがペニスを握ってくる。心なしか、今日の力はちょっと強めである。
「……お兄さん、未衣のことも好きでいてくれるよね?」
「と、当然じゃないか。僕は未衣ちゃんのことも大好きだよ、決まってるだろ」
二度目となる未衣ちゃんの質問に、僕は思った通りを答える。すると、曇っていた未衣ちゃんの顔つきが、少しだけ晴れてくる。
「まーいいや、今日のところはそれで納得してあげる」
「えっ、どういうこと?」
「今度未衣と先生が一緒にオシッコする時は、もっと気配りしてよねってこと!」
ギュッ!
未衣ちゃんが、不意を突くかのように僕の右腕にしがみ付いてくる。どうやら機嫌は直ったらしく、満面の笑顔が真夏の太陽のようにまぶしかった。
「早く行こ、お兄さん! 未衣、今日はたっぷりエッチ漫画読んじゃうからねっ!」
「分かったよ。しっかり読ませてあげるから、後で評価も聞かせてくれよ」
しっかりと手を繋ぎ、未衣ちゃんと一緒に家路を歩く。彼女が途中から機嫌を損ねていた理由は分からなかったけど、それでも僕には素敵な日曜日だった。
第34話(弐) おさがりのTバック娘
「おかえりなさい、健二」
そう言って、家に帰った僕を露骨なまでの含み笑いで出迎えてくれたのは、トイレの花子さんだった。
「何だよ、それが学校から帰って来た人間を迎える時の顔なのかよ」
「つれないことを言うのね……だったら、これならどうかしら?」
花子さんが自分の両手でスカートをつかみ、勢い良くめくり上げる。すると、当然ながら僕の視界に彼女の下着姿が飛び込んできた。
「こ、これは……」
「どうかしら? あたし的には布がオマンマンに食い込んで、ちょっと窮屈なんだけどね」
僕は膝を付き、顔を近付けて花子さんの下着姿を眺める。それは、局部をどうにか隠しつつも筋がハッキリ見えてしまっている、本当に小さな極小サイズの紫ランジェリーだった。
「でも、健二的にはこっちじゃないかしら……」
花子さんがクルリと背を向けて、僕にお尻を晒す。するとそこには、僕の望んでいた景観が見事なまでに広がっていたのであった。
「は、は、花子さん……」
「そうよ。あたし、ついに念願のTバックデビューを果たしちゃったのよ……」
視界一面を支配する花子さんの下着姿――Tバックのお尻に、僕は思わず顔を肉薄させて凝視する。それは、大事な部分を申し訳程度に覆っているだけで、見ようによっては裸よりも卑猥な形状だった。
「でも、こんな下着をどこで……」
「もらいものよ。知り合いの女にねだったら、古いのをよこしてくれたの」
「そ、そうなんだ」
誰かは知らないが、花子さんにもエッチな知人がいたものである。
「だけど、そんなことはどうだっていいの……あたしはただ、あなたにこの感触を味わってもらいたいだけなんだから……」
花子さんが、Tバックのお尻を僕の顔へと密着させてくる。それは、小ぶりながらも僕の心を刺激するには十分なサイズだった。
「うぷっ」
「ほらほら、しっかりオチンチンを勃たせなさい……」
Tバック越しながら、花子さんのお尻の臭いに嗅覚を支配される。しかし、その支配はものの数分と持続することはなかったのである。
「くっ、くっ、くっ…………!」
「花子さん?」
急に僕の顔からお尻を離して、変な声を上げ始める花子さんに思わず目を丸くする。そして次の瞬間、彼女は僕の目の前で盛大に悲鳴を上げたのであった。
「いった――――――――い!!」
「……」
先ほどまでの妖艶な空気はどこへやら、お尻に手を添えて横たわる花子さんに僕は大体の事情を察してしまう。
「……初めてTバックを穿いたもんだから、食い込みがキツくて我慢が出来なくなったってこと?」
「そ、そうよ……侮れないわね、Tバック!」
「…………」
どこか必死な花子さんに一途な熱意のようなものを感じて、ちょっとだけ胸が熱くなる。
とりあえず、僕は彼女を連れて病院へと向かったのであった。
「えっ? じゃあ、花子さんにTバックをあげたのって、有希代さんだったんですか?」
「そうですよ。花子さんが穿いているTバックって、実は私のおさがりなんです」
花子さんを連れて行った病院の診察室で、僕は顔なじみのナース――有希代さんから、驚きの事実を聞かされた。ちなみに、今日も医師が休みだったので、有希代さんの兼業状態だった。
「おさがりと言っても、結局一度しか穿かなかったんですけどね」
「そうだったんですか……」
「それにしても、割れ目から肛門周りまで、見事なまでに赤く腫れちゃってますね」
有希代さんが、ベッドの上にお尻を出してうつ伏せになっている花子さんに視線を向けて、そのお尻を愛撫する。
「花子さん……」
食い込みがキツかったのは分かっていたが、まさかこれほどまでに至っていたとは想像もつかなかった。
「花子さん。健二君を誘惑する自慢のお尻がこんなになったんじゃ、意味がないって分かったでしょ? これに懲りたらTバックなんてやめて……」
「笑わせんじゃないわよ……あたしがこの程度で、Tバック娘をリタイヤするなんて、あり得ないでしょ……!」
やんわりと諭す有希代さんの手をはねのけて、花子さんが鋭い瞳を向ける。
「あらら」
「あたし、小さいけどお尻には自信を持っているの。Tバックなんかに負けやしないわよ!」
花子さんが念力で机上の軟膏薬を動かして、僕の手元に運ぶ。
「健二、あなたの手で塗ってちょうだい。元はと言えばあなたにも責任があるんだから」
「ちょっと待ってくれ。塗るには塗るけど、僕の責任とか意味分からないよ」
突然の責任転嫁に思わず困惑する。一体どこをどうしたら、そういう考えにたどり着いてしまうのか。
「……あたしが好きな人ために、Tバックを穿きたがっているのか分からないのかしら?」
「いや、それは分かるけど誰なんだよ? 花子さんの好きな人って」
「……知らないわよ、バカ」
花子さんはそう言ったきり、すっかりむくれて口を閉ざしてしまった。
そして僕は、釈然としない気持ちを抱えながらも、そんな花子さんの腫れたお尻に軟膏を塗りたくったのであった。
「うふふ。健二君の鈍さって、天然級ですね」
「何か言われましたか?」
「いえ、何も。ただ……健二君の彼女になる人は、大変だろうな~って思ってただけです」
笑顔がまぶしい有希代さんに、生温かい目で見守られながら――――
診察後、どういうわけか尿を採られることになった花子さんは、僕と一緒にトイレに向かった。
「何なのよ、有希代の奴……どうしてお尻の腫れた患者が尿検査を受けなきゃなんないのよ、意味分からないわ」
「まあまあ、これも簡単な健康チェックだと思えばいいじゃないか」
二人で入った個室の中で、便器に屈んだ花子さんの局部の前に紙コップを構える。
「でも、採られるのがあなたで良かったわ……これならあたし、安心してオシッコが出せそうだもの」
花子さんは一つ大きく息を吐くと、紙コップに向けて緩やかに放尿した。
プシャァァァァァァァァ…………
紙コップの中に花子さんの尿がなみなみと注がれて、すぐに規定ラインの位置まで到達する。
「よし、出してくるからね」
僕は個室を出ると、洗面所脇にある小窓から花子さんの尿が注がれた紙コップを提出して、一連の作業を終わらせた。
「それじゃあ帰ろうか、花子さ……あれ?」
個室のドアを開けると既に花子さんの姿はなく、水の流れる音だけが無人の和式便所の中で響き渡っていた。
「……」
やはり、色仕掛けをしておきながら、こんな形で醜態をさらしてしまったことが恥ずかしくて、姿を消してしまったのだろうか。
――僕は結構、嬉しかったんだけどな……
理由を聞くことも出来ぬままトイレを出ると、僕は会計を済ませて二人で向かった病院を一人寂しく後にしたのであった。
「起きなさい、健二」
翌朝。そう言って、目覚めの僕にTバックのお尻を向けていたのは、花子さんだった。
「何だよ、これが健全な男子高校生に対する起こし方なのかよ」
「あら? 自分で言えるほどあなたって、健全な人だったりするのかしら?」
「はは、そりゃ言えてるね。だけど……」
自分で言った言葉を自嘲気味に笑い飛ばしつつ、本題へとメスを入れる。
「どうして朝っぱらから花子さんが僕の上に乗っかって、ペニスを引っ張り出して舐めているのかな?」
「……当ててみなさい。ま、当たろうが外れようが、イクまで舐めちゃうんだけどね」
花子さんが、ねちっこく僕のペニスに舌を這わせながらチロチロと刺激する。だがそれ以上に、花子さんが昨日に続いてまたしてもTバックを穿いていたことが驚きだった。
「恐れ入るよ。まさか、昨日の今日でもうTバックを穿いてるなんてね」
「言ったでしょ、Tバックには負けないって。正直言うとまだ食い込みはキツいけど、あたしは克服するつもりよ」
「いい心がけだね……でも!」
花子さんの熱意には確かに感服するけれど、それとこれとは別問題である。僕は花子さんのTバックをずり下ろすと、むき出しとなった彼女の局部にゆっくりと舌を這わせた。
「悪いけど、やられっぱなしは性に合わないからね。僕も君の大事な部分を、しっかり堪能させてもらうよ……!」
「上等だわ……どっちが先にイカせられるか、真剣勝負と行きましょ!」
僕たちは、盛りの野生動物のように、眼前に見える互いの局部を舐め回しながら絆を深め合った。
気がつけば、僕の脳裏にはTバック姿の花子さんがしっかりと刻み込まれていた。