第41話(壱) C級シネマの堪能法
「よぉ健二、暇なんだろ? 俺と映画でも見に行こうぜ」
日曜日の昼下がり。僕の家にやって来て、2枚のチケットを手に、そんな誘いを仕掛けてきたのはオタク仲間の桃美ちゃんだった。
「僕と映画……桃美ちゃんが?」
玄関前で腕を組み、当然のような顔をしている桃美ちゃんに、確認の意味で聞き返してみる。
――桃美ちゃんの性格上、1時間近くじっとしている映画鑑賞なんて、到底考えられないんだけど……
失礼ながら、この時の僕は、冗談抜きでそんなことを考えてしまっていた。
「…………」
ギュム。
僕の本心を察したのか、桃美ちゃんに不愉快な顔をされながら、ペニスを握られてしまう。しかも、結構強めに。
「何だよ。『俺が映画鑑賞なんてキャラじゃねーだろ』みてーなツラしやがって……お前、失礼にも程があるぞ」
「ご、ごめん。失礼ながら本気でそれ、思ってたわ」
僕はとりあえず桃美ちゃんに謝ると、詫びの意味で彼女のお尻を少しワイルドに愛撫しておいた。
「ケッ、まぁ俺の場合は普段が普段だから仕方がねーんだろうけどよ、あんまりそういう気持ちは顔に出すもんじゃねーぞ」
「……だよね、以後気をつけます」
僕たちは、どちらからと言うこともなく抱き合って、互いのぬくもりを確かめ合う。
「……一緒に見てくれるよな、映画」
「ああ。桃美ちゃんと一緒なら、どんなB級映画でも、最後まで見届けてやるさ」
勢いに流されるがまま、僕は桃美ちゃんと約束を交わし合う。
しかし、これが思わぬ苦悶と予期せぬ悦楽を導く結果になろうとは、この時の僕に走る由もなかったのである――
「おんどりゃ~~!! わしらに無断で、学校を動かしやがったの~~!!」
「ほうじゃ、ほうじゃ! このメス豚は、ホンマにも~~……」
体育の教員たちが、学校を浮遊させて空中要塞にさせた生徒会長の少女に逆上し、刃物を向ける。
「何をなさるつもりですかっ! 私を殺そうと言うのなら……あなたたちっ! この二人を退治してしまいなさい!」
「……」
スクリーンの向こうでは、ちょうど少女の命を受けた『聖なる三兄弟』たちが、それぞれの武器を手に、教員たちを血祭りにあげている真っ最中だった。
――何と言うか、ちっとも話が面白くない……これは、残酷な描写以前の問題だ!
映画館の最前席で、あまりにも感性に合わないストーリー展開に辟易しながら、これで3度目となるため息を吐く。
「すげぇ……三兄弟、マジでカッコいいぜ…………」
しかし、そんな僕の隣では、桃美ちゃんが目をキラキラと輝かせながら、映画『空飛ぶ学校』を心から堪能していた。
――そんな顔をしながら見るほど、面白いのかな、これが……
この映画は『日本征服をたくらむ母親の野望を阻止するために、高校生の少女が同志を集めて立ち上がる』という、実にシュールな内容なのだが、いかんせん話の内容がムチャクチャ過ぎて、どう贔屓目に見ても楽しめないのである。
――何なんだよ、きっかけはカルタ同好会の内乱とか……
弓矢で撃たれ、生徒たちの体が溶けて蒸発していたワンシーンを思い出しながら、自然と笑み(苦笑)がこぼれてしまう。
「……」
しかもこの映画、上映時間が3時間と無駄に長かったりするのである。
――今ちょうど、30分を過ぎた辺りか……あと、2時間半…………
腕時計で確認しながら、泣きたくなってくるような残り時間に思わず顔をしかめてしまう。一体、何が悲しくてこんな映画のために時間を潰さなければならないのか。
――だけど……
隣で映画に見入っている桃美ちゃんの姿に視線をよこしながら、今にもあふれ出てきそうな不満を心の奥底に押しとどめる。流石に「桃美ちゃんと一緒なら、どんなB級映画でも、最後まで見届けてやるさ」と自分で言っておきながら、つまらないからと途中で帰るような選択肢など、僕には選べなかった。
――仕方がない、約束を守る意味で最後まで付き合うとするか……
僕は4度目のため息を吐くと、余計な考えを捨て、もう一度スクリーンの世界に神経を集中させる。
「ほっほっほ。わらわの魔力にかかれば、そこらの人間など容易に始末出来るのじゃ」
そして、ちょうど画面にヒロインの母親が登場し、魔法のシャワーで人質たちを骨に変えていた、その時だった。
「……」
ふと、視界の端で席を立つ女性の姿に気付く。
――あれは……
その緑色のチャイナドレスを着ていた女性は、間違いなく駅前の中華料理店『珍宝軒』で働いている出稼ぎ娘――橙蘭(チェンラン)だった。
「…………」
僕の視線に気付くことなく、橙蘭が出入り口とは異なる奥の道へと消えて行く――それは、間違いなくトイレがある方向だった。
「……桃美ちゃん。僕、ちょっとトイレに行ってくる」
「ああ、行きな。だけど、そのまま逃げるなんてオチはなしだぜ」
「分かってるよ」
僕は桃美ちゃんにことわりを入れると、橙蘭の後を追ってトイレに直行した。その先に見えるであろう、映画以上の感動を確信して…………
映画館のトイレは、衛生面こそ行き届いていたものの、男女共用で小便器と和式の個室が一つずつ隣り合っているという、至ってシンプルな造りになっていた。
「…………」
個室の鍵が閉まっているのをチェックして、僕は中に橙蘭が入っていることを確信する。
――ここのトイレは、下の隙間が余裕で手が入るぐらい大きいからな……バッチリ見てやるぞ!
僕は体を屈めると、床に這いつくばって隙間の向こうを覗き見た。
――これはっ……!
隙間の向こうでは、ちょうど橙蘭がチャイナドレスを脱ぎ捨てて、下着姿で便器を跨いでいるところだった。
――マ、マリンブルーのTバック……
鮮やかな色合いのセクシーな下着姿に、僕は思わず勃起する。だが、橙蘭はそんな視線に気付くことなくパンティをずり下ろすと、ゆっくりと屈んで便器の上にその桃尻を構えたのであった。
「はぁ~~」
ジョロジョロジョロジョロジョロ…………
橙蘭が、大きく息を吐きながら放尿する。その色合いと勢いを見ていると、まるで黄色い噴水をお尻から噴き出しているかのようだった。
――このアングルだと、お尻からオシッコしているように見えちゃうんだよね……
ブボオッ!!
放尿を済ませた橙蘭が、肛門を開いて大きく放屁する。
――ぐえっ、臭っ……でも、こんだけ大きなオナラをしたってことは……!
淡い期待を抱きながら、僕は顔がくっ付きそうな程の至近距離で、橙蘭のお尻を凝視する。すると、彼女はそんな期待に応えるかのように、ガスを発した穴から実を産み落としたのである。
ムリムリムリムリムリッ……ムリリッ!! ムリメリッ、メリリッ! ブリブリッ、ビリビチャッ!!
緩めのウンチが次々と橙蘭の美尻からひり出される。その茶色い塊の一部には、ところどころ粒のような物が混じっていて、彼女が前日の夜か今日の朝食辺りにでも、トウモロコシを食べていたことがうかがえた。
――へへ……この間の玉握りは、これでチャラってところかな……
ひり終えた橙蘭が、ペーパーを取ってお尻を拭き始める。もちろん、その光景も持て余すことなく瞼(まぶた)に焼き付ける。
――最高だよ、橙蘭……僕、もう我慢出来そうにないや!
拭き終えた橙蘭が立ち上がったところで、僕は掃除用具入れの中に隠れて膨れ上がったペニスを揉みしだく。
――また、珍宝軒に、寄らせて、もらう、か・ら・ね…………!
この時、僕は映画よりも一足先に、最高のクライマックスへと到達したのであった――――
「あ~~、楽しかったぜ。こりゃあ次も必見だな」
「う、うん。まだ続くみたいだったからね……」
観賞後。僕は満面の笑顔とともに伸びをする桃美ちゃんと並んで、帰り道を歩く。
「……」
結局、トイレの後で最後まで映画を見届けたものの、お世辞にも面白いと言えるような代物とは思えないままだった。
最終的に『日本征服をたくらむ母親は洗脳されていて、戦いの果てに解けたものの、今度は洗脳を施した魔法使いが現れて、まだまだ戦いは続いて行く』というオチだったのだが、正直期待させる程のものを感じない。
――母親を倒して改心させて、そのまま和解ハッピーエンドじゃダメだったのかな…………ま、内容はどうあれ、良いタイミングで合間を縫ってトイレに行けば、元は十分取れるんだけどね!
だけど、ひょっとすると、映画『空飛ぶ学校』を違う視点で観賞すれば、ある意味で最高の邦画になるのかもしれない。そう考えている自分がいるのも、また事実だった。
「……桃美ちゃん。また次回作も、一緒に見に行こうね!」
「へへ。決まってんだろそんなこと!」
僕は桃美ちゃんと腕を組み、今度こそ心からの約束を交わし合う。スクリーンの向こうだけがシネマではない……そんな風に思えてくる、今回の映画デートだった。
第41話(弐) 知られざる設定②
時園礼「今回は40話到達を記念して、新キャラと前回未登場だった主要キャラクターたちのプロフィールを公開しちゃいます、パチパチパチ!」
七葉「パチパチパチ~」
他一同『…………』
時園礼「あれ、みんな苦笑いしてどうしたの?」
有希代「……それって、ネタ切れを起こしたから、苦し紛れの気分転換をしてるだけじゃないんですか?」
時園礼「グサッ」
有希代「あ、図星ですね」
奈美子「あはは。私もそんなことだとは思っていたんですけど、本当にそんなことだったんですね☆」
時園礼「奈美子ちゃ~~ん」
優太「それにしても、みんな良いプロポーションしてるじゃねーか。こりゃあ誰のトイレから覗くか迷っちまうぜ」
七葉「あらあら。可愛い女の子を見るたびにトイレを覗きたくなるなんて、優太君ったら私のクラスメートにそっくりですね☆」
笠松「同感だな。まぁその気持ち、分からんでもないが……」
奈美子「そうなんだ。じゃあ優太君、今からちょっと付き合ってくれないかな? 私……ウンチがしたくなっちゃった」
優太「ホント!? そういうことなら俺に任せてよ、ほらほら、トイレはあっちだよ、ほら」
時園礼「くっ、奈美子ちゃん同伴でトイレに直行とは優太の奴、何てうらやまし……いや、やらしい奴なんだ!」
有希代「つまり、優太君がうらやましいってことですか?」
時園礼「そうとも言う」
笠松「君も相当重症だな。まぁその気持ち、分からんでもないが……」
七葉「だったら、時園さんは私と一緒に『ワントイレ・ツーパーソン』を満喫してみませんか? 私もさっきからお腹が痛くて、ちょうどトイレに行きたかったんです」
時園礼「そういうことなら僕の出番だな。さあさあ、二人で桃源郷を目指そうじゃないか」
七葉「うふふ。時園さん、何だかまるで盛りの小犬みたいです」
有希代「まあまあ。七葉ちゃんと一緒にトイレタイムとは、時園礼さんも幸せ者ですね、笠松センセ……あれ?」
赤マント「全く、原作者も主役キャラも変態的な好色家ばかりではないか! まぁその気持ち、分からんでもないが……」
有希代「……と、相変わらずこんな人たちばかりだったりしますけど、皆様、あともう少しだけすかもんっ!ワールドをよろしく頼みますね☆」
キラッ☆
ファイル:01 春野七葉 -ブリブリアント・プリンセス-
身長:156cm 体重:44kg 誕生日:3月18日 星座:魚座
3サイズ:B85/W53/H90
新年度、健二たちのクラスに転校してきた女子高生。
美人でおしとやかで優等生な反面、異常性癖とも呼べるような性的嗜好を持っている。
心無い同級生たちにいじめられるとこが多々あるが、それでも心が折れない辺り、見た目よりも芯は強い。
ファイル:02 葉枷奈美子 -微笑みのひり出し娘-
身長:158cm 体重:45kg 誕生日:10月8日 星座:天秤座
3サイズ:B74/W51/H78
排泄をこよなく愛するちょっと変わった女子高生。
自分の排便記録を日記帳に付けている一方で、女の子たちの排泄模様にも興味を示す天然のスカトロマニア。
彼氏はいないものの、隠れファンは数多く存在すると言われている。
ファイル:03 有希代 -白き衣の淫魔-
身長:155cm 体重:46kg 誕生日:1月28日 星座:水瓶座
3サイズ:B79/W61/H89
健二たちの町で働いている現役のナース。
敏腕で、医師不在時は医師の業務も兼任する業界屈指の切れ者ながら、その笑顔の裏にはただならぬエロスを秘めている。
女子力が高いながら、その気丈さが災いして周囲からは低めに見られがちなのが玉にキズ。
ファイル:04 江上 萌加(もえか) -無敵の超熟BODY-
身長:175cm 体重:70kg 誕生日:11月24日 星座:射手座
3サイズ:B98/W65/H103
奈美子たちの学校に勤務する排球部の顧問。
部活動では厳しさと優しさをバランスよく織り交ぜながら、生徒たちをあたたかく見守っている申し分のない名コーチ。
しかし、トイレの中では半端ない排泄量が災いして、何度となく迷コーチぶりを晒している。
ファイル:05 橙蘭(チェンラン) -底知れぬ中華ギャル-
身長:160cm 体重:45kg 誕生日:8月8日 星座:獅子座
3サイズ:B80/W53/H80
中華料理店に勤めている中国からの出稼ぎ娘。
その容姿と特徴的なしゃべり方は非常に受けが良く、来店する客の大半は彼女目当てだと言っても過言ではない。
基本的に人当たりは良いが、不埒な輩には容赦なく本場仕込みの拳法を炸裂させている。
ファイル:06 笠松範人 -本当の教育者-
身長:179cm 体重:65kg 誕生日:6月27日 星座:蟹座
健二たちのクラスの副担任。担当は美術で、絵の才能は普通にプロの漫画家レベルである。
普段は大らかな性格ながら、不穏な空気には敏感で、いじめや暴力といった行為は絶対に見逃さない、強い正義感を持っている。
前年までは副担任ながら『教育実習生』という立場だったが、年度明けとともに正式な教員となった。
ファイル:07 永戸雅世 -姉御を超えた兄貴肌-
身長:170cm 体重:60kg 誕生日:7月31日 星座:獅子座
3サイズ:測定記録なし
健二のクラスの新しい担任教師。担当は体育で、女子を受け持っているので基本的に男子を教えることはない。
男勝りな性格だが、差別や贔屓といった行為を一切しないので、クラス内での評判は悪くない。
竹刀を持ち歩くことが多いが、尻しか叩くことのない比較的穏健な体罰容認派。
ファイル:08 河本泰地 -中性イケメンの鑑-
身長:179cm 体重:58kg 誕生日:11月21日 星座:蠍座
健二の同級生で、唯一の男友達。
容姿も性格も申し分なく、画力も高かったりするのだが、勉強と運動で大きく遅れを取っている残念な劣等生。
性的な方面では中々のヤリ手で、既に彼女とは一線を越えていたりする。
ファイル:09 赤マント -ワインレッドの騎士-
身長:180cm 体重:65kg前後
時折町に出現する、赤い衣装と白い仮面に身を包んだ謎の男。
常に予期せぬところから出没を繰り返し、ある者には救済を、またある者には天誅をもたらす、ちょっと不気味な正義の味方。
なお、身長や体重はあくまで目撃者の目安であって、正式な数字は定かではない。
ファイル:10 間瀬優太 -おませなピーピングボーイ-
身長:154cm 体重:43kg 誕生日:12月9日 星座:射手座
女子のトイレを覗くことに快感を覚える危ない小学生。
可愛い子の桃源郷を拝むためならば、どんな汚い床に顔を擦りつけることも厭いとわないチャレンジャー。
なお、身長と体重は『トイレッターYOU!』での数値であって『すかもんっ!』の時点ではこの限りではない。