第46話(壱) 留里さんの吐き下し物語
「健二君。いい加減、起きてくれないかしら?」
ブブッ! ビリリッ!!
その日、僕を眠りの世界から引き戻したのは艶めかしい声音と汚らしい放屁音だった。
「うえっ、臭いなぁ……って」
目を覚ますと、僕の視界に開眼一番Tバックのパンティに申し訳程度に隠された桃尻がどどんと飛び込んで来た。
「……何のつもりですか? 真上に乗っかられていると、起きるに起きれないんですけど」
「あら。そんなこと言ってるけど、オチンチンはしっかり起きちゃってるわよ?」
「それは健全な男子の自然現象です。いちいち突っ込まないで下さい」
僕は上に覆い被さっている隣人――留里さんのお尻をペチペチと叩きながら、両手でしっかり腰をつかんで強制的に引きはがす。
「何よ、つれない子ねぇ」
物言いが気に食わなかったのか、留里さんは起き上がった僕の隣で不貞腐れたように膝を抱えていた。
――あれ? 留里さん……
僕はその表情にどこか心許ないようなものを感じる。
「まぁいいわ。だったら今日はモーニングキッスだけで勘弁してあげる」
僕の心配をよそに留里さんが唇を尖らせて『キス顔』を披露しながらこちらへと接近する。
「全く、どうしてそうなっちゃうんですか……別に良いですけど」
そして、僕も受け入れようとして唇を構えたその時だった。
「……うっ、うぷっ!」
留里さんが突然手を口元に添えて何かが出てこようとするのを制止する。
「る……留里さん?」
「うぐっ……うぅ~~~~っ!!!」
だが、とてもじゃないけど抑えきれなかったのか、留里さんは立ち上がると手を添えたままトイレに駆け込んで行った。
「……ああ、そういうことか」
そして、すぐに事情を察した僕もその後を追いかけた――
留里さんはトイレに入るや否や、すぐに添えていた手をどけて便器の中に溜め込んでいた物をぶちまけた。
「おえ~~~~っ…………おえっ、おえっ……げほっげほっ」
便器の中に留里さんの吐瀉物が広がって、それに伴いトイレの中に妙な臭いが充満する。
だけど、僕はそんなことには構わず留里さんの背中をさすり続けていた。
「こんなに吐いちゃって……大丈夫ですか、留里さん?」
「……ふふ、心配かけちゃってごめんなさい。でも、私は平気よ。病院に行けば済むことなんだから」
ギュム。
留里さんはニヤリと笑いながら僕のペニスをガッチリ握ると、その後でこう続けたのである。
「もちろん、健二君と一緒にね」
半強制的に僕を病院に連れて行った留里さんは、診察の席で顔馴染みのナース――有希代さんに、ケロリとした表情で事の経緯をカミングアウトした。
「……つまり、そういうこと。さっき盛大に戻しちゃったんだけど、まだお腹の中に不純物が残っている感じなのよね」
「あ、分かります。私も以前、アイスクリームの大食い大会に参加した後で、ド派手に吐いちゃったのにしばらく腹痛が続いてたことがありましたから」
もちろん大会は優勝したんですけどね、と続けながら有希代さんがベッドにあお向けになっている留里さんへの触診を開始する。
――この人も随分と面白いことにチャレンジするよな…………
僕は有希代さんの大胆ぶりに感心しながら、彼女が留里さんの全身をチェックしている姿をチラチラと眺めていた。
「何よ健二君。私のパンティが必要以上に食い込んでるのがそんなに気になるわけ?」
「いや、有希代さんの手つきが艶めかしいなぁと思っちゃいまして……」
流石に年頃の女性が下着姿でベッドに横たわっていて、それをナースが手で触りまくっている光景が真横で繰り広げられているのを見るなと言うのは無理な話である。
「うふふ。やっぱり気になりますよね?」
「は、はい」
今度は有希代さんが僕の心中へと切り込んでくる。もちろん、その間もしっかりと留里さんの体を撫で回しながら。
「でも、これは下心なんかではなく立派なナースの務めなんですよ? 私、見習いの頃によく丸木田町長に言われていたんです。『触診は感謝の気持ちを込めて、全身をくまなく愛でるようにやりなさい』って」
「感謝の気持ち……ですよね」
思わぬ人物の名前が出てきて妙に納得する。まさかあの町長が有希代さんとも接点を持っていようとは。
「う~ん……留里さん、やっぱりまだお腹に未消化物が残っている感じですよ?」
「そうよね、思った通りだわ」
全身をしっかりと触診した有希代さんが(局部もお尻も!)所見を伝えると、留里さんはやれやれといった具合に大きくため息を吐いた。
「いくら休みの前日だからといっても、深酒をしながら焼肉とご飯を3人前も食べるもんじゃないわね」
『そんなに食ってたんですかっ!』
留里さんのさらなるカミングアウトを受けて、僕は有希代さんともども反射的に突っ込みを入れてしまう。有希代さんのアイスにしてもそうだけど、あなたたち胃袋への配慮が足りなさ過ぎだろう。
「まぁいいわ……有希代。処方する薬は私が決めるから、あなたは薬局の方に手配してちょうだい、頼むわよ」
「分かりました」
だが留里さんはそんな突っ込みなどものともせず、服用すべき薬を自分で判断して、それを有希代さんに言付けた。そう、多少の未消化物なら容赦なく下へと流し出す魔法の薬『下剤(速効タイプ)』を――
家に帰った留里さんはすぐに下剤を飲んで、早急にお通じを発生させてトイレへと駆け込んだ。
もちろん、僕の家のトイレで僕を無理やり連れ込んで、である。
「あぁ~~もう! 私、全部出しちゃうわよっ!」
「僕に言わなくてもいいからとっとと出して下さい」
留里さんは大慌てで一段上の和式便器に跨ると、先ほど嘔吐したばかりのところに今度は下痢便をぶちまけた。
ブリブリブリブリブジュルッ!! ビリビリビリビリビチチチッ!! ブリビリビリッ、ビビビッ、ビチャアッ!!
便器の中を留里さんの下痢ウンチが埋め尽くし、それに伴いトイレの中にただならぬ便臭が充満する。
しかも先ほどの吐瀉物の臭いも残っていたので、ゲロと下痢のミックスされた尋常ならざる異臭が僕たちの鼻腔に突き刺さっていた。
「あはは。私、健二君のお家の中にたっぷり香りを残しちゃったみたい☆」
ジョロジョロジョロジョロジョロジョロジョロジョロ…………
留里さんが嬉しそうな声を上げながら勢い良く放尿する。
「全く……それ、全然自慢出来るようなことじゃありませんからね」
ギュッ。
僕はため息を一つ吐くと、むき出しになっていた留里さんのお尻を指でつねってやった。
「いや~ん健二君のエッチ☆ そんなこと言っといて、もうビンビンになってるんでしょう?」
「分かりきったことを言わんで下さい、全部留里さんのせいなんですからね!」
僕は欲情に身を任せると、そそり立つペニスを引き出してそのままオナニーを開始した。
「ほんと、朝からあんなもの見せ続けてくれちゃって、留里さんの痴女っぷりときたら、もう……」
寝起き一番のTバックから目の前の排便姿まで、しっかりと脳内で再生させながらペニスをこする左手を加速させる。
「何よ。和式便所に屈んでる女の子の後ろでオチンチンしごいてる健二君の方が、よっぽど痴漢さんみたいじゃないの」
「そんなの、お互いさま……ですっ!」
僕は留里さんに手厳しい指摘を受けつつも、左手を駆使させながら絶頂へと到達した…………!
ビュルッ、ビュクッ、ビュルルルルルッ!!
ペニスからあふれた白濁液が留里さんのお尻と便器の中に容赦なく降り注がれる。それは湧き立つ想いを身をもって証明させた、そんな瞬間だった。
「どう、スッキリした?」
「はい。おかげさまですっかり心の淀みが取れました。留里さんは、どうですか?」
「私も未消化物を全部ウンチに変えて出しちゃったから、すっかり楽になったわよ」
僕たちは互いの体調を確認しながら、問題がないことにそれぞれが安堵する。
「……お尻、拭きましょうか」
「そうね。もちろん、オマンマンまでしっかりフキフキを頼むわよ」
僕はペーパーを抜き取ると、一緒にいる時はいつもそうしているように留里さんのお尻を優しく拭いてあげた。
トイレの中は様々な臭いが混ざり合って異臭が漂っていたけれど、僕たちにとってはそれでも幸せな空間に他ならなかった。
第46話(弐) 二人で楽しむ桃源郷
「あ、暑い……」
昼下がり。家の中でも容赦なく襲い来る熱波を前に、僕は今にも気を失いそうだった。
「………………」
本来ならばエアコンを入れれば済む話なのだが、困ったことに工事の関係で今現在僕のアパートは電気を止められているのである。
――ダメだ……これ以上家にいると間違いなく干からびてしまう!!
僕はそんなことを確信すると、避暑地を求めて速やかに外出の準備を整えた。
ムワムワと窓から入ってくる生ぬるい風に、小さな背中を後押しされるかのように――
僕が涼を取るべく向かったのは、近所の同人誌専門店『バナナブックス』だった。
基本的にここでは同人誌に限らず雑誌やゲームソフトも普通に取り扱っているのだが、僕を含む利用者たちの間では『同人誌を売っている本屋』という認識で見られていた。
――最近すっかり同人チェックをサボっているからな……とりあえず、まずはスカトロ系の新刊のコーナーにでも……
空調の効いた店内で頭が冴えてきたのか、自分のやるべきことがすぐに見えてくる。
そんな時、BL(ボーイズラブ)系の新刊コーナーの方からよく知った声が聞こえてきた。
「あっ、健二お兄さん! 久しぶりだね!」
「おやおや、誰かと思えば」
声の主はスカトロ仲間の小学生――未衣ちゃんだった。
「お兄さんも漫画を買いに来たの?」
「いや、今日はどちらかと言うと涼みに来たクチかな。もちろん漫画も買う予定だけど」
「そうなんだ。それじゃあ早速レッツスカトロジーだね!」
未衣ちゃんが僕の手を取ってスカトロ系の新刊コーナーへと連れて行こうとする。
しかし、そんな和やかムードは簡単に水を差されてしまうのであった。
「うっせーぞテメエら! 店内で騒いでんじゃねーぞクソが!」
『!』
無駄にバカでかい声が響いてきて、僕たちは思わずびくりとして黙り込む。
すると、パチスロ雑誌のコーナーから見覚えのある顔が姿を見せた。
「おお、アンタか。随分と久しぶりじゃねーか」
「君は……」
それは、かつてコミケで出くわしたサークル『あげマンチョ』の代表にして、あわや一戦を交えそうになった女性――三田令奈(通称:サンダタ)だった。
「なんだなんだぁ? アンタ、モテないからってついに小学生に手を出しちまったってオチかぁ?」
令奈さんがいきなりゲラゲラと笑いながら僕に不躾な言葉を投げつけてくる。
――この前もそうだったけど、この人って悪気なくこういうことを言ってくるタイプだからなぁ……
辟易としながらも僕は何か言い返してやろうと頭の中で言葉を考える。だが、先に反論に出たのは未衣ちゃんの方だった。
「オバサン、何言ってるの? 健二お兄さんはオバサンと違ってとても素敵な人だから、未衣に限らず色んな子に好かれていてモテモテなんだよ?」
「未衣ちゃん……」
それ相応の美人とは言え、性格のキツさが顔に出ている令奈さんに面と向かってそこまで言える未衣ちゃんに胸が熱くなる。
だけど、それは令奈さんの怒りに火をつける言動に他ならなかった。
「なんだとクソガキ、あたしが素敵じゃないとでも言うのかよ!」
「そうだよ! オバサンは人の傷つくことを平気で言っちゃう人だから、未衣にとっては根性の曲がった酷い人なんだよ!」
未衣ちゃんと令奈さんが店内であることを忘れてしまったかのように大声を張り上げる。
『…………』
そして、それに伴って周囲のお客さんたちの視線が一斉に注がれる。
「ふざけてんじゃねーぞ! 初対面のテメエにあたしの何が分かるって言うんだよ!!」
「未衣には分かるもん! どうせオバサンは荒んだ性格をしてるからそんな風になっちゃったんでしょっ!!」
声のボリュームがますます大きくなり、一触即発の様相さえ視野に入ってくる。
――マズいな、これは……
流石にこれ以上傍観など出来そうになかったので、僕は仲裁に入ることにした。
「未衣ちゃん、僕のためにありがとう。でもこのぐらいにしておこう」
まずは未衣ちゃんの両肩に手を添えて、高ぶっているであろう気持ちを落ち着かせる。
「お兄さん……」
続いて、少し怖いけど令奈さんの顔を見据えて諭してやる。
「令奈さんも令奈さんだ。いい年してるんだから、言葉はもっと選んでから口に出してくれ」
「……けっ!」
仕上げに、周囲の野暮なギャラリーたちにもことわりを入れておく。
「お騒がせしてすみませんでしたね。もう大丈夫なので、皆様引き続きお買い物を楽しんで下さい」
『…………』
僕の言葉にこれ以上見ていても得る物がないと判断したのかギャラリーたちはあっさりと解散すると、再びそれぞれの買い物をするべく各売り場へと消えて行った。
――とりあえず、良かった……
最悪の事態を回避させたことに安堵してホッと胸を撫で下ろす。
『……………………』
しかし、当事者たちの間にはまだ深いわだかまりが残っているかのようだった。
「ふん、感謝しとけよクソガキが。ソイツがいなかったら、テメエはとっくに地獄を見てたことろだったんだからな」
「きゃっ!」
令奈さんは未衣ちゃんを突き飛ばすと、鼻を鳴らして店の奥へと消えて行った。
――あれ? あっちは確か…………!
その方角に僕はあることを確信する。
「む~っ……あのオバサン、大っ嫌い! 未衣のことをクソガキクソガキって……」
「未衣ちゃん、今すぐ令奈さんを追いかけよう。これはまたとないチャンスだよ」
僕は未衣ちゃんの愚痴を制止して、もう一度その両肩に手を添える。
「えっ? 健二お兄さん、まさか……」
「そのまさかだよ」
僕の言葉を察してくれた未衣ちゃんの表情が一転して明るくなる。
つまり、それはそう言うことなのである。
店の奥にあるバナナブックスのトイレは、一つの室内で男子用と女子用が区切られている極めて変わった造りになっていた。
「ごらん未衣ちゃん。この隙間からならしっかり拝めちゃうでしょ?」
「ホントだ~……えへへ。これならお尻の穴までバッチリ丸見えだね」
僕たちは『男子専用』とドアに書かれた温水便座の個室の中で『女子専用』と書かれた和式便所の個室に入っていた令奈さんの排泄姿を下の隙間から一緒に覗いていた。
「はぁ~~」
令奈さんは僕たちに見られているともつゆ知らず、和式便器の上でそのデカ尻をさらしていた。
「はは、何だよアレ。お尻がデカくて便器にベッタリくっ付いちゃってるじゃん。エロいけど何だか笑っちゃうよね」
「だよね。未衣も何だか面白くなってきちゃった」
隙間の向こうを仲良く凝視しながら未衣ちゃんと小声で笑い合う。
だが、それでも令奈さんは何一つ勘付くこともなく僕たちの見守る中で盛大な排泄に及んだのであった。
ムリムリムリムリメリリッ……ムリムリッ、ビチャン!! メリメリメリッ、ムリメリッ、ブブブッ!!
令奈さんのお尻から緩めの大きなウンチがひり出され、便器の中でこんもりと茶色い山を作る。その臭いは強烈で、すぐに僕たちの鼻腔にも突き刺さって来た。
「やだ~……このオバサン偉そうなこと言ってたけど、こんな臭くて大きいウンチをする人だったんだね」
「そういうこと。デカい口叩く女のデカウンチってね」
未衣ちゃんと顔を見合わせて微笑み合いながら、なおもその痴態に目を凝らす。
「ふぅ……」
ジョロジョロジョロジョロジョロ…………
脱糞を済ませて気が緩んだのか令奈さんは再度大きな息を吐くと、黄色い尿を勢い良く放出した。
「見ろよあの黄色っぷり。きっと今日は男と予定が入っていて、下準備で朝から栄養ドリンクを3本ぐらい飲んでいたに違いないぜ」
「あはは、間違いないね。オバサン必死過ぎ」
尿の色合いに勝手な憶測を立てながら、未衣ちゃんと一緒に隙間の向こうの桃源郷をより面白おかしく堪能する。
「……」
やがて、令奈さんは糞尿を出し終えるとペーパーでお尻と局部をグシャグシャと拭き始めた。
「酷い拭き方……乱雑過ぎて、ペーパーのカスがお尻に残っちゃってるよ」
「放っておきなよ。本人のためにも自分で気づくまで黙っておいてやるべきだ」
乱暴な拭き方が目に余りはしたものの、こればっかりは本人の問題だと思ったので僕は敢えてスルーを推奨した。
「あ~スッキリしたっと」
ザザ~ッ!
お尻を拭き切って一連の行為を終えた令奈さんは、水を流すと気持ち良さそうな声を出しながら立ち上がってそのままトイレを後にした。
「未衣ちゃん。少しは気が晴れたかい?」
「……うん。それと、未衣ちょっとだけあのオバサンのことが好きになっちゃったかも」
僕たちはゆっくり立ち上がると、どちらからと言うこともなく体を寄せて力強く抱き合っていた。
それは、同人誌を手に入れるよりも大切で価値のある、トイレの中での一時だった――――
「健二お兄さんのエッチ。あんなことの後でもそういう同人誌を買っちゃうんだ」
「分かってないなぁ未衣ちゃんは。同じトイレ覗きでも、2次元と3次元は別腹だよ」
トイレを出て売り場に戻った僕は迷うことなくスカトロ系の新刊コーナーに直行して、トイレ盗撮漫画を2冊ほどカゴの中に入れた。
「未衣ちゃんこそ、そんな男の子同士が絡むような本なんて買おうとして、十分にエッチじゃないか」
「へっへ~。美少年たちの触れ合いは純粋の証だから、ちっともエッチなんかじゃないのだっ!」
片や未衣ちゃんの手にはインテリ系の少年とガテン系の少年が体を重ね合っている、明らかに危なそうなオリジナルの同人誌がしっかりと握られていた。
「それにしても……令奈さん、すごい剣幕て怒りながら帰って行ってたね」
「だよね。オバサン勝手に勘違いして一人でキレちゃうとか、未衣笑っちゃったよ」
一方で令奈さんはゲームの予約をしていたものの、発売日を間違えていたらしくそれを店員に指摘されて怒髪天になりながら既に店から消え失せていた。
――全く、トイレだけ借りて帰っちゃうとかしょうがない人だよなぁ……
先ほどの光景を思い浮かべながら、反射的に股間が熱を帯びて固くなってくる。
「あっ、お兄さん……」
「いやいや、これは自然現象なんだから仕方ない仕方ない」
未衣ちゃんに勃起の瞬間をしっかりと見られながら見苦しい弁解を挟み込む。だけど、不思議と悪い気はしなかった。
――ま、未衣ちゃん相手ならお互いの恥ずかしいところを知っているわけだし、別に良いんだけどね……
僕はクスリと笑うと未衣ちゃんのお尻に手を添えて、軽く愛撫した。
「それよりも、早く帰って読もうじゃないの。お楽しみの新刊をさ」
「……うん!」
僕は未衣ちゃんの額にキスをすると、彼女を先導するかのようにレジへと向かって行った。
そよそよと店内から流れ出る心地良い風に、小さな背中を後押しされるかのように――