第48話(壱) 仮面の下の赤マント
午前9時。この日、暇を持て余していた僕は駅前のゲームセンターに足を運んでいた。
――こんな時はやっぱりゲーセンに限るよな……
やや冷房が強すぎて肌寒くはあったけど、外の猛暑を思えばこんなものはオアシスも同然だ。
「よし」
僕は財布の中に100円玉が入ってることを確認すると、早速目当てのゲームに投入してプレイを開始させる。
「…………」
そのゲームは至ってシンプルで、敵の攻撃を避けながら女の子のシルエットを囲み、80%以上を取ればクリアとなる陣取り型の脱衣ゲームだった。
もちろん、脱衣シーンが見たければただクリアするのではなく90%以上を取ることが絶対条件なのだが――
「……………………」
僕は序盤、難易度の低いうちに好みの女の子たちを攻略して次々とサービスシーンを勝ち取っていく。
そして、ボーナスステージでの1UPを経て4人目となる看護婦の女性をじわじわと追い込んでいたその時であった。
「健二君。隣、座ってもいい?」
「えっ? ……うわっとっと」
急に横から声をかけられて、危うく敵の攻撃をくらってしまいそうになる。横目でチラリと確認すると、声の主は元クラスメートの円香さんだった。
「好きにしなよ。だけど、ゲームの邪魔だけはしないでくれよ」
「するわけないじゃろ。その代わり、エッチなシーンはたっぷり見せてもらうけえね」
円香さんが隣の台の椅子を持って来て、その上にしっかりと腰を落とす。その時ちょうど画面では、看護婦の下半身が露になっていた。
「何これ。紫のTバックとか、この看護婦エロ過ぎるじゃろ」
「そんなの僕に言われたって知らないよ、キャラデザの人にでも言ってくれよ」
円香さんのあまりにもストレートな突っ込みに、思わず吹き出しそうになってしまう。だけど集中力は持続させていたので、僕はしっかりと97%のシルエットを取り囲んでステージをクリアした。
『…………』
すぐさま画面が切り替わり、パンツ1枚の看護婦が自慢の巨乳を晒しながら扇情的な声で誘うようなセリフを吐く。
「……健二君。実は今、チンポが勃っちょるじゃろ?」
「このタイミングでそんなこと聞くのは野暮ってもんだろ」
円香さんの先ほど以上のどストレートな突っ込みをうまくかわしつつ、僕は次々と現れてくる女の子(&年増女性)に取りかかる。だがその間も彼女の直球な横槍は続いたのであった。
「やらし~~。このチャイナ娘ってパンティも穿いとらんじゃん」
「違うよ、Tバックがお尻に食い込み過ぎてるから穿いてないように見えるだけだって」
「やだもう、畳の上で下着姿とかセックスよりもエッチ過ぎるじゃろ」
「あ、それ分かる。なまじヌードよりも卑猥な下着姿ってあるよね」
「うわっ、ガチでSM嬢とかおるんじゃけど大丈夫なん?」
「いやいや、この手のゲームだと有り得ないことでもないんだよ」
そうこう言い合っているうちに、ゲームはどんどん先へと進んでいく。そして、気が付けば僕はノーミス&ノーコンティニューで全ヒロインを脱衣させるという最高の形でエンディングに到達したのであった。
「すごいじゃん健二君。まさかノーミスでクリアするとは思いもせんかったわ」
「ははは、ちょっと慣れればこんなものさ」
僕は浮かれ気分でVサインを出しながら円香さんにドヤ顔を見せる。画面ではちょうどエンディング映像が流れていて、スタッフロールの代わりにヒロインたちの艶めかしい姿が延々と映し出されていた。
「ほいじゃあ、あたしからも健二君にサービスシーンをプレゼントしちゃげるわ」
そんな中、円香さんが急に後ろを向いて僕の見ている前でスカートをめくり上げる。
「あっ……」
すると、僕の視界にヒョウ柄のTバックに申し訳程度包まれた円香さんのお尻がどどんと飛び込んできたのである。
「ま、円香さん、これは……」
「どうじゃろうか? あたし、看護婦さんやらチャイナ娘ほどお尻は大きくないけど健二君のチンポを勃たせるぐらいならわけないよ?」
「いや、それは確かにそうなんだろうけどさ……」
眼前の桃尻を凝視しながら、僕のペニスが萎れどころを知らなくなってしまうぐらいガチガチに固くなる。だけど円香さんは誘惑の手を緩めない。
「ねえ、あたしのお尻の味を試してみてよ。今なら誰も見とらんし、それぐらい出来るじゃろ」
「あ、ああ、僕で良ければ……」
僕は両膝を付きながら円香さんのお尻に顔を近づけて、そのプリンとした膨らみに舌を這わせようとする。しかし、その時――
「痛っ!」
いきなり後頭部に何かをぶつけられ、あまりの激痛にサービスタイムどころではなくなってしまう。
「な、何するんだ一体……って」
「よう」
振り返ると、そこには同級生で自称プロゲーマーのオタク男子――肥(こやし)がいた。しかも、靴を片方履いていない状態で。
――つまりコイツが僕の頭にシューズをぶつけたってことか……
後ろ頭をさすりながら僕は肥へと向き直る。その傍らで円香さんは既にお尻をしまっていて、怪訝な表情で肥の方を見据えていた。
「驚きじゃね。俺がなんぼ誘ってもゲーセンに来てくれんかったのにから、女と一緒じゃったら喜んで来とるんじゃけえ」
肥が憎々しげにそんな言葉を吐き捨ててくる。だが僕にはオタク繋がりで1年生の頃、彼と2、3回遊びに行った覚えがある。しかし――
「仕方ないだろ。君は僕のプレイにいちいち文句つけてくるし、自分が対戦で負けたらすぐ八つ当たりしてくるんだから」
「そんなんアンタが悪いんじゃないね、俺が教えてやっとるのに腕が全然上がらんのんじゃけえ」
肥が自分は全然悪くないと言った具合に不貞腐れたような顔を見せる。どうやら彼は、あれから2年が経過してなおも進化や成長と言うものを何一つ遂げていないらしい。
「健二君……何なん、このジャ〇アンみたいな人は?」
「いや、彼をジ〇イアンなんて呼んだらジャイ〇ンに失礼だ。少なくとも彼の場合はいざという時の男らしさや頼もしさなんて微塵も持ち合わせていない、弱い相手に威張り散らすだけしか能がない典型的な小悪党だからね」
小声で僕に話しかけてくる円香さんに同じく小声で応じておく。だがその間も、肥は文句を垂れ流してばかりだった。
「くそっ、こっちは脱衣麻雀で3000円も注ぎ込んだのにクリア出来んかったけえイライラしちょるんで!」
「知るかよ、あんなぼったくりのイカサマゲーに大金を投じる方が悪いんだろ」
柱を殴りながら理不尽な怒りをぶちまけている肥に至って普通の突っ込みを入れておく。
しかし、人への突っ込みには容赦がないにも関わらず、自分への突っ込みには過剰反応を示すのがこの肥という男なのであった――
「なにアンタ、俺のしたことにケチ付けるっちゅうん?」
すぐさま両手が伸びてきて、僕は肥に胸ぐらをつかまれる。
「おいおい、これがゲーセンでするような行為かよ……」
「やかましい! 俺がその気になったらお前ぐらい地獄送りにすることなんて簡単に出来るんじゃけえの!」
つかんでいる手に一層の力が入ってきて僕は強く締め上げられる。
「健二君に何しよるん、やめんさいや!」
「うるさいわ! コイツを血祭りにした後でお前も犯しちゃるけえ覚えちょけよ!!」
円香さんが止めに入ったものの、肥は一向に聞く耳を持とうとしない。
――ヤバいな、これは…………
殺伐とした雰囲気に、僕が明らかな身の危険を感じていたその時だった。
ドカアッ……!
「ぐへっ!」
強烈な回し蹴りが脇腹に炸裂して、その勢いで盛大に壁に頭を打ち付ける。
「えっ……?」
僕ではなく、僕を殴り飛ばそうと拳を振り上げていた肥が――
「全く、夏休みのゲーセンで暴力沙汰とは随分と腐り果てたガキがいたものだな!」
『あっ……』
僕と円香さんは突如として現れた乱入者に同時に声を上げる。そこには、幾度となく僕の危機に駆けつけてくれていた、心優しき謎の人――赤マントがいた。
「…………」
だが、今日はいつもと違いその姿に妙な既視感を覚えてしまう。
「ま、また助けて下さってありがとうございます」
「礼などいらん、別にお前たちを助けようとしたつもりなど毛頭ない。私はただ、この手のゲスが気に食わないだけだ」
円香さんがお礼を言っている傍らで、僕はふっと脳裏によぎった記憶の糸をたどる。
――今の鮮やかで強烈な回し蹴り、前にもどこかで誰かが僕のために……僕のために…………!
僕の中でゆっくりと当時の記憶が鮮明によみがえる。あの時も下らない理由で絡んで来た同級生に殴られそうになっていて、寸前のところで一撃の回し蹴りが僕を救ってくれたのだ。
そして、あの時その一撃を放った人は――
「あの、赤マントさん……あなた、笠松先生ですよね?」
「……」
おそるおそる口に出した僕の言葉を受けて、赤マントの視線がこちらに注がれる。
「笠松? 誰だそれは。山笠娘なら私の大好物だが、そんな奴は知らないぞ」
「あ、それなら僕も好きですよ。何たって、あのお尻の食い込みがたまらないんですよね……じゃなくて」
変な形で話が脱線しそうなところをどうにか元に戻す。
「笠松先生と言うのは僕のクラスの副担任の先生です。去年も副担任だった人なんですけど何と言いますか、すごく優しくてカッコ良くて、とても頼もしい人なんです」
「そうか……そのような人物が身近にいるというのは、実に良いことだな」
だが赤マントは肝心な部分を一切答えようとはせず、片隅で無様な顔をしてのびている肥を肩に担ぎながら背中を向けてしまう。
「あ、あの……」
「とりあえず、私はこれを肥溜めのプールにでも叩き落として目を覚まさせてくる。せいぜいお前たちは水入らずで楽しむことだ」
結局、赤マントはそのまま一瞥もくれることなく僕たちの前から去って行ったのであった。
「話があるのなら、それはまた新学期にでも聞いてやるさ。な、健二君」
去り際に、そんな言葉を残して――――
「行っちゃった……」
「健二君。あたしら、またあの人に助けられたね……」
「ああ……」
その凛々しい背中を円香さんと一緒に見えなくなるまで見届ける。結局彼が誰なのかはハッキリ分からなかったけど、僕と円香さんは既に確信していた。
いつも僕たちの窮地を救ってくれる赤き衣装の麗人が、僕たちのよく知っている人であることを……
「さて。問題は解決したんだし、次はパズルゲームでも……」
「あ、健二君。その前に……」
気を取り直して次のゲームをしようとしていた僕だったが、円香さんに両手で制止される。
「どうしたの? なんか前屈みになってるみたいだけど」
「そ、それがね……」
すると、円香さんはやや恥ずかしそうにうつむくと、小声で僕にこう告げたのであった。
「さっき肥君の顔を見た辺りから、ずっとお腹が痛うてさ……」
ゲームセンターのトイレは男女共用で、段差型の和式便所が一つだけポツンと構えている完全個室型だった。
「あ~~……あの顔にあの性格とか、マジ厳しいわ」
肥のことを思い出しているのか、円香さんがそんなことを口にしながら便器に屈んで即座に脱糞を始める。
ムリムリメリリッ……ムリュッ、ムリュリュッ! メリメリッ! ブッ、ブピピッ、ブブブブブッ!!
円香さんの美尻からひり出された今日のウンチはやや緩めで、放屁を交えながら健康的な臭さをしっかりと放っていた。
「はぁ……」
プシャァァァァァァァ…………プッ、プスゥ~~……
一通りひり終えた円香さんが放尿をしながら、なおもすかし気味にオナラをする。
「……」
トイレの中は消臭剤で適度な芳香が保たれていたものの、円香さんの排泄でいとも簡単に悪臭漂う空間へと変えられてしまっていた。
「臭いよね、やっぱり」
「当たり前じゃろ。あたしのウンチが臭くて何か問題あるん?」
先ほどの一件が尾を引いているのか、円香さんはどこか不機嫌そうだった。
――そりゃあゲーセンに来てまであんな光景に出くわせば、誰だって気分が悪くなるよな…………
僕は一つため息を吐くと、便器に屈む円香さんを背中から抱きしめてあげた。
「……健二君。もっこりチンポが背中に当たっちょるんじゃけど」
「ごめん。でも、僕はこうしたかったんだ」
便臭漂うトイレの中で、僕たちは体を寄せ合いながら沈黙する。
『…………』
そうしているうちに、心に沈殿していたえも言えぬ不快感が洗い流されていく。
気が付けば、臭いはずのトイレの中がとても快適な空間のように思えている僕たちがいた。
「……次は約束して、一緒に来ようね」
「……そうじゃね」
僕はペーパーを引き抜くと、勃起させたまま円香さんのお尻を愛撫するかのように優しく拭いた。
それは、どんな脱衣ゲームでも絶対に見られることのない最高のサービスシーンだった。
第48話(弐) さらば愛しき小売店
「へ……閉店?」
ある木曜日の夕方。ふらりと立ち寄った行きつけのスーパー『セントラル・フーズ』の入り口に付いていた貼り紙には、こんなことが書かれていた。
お客様各位へ――まことに恐縮ながら当セントラル・フーズは8月20日をもって閉店することとなりました。(中略)37年間にわたるご愛顧、心より感謝いたします。
突如として目の前に現れた寝耳に水の大ニュースに思わず言葉を失ってしまう。まさか、僕自身も幾度となく世話になっていたスーパーがこんな形で終わりを迎えてしまうとは。
「…………」
しかも、8月20日というのは紛れもなく本日なのである。
――今日は買い物したらすぐに帰るつもりだったんだけど、そういうことならば…………
僕は気持ちを切り替えると、決意を新たに店内へと足を踏み入れたのであった――
「いらっしゃいませ~~」
中に入った僕を出迎えてくれたのは、無駄に冷たい冷房と無駄にしわがれた中年女性の気の抜けた挨拶だった。
――なるほど、もう稼働しているレジは1台だけなのか……
周囲を見渡すと売り物はほとんど残っておらず、店内は既にもぬけの殻となる一歩手前の状態となっていた。
「……」
そんな中で僕はこの店に通う最大の楽しみである若い女性店員の姿を探す。流石に閉店前のスーパーで最後まで働いているとは考え難いものの、運が良ければあるいは――
――あっ……!
アンテナを張り巡らせつつ店内を練り歩いていた僕は、下着売り場の陳列でお目当ての存在を発見する。
――いたよいたよ、しかも二人とも……!
そこにいたのは、この店に存在する数少ない若い女性店員――中山里美ちゃんと瀬野明美ちゃんだった。
「ねぇ瀬野さん、どうせもう全品半額なんじゃけえパンティでも買って帰ろうや」
「そうですねー……でも、ここってTバックしか売っちょらんけえあんまり買う気がせんのんです」
モップを脇に置いたまま、何やら真剣な眼差しでTバックの下着を手に取りながら眺めている。
――つまり、清掃の途中で買い物のご相談ってわけね…………
僕は死角に身を潜めると、耳をそばだてながら彼女たちのガールズトークに耳を傾けていた。
「ね、買おうや? 瀬野さんのお尻じゃったらTバックを穿いたら大抵の男の子はチンポ勃たしてくれると思うよ?」
「ああ、別に男の人のチンポを勃たせようとかそんなことは思っとらんのんで……」
Tバックを勧めてくる里美ちゃんとそれを拒絶する明美ちゃん。構図としてはそんな感じになっていた。
――明美ちゃんも穿けば良いのにな、Tバック……
ふと、彼女たちのTバック姿を思い浮かべながら股間に熱がこもってくる。
――いっそのこと、Tバックを穿いた明美ちゃんの巨尻と里美ちゃんの隠れ巨尻で僕を挟み撃ちにでもしてくれれば……!
そして、僕があらぬ妄想で股間を極限までたぎらせていたその時だった。
「ねえ、健二君も瀬野さんがTバックのパンティを穿いてくれた方が嬉しいじゃろ?」
「当たり前だろ。褌かTバックでもない限り、瀬野さんに似合う下着なんて……」
里美ちゃんに声をかけられて、反射的に死角から持論を展開してしまう。
「あっ……」
「やっぱり健二君、そこにおったんじゃね!」
僕は思わず口に手を添えるも、それは手遅れだった。
「エッチ、エッチ、エッチ!」
ギュム!
里美ちゃんにズカズカと詰め寄られ、僕は屹立していたペニスをしっかりと握られる。
「こんなにチンポ勃たして何考えとったん!?」
「いや、その……Tバック姿の里美ちゃんと瀬野さんが、両脇から僕の顔をお尻プレスしているところ……とか」
ごまかしようがないと半ば観念した僕は、里美ちゃんの追及に正直に答えてしまう。
「やらし~~……どう思う、瀬野さん?」
里美ちゃんがいつの間にか僕の背後を取っていた明美ちゃんに話を振る。
「ああ、限界点を余裕で突破しちょるぐらいエッチだと思いますこの人」
明美ちゃんが握られたままの僕のペニスを見ながら実に的を射た見解を示す。だけど、そんな中でも僕のペニスはビクビクと反応を続けていた。
「あっ、健二君のチンポがうちの手の中で動きよる……どうする、瀬野さん?」
「そうですねー……こういうチンポは私たちで処理する必要があると思います」
「じゃろ? うちもそう思うとったんよ」
どういうわけだか僕の目の前で勝手に話が進められる。
「あの、ちょっと……」
「健二君。ちょっとうちらに付き合ってもらうよ」
気が付けば、僕は彼女たちに連行される形で店の奥へと連れ込まれていたのであった――――
店の奥――裏手にあるトイレの個室(和式)に連れ込まれた僕は、両端から中腰の彼女たちに勃起したペニスを凝視されていた。
「おっきいね。でも、ズボン越しじゃあ物足りんけえ早うチンポ出してや」
「ああ、私も健二さんのチンポなら見てみたいけえお願いします」
里美ちゃんと明美ちゃんが、息がかかるほどの距離まで僕のペニスに顔を近づけながらそんなことを言ってくる。
「……でも、見るだけで終わらせるつもりはないんでしょ?」
「当たり前じゃろ? うちらのトイレ何回も覗いといて何言うとるん?」
「同感です。健二さんは私たちの尻を見たおわびとして、私たちにチンポをなめられる必要があると思います」
僕は野暮な質問を試みたものの、返って来たのは予想通りの答えだった。
――ここらで僕も焼きが回っちゃったかな……
観念した僕は大きくため息を吐くと、ズボンのチャックを外してその中からパンツをずり下ろし、彼女たちの切望する『生チン』を露にした。
「ははは、どうだいこの膨れ具合? 君たちのことを考えていると、四六時中勃ちっぱなしでパンツが破れそうなぐらいだよ」
「あ~~……健二君、やっぱりエッチじゃ~~……でも」
里美ちゃんが僕の性欲をなじりながらも左側からペニスに舌を這わせてくる。
「……じゃあ、私もたっぷりお返しさせてもらいます」
すると、それに便乗するかのように明美ちゃんが右側からペニスをなめ出したのである。
チュプッ、チュプツ、チュププッ…………
「うっ……」
竿だけでなく、玉にまで伝わってくる舌の感触が気持ち良くて思わず声が出てしまう。だが、彼女たちの本番はここからだった。
「ねえ、健二君のチンポを口の中まで入れちゃろうや」
「ああ、はい」
ジュプッ、ジュプッ! ジュプププ!!
里美ちゃんと明美ちゃんが交互に玉と竿を口の中へと突っ込みながらレロレロとなめ回す。その速度は速過ぎず遅過ぎず、実に良いスピードで僕のペニスを刺激する。
「い、いいよこの感触……こんなにされたら、僕……!」
僕はあまりの快感に絶頂への到達を余儀なくされると、彼女たちが両脇から竿の先端をなめ回しているところで盛大に沸き立つ思いを爆発させたのであった。
ビュルッ、ビュルルッ! ビュルビュルビュルッ!! ビュクッ、ビュクッ!!
僕のペニスから解き放たれた濁液が、里美ちゃんと明美ちゃんの顔面や上着へと降り注がれる。それはまるで、幾度となく彼女たちのトイレを覗き続けた僕が搾り取られた『代償』のようだった。
「あは☆ 健二君のチンポ汁って相変わらず変な臭いがするね。うちらまでエッチな気分になりそうじゃわ」
「何だよ、エッチなのはお互い様じゃないか……ね、瀬野さん」
「ああ、確かに私も中山さんも健二さんには格段劣るけど、エッチなのは一緒だと思います」
なおも先端からこぼれ続けていた汁をペーパーで拭きながら、僕は自分の精液を指ですくって吟味している里美ちゃんと明美ちゃんを見つめる。残念ながら、今日を過ぎてしまえば彼女たちとは会えなくなってしまうのだ。
「……君たちがどこに行くのか知らないけど、僕はずっと応援しているよ」
「ありがとう。うちも健二君の幸せを願っちょるけえね」
「ああ、私も林葉さんの幸せを願わせてもらいます……」
僕は込み上げてくる熱い気持ちに心を委ねると、彼女たちと抱擁を交わし合いながら何度となくキスをした。
その甘やかな感触を永遠に忘れまいと心に誓いながら…………
トイレから出た僕は、缶のアイスココアを1本買ってから店を後にした。言うなればこれがセントラル・フーズでの最後の買い物だった。
「…………」
道すがら、今なお残る股間のぬくもりに心を弾ませる。
それは、時間にすれば十数分程度のものだったのだろうけど、僕にとっては間違いなく永遠に値する最高の一時に他ならなかったのである。
――里美ちゃん、明美ちゃん……いつかまた、君たちと会うことが出来たなら、その時は………………
甘い妄想に浸りつつ、缶を開けてココアを一気に飲んでやる。
――でも、今はさようなら。そして、ありがとう……
僕は空き缶を近くのくずかごに投げ捨てると、心の中でそっと別れと感謝の言葉を伝えておいた。
里美ちゃんと明美ちゃん。そして、彼女たちの存在によって僕の中でウ〇ルマートをも超える優良スーパーと化していた、セントラル・フーズに向けて――――