「白雪と羽川翼眼鏡なしバージョンとイリナのトリプルパイズリフェラを頼む」
って、匠からリクエストを言い渡された。はぁ?この前のが出来ていないのに…トリプルって、ハードルが高くなっていないか?
「ダブルがまだなのに…」
「お前の妄想力に掛かっている。頼むぞ♪」
って、僕の前から去って行く匠…
朱美の家に向かう。呼び鈴を鳴らすと、朱美が出て来た。
「えっ?どうしたの…」
「匠から、更なるお題を出されたんだよ~」
朱美の胸に抱きつく。
「えっ…ここでかぁ?う~ん、友達が来ているんだけど…」
「アニヲタ?」
顔を上げる僕。頷く朱美。
「相談に乗ってくれるかな?」
「どうだろうな…まぁ、入りなよ」
入室を許可された。朱美の家に入る僕。奥の部屋に、かわいい女の子が座っていた。
「朱美の彼女?」
「あのな…私も女の子だぞ!」
あぁ、そうだった、そうだった。
「朱美って、そっち系なのか?」
「私はノーマルだ」
怒っている。どうしたんだ?座っている女の子が、僕と朱美のヤリトリを笑って見ている。
「朱美と仲がいいんですね」
「マブダチですから♪」
「マブダチ言うな!彼女と言えないのか?」
「この前、女性だと認識したばかりなのに?」
「それがおかしいだろう?幼稚園から一緒の幼なじみだぞ!」
はっとした女の子。何に気づいたんだ?
「まったく、お前らは…」
お前ら?僕と女の子を1つの括りにした朱美。何でだ?
「まさか…ねぇ、朱美…」
不安そうな女の子。
「なぁ、彼女の名前は夏美って言うんだよ。資料にするか?亜樹♪」
朱美からの提案。それは資料は多い方が良いけど。女の子は怯えているぞ。
「怯えている子を資料には出来無い。それよりさぁ、白雪と羽川翼眼鏡なしバージョンとイリナのトリプルパイズリフェラって、匠が言うんだよ。どうすれば良いんだ?」
僕は僕の悩みを朱美に相談した。
「はぁ?なんだ、それは…匠は溜まりすぎだろう。羽川翼の眼鏡の有無で胸の大きさも形も変わらないのに」
「でもさぁ、眼鏡が有ると曇るってことは無いのか?」
「う~ん、実験しないとダメだな。って、ことで、夏美と亜樹で実験をしてみろよ♪」
怯えている彼女と?
「怯えている子と実験は無理だ。朱美と彼女でしてくれ。僕は資料を作るから」
「あの…亜樹…さん…姓は何て言うんですか?」
怯えている子に質問をされた。
「僕の名前は鳥井亜樹、小説家志望だ♪」
「朱美…ちょっと…」
朱美に何かを言いたげな怯えた子。
「言いたい事は分かる。その答えはイエスだ。だから、協力をしてくれないかな?」
怯えた子は朱美に頷く。
「彼女、夏美はモデラーなんだ。だぶん、役立つぞ」
って、朱美が自信有りげに言う。そこまで言うなら、そうなんだろう。
「で、さぁ、白雪姫と羽川翼はいいとして、イリナって?」
「たぶん、ハイスクールD×Dの紫藤イリナだろうな。白雪姫も羽川翼も巨乳系だし」
そうなのか。巨乳系が三名でパイズリフェラ?どんだけ、男根が大きくないといけないのだ?
「なぁ、朱美、設定資料は有るか?」
朱美が資料を出してくれた。白雪姫の資料が無いので、羽川翼眼鏡有りバージョンで代用をする。
「結構デカイ男根で無いと無理だろ?
「う~ん…まぁ、そうだな。三名の胸の谷間でホールドするとなると…」
「ねぇ、モデラーとしてどうなのかな?」
夏美って子に意見を求めた。
「え…えぇっと…そうですね。大きくないと…三人同時に口に…きゃぁっ!」
顔を真っ赤に染めて俯いてしまった。真面に想像したみたいだ。
「ねぇ、モデリング出来る?こういう状況って?」
モデラーとしての腕を見込んで、ダメ元で頼んでみる。
「え…やってみます…」
真っ赤な顔で俯いたまま、返事をくれた夏美。
「で、たぶん、主人公の匠は人間では無理だろ?」
「いや、ランスならいけるんじゃないかな?」
ランスとは、アリスソフトから発売されていたゲーム『鬼畜王ランス』の主人公である。女性を自分の下僕のように扱う正義のヒーローだ。
「じゃ、主人公の匠の設定はランスのようにするか。問題は、他の作品から1ずつって、どんなシチュエーションにすれば良いかだな」
「う~ん…」
朱美も悩み始めた。夏美が真っ赤な顔、上目遣いで、僕を見つめていた。
「何か、僕の顔に付いているか、描いてあるかな?」
「いえ…そんなことでは…あの…」
何かを訊きたそうだ。何をだ?
「あぁ、まったく、お前らは…はぁ~」
朱美が溜息を吐いている。何でだ?また一括りにされたけど、何でだ?はて?
「なぁ、亜樹…夏美を見て、何か感じ無いか?」
朱美が妙なことを訊く。
「うん?かわいい女の子だなって」
僕の言葉を聞いて、更に赤くなる夏美。
「それだけか?」
まだ、何かあるのか?
「一緒に寝たい…とか?」
耳まで真っ赤になる夏美。どうしたんだ?
「亜樹、お前は重症だな。お前はクズだ!」
「そうかもしれない。家族にポイ捨てされたし。クズで上等だよ」
「そんなこと無いよ!」
夏美が急に大きな声を上げた。
「お兄ちゃんは悪くない。クズじゃない…あっ!」
はぁ?お兄ちゃん?僕が?はて…えっ…おい…まさか…夏美って…
「はぁ~、やっと気づいたのか?亜樹」
言葉が出ない。遠い昔に逢ったきりの妹…
「夏美もさぁ、亜樹の事が好きなんだろ。素直になれよ♪」
僕の事が好き?有り得ない。僕はあの姉妹に嫌われて…
「こいつ、恋愛とか異性に鈍感だからさぁ」
まぁ、鈍感というか経験が無いだけだ。
「朱美…お兄ちゃんを虐めないで…」
妹?実感が無い。こんなにかわいい妹がいるなんて…ショックが大きすぎる…
「亜樹の妹なら、将来の私の妹になるんだし♪」
「え?なんで?」
夏美が朱美の発言に疑問を呈した。
「だって、亜樹の彼女は私だよ♪」
「今は、でしょ?」
「え…」
妹の反撃を受けて、言葉を失う朱美。そう、あの姉妹は言葉がクリティカルな切れ味だ。幼い僕の心を破壊する言霊を有していた。
「先の事は未定よ!だって、私、お兄ちゃんと血が繋がっていないもん♪」
「え…三つ子で無いのか?」
夏美のドロップアウトで、朱美にダメージが与えられた。
「違うよ~たまたま、誕生日が一緒だっただけ♪」
そう、たまたま誕生日が一緒だっただけで、三つ子扱いされてしまった僕達。姉と夏美は二卵性双生児で有るが、僕は別の父母から産まれたのだ。
「え…それは…でも…亜樹とは結ばれたぞ♪」
「ダウト!僕のが役立たなくて、まだ入れていない」
そう、朱美から許可が出たのだが、僕のは準備ができていなかった。僕は自慰行為って言う物を知らなかったのだ。なので、どうすれば、準備が出来るのかを知らなかったというか…
「えっ…未遂なの…ねぇ、お兄ちゃん…私と…」
朱美が睨んでいる。修羅場とはこういうことなのだろうか?修羅場ではなく、お題を解決したいんだけど…
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で、舞台は僕の部屋に移った。夏美が来るのはいいとして、住所は同じで同じ敷地内に住んでいるのだから。で、何故か、朱美もいる。
「亜樹、この際だ。どっちを正妻、どっちを愛人にするんだ?」
朱美が切り出した。中三で決断しろとい言うのか?まだ、女性という物を良くわかっていない僕に、選択を迫るのは間違っていないか?
「お兄ちゃん…悪かったよ。ごめんなさい…」
迫る幼なじみ、謝る妹。う~ん、妹かな♪
「それよりもさぁ、匠の難題を解決したいんだけど…」
話題を戻す僕。これを解決して、バイトに戻りたいのだ。休み時間事に匠がやって来る。ウザい。弁当だってゆっくり喰いたいのに…アイツが…
「あぁ、そうだったな。すまん」
朱美が謝ってきた。そこで週末、ここに集合にした。それまでに僕が、大体の設定を練る。朱美は資料を漁る。で、夏美は、参考になるモデルを作ってくることになった。
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二人が帰って、僕は仕事部屋に籠もる。バイトが遅れているのだ。次回作のトリックはどうするかな?まるで浮かばない。次回作は、違うジャンルに逃げるかな?
タブレットから着信音がした。挿絵を担当してくれている、イラストレーターのオータンからだった。
『栗井先生、調子はどうですか?』
栗井先生と呼ばれている僕。まぁ、本名は出していないから。
『難題が山積みだよorz』
返信をした。暫くするとまた着信音がした。
『次回作で、悩んでいるのかな?』
ビンゴだよ。中三では限界だと思う。
『そうです。ジャンルを変えるか、悩んでいます』
と、送信した。年齢不詳で通しているので、生活感が出ないように、返信には気を遣う。
『ジャンル変え?(^^;?』
あぁ、意外だったのかな。独自のトリックの三つ目なんか、閃かない。二つ目自体が奇跡に近いと思う。
『例えば、知らない男女が出逢い恋に落ちるも、実は姉弟だったとか…』
『有りそうな話よね』
有りそうなのか…刑事が犯人を捕まえてみたら彼女だったとか…それじゃ、キャッツアイだよな。う~ん、人間関係でのトリックは無理かぁ。
『独自のトリックなんか、なかなか閃かないよ(><;』
心の叫びを文字にしてみた。ふと、オータンのイラストが頭に浮かぶ。海辺でハンドシェークしているだけのイラスト。肘から先は無い、腕だけのハンドシェーク。腕の太さの違いなどから、男女のハンドシェークだとわかる。なぜか、そのイラストが浮かんだ。
オータンのイラストは好きだ。僕の作品の挿絵は渋めなのだが、彼女のホームページで公開しているイラストは、ホノボノ有り、エロさを感じるの有り、様々である。
『たまには気分転換しない?』
『どうやって?』
『実際に逢いたい…栗井先生に(^^)』
って、言われてもなぁ…僕は年齢も本名も公開していない。担当編集者と編集長しか知らないのだ。
『ごめん…逢えないよ』
『そうだったわね…残念orz』
そんなたわいのない会話が、僕の心を癒やしてくれる。もう少しがんばってみるかな。
『いつか会えるといいね♪』
と返信した。高校を卒業したら、個人情報の一部を公開するかもしれない。編集さん次第だけど。
その日、もう着信音が鳴ることは無かった。