※この作品はR-18です。

魔獣と聖女   作:呉のしいたけ

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色々な書き方をぶちこんだ結果がこれだよ!
ホモの欲張りセット並み。
短いけど最初の凌辱の描写がいやーきつかったっす……。


狩人にして魔獣

 

 

 

 

 サーヴァントと契約を結んだマスターが、その英霊の記憶を垣間見るというのは稀にある事象だと聞く。確率こそ高くないが有り得るらしい。

 だがしかし、マスターではない私があの女の夢を見ることになろうとは。繋がりがあるとすれば肉体関係ぐらいなものだろうに。……いや、そうか。だからこそ通じたのか。

 聖処女ジャンヌ・ダルクに刻まれた凌辱の記憶。

 心底穢らわしい夢だと思ったよ。

                              

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ロクに手入れもされていない小汚い牢屋。

 精液と汗が混じり入ったすえた臭い。

 金髪に青水色の瞳を持つジャンヌ・ダルクを複数の男たちが代わる代わる犯していた。

 聖女の両手は天井から吊り下げられた鉄枷によって後ろ手に拘束されており、一人の男が臀部を贅沢に掴みながらナカを陰茎で突き回し、もう一人の男が小さな口に無理矢理含ませて腰を遣っている。

 

「魔女がっ魔女がっ。でかいケツ振って中締め付けて誘いやがるっ」

「あ゛ぐ゛っ、おごっグブっ、あ゛っん゛っん゛っ、あ゛う゛っん゛お゛っ」

「おいおいおいおい。舌も頬も使えって言ってるだろうが、アァ? ちんたらしてんじゃねえぞ。息できなくなってもやめねえからな」

「好きなだけヤっていいが死なせるなよ。重要な使い道があるのだからな」

「ははは、違いないなっ。けど火炙りにするのはっ、惜しくなってきたなっ?」

「あ゛っ、あ゛っ、ぐうっ、はお゛っ、むぶっう゛ぐ゛っ、んうぅぅぅ……っ!」

「あーきたきたっ、精子あがって来たぞぉ元聖女様っ。もうすぐまた出してやるからなァ! しっかり全部大切に受け止めろよッ!?」

「こっちもだっ。吐き出したりでもしたらぶん殴るぞッ。わかってんだろうな!!」

「ん゛む゛ぅっ!? ガボッ、オ゛っ、ア゛ウ゛ッ、ウ゛ッ、ウ゛ッ!」

「おらイケっイケっイケっ、俺と一緒にイケよジャンヌ・ダルクぅぅぅぅ‼」

「くそったれ限界だっ……喉の奥に出してやっから、ちゃんと飲み込めよっ!」

「う゛う゛ぅぅぅあう゛っ! っっ! っ、っ! ア゛ッア゛ア゛ア゛ッ! ~~~~!!!!」 

 

 三つ編みを引っ張られた聖女の子宮と口に精液がブチ撒けられた。果たしてこれで何度目であったか。いちいち数えていないが両手の指の数はとっくに超えているだろう。

 二人の男は罵倒と軽口をたたきながら一度離れ、男根を勃起させた男たちの中より、次の番となっていた二人がゆっくり近づく。無論、下卑た笑みを貼り付けて……ジャンヌ・ダルクは一瞥すると、諦めたように言葉もなく項垂れる。その視線の先の床では、秘裂からゴボゴボと溢れかえった精液が水溜まりを形成していた。

 男たち曰くこれは異端審問らしいが、やっているコトはただの輪姦だ。通すべき正義も神への信仰もあったものではない。この部屋にあるのは上辺だけの復讐心と下種の欲望である。

 醜い。あまりにも醜い。何とも浅ましい。これでは獣同士の交尾の方がまだ品性があった。いや、獣は子を育むことを考えれば比べるのも汚らしい。こいつらは自分たちの欲望をジャンヌ・ダルクに吐き出しているだけだ。受胎、妊娠のことなど微塵も気に掛けていない。

 己を正当化しようというワケではないが、獣(私)との交わりの方がマシであろう。

 

「しかし存外に……気に喰わないものだ」

 

 配慮のないピストン運動がジャンヌ・ダルクを揺さぶる……再度始まったコトを見届けながら、牢屋の外の壁に背を預けるアタランテは毒づく。両腕を組んだ彼女は苛立ちを隠そうともしなかった。獅子の耳も尾も不機嫌さを体現するように揺れている。

 これがジャンヌ・ダルクの記憶から構成された夢でなければ、干渉できる現実であるのなら、鉄格子を引き裂き、男共を一人残らず八つ裂きにしていたところだ。己と子供たちが見定めた雌(女)を知りもしない輩たちの慰み者にされては、機嫌を損なうのが当たり前だった。

 一つ溜飲を下げられる事と言えば、ジャンヌ・ダルクの反応の仕方だ。

 

「苦しそうだな」

 

 最初から今この瞬間に至るまで聖女は悲しみ、苦しんでいるだけだった。少しも気持ちよさそうではなかった。肉体は防衛本能で濡れているだけ、精神の砦はまったく揺るいでいない。何故それが分かるのかと訊かれれば、私が犯している時と異なるからだとアタランテは答える。

 聖女ジャンヌ・ダルクを堕とし、子供たちの善き聖母/母親とする事を目論む彼女は、己に屈服するような交尾をしていた。優しさなどなく合理的な判断の元に追い詰める。

 猛毒は常套手段。火照る聖女の躰を鳥の如く入念に観察し、蛇の如く執拗に狙い、獅子の如き強さで蹂躙し――自分は雌でこの雄には敵わないのだと分からせる。

 

「貴様等は知らぬのだろうな。その女がどんな顔で、どんな風に喘ぎ、情事を求めるかなど」

 

 色欲に染まった時の瞳の蕩け具合、力強く抱擁した際の恍惚とした吐息、小鳥のように接吻をせがむ唇。

 後背位で犯している最中の嬌声の高さと、唾液を飛ばしながら紡がれる言葉の淫らさ。

 

「……目覚め時か」

 

 既に情報は得られた。

 ここでこの記憶/夢を視る意味はもう失われている。長居する理由など存在しない。

 利用させてもらおう――そう言ったアタランテの姿は次の瞬間には消えていた。

 そうして時間と場面は、聖女と魔獣が向き合うところまで流れ移ろい…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アタランテ、話があります」

 

 固い決意に輝く紫水晶の瞳。

 どうしようもなくココロを興奮させる。生殖本能を刺激し、股座をいきり立たせる。

 ジャンヌ・ダルクを、羽毛のように柔らかい寝所に押し倒した緑色の獣は首を傾げた。それは猛禽の仕草によく似ている。じっと見つめる二つの黄緑の眼。狩人のそれであった。

 アタランテは短い思案のあと、

 

「言ってみろ」

「……今後一切、レティシアには手を出さないでください。彼女は無関係の人間です。友人と家族の元。本来あるべき場所に帰すつもりがないのなら、せめて、安らかに過ごさせてあげてください」

 

 藁にも縋る思い。何一つ護り切れなかった聖女は魔獣に救いを求める。

 少女を含めて更なる窮地に陥ることも予見できないまま。

 聖杯大戦に敗れ、気を遣られる凌辱の日々が重ねられた。この抗うことも死ぬことも赦されない絶望的な状況が、ジャンヌ・ダルクの思考力を低下させているのは明らかだった。

 実に好ましい変化だ。

 

「……全ての情事は私が引き受けます。貴女の憎悪も子供たちの怨嗟も私が」

「こちらからは求めない。だが、汝が求めれば何時でも応じるぞ?」意味深な発言。ジャンヌ・ダルク/レティシアの胸部を厭らしく撫でる指先。「条件はこれのみだ」

「そんなことには決してさせません」

「決めるのは貴様ではない。そもそもレティシアを巻き込んだのは貴様であろうが」

 

 

 ――――話は終わりだ。

 

 

 アタランテの尻尾がサイドテーブルに置いてあった小瓶を取り、栓を引き抜き手渡す。飲めという風に顎をしゃくられ、私は諦めの面持ちと心情で飲んだ。透き通った紫色の液体の味は葡萄酒に似ていた。正直に言えば不味くはない。だがこれはアッシリアの女帝が生成した〝毒〟であり、その悪辣なる効能はすぐさま表面化してきた。過去に、生前に飲まされたどんな媚薬よりも酷いと思う。異端審問の者たちが用意した物は真水だったのではと疑うほど。

 自我崩壊が起きない程度に霊基を歪まされる感覚……ジャンヌ・ダルクという英霊の骨子が捻じれ軋む。ココロもカラダも全てが熱くなっていく。心臓が早鐘を打ち、呼吸は犬みたいに忙しい。首筋に浮き出た汗を舐めとられた。アタランテの舌は少しザラついていて、なんだかゾクリとさせられる。首を反らしたけれど、避けるためなのか、ねだるためなのか判然としない。

 処女膜を破られた初夜もそうだったが、アタランテの前戯は想像していたよりもずっと丁寧なものだった。砕けて言えば優しかった。でもそれはジャンヌ・ダルク(私)を母親にさせる狙いがあるから。水子の怨霊の集合体の〝子供たち〟を安心して確実に孕ませるためにも、アタランテは私の中の雌を目覚めさせようとする。

 彼女のその目論見は順調だと認めざるを得なかった。堕とすとなれば生前の凌辱のイメージしか湧かない私にとって、アタランテの繊細な触り方は予想外過ぎたらしい。分かってはいても流される。魔力で編まれた衣装を解くように言われて全裸になる……こんな簡単に従順になるような女ではないのに……露出したおっぱいを揉まれると乳首が硬くなり、臍の緒を押されると真下にある子宮が反応して、秘所がしとどに濡れ始めるのを感じた。ザラついた舌に舐められたら思わずのけ反ってしまった。

 

「ぁ、ぁ……ぁっ……っぅ」

 

 だが、どんなに穏やかでも唇を奪われることに嫌悪感はあった。頭が回らなくなっていても両手は肩を押して拒絶した。けれど耐えられる時間は交配が増えるごとに短くなって、今はもう数えるのが怖い。……二十に届くか届かないかの境目、私の両手は添えるようなカタチに移動していた。私がそうなるとアタランテの接吻は深くなる。舌を口の中に伸ばしてくるのだ。小鳥のキスから蛇のキス。お互いに口を開いて唇を重ね合いながら舌先を絡める。

 私にアタランテが覆い被さっている体勢だから、飲み込む唾液の量は自然と私のほうが多くなった。仄かな林檎の匂いと味。禁断の果実の甘み。快楽と耽溺。こんなにも優しいのに心地よくなれる交わり方があるなんて知らなかった。恥ずかしいと感じているのに耽ってしまう魅力があった。英霊としての強靭な身体機能に任せて長く長く続けていたら、アタランテに離された。彼女の顔が遠のき、そこでやっと己の身体が酸素を求めていたことに気付いて吸い込む。

 きれいな黄緑の瞳に映るジャンヌ・ダルクの頬は紅潮していて、色欲に蕩けた目尻は猫みたいに下がっている。ここまでくるともう私の両手はアタランテの首の後ろや後頭部にいき、甘えるように自分からディープキスを求める始末だった。

 

「仮にも聖女と呼ばれる女がこの体たらくとは」蔑む視線は研ぎ澄まされた鏃も同然の鋭さ。心に突き刺さる。このケモノは行為に優しさはあっても発言にはない。「聞こえていないのか?」

 

 だから閉じる。耳にしたくない言葉を吐く口なんて閉じてしまえばいい。

 私をこんな風にした貴女に言われたくなんてない。

 

「ぅんん……あむ、ちゅ……はぷ……はぁむ……」

 

 重なる唇と結ばれる舌。情熱的な接吻。私の身体は汗にまみれていた。

 アタランテも熱くなってきたらしく裸になる。自然の中で育った女狩人の躰は鍛えられているが細身だ。強靭かつしなやかな筋肉を無駄なく身に備えた肢体だから。贅肉なんて少しも見受けられない。若々しい活力に満ち足りた一つの完成された肉体美である。

 けれど一部分。腹部にまで反りあがっている雄の象徴だけは明らかな異常だった。異様にもほどがあった。

 だって男性器が女の股間に生えているのですから。それも並みの大きさではないでしょう。少なくとも、生前の凌辱の最中で目の当たりにしたどの男のモノよりも雄々しい。アタランテの欲望に従って隆起し、鈴口を広げたソレは腺液を水滴のように溜めては零していた。鼻をつく匂いに身震いする。口の中で一気に増えだした唾を飲みこむ。

 大事なところを隠そうと両脚を閉じたのに、あっけなく開かれて間に入られた。英霊同士ではなく雄と雌の力の差を見せつけられた気分だった。私が雌でアタランテが雄。この関係性が入れ替わることはきっとない。

 私の口の中に入れ、私の唾液をまぶしたアタランテの指が、陰裂に触れる。ちゃんと濡れているかの確認だろう。人差し指と中指が浅く膣に入ってきて腰を浮かせてしまう。

 

「挿入れるぞ」

「…………はい」

 

 下手に逆らえばレティシアが危ない、かといって娼婦みたいに振る舞うなんて絶対できない。私には、ジャンヌ・ダルクには超えてはならない一線がある。

 断続的に震えて跳ねるペニスの先端がクレバスを割り開き、じっくり時間をかけて侵入してくる間、ずっと目を閉じていた。見えなくなることで感覚は敏感になったが、アタランテの眼差しと直面するよりかは耐えられる。

 

 膣道を押し広げる逸物の力強い存在感。苦しくはないけれど息が詰まりそう。子宮口に亀頭が届くと熱っぽい溜め息を吐く。身体が弛緩したそのときを狙われ、まだ全部入っていないだろうと言われて根元まで捻じ込められた。結合部から溢れる愛液。瞼の裏でなにかが光った。

 私は子宮を持ち上げられて達してしまっていた。

 

「あっ……」

 

 組んだ両手を握りしめても、歯を食いしばっても遅い。軽くであろうと一度イってしまったものは隠しきれない。

 

「フッ……ンッ、アッ……」

 

 アタランテに哂われる自分の全てが情けなかった。思ったことも誓ったことも守れず、いとも簡単に流される脆弱さが恨めしい。こんな筈じゃなかったのに……ああ、私はあと何度この言葉を思わされるのでしょうか。

 愛してもいなければ好きでもない獣が動きはじめる。濡れそぼった膣内を味わうかのようなスローペース。獣の逸物による快楽を知ってしまった膣は素直で従順だった。自ら進んで奉仕をしてしまう。我が物顔で占領してくるのにどうして気持ちよくなるの……? 心の底から戸惑い、しかしその苦悩も次第に溶かされる。なんで……こんな容易く……。

 祈りのかたちを模っていた両手をアタランテは解く。胸を強く押さえつけていたようで呼吸が楽になった。

 

「これを傷めるな」

 

 アタランテが乳房を二つとも揉みしだきながら言う。

 労わるようだけれど彼女の目的を知り、更には対象である身としては到底感謝できなかった。

 

「あ、貴女は本気で私を妊娠させるつもりなのですか……?」

「そうだな。だが、孕ませるだけではないぞ」

 

 悪しき欲望を抱いた新緑の瞳が怪しく光る。

 

「子供たちの良く善き母親になってもらう」

 

 心身が粟立つ。

 

「そのために汝を堕とす。私の女にし、私という獣の番いにする。完全に屈服するまで犯し続けてやる。……狩人であり、今や獣ともなった私から逃げられるなどと夢見るなよ」

 

 狂気じみた愛情を唱えたアタランテが本腰を入れる。抱きしめられた私はどうすることもできず、段々激しくなっていく彼女の律動に打ち震えるばかりだった。

 

「くんゥっ、はふっひあッ、あっ、んっ、んっ、あっあっアっ」

 

 魔獣と化した狩人は容赦なく弱点を――感じやすい箇所に逸物を突き立てる。あるいは太いカリ首で抉り、肉傘の下に小さく細かくある粒々で擦る。ジクジクと火がついたように身体が熱い。特にあそこは炙られているみたいだった。熟れた子宮と膣道は痛みを感じていない。むしろ気持ちよくて、それが怖くて恐ろしい。このままだと睦言を口走ってしまいそうで。

 

 縋れるものを探しているとアタランテの顔が近づく。下半身の律動やおっぱいを撫で回す両手の動きは緩めず、彼女は薄い唇で私のそれを覆った。すぐさまディープキスになる。身体は必然的に密着し、上下の接合と大量の汗が、私たちの境界線を曖昧にしていった。

 両手は首の後ろ、両脚は腰回り……先ほどの接吻に近い体勢でアタランテを求めていた。これはもう無意識の反応なのだろう。身体がこういう風な交わり方を気に入ってしまったのだ。

 

「はっっ……あッ……ツッ……はぁ、はぁっ、ンアっ、あっあんっ、んくぅッ」

 

 私は、私自身は――――答えを見出す前にアタランテが繋がりを深く、強く、速くした。正常位のまま私のお尻を(鷹が獲物に対してそうするように)鷲掴み、逸物を思いっきり叩き込む。

 空気も入れないくらいみっちりと密着した膣壁を擦られ、いちじくみたいに赤黒い亀頭が子宮口をグリグリと刺激する。言語では表現できない性の快感。ジャンヌ・ダルクが開拓されていく。アタランテに抗う心を解体される。獣に孕まされることを望むように変質される。

 

 悲しみではなく喜びから生じた涙が頬を伝う。私はこの時この瞬間、間違いなくアタランテとの交配を求めていた。世界に映るのは彼女だけだったから。

 

「アタランテ……アタランテぇ、アタランテぇっ!」憎いヒトの名前を嬌声混じりに呼ぶ。叫ぶようだった。色づいた私を、盛った獣がより過激な腰遣いで追いたてる。捏ねて丸めたパン生地を叩くような音がする。それに愛液と腺液がぐちゃぐちゃに泡立つ淫猥な水音も。「もうだめ、ですっ。だ、射精すなら早く射精してください……アタランテ……ッ!」

 

 胸の内を燃え上がらせる情念が私たちを絡み合わせ、お互いの心臓の鼓動を間近に感じながら、高みへと昇っていく。ついにはアタランテとの絶頂を求めて私自身も腰を揺すり、逸物を淫らな肉壺で締め付けて、ぱんぱんになった亀頭を子宮口で銜える。

 やがて私たちはまったく同じ瞬間に最果へと至り、それぞれの絶頂を晒した。

 

「逝く、逝ってしまいっますっ……はッ、アッ、あっああ逝っくっううぅぅ!!!!」

 

 失神してしまわないよう必死の想いでアタランテに縋りつく。彼女は私の首筋に鼻先を埋めて甘噛みをしてきた。こんな状態(意識が沸騰しているような)でも逸物の存在は感じられる。ドクンドクンと脈動し、罪深き欲望の塊である精液を私の子宮に注ぎ込んでいた。

 獣の射精は長い。一分近くもあった。だから終わる頃には、私たちは抱擁しながら小鳥のキスを愉しんでいた。それはとても自然な流れで違和感はまるでなかった。

 

「あの男共よりかは随分マシであろう?」

 

 額と額を合わせてアタランテが言った。

 聞き逃せない言葉だったが、正常な思考力・判断力を欠如した私の反応は遅かった。

 

「…………まるで見てきたような口振りですね」

「好き好んで見たのではない。私は汝を憎悪するがアレには同情しよう」

「……彼等も貴女も変わりはありません……」

「私はあやつ等のように犯したりはしない。火炙りにもしない。先を見据えているからな」

「優しいのに酷いヒトなのですね……貴女は」

 

 返される言葉はなく、片手を想い人のように握られる。

 異端審問の男たちの凌辱をまったく気にしないでいられるほど、私は人間をやめていないつもりである。悲しみがあり苦しみがあり痛みがあった。……それだけしかなかったのです。

 ただただ独りよがりに犯してくるだけなら耐えられたのに。

 けれど、私まで心地よくされては看過するのが難しい。

 初めてそうしてくれた相手が獣同然のヒトだという運命の巡り合わせ。

 涙が流れ落ちるのも無理のないことですよね……? 少しぐらいいいですよね……?

 我が神、我が主よ……私はいまこそ救済してもらいたいのです。

 

 

 見て知ったというなら忘れさせてください――――愚かにも私はケダモノに希ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 ……そこから先のコトはあまりよく憶えていません。

 数えきれないくらいセックスを繰り返して、精液やら愛液やら汗やらでグチョグチョになった寝所を一旦離れ、アタランテにお風呂場へと連れ込まれました。

 部屋もそうですが、ここにも来るとセミラミスの空中庭園の空間的出鱈目さを思い知らされます――自然に囲われた大浴場を用意するなんて、彼女は意外と建築について凝り性なのでしょうか。

 アタランテに抱きかかえられた私は大きな岩風呂を通り過ぎ、浴場の片隅にて2メートルほどの高さから流れ落ちる〝うたせ湯〟……そこで汚れを落とされつつ、私の三つ編みはしゅるりと解かれました。

 

「……相変わらず、汝の髪はいい匂いがする」

 

 きっと独り言、だったのでしょう。

 

「三つ編みより下している方が好みだな」

 

 意識は立ち直りましたが……重要な砦を崩された心持ちでした。

 うたせ湯の周囲は狭い出入り口を除き、背の高い岩壁でドーム状に囲われています。逃げ道はなく、逃げる気力も消沈していた私はされるがままでした。

 薄暗い空間の中、手早く洗い終えた私たちは向き合います。

 瞳を妖しく光らせるアタランテはまたしても首筋に噛みついてきて、まるで自分のモノだという風に噛み跡を残し、どうしてか私は恍惚として息をもらすのです。

 お湯が流れる床に跪くと、変わらず精力を滾らせた雄の一物が鼻先にきました。アタランテの精液と私の蜜をべったりと貼り付けた肉棒。匂いに頭がくらくらします。

 何をしたらいいのか――考えるよりも先に寄り添い、躊躇なく咥えていました。

 亀頭を口の中に含み、そしてアタランテを見上げながら、口奉仕を始めたのです。

 

「はふ、ンっ……うちゅ……ふぁ、んちゅ、ちゅう……」

 

 頬を窄めて精液と愛液を吸い取り、唾液をまぶした舌で舐め取ります。

 二つの液体が混ざったそれを飲み込むと瞼が下りてきそうになりました。カラダが熱くなり、ココロが温かくなるのです。

 

「従順な態度を示してもよいのか」

 

 奉仕行為は彼女からすれば当然だったのでしょう。もしくは予想できていたのかも知れません。

 私は過ちを指摘されても止めようとはしませんでした。……いえ、止められなかったと言う方が正しいでしょう。このときの私は意識こそあっても正気ではありませんでした。

 アタランテの肥大化した一物を綺麗にできることに、隠し切れない喜びを感じていたのですから。心苦しさなんてまるでありませんでした。

 最後に、肉棒の先っぽが喉に入るまで呑み込み、じゅるじゅると吸い上げながら顔を後ろにさげていきます。全体が露出したら、腺液を垂れ流す亀頭にキスを贈りました。

 私のこの態度はアタランテの獣性を刺激してしまったようです。

 

「続きだ」

 

 有無を言わせない断然とした口調。静々と頷くしかありませんでした。

 拒否権はなく、逆らっても状況を悪化させるだけなのですから。

 

「はぁぁっ……入ってきましたぁ……」

 

 私たちは打たせ湯が当たらない壁際で繋がりました。私が壁側の対面座位。後背位ではないのが意外でした。

 穏やかな上下運動。子宮に響く衝撃は優しく、それ故に性感も抑えられています。

 けれど私は、子宮口が亀頭にキスでもするかのように包み、吸い付いているのを知覚していました。ゆっくりな動きだからこそ確かに感じられたのです。

 甘い砂糖菓子みたいに溶けてしまいそうな感触でした。

 

「後ろからだと加減がしにくい」

「……ふえ?」

「〝次にジャンヌ・ダルクを犯すときは短くする〟――レティシアとの約束だ」

「……嘘だと思っていました」

「誓いの類を破ったりはせん。……アルテミス様への純潔の誓いは破ってしまったが」

 

 アタランテの後ろめたさがこのとき初めて見え隠れし、彼女と交わっている私はどんな言葉を口にすれば良いのか迷いました。

 

「汝の同情なぞいらん。私はこの身に宿る子供たちを救う、助ける、導く」

「ふぁっ、んくっ。ンふっ、ふっ、あっあ゛、あ゛ぁ!」

「大恩のある女神に抗ってでもだっ」

 

 意気込むアタランテの抽迭の速度は増して、私を抱き締める両手に力が籠められて。

 欲望と願望が織り交ぜられた性行為。複雑すぎて解けられない。それどころか巻き取られてしまう。心身を折ろうとする気持ちよさに嫌々と首を振れば、すぐに捕らえられる。

 

「んち゛ゅ、むぅ……! あンっ、ンンぅっ、っ……じゅく、ぢゅぷ、ぢゅくッ」

 

 下も上も塞がれまま快楽を叩き込まれ、送り込まれる私は無力極まりました。

 子宮に繋がる膣道はアタランテに生えた肉棒を甘んじて受け入れ、追い出すために締めるのではなく、迎え入れるために締まるようになっていました。

 具合の良さを体感させ、深いところまで自分の身体を気に入ってくれるように。

 アタランテを逞しい雄だと認識し、必死になってその子供を孕もうとしていたのです。

 それは本能でした。雌がより強い雄の子を孕みたいと望む、原始的で動物的な帰結でした。

 生前、私を犯した男たちはジャンヌ・ダルクより弱く――。

 現在、私を犯しているアタランテはジャンヌ・ダルクより強い――。

 たった一つの違い。しかしそれこそが原因でした。

 ジャンヌ・ダルクはアタランテと戦い、敗れてしまった。

 今の私は英雄でも聖女でもなく――ダルク家の娘――ありきたりな娘になりかけていました。

 そして、人間は化け物に喰われるのが運命(さだめ)なのです。

 

「あっあっ……ふ、深いです……これ……っ。一番奥まで侵されてます……」

 

 より激しくなる律動。膣内を掻き分け、子宮を抉られる。逸物の一突き一突き、それぞれ感じやすい部分を的確に突いてくる。壁に反響する甘ったるい嬌声。

 

「おちんちんが熱くて中が、中がぁ……きゅうってして……」

 

 全身を震わせながら何度か達し、淫らな女陰から透明な潮と愛液が混じって飛び出しました。

 意識はふわふわしてきたのに、アタランテだけは曇りなく見えて、頼れる存在だと寄り掛かってしまいます。第三者には私が甘えているように見えるでしょう。

 

「アタランテ、私また……イってしまいそうです……」

「いいぞ、ジャンヌ・ダルク。次は私も一緒にイってやる」

 

 一緒に、という単語に心臓が高鳴りました。あらゆる因果を無視して嬉しいと思いました。

 アタランテと胸を擦り合わせると彼女の心音が伝わってきます。

 思わずうっとりするような――――生命力の高さ、とても力強い鼓動でした。

 私の顔は淫らに輝き、同じタイミングで果てたいと、たどたどしくも腰を揺らしました。

 場所が場所なだけあって暑いです。空気は蒸れていました。水気に満たされていて、私たちが触れ合う度に水滴が跳ねています。

 でも、この少し暑苦しい状況が堪りませんでした。流れ続ける打たせ湯の熱気が、性行為を助長してくれるのです。熱さと気持ちよさが比例していました。

 

「んくっ」

 

 喉を鳴らしたようなアタランテのうめき声。

 膣内を往復するおちんちんが一回り膨らみ、精子をたっぷり含んだ白濁液を出したいとビクビク震えました。

 私の性感帯は昼夜を問わない度重なるセックスで開花されてしまいましたが、こちらだってアタランテの射精の兆候は覚えています。

 破裂してしまいそうな亀頭を子宮口にぶつけてくるのです。ごく短いながらも激しい抽迭で、一番気持ちよくなれるところをぐぽぐぽ突いてくるのです。

 ほんとうに、融けてしまいそうでした。

 

「ジャンヌ・ダルク……っ!」

「ひいあっっっ!! …………あっあ、あ! …………あん、っ、んん……!」

 

 夥しく放出する逸物と、きつく狭く収縮する膣壁。

 私とアタランテはお互いの紅潮した身体を抱きあい、性感の絶頂を分かち合いました。刺激的で甘美なるひと時の訪れでした。私はアタランテとの一体感を味わいつつ、胎内に注がれる精の量と熱さを感じつつ、続けざまに小さく達してしまいます。

 

「外も中も……あたたかいです……」

 

 少し間を空けてお腹を撫でていたら、アタランテは私を抱いたまま器用に立ち上がりました。自身の両腕を私の膝裏に差し入れ、お尻を掴んで立ったのです。

 余韻に浸れる時間はあまり残されていませんでした。

 それは私だけではなく、レティシアとの口約束を守ろうとするアタランテにもです。

 私が首に両手を回したのが合図となって、彼女は角度をつけた上下運動を始めました。

 子宮にどんなに吐精しても逸物は勃起したまま衰えず、心身を蕩けさせる姦淫の快楽を覚えさせようとするのです。

 丸いお尻が形を変えるぐらいに揉みくちゃにされ、ときには手の平で軽く叩かれつつ動かれると、悩ましく喘いでしまいます。

 ずンっ、ぱちんっ、ぱちんっ、ぐりゅ、ずぷっ、ぶぢゅんっ!

 

「ひあっ! はぐぅっ! んあんっ! あはぁっ!」

 

 熱く硬い肉杭に串刺しにされる。

 奥まで入ったかと思えば膣内の半ばまで引かれ、またすぐ勢いよく突かれる。

 ……これの繰り返しでした。

 

「はん、あんっ、あァっ! んはっ、はうぅぅぅ!!」

 

 絶え間ない性行によって身体は敏感になり、全身を駆け巡る性感は電撃にも似ていました。

 私はどうすることもできず欲情してしまい、声は抑えていられませんでした。アタランテの意のままに甲高く鳴かされていました。

 逞しい逸物にすっかり魅了されてしまった蜜壺はそれ専用のカタチに成り下がり、少しでも気持ちよくしようと躍起になっています。

 これを知ったからにはもう他のモノでは満足できない――そういう風に、トロトロとした熱い粘液を出しながら変幻自在に包み込むのです。

 心地よい締めつけだぞ、と優しく穏やかに囁かれると、もうそれだけで軽く達してしまうほど精神も肉体も変わり果てていました。

 浅ましく両脚を腰に絡め、逸物との繋がりを限界まで深めようとしました。

 ぱんぱんぱんぱんっ! ずぷっ……ぐしゅ、ぐじゅ、じゅぷぷ、ずるぅ……。

 どちらからともなく上下運動の合間に円を描くような動きを混ぜ込み、その緩やかなときにはキスを強請りました。

 

「接吻か? なら口を開け」

「はぁ、い。……ちゅぷ……はぁん……ち゛ゅるる、んぷぅ、はぷ、んん……」

「……ん……ふ……ちゅ、ちゅ……んく……」

「れる、れろ、ちゅう……じゅるる……はぁ……ぬりゅぅ……じゅる、ぢゅぅ……はぁっ……」

 

 重ねられるアタランテの薄い唇。

 口腔内に伸ばされた舌を迎え入れ、私の方から率先して絡めました。甘酸っぱいリンゴ味の唾液を啜ると脳内が膨れ上がるようでした。

 思わずいつまでも続けたい気持ちに駆られましたが、アタランテの動きは上下のそれに戻りつつありました。だから、名残り惜しさを感じながらも離れます。

 

「くふう……!! 激しいですっ……あ゛くっ! んはぁ゛! あ゛っあ゛っ!」

 

 ゴチュンッ! ジュブブ! バチュッ、パンッパンッ! 

 子供を孕ませようと猛り狂う怒張が肉壺を突きあげてきます。容赦のない荒々しい犯し方でした。

 強姦といって差し支えないのに、私の反応は生前とまるで異なっています。

 アタランテの首に両手を回したまま喉をさらし、強調するように乳房を突き出し、あられもなく快楽を叫んでいるのですから。

 腰の下まである金髪を乱して善がるなんて娼婦と変わりありません。

 抵抗感も嫌悪感も、罪悪感さえも忘れていました。

 私はきっと夢心地の表情をしているのでしょう。

 だってこんなにも……アタランテに抱かれることが。

 

「くぅん……あ゛あっうぅぅ……しきゅ、子宮におちんちんキスしてます……あ、やぁ……おっぱい吸わないで……乳首っ、ふあっ……ンっ、はぅっ……んあぁ……敏感に、なってますから――――はぁぁんっ!」

 

 私の痴態をつぶさに観察していたアタランテが、たぷんたぷんと跳ねていた乳房をねぶり、乳首を引っ張ってきました。静止の言葉は聞き届けられません。それが上辺だけだとわかっているからです。「嘘を吐くな」と甘噛みをされてしまうと、ガクガクと震えてしまいました。

 ずぷぅ……! じゅりゅっ、ぶちゅ、ぐちゅ、じゅぐ、ごちゅっ!

 媚態に昂ったアタランテの抽迭がどんどん速まります。もうすぐ熱くて白い精液が注がれるのだと思うと、蜜壺の媚肉がざわめきました。逸物におねだりをするように愛撫します。酷く貪欲な収縮でした。

 

「膣内がヒクついてきたぞ。もうイキそうなのだろう」

「は、はい……ハイっ……! イキます……わた、し……イキそうです……アタランテのおちんちんで、おまんこ凄く気持ちよくなって……イってしまいますっ……!」

 

 自分が何を言ってしまっているのか、明瞭ではありませんでした。でも、恥ずかしい言葉を口に出すと興奮してしまうのは確かです。その証拠に私もアタランテも息を荒げて、相手を求めていました。本能に従い、お互いの性器を犯し合うことだけを望み、限りなく絶頂を欲していました。

 

(アタランテも、気持ちよさそうな顔をしてます……)

 

 彼女の短く切られた吐息が肌に伝わります。限界が近いのか、逸物の存在感がいよいよ大きくなってきました。子宮口は膨れ上がった亀頭に吸い付き、我慢できず鈴口から飛び出てきた精液混じりの腺液を飲み干しているようでした。

 

「……もう射精るッ……射精すぞ……!」

「んうぅっ! あっ! あっ! あっ! ひあぁあ!! わ、私もイキますっ! 貴女も……アタランテも精子っ出してください! 私のおまんこに精子注いでください……! あ゛ひ、んくぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛っ!!」

 どぷどぷぅ! びゅぐ、どくん、びゅるるっ!! びゅぐぐぐぅぅぅっ!!

「はぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

 

 最後の一突きのあと――――炸裂するような絶頂の快感がきました。その最中でもアタランテの煮えたぎるような精液ははっきりと感じられます。熱い、熱い……量も尋常ではありませんでした。衰えるどころか明らかに増えています。胎内を満たされる喜び。何となくお腹を押してみるとゴボリと精液が溢れだしました。そのまま流れ落ちるものもあれば、私とアタランテの脚を伝っていくものもありました。

 それを見咎めた女狩人にきつく抱き締められ、また再び……そう、交配を再開したのです。

 私が大きく絶頂するとアタランテも膣内射精をし、そして息を整える暇もなく再開されます。

 

「あ……あぁ……ああぁっ」

 

 ふと結合部を見れば、あまりもの淫猥な光景で言葉もありません。

 お互いの股間から白く濁った糸が何本も糸を引いているのです。私の膣内から出てくる淫水と、アタランテの肉棒が出す精液の量が多いからでしょう。粘り気のあるそれらは混じり入って私たちを結んでいました。

 

「あぁん! んふぅっ、はあ、はぁ! こ、こんなのって……ま、まだ終わらないのですか……?もう時間切れなのでは、ひぅんんっ!!」

 

 訴えれば臀部を平手打ちされ、ひと際強く子宮口を突きあげられてしまいます。

 痛みはまったくと言っていい程ありませんでした。……いえ、あったのかも知れませんが、それ以上の快感に上書きされてしまったのでしょう。

 お尻を叩かれて気持ちよくなるなんて、私はどこまで変えられてしまうのでしょうか……?

 

「……言われずともこれで最後だ」

 

 そう言ったアタランテと激しいディープキスをします。意識が飛びそうな性感の中では彼女だけが拠り所でした。〝雌〟である私が縋り、頼り、甘えることは当然のように思えました。

 ある種の期待に近い感情に、アタランテは応えてくれます。私を落とさないようしっかり抱え、深く濃い接吻を続けていながらも抽迭は少しも弱まったりしません。

 膂力が違う、技量が違う、精力が違う……あの男たちとは格が違うのだと改めて認識させられました。これ以上は望めない、素晴らしく逞しい〝雄〟だと身体が屈してしまいます。

 ズニュゥ……ばちゅん! ちゅぱんっ! ずぱんっ! ずぱんっ! ずぱんっ!

 薄暗い打たせ湯の空間の中で繰り返される、入口から最奥まで往復する抽迭。

 その打擲みたいな音が一際高く五回ほど鳴り響いたあと――私の嬌声が迸り、アタランテの音が聞こえそうな射精が始まります。

 

「ちゅむっ、んちゅっ、れるれる、んぢゅるっ、あひ……イィ、ク……イクっうぅぅ……!」

「はぁ……! はぁ……! ……ぐうぅっ!」

 どびゅびゅびゅ! びゅ、びゅぶぶぶ! ごびゅうっ、びゅる、びゅるるぅぅ!!

 

 精子……精液……ザーメンが洪水のように流し込まれました。私が抱きついているアタランテの身体のどこにこれだけの量が貯蔵されていたのでしょうか。

 一滴でも多く胎内に馴染ませようと、子宮と亀頭がくっついたままグラインドされながら、ぼんやりと考えました。

 確かな答えが思いつく前に射精は終わってしまいます。打たせ湯でもう一度洗い直すと、アタランテに抱かれました。反論も抵抗もしませんでした。どこに連れていかれるのかが判っていたからです。

 自然に囲まれた大きな岩風呂の一部分を区切って作られた〝寝湯〟。明るい色の木の板で湯船を構築されたソコは周囲より比較的高く、横になりながら入浴できる場所でした。

 アタランテは広めの縁に置かれていた硝子製の水差しを手に取り――中身を含むと、私に口移しで飲ませました。

 普通に飲ませてくれればいいのに、とは思いません。

 アタランテの林檎味の甘酸っぱい唾液と、適度に冷えた水が混合されて美味しくなるのもありますが、何よりも深い接吻が愉しめるからでした。

 

「ちゅぷ、じゅう……はぷん……んぅ、んむぅ、ちゅぴ……」

「くちゅ……はあ、ちゅう……るちゅ……ふぅ……」

 

 口の中になくなったら再度含んで口移し。餌を欲しがる小鳥の気分でした。

 夢中になって続け、ようやく落ち着いた頃には私もアタランテも口元がどちらのものとも知れない唾液に塗れていました。

 惚けて見つめていたら、後ろを向かされて緩く抱かれました。

 ぬるま湯に胸の辺りまで浸かっていると、心地よい疲労感もあって眠たくなってきます。

 いつもの……というと流石に抵抗感を覚えますが、この場所でアタランテに支えられながら休眠を取るのは少なくありません。

 

「私が見ておいてやる。汝は少し眠れ」

 

 アタランテが口に出す言葉も何ら変わりありません。

 だからこそ私は安心して一息つき、瞼をゆっくり閉じます。

 ……穏やかな眠りはすぐに訪れてきました。

 

 

 

 

 

 つい先程まで己を犯していた獣に身を委ね、暫しの休眠を取るジャンヌ・ダルクを抱き――アタランテは思考する。

 子供たちを孕ませられる段階にはまだ至っていない。だが、ジャンヌを堕とすという目的は進んでいた。しかも想定していたよりも順調に。

 二つの要因が思いつく。

 一つはジャンヌ・ダルクの依代となった少女(レティシア)の存在。

 彼女が聖処女に肉体を提供していなければ全ては始まらなかった。実体を持たない霊体のサーヴァントが妊娠するのは不可能なのだ。もしもレティシアがいなかったら、鋼鉄の巨鳥の上で聖処女の息の根をあのまま止めていただろう。

 幽閉している現状況においてもレティシアはジャンヌ・ダルクの自害・反抗・脱走を抑える意味で、大いに役立ってくれていた。

 どのような方法であれ死ねばジャンヌ・ダルクは助かる。稀代の狩人たるアタランテから逃れられる。

 ただし死で救われるのは己一人のみ。独り残されるレティシアは考えられる限り最悪の目に遭う。死ぬことも許されず産まされ続ける――そのようにジャンヌ・ダルクは予測し、事実アタランテもそうするつもりだった。

 結果、聖女は少女の身代わりになることを誓い、規格外の対魔力並び揺るぎない信仰心によって〝子供たち〟を跳ね除けている。

 連日連夜、繁殖行為を営んでも妊娠の兆候が見られないのはこれが原因である。

 ジャンヌ・ダルクの精神的な頑強さは正しく城塞に等しい。それに関しては潔く認めよう。

 だとしても、罅を入れる手段はある。アタランテが単独ではなかったのがジャンヌ・ダルクの運の尽きといえよう。

 『虚栄の空中庭園(ハンキングガーデンズ・オブ・バビロン)』の女帝セミラミス。彼女がレティシアの人格を引き摺り出せる方法を見出したのはアタランテにとって僥倖だった。普通の人間にしては芯のある少女だったが、獣と化した狩人に三日三晩も犯されれば、正気でいられる筈もない。きっと忘れられないだろう。

 獣は信仰心の厚い無垢なる少女を、最大限に利用する腹積もりにあった。

 空白の期間は週単位か? 月単位か? 

 どちらにしても、あちらから接触を求めてくるのは想像に難くなかった。

 レティシアが勇気を出して現れたのなら、安心させるように抱き締めて伝えるつもりだ。

 汝の不安の一つは既に解消されている、と。

 もう一つの要因は、生け捕りにしたホムンクルスの存在だ。銀髪の少年で名は『ジーク』。いまも保存溶液に満ちた水槽に閉じ込められ、無理矢理生かされている。そんな惨たらしい状態ではあるものの、あれの生死をジャンヌ・ダルクとレティシアは殊更重要視していた。

 

 ――『さぞかし大切な存在なのだろうが、私にとっては無関係なホムンクルスに過ぎん』

 ――『羆に喰わされたくなければ無意味な抗いはやめておけ』

 ――『隷属しろとは言わぬ。受け入れるだけでよい。そら、簡単であろう?』

 

 水槽に鋭い爪を立て。

 三日月に口を歪める狩人を、聖女は苦渋の表情で睨むしかなかった。そのときは内側に秘されていた少女がどう思ったのかは知らないが、同じような感情を抱いたのは違いあるまい。

 

 ――『見て知ったというなら忘れさせてください……』

 

 あの脅迫から一月と少しばかりでこの言葉を言わせられた。

 そこまで追い詰められた事実には胸がすくような愉悦を覚えずにいられない。

 儚く健気な姿には憎悪が薄れ、庇護欲や愛に近い感情が生まれてくる。

 絶対に離してなるものか。誰にも渡さない。自分以外の誰にも犯させたりはしない。

 この雌は私の番いだ。〝名も無き子供たち〟の母親になる女だ。共に幸福な家族を築いてもらわないとならないのだ。

 悪魔よりも多く人を殺めた神の元に逝かせるぐらいならば、私と子供たちが貰い受ける。

 辛い記憶を忘れたいと願うなら忘れさせてみせよう。

 アタランテ(私)という存在で塗り潰し、上書きしてやろう。

 それが魔獣から聖女への、歪み狂いながらも、幸福な未来を目指す愛情の芽生え。

 そこから三時間余りが経過したころ、ジャンヌ・ダルクは目を覚ました。空中庭園の外の時間は夜。それに従い大浴場の明るさも暗く調節されていた。

 水を欲しがったので眠る前同様に分け与え、ほぐれたままの身体の至るところを触れる。ジャンヌ・ダルクの肢体は豊かで柔らかい。聖女の、自分にはない肉付きの良さをアタランテは甚く気に入っていた。子を孕み、産み、育てるにはやはり豊満な女が望ましい。

 

「まだするのですか」とジャンヌ・ダルクは億劫そうに言った。アタランテの触り方が慰撫から愛撫になってからだった。乳房を揉む手を、臍の辺りを撫でる手を、彼女は半ば受け入れていた。

「約束は果たしたつもりだが」

「一日と待てないのですね。獣らしい性急さです」

 

 アタランテの血のように赤い舌が唇を濡らす。

 

「下手な挑発は己を追い詰めるだけだぞ。だが、汝の言う通りか」

 

 意外な返し方に思わずといった風にジャンヌは「え?」と呟きを洩らした。

 振り返ろうとした彼女をアタランテは抱いて止める。

 湯船の水面が揺らいだ。

 

「以前はともかく今は汝を気に入っているのだ。獣ではなく人間らしく言うなら好いている。であれば、汝を欲しがり、求めるのは至極当然であろう」

 

 息を詰まらせる聖女を抱いたまま立ち上がり、浴槽の反対側に進む。

 お誂え向きに用意された岩に両手をつかされたジャンヌは無機質特有の冷たさで我に返り、自分に覆い被さるアタランテに目を向けた。

 

「……気に入っているのは私の身体だけでしょう」

「所詮は獣だ。否定はせんよ」

 

 あっけらかんに言われて睨むのも忘れた。

 ジャンヌが唖然とした瞬間を見逃さず、アタランテは彼女の中に突き入る。自身の分身ともいえる陰茎を熱く潤った蜜壺に挿入した。長大な逸物が一番深いところまで滑らかに届く。見目麗しい聖女の淫らな嬌声が浴場に響き渡った。次いで、肉に肉を打ち付ける音が鳴り始める。手の平と手の平と打ち合わせる拍手のような快音が続いた。

 現代では確認されていない、太古に存在していたかのような草木に囲われた大浴場。

 そこで獅子の耳と尾、股座には男性器を生やした細身の少女が――救国の聖女と称される少女を犯す。しかも激しく濃厚に、見た目通りの百獣の王を思わせる力強さを保ちながら。

 

「やはりこの形がしっくりくる」

 

 満足気なアタランテが「汝はどうだ?」と問いかけても答えは返ってこない。

 四足獣の雄と雌の交尾のように後ろから犯されるのは相当な性感があるのか、ジャンヌは声を抑えるのも忘れて喘いでいた。

 垣間見た凌辱の記憶とはまるで正反対の姿。あの男どもが誰一人として知らないであろう艶めかしい姿。これがジャンヌ・ダルクの女としての姿なのだ。

 アタランテは生じる征服感・優越感を噛み締め、ジャンヌとの繁殖行為に耽っていく。

 音を立てるように突きながら安産型の臀部を見下ろす。まるで熟れた白桃。大きく頑丈に張った骨盤に、柔らかく張りのある肉をたっぷりと備えた尻は逆子でもなければ無事に産めそうだった。それに勢いよく腰をぶつける感触は正直堪らない。どんなに強くしても柔軟に受け止めるのだ。たわむ様を眺めているだけでも腺液が先走り、絶頂感を覚えそうになる。

 

「つくづく男好きのする身体よな。それ故に異端審問の者共に手を出されたのだろうが」

 

 両手は尻を撫で回し、伸ばした尻尾が弾んでいた乳房を絞り、乳首を弾く。

 

「忘れさせて欲しい――汝は私にそう言ったな」

「あれは一時の気の迷いです……!」

「そんな訳がなかろう」

 

 断言をされてきつく締まる膣内。

 感じ取ったアタランテの腰遣いが一段と速まり、ジャンヌの嬌声に艶がさらに乗る。獅子の耳にぞくぞくと来る喘ぎ声だった。

 

「打たせ湯の側でまぐわった時間もよかったがな。あの時の汝、あの時の後の汝は実によかった。本心から愛おしかった」

 

 否定と拒絶の言葉を、聖女は快楽混じりに叫ぶ。紫水晶の瞳から涙を散らす。

 

「なあ、ジャンヌ・ダルク。確かに私は獣となったが、己の子を孕む番いを愛せないほど無情ではない。あやつ等と違って愛する努力は惜しまないつもりだ」

 

 容赦なき腰遣いとは裏腹に囁きはどこか穏やかさを秘めていた。

 だったらとジャンヌは前後に揺さぶられながら想う。こんな犬や猫のように犯さないで欲しい。正常位で恋人のように夫婦のようにしてもらいたかった。

 本当にそう想っていた。されどアタランテとの後背位で生じる性感は格別過ぎた。

 後ろから尻でも腰でも乳房でも――あるいは手首でも――掴まれながら大きい亀頭が子宮口をこじ開けようとする快感。幾重にも重なっている膣壁を分厚く出っ張ったカリ首に抉られる快感、肉傘の裏の微細な突起物に引っ掻かれる性感。

 すべてが絶大なる快感だった。何度となく逝き狂わせられて雌に堕ちていく。貞淑な想いなど藁束のようにあまりにも簡単に吹き飛ぶ。

 ジャンヌは紅潮した顔を歪めていたが、不快や苦痛の類を感じている様子ではなかった。度々覗かせる表情は蕩けており、声もまた甘く切ないものになる。

 いつしか聖女の魅惑的な臀部はアタランテの動きに合わせるようになっていた。突かれるタイミングで後ろへと押し出し、少しでも深く膣内に迎え入れようとする。

 

「私のものはあやつらよりもいいか?」

 

 アタランテは目を細めて問う。そんな彼女の好みに合わせて具合を良くさせる蜜壺。ゆったり動いていても心地よい射精感がじわりじわりと昇ってくる。もはや自分専用の雌穴だった。

 

「訊くまでもなかったか」

「んうぅ……」

 

 女殺しの逸物を抜ける寸前まで引き抜く。ジャンヌとの結合部はとろみのある愛液を滴らせ、早く戻ってきて欲しいのか尻が僅かに揺れている。

 

「あはあぁぁ――――!」

 

 お望み通り、子宮口まで素早く挿入し直す。少し焦らしただけというのにジャンヌは絶頂に至ったようだ。

 最初に、むっちりとした尻と太腿が波立った。次に背中が官能的な曲線を描き、だらしなく緩んだ口がヨダレをゆっくりと垂らす。

 

「アタランテのほうがっ……彼等よりもずっと大きくて……それに上手です……」

 

 切羽詰まった喋り方。ほうと獣は関心の息を払い、もう一度同じように打ち付ける。

 

「だからどうなのだ?」

「し、知りませんでしたぁっ! セックスがこんなに、気持ちいいものだったなんて……!!」

 

 認めてしまえば楽だった。思い出したくない記憶が薄れる。海の波に流されて平らになる砂浜のように自然体になっていく。

 思いの丈を告白されて逸物が一回り膨張した。覚悟したように項垂れたジャンヌを、アタランテは獣の腰使いで犯し立てる。雄々しい肉棒が濡れそぼった雌穴を突き、抉り、混ぜる音が鳴り響く。それはお互いが絶頂するまで連なり続けて止まることを知らない。

 獣の逸物を望んで受け入れ 清廉潔白なる聖女は喘ぎ叫ぶ。

「あの人たちよりずっといい」「もっともっと」「全部忘れさせて」――そう高らかに善がる。後になって必ず襲われる後悔の念を追いやって今この瞬間を愉しむ。

 

「きてください! ナカに、ナカに射精して! 子宮にアタランテの精液ください!!」

 

 ジャンヌの懇願にアタランテは快く応じた。絶頂を共に目指して腰と尻をぶつけ合う。

 煮え滾った白濁液が尿道を上り、開いた鈴口より放出されたのは、子宮口をこじ開けて胎内に入り込みそうなほど強烈な一突きが喰らわされてからであった。

 アタランテは腰を限界まで押し当て、聖女の尻を歪ませながら種付けする。どちらにとっても至福の時間が流れる。それは意外なまでに静かなひと時だった。

 ただし――脳天にまで届いた快感、脳髄が痺れる快楽によって――ジャンヌの両脚は生まれたての獣のように震えている。今にも腰が砕けそうになっていた。

 頽れかけた聖女の胸を覆って支えたのは、紫に光る文様が刻まれた漆黒の両腕である。

 『それ』を見た瞬間、ジャンヌ・ダルクは自身の正気を疑った。知らないワケではない。恐らくは彼女こそが一番よく知っている。それ故に「あり得ません」と震え声で呟いてしまった。

 アタランテの禁忌の宝具『神罰の野猪(アグリオス・メタモローゼ)』は天草四郎時貞に剥ぎ取られたはずなのだ。

 感触に馴染みのある両(・)手(・)が臀部を掴む。ジャンヌは四本の手が自分を触っている状況に驚愕し振り返った。

 果たしてアタランテは変容していた。異形の姿に変化していた。

 濁った両目の瞳孔は縦に裂け、肩甲骨から明らかに人型の長さではない異様な両腕を生やし、凄まじく伸びた尻尾の先端から付け根に向かって二十センチ余りが……あれはまさか……男性器なのだろうか? 信じられないが正しく一物のカタチを模倣していた。

 

「皮を引き剥がされても、カリュドンの魔猪の因子はまだ私の中に残っている。ランクこそ低下したが『変化』のスキルもだ。だからこうして汝とまぐわえるのだぞ?」

 

 秘密を明かして嗤い、アタランテはジャンヌの細い肩に喰らいつく。鋭利な犬歯が皮膚を貫通し、催淫の効果を持った毒を直接流し入れた。

 恐怖感は途端に薄れ、沈静しかけていた情欲の火に油が注がれる。違和感を覚える暇もない即効性。生命力溢れる雄の番いの雌としての獣欲が昂ってきた。

 ジャンヌは色艶やかな流し目を送り、両脚を広げて受け入れる体勢を自らとった。

 アタランテとの獣の狂宴はすぐさま始められる。

 異様な両手で乳房を弄ばれ、指の間からはみ出るくらいに強く揉まれる。

 通常の両手には尻たぶを左右に開かれ、菊門の皺の一つ一つまで覗かれた。

 口では男性器となった尻尾の先端をしゃぶらされて、喉の奥まで侵入されては何かしらの液体を飲まされた。胃の中から更なる熱が生まれるようだった。

 外も中も体中が気持ち良すぎて何一つまともに考えることができない――。

 

「考えなくていい。感じていればいい。私以外とでは満足できなくなる身体にしてやる」

 

 そうすれば凌辱の記憶など綺麗さっぱり忘れられるだろう。

 肉食獣の表情でアタランテはジャンヌを犯す。聖女の蜜壺は何度味わっても飽きがこない。締りの良さは処女を奪った時とまるで変わらず、それでいて獣の巨根を苦もなく迎え入れられるだけの柔軟さも身につけた。健気にも適応してみせたのだ。抱いた女はジャンヌ・ダルク一人のみだが、これこそ至上の名器だと思わずにはいられない。

 そして新たに形作った男性器で感じる快感も素晴らしく良かった。

 

「んぶっぢゅ、ぢゅぅぅぅ! ふぐっ、んじゅ、ぢゅる……んあぅぅ……!」

 

 尻尾ならではの自由自在さで先端部分がジャンヌの口腔内をかき混ぜる。細かく泡立った白濁液が唇から零れているが汚らしくはなかった。聖女と呼ばれる少女を穢すという背徳感にアタランテはどこまでも酔い痴れ、ジャンヌの唇の吸いつきを無視して尾を抜き出す。なにをされるのかを悟った聖女が祈るように目を閉じるや否や、顔面に精液をぶち撒ける。ホオズキのように赤く染まっていた顔が濁った白に塗色されていく。

 尾による放出は顔だけでは留まらなかった。乳房といわず、背中といわず、腹部といわず、溶かしたチーズじみた粘っこい液体がジャンヌに降りかけられた。異様な両手が精液を馴染ませるように這い回り、全身を熱さと匂いに包まれる。

 するとジャンヌは肩越しに向き直る。顔に張り付いた白濁液を掬い、舐めとる淫靡な光景をアタランテに見せつけた。あからさまな誘惑だ。今度は子宮に出してもらいたいのだろう。

 そんなに欲しいのなら好きなだけくれてやる――――岩に両手をつかせて猛然と腰を振るう。

 

「おまんこ犯されてますぅぅぅ! いいっ、いいのぉ! 獣交尾すごいぃ! お尻を後ろからぱんぱんされるの好きになってしまいそうです……!」

 

 ついに救国の聖女が乱れに乱れはじめる。頭の中を空っぽにし、アタランテとの交配が気持ちいいと訴える。それは間違いなく本音であった。

 言語化できない衝動が胸の内をかき乱す。四本の手を持つ魔獣が唸った。女性らしい乳房と臀部を鷲掴み、腰を何度も何度も前後に動かす。激しい打突音と水音が絶えず鳴る。

絶頂の寸前、アタランテは素早く動いた。

 決して逃げられないようジャンヌの豊潤で豊満な肉体を抱きしめて、逸物を根本まで突き込んで精を放つ。射精は、量が波濤ならば勢いは噴火だった。規格外の対魔力があろうと、揺るぎない信仰心があろうと、何がなんでも孕ませるという意思を感じさせる。

 最後の一滴を出し切るまでアタランテはジャンヌを離そうとしなかった。

 

「続きは……していただけますか……?」

 

 身体を捻った彼女と啄むような接吻を愉しんでいると、恍惚の吐息と共に催促してきた。涙の膜を薄っすら張った紫水晶の瞳が媚びてくる。

 

「私に断る理由は存在しないぞ?」

 

 このときばかりはアタランテも優しく微笑み、ジャンヌは無性に嬉しくなった。

 

 

 

 

 




次話からは文字数が減るでしょうが堪忍してくださいまし。
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