レティシア。
フランスにて生まれ育った清廉にして善良なる少女。
神秘の薄れた現代においても信仰心に篤く、極めて感受性が高い信徒。
フランスを救った聖女ジャンヌ・ダルクとただ一人――体格、霊格、血統、人格、魔力諸々が――適合した彼女は、十四騎(正確には十五騎だったのだが)もの英霊が争う聖杯大戦に巻き込まれることを承諾した。
少なくともレティシア本人は強制力があったとは思っていない。「私は受け入れなければならない」という純然たる使命感の元に同意したのである。
断じて救国の聖女に近づきたかったからではない。
そのような裏心など、主に祈りを捧げつづけた人生に誓って抱かなかったと言い切る。
現界したとき、ジャンヌ・ダルクは「眠っていれば見なくて済みます」と勧めた。
それをレティシアは断った。心遣いには感謝したが「可能な限り見させてください」と返した。
少女は聖女の視覚を通して、かつてない規模の聖杯戦争の立会人となることを望んだ。
とても怖くて恐ろしかった。けれど何もかもを見届けた。
聖女の内側にいるという安心感がなければ、とてもではないが耐えられなかっただろう。
だが、その安心感は侵された。
此度の聖杯大戦における最終戦場――遥か上空七千五百メートルを進む飛行機の上でジャンヌ・ダルクは敵側のサーヴァトに敗れた。
〝赤〟のサーヴァント、アーチャー。真名をアタランテ。
魔獣となった彼女に聖女は敗北し、殺されず生きたまま捕らえられた。
我が身に宿った水子の怨霊を孕ませるという、身の毛がよだつ恐ろしい理由によって……あのときは本当に怖くて怖くて仕方がなかった。
空中庭園に幽閉されてからひと月以上。
レティシアの世界を見る視点はジャンヌ・ダルクを介してだけではなくなっていた。
セミラミスに聖女の内側から引き摺り出される際、「面白そうではないか?」とついでのように俯瞰の視点をもたらされたのだ。
二つの視界は自分の意志でスイッチを切り替えるみたいに変えられる。
本人が自称するように黒衣の女帝は空中庭園においては万能に近しかった。
アタランテに犯されたあの日から度々――ジャンヌ・ダルクと瓜二つの少女は黙ったまま離れ、魔獣と聖女のまぐわいを見ている。
劇団や映画を鑑賞する客人さながらに、穴があきそうなほど夢中になって。
生のセックスを第三者から見るというのは震えるぐらいの■■■があった。
夜空色のカーテンを降ろす天蓋付きベッドの上。
学生寮のそれなどよりも遥かに豪奢な寝床には、アタランテとジャンヌがいた。
彼女たちが大浴場で休息を取ったときに自分も一度眠ったレティシアは、二人が戻ってきたタイミングで目を覚ました。
四つ手の異形に変化したアタランテには驚かされたが――非現実的な事物はそれなりに見てきた自負もあり――どうにか気分を落ち着かせた。
いまは寝台の横に視点を置き、アタランテとジャンヌのふたりを観覧している。
ブドウ、桃、梨、メロン、林檎の色々な果物類が乗った皿がサイドテーブルに置かれており、アタランテがそれらを咀嚼しては飲み込まず、唾液を混ぜ込んでジャンヌに口渡す。
行儀のよくない食べ方は、けれど、下品には映らない。
ふたりの容姿が整っているからではない――気がする。
レティシアの肉体は英霊ジャンヌ・ダルクの依代となったことで、人間から英霊のそれへと〝補強〟されているが、人間としての機能がまったく失われた訳ではない。必要に応じて食事は摂らなければならないし、睡眠も取る必要があった。
しかし不老不死を実現させる第三魔法の加護――魂の物質化が成されている現状、取らなくても問題はなくなった。けれど肉体と精神はこれまでの人生で経験し、蓄積してきた生の実感をどこかしら欲しがる。
魔力で構成される身体しか持たず、食欲・睡眠欲・性欲の三大欲求を消化する必要のないサーヴァントであっても求める者がいるように。
一人考えてレティシアは――ふたりを見ていても違和感がないのは自然体だからなのだと――納得した。ジャンヌが拒んでいれば変わっていたのだろうが、聖女はとろんとした眦で魔獣の口付けを待っている。夢を見ているような様子だった。
アタランテは律義にも種を取り出す、もしくは噛み砕いて自分の胃に納め、熟した果肉だけをジャンヌに与えていく。誰から見ても■ある行為で、ジャンヌ・ダルク本人が一番実感していることだろう。
食べ終えたあとに小休止を挟んでから……。
聖人としても人間としても尊敬するヒトが四つん這いに組み敷かれた。
「あぁっ――――はあぁんっ!!」
晒し掲げられた聖女のヒップを思い思いに握り、禍々しい姿となった獣が突き貫く。
天使の歌声のような嬌声は、尊敬するジャンヌの甘ったるい喘ぎと艶めかしい呻きだった。
(すごい……)
目眩さえする濃密な性行為。一糸纏わぬ二人の性交にレティシアは圧倒される。知識にあるセックスとはまるで違う。
これはもう人間の常識の範疇にはないだろう。
(ああ聖女様、そんな……口にまで……)
アタランテの、一物と化した尻尾の先端がジャンヌの口腔内に突っ込まれた。そしてすぐに前後運動が加えられる。なのに聖女は少し驚いた表情をしただけで、うっとりと受け入れた。
後ろからも前からも責められてるのに、あんなにもお顔が真っ赤になってるのに、苦しくないのだろうか。
それとも息苦しさはもう、快感のスパイスにしかなっていないのだろうか。
「うんんっ! ……ずぢゅるる……ンジュル、ジュルルルゥゥゥ……!!」
体感で十分たったころに精液が出された。
あまりの量に頬が膨らむも、聖女は貪欲に飲み干していく。
にやつくアタランテは何も言っていないし、身体の動きで示してもない。つまり自ら望んで胃に送り込んでるのだ。信じられないけれど本当だった。
「んんぅぅ……ちゅ、ちゅ、んじゅ、れるれるぅ、ぢゅうっ……」
「獣の仔のように吸い付きおって……私の精液はそんなに旨いか」
頬にザーメンを塗りたくった尻尾を両手でやさしく握り、残滓まで吸い出そうとするジャンヌ。揶揄されても恥ずかしがるどころか、こくこくと頷いて嚥下してみせた。
そうする間にも誘うように臀部を揺らしたり、押し付けたりする。アタランテが腰を引いて抽迭の素振りを見せれば、卑猥極まる言葉で喜んだ。
そこには普段の凛々しい姿、戦場での毅然とした姿は塵一つたりともなかった。
レティシアが知るジャンヌ・ダルクではなくなっていた。
四本の腕に二本の男性器……ほとんど怪物のような姿になったアタランテに凌辱されて、聖女は歓喜に打ち震える。
これが朝になれば覚める夢であればどれだけよかったか。二人のセックスは日付が変わっても終わる兆しが現れない。陽光は邪魔だというように部屋の中は暗いままだ。
獣のように交尾し続けることをアタランテもジャンヌ・ダルクも望んでいた。
(そんなにも、そんなにも気持ちいいのです、か……?)
レティシアは心中で呟き、今更ながら思い出した。
人並みの強さしかなくても絶対に屈さないと決めた自分が、アタランテにすればあっさり陥落させられた事実。
たった三日三晩で命懸けの意思を砕かれてしまった。
獣に深いところまで抱かれることを悦んだ。
あまつさえ恋人のようにキスを何度もせがんだ。
汝の――レティシアの身体の具合は悪くないと囁かれて涙を流した。
あれを、あんなのを、ほぼ毎日ジャンヌ・ダルクは味わっている。ひと月以上もだ。
そんなの……耐えられるワケがない。自分ならとっくにおかしくなってる。他人の心配なんて忘れてしまう。すべてを擲ってアタランテに見合うだけの妻に、雌になろうとする。
聖女はしている最中にどれだけ淫らに堕ちようと、終わりさえすれば真面に戻れた。
呆れた再生力だとアタランテは底意地悪く嗤う。
だから簡単には終わらせないのだ。
「――――っっっっ!!!!」
性快感の絶頂に至った膣内で一物が暴れまわる。胎内に焼け付くような精液をどくどく吐き出され、ジャンヌは締まりのない顔になってしまう。
大浴場から寝床に戻ってより半日が経過し、魔獣と聖女の体力の差が出始めていた。
潮を垂れ流すアクメを晒したジャンヌ・ダルクに抗えるだけの気力は残されていない。
レティシアは倒れ伏す彼女を食い入るように見つめた。
荒い呼吸を繰り返す聖女の口元に尾が迫る。顔をあげ、口を小さく開けば侵入して……喉がゆっくり上下される。
一体どういう成分かはわからないが栄養液を飲ませたようだった。
ジャンヌの肢体に活力が戻っていく。そのことに困惑する中、アタランテは彼女の両手首を引っ掴む。肩甲骨の異様に長い漆黒の両腕でだ。
後方に回せば聖女の上半身が持ち上げられ、ふくよかな乳房が前面に押し出された。
今度は天蓋に尻尾を伸ばし、動物の皮で作られたと思しき手枷を巻き取ってくる。黒い紐付きのそれが下りてくるのを目にしたジャンヌが目を見開く。
「あの……こ、これは……?」
「不安がらずともよい」
アタランテはジャンヌの両手を後手に拘束し、小さく柔らかい耳朶を食む。
「……私なりに精一杯優しくするつもりだ」
第三者の視点にいるレティシアまで法悦に浸りそうな囁き。
生前の後ろ暗い体験を忘れてはいないジャンヌは安堵感と期待をないまぜにして、こくりと顎を引いた。許しを得たアタランテが腰を遣いだす。激しくはないが遅くもない、中間の力加減で性感を高めあう。
絶妙に丁度よく合わせられているのか、ジャンヌの表情は次第に蕩けていく。
「あン……ふあ、あふ、くうん……ひゃあ……」
漆黒の両腕に乳房を揉まれ、通常の両手に膨らんだ陰核を弄られても、悩ましい鼻声と共にブロンドの髪を揺らすだけで抗わない。恋人と交わる乙女のような顔になりつつあった。
逆にレティシアはそれまでとは打って変わった犯し方に面食らっていた。そして、こんな風にしてくれるならと考えかけた自分をきつく叱咤する。
莫迦なことを考えてはいけないというのに。
(どうせすぐ移り変わるに決まってますっ)
少女の確信めいた予想は、しかしものの見事に外れた。
気遣いのある性交はいつまで経っても変わらない。なぜ? どうして? アタランテにどういう心境の変化があったというのか。彼女の抽迭にはこれまでのような強烈さが欠けていた。
肌と肌のぶつかり合う音は決して小さくないけれど、今までの獣じみたピストンの破裂音には劣っている。
いいや――まるで及んでいないではないか。
両手を後ろ手に拘束し、吊るされた体勢にされておきながら、二人を包む空気はどこか甘い。アタランテはジャンヌを思い遣り、その思い遣りをジャンヌは心から喜んでいた。
一言たりとも嫌がったりしようとしない。
剛直を根元まで挿し込まれたら安産型の臀部を押し出す。膣壁を擦られ、子宮を貫かれる衝撃でオルガズムに達する。濡れ光る背筋を反らして沈んでいく。
「そそられる格好でこれは慣れないが……悪い気分ではないな」
「私も……ほんとうにやさしくて、怖くありません……」
そこで一旦口を閉ざすが、我慢できず続けてしまった。
「アタランテ……このまま私いっしょに……イってもらいたいです」
「速くなってしまうぞ?」
「す、少しくらいなら……構いませんから」
「弱った小娘が……獣相手に難儀な要求をする」
苦く小言を挟みつつも微笑み、アタランテは抽送のペースを加速させる。
暴力的な一線を超えないよう細心の注意が払われた動き。まさしく期待した通りの抽送にジャンヌが感喜した。子宮口を何十回とノックされ、せり出たおっぱいの乳頭をコリコリ摘ままれて、陶酔の境地に浸る。
堕とされてしまった情事は何度かあれど、ここまで嬉しそうで幸せそうな姿は初めてだった。
「はあっ、あんっ、あっ、あっ、んっ、やあぁん……♡」
視点が離れていても意識そのものは身体から乖離していない。
だから声や音はダイレクトに届くのだが、それとは関係なしにレティシアは距離を狭めた。より近いところから聴こうとする。ほぼ無意識の行動だった。
(なんてはしたない声を出されて……)
聖女の淫蕩なる嬌声の背徳感は凄まじいものがあった。本来ならば相反する要素に堕天している。頭の芯と胸の奥、目には視えない心を締めつけられるようだった。
アタランテも興味を惹かれたらしい。絶対的に犯す立場にある獣は獅子の耳を尖らせて、言葉のみならず吐息の一つ一つまで聴き取ろうとしていた。
しばらく耳を傾け、番いと定めた乙女を抱き寄せた。
もっと聴きたくなったのか、それとも出させたくなったのか――逞しく隆起した逸物のすべてを、包容力に満ち溢れる膣内に収めたら突き上げる。
ジャンヌの肉感的な臀部がひしゃげる。汗、愛液、精液、唾液、潮……さまざまな体液に濡れ、猶更瑞々しくなった桃尻が立てる「ぱちん、ぱちん」という響き。
アタランテのくびれた腰との衝突音だった。
「はあぁん♡ あふぅ♡ あっああ♡ んぅ♡ んんっ♡ くああんっ♡ ああぁたまら、な、い……あはあぁっ♡ んはあぁ♡ これっ、これも好きなんです♡」
ときにはグラインドで円を描き、変化を加えることも忘れない。歓喜を訴えるジャンヌが髪を振り乱す。傘を張った亀頭が子宮口をぐりぐり押し上げてくるのだろう。
それがどんなに気持ちいいのかはレティシアも知っている、憶えている。抵抗の意思など関係なく逝かされる。受け入れた状態なら、たったいま逝き汁を漏らしたジャンヌのようにねだってしまう。恥も外聞もなく腰をくねらせる。熱く潤った膣壁を一枚いちまい蠢動させてお願いする。
「アタランテの獣ちんぽで突いて、抉って欲しいんです♡ おまんこに新鮮な濃厚ザーメン注いで♡ 私の子宮をいっぱいにしてください、アタランテ♡」
堕ちる、堕ちる。四つ手の魔獣に抱かれて聖女は淫乱にくだる。
レティシアは思わず目を背けようとし、アタランテの薄い微笑みで止まった。
(なに……その笑顔は)
愛するヒトを相手にしているかのようなそれ。
(まっ、ひあっ)
微笑はすぐなくなり、雌をおののかせる獰猛な雄の一面が浮かび上がる。
すうっとアタランテが深呼吸し――射精に向かってラストスパートをかけだした。
絶頂に至る聖女のアクメ声、魔獣の荒々しい息遣いと腰遣い、拘束具がぎちぎち擦れる音。
「ひゃああっ♡ あン♡ くあっ、あはっはっ♡ だめぇだめぇ♡ ピストン強すぎますぅ♡ おまんこズンズンされて頭がぐちゃぐちゃになってしまいます♡」
あまりの快感からジャンヌの総身が跳ねて暴れようとした。だが、四本の腕と尻尾が蟒蛇のように絡みついて離れない。しっかりと胸の内に抑える。
通常の両腕は上下にたわむ乳房を鷲掴み、異形の両腕はすらりとした太腿を掴んで開かせている。異常に長い尻尾は、程よく肉と脂肪が乗った胴体部分に巻きついていた。
身動きのとれない状態にされた聖女は涎を飛び散らせて、喘ぐことしかできない。その代わり、零れるくらい潤滑液に満ちた雌穴は、アタランテの雄の象徴をよりよく昂らせた。
パンパンパンと抽迭のテンポは射精感が極まるにつれて激しく短くなっていく。
そんな風に膣内を擦り立てられては堪らないのだろう。
レティシアの視界に映るジャンヌの顔は〝女〟と〝雌〟の二つで言い表す他になかった。
アタランテ――かつてジャンヌ・ダルクを凌辱した男たちよりも遥かに上の存在。
このヒトなら、きっと元気で強い子供を孕ましてくれる。
今度こそちゃんと産ませてくれる。
愛しい愛しい赤ん坊を一緒に育ててくれる。
だってアタランテ本人が何度も何度も言ってくれているのだから。
身体はとっくに受胎を認めており、だから子宮は精液を貪欲に欲しがった。
膣圧を高め、そのまま小刻みに収縮することで絞り取ろうとする。限界がすぐそこまで迫っていたアタランテは獣のように唸り呻き、全力の一突きを臀部にぶつけて達した。
「ぐうぅっるるるぅ……!!」
「――あああああああぁぁっっ♡♡ っんっんぅぅぅ――――♡♡♡♡」
肌と肌が打ち合わせられた快音はジャンヌの逝き声に掻き消される。
子宮内に精液をたっぷり注ぎ込まれているであろう彼女から、レティシアは目を背けなかった。打ち付けられた杭のように動かそうとしなかった。
満足のいくまで吐精し終わったアタランテが一息つき、逸物を抜き取る。陰唇は元のサイズにまで狭まった。だが、出された量が多すぎる所為か後から後から漏らしてしまう。
寝台のシーツ全体は最早沼の様相となっていたが、結合部の下にあった部分は特に酷くぬかるんでいた。何といっても小さな水溜りができており、アタランテがついた膝を少しずらすだけでも水音が鳴るほどだ。
(ふたりともうごかない……?)
終わったのかとレティシアが視線を下げた数秒後……女の甲高い嬌声があげられる。
慌てて戻した少女は驚愕した。アタランテがジャンヌの汚れのない綺麗な菊門に、人差し指と中指を挿れていたからだ。
「……まだこちらでは愉しませていなかったな」
括約筋の強烈な締め付けを感じつつ、二本の指を回す彼女は嗜虐の笑みでいた。
「そこっ、そこはぁ♡」
「汝は尻の穴をほじくられるのも好きであろう。色欲狂いの物好きな女め」
「好きなんかじゃありません♡ 貴女がしつこく弄ったせいですっ♡ 私のせいじゃ……あああぁぁっ♡ ひゃめ、らめ、や、やめてくださいってばぁ♡♡」
アヌスへの愛撫が巻き貝の身でも取り出すようにされる。性交には使われない排泄器官の筈の肛門はもうひとつの雌穴として調教されていた。今度は自分の番だと教えられて歓喜のあまり痙攣し、腸液が涙のように流れ出る。
指を三本に増やして拡張してみても痛がる様子はない。それどころか善がり狂っている。これなら裂けないだろうと当たりを付け、アタランテが菊座に逸物の先端をあてがう。未だ限界を見せない彼女の陰茎は鎮まらず怒張していた。まだまだ精力を漲らしている。
腰を突き出せば、亀頭が桃の色に似た窄まりをくぐり抜けた。指でも感じた括約筋の強い締りを敏感な先端部分で体感する。股間から背筋にかけて快楽電流が走り、さしものアタランテも表情を歪めた。肉壁の絡みつき具合はともかく、締めつけだけなら膣よりもずっと強い。一寸ばかりでも気を抜けば発情期の猿になってしまいそうなぐらいの重圧的快感。
時間をかけ、アタランテの逞しい肉棒が食い込むほどの収縮を耐えつつ進む。根元まで挿入された瞬間、ふたりはどちらからともなく息を吐きだした。
異物を出そうとするための締めつけが、喜んでもらうための締めつけに変化する頃、
「痛みがないなら動かせてもらうぞ」
催促するように臀部をくねらせるジャンヌに告げ、アタランテが動きはじめる。
最初はゆっくりとして腸内をほぐし、次第に獣らしい力強い反復運動に移っていく。
締めつけに負けないよう一突きごとに腰がしっかり叩きつけられ、淫らな糸を引いた結合部から珠となった液体がはじけ飛ぶ。
「んおぉっ♡ ひゃふっ、んぐっ、ぐううぅぅぅ♡ ひゃあぁっ♡ はうああっ……♡♡」
ジャンヌが禁断の交わりに堕落する。
ごりゅごりゅ掘り犯されるアナルセックスの姦淫に耽溺する。
楚々とした菊門で交わることでせり上がる興奮が、救国の聖女さえも陥れる。
(ジャンヌ様……後ろの穴なのに、感じていられるのですか……?)
いずれレティシアも泣き叫ぶほど思い知らされる運命にあるのだが、まだ教え込まれていない少女は困惑するしかなかった。
「ああまったく……この穴は相変わらず動きにくいなっ!」
アタランテが憎らしそうに漏らす。だが、愉しそうでもあり興に乗っていた。
異形の腕の中で善がり狂うジャンヌを嘲笑い、「尻穴を掘られて悦ぶ変態が」と声高に罵る。そして豊潤な臀部に平手打ちをみまいした。
「いやあぁ♡ お尻叩かないでぇ……♡ あぁああっっ、はあんっ、ああっ! あっ!」
「なにが嫌なものかっ。このぐらいならば痛くないだろうっ」
そう言ったアタランテの手の平がジャンヌの尻を何度もぶつ。
被虐の悦びに咽び泣く聖女の悲鳴が部屋中に響き渡る。
「ははっ、はははっ! 叩けば鳴るとはこのことだな! 尻を犯されながら叩かれてイく聖女など聞いたこともない。ふしだらな女め。お前は娼婦にも劣る雌猫だ、ジャンヌ・ダルク」
豊かな胸を揉み潰され、腸内の奥まで突かれて絶頂したジャンヌが歓喜の潮を噴き出す。
アタランテの逸物はまだ達しておらず、興奮を引いたまま激しく前後して止まろうとしない。聖女を堕とすという他にはない征服感が魔獣を突き動かす。
肛門は肉棒の太さに合わせて広げられ、おびただしく漏れ出るカウパー腺液を腸壁が満遍なく吸いとる。そして吸えば吸うほど性交の旨味を増す。
先走り汁という潤滑液を吸いあげ、湿潤な第二の女性器と成ったアナルは膣にも勝るとも劣らない名器だった。
凄まじい圧迫感はそのままに、滑りをどんどん良くさせる。どんなにアタランテが奥まで突いても、どれだけ強くこじ開けても、また突き入れる頃には元に戻っていた。
狭小な穴を自分のモノで押し広げる、ある種の達成感を何度でも与えようとする。
アタランテも言葉にこそ出さないが、聖女の肛門を掘り起こすコトに夢中になっているのは熱烈なる表情と動作からも明らかだ。
「あはうっ……♡ はあ゛あ゛ぁ゛っ――――あっあっあっあっ! はひっ、はひぃん♡ おしりすごい♡ お尻でセックスするの気持ちいい♡ ああ、我が主、我が神よ……! 申し訳ありませんっ……! 私は、ジャンヌは、獣とのアナルセックスでいっぱい感じてしまっています♡ どうか、どうかお許しください♡ あっひああぁぁっ♡」
アヌスを立派すぎる逸物で突き刺され、掻き混ぜられ、ジャンヌの頭の中はぐずぐずに蕩けきっていた。くびれた腰が彼女の意思に従って動き、艶々しい唇が淫乱な声で喘ぎまくる。
期待するように淫靡な視線を送れば、アタランテは獣じみた息遣いと共に応じる。彼女にも限界が差し迫っていた。今一度ジャンヌの身体を抱え直し、子宮のみならず腸内にも濃厚ザーメンを注ごうと抽迭の速度をあげる。
「フゥゥッ……フゥゥッ……!!」
「ん゛んッ! はぐッ、んぐッ、くうぅッ……! んッ! んッ!」
息と気持ちを合わせた二人の動きはこれ以上なく嚙み合う。
アタランテが腰を前に突き出せばジャンヌは尻を後ろに押し出した。もしくは菊門に力を入れて尿道から精液を搾り出そうとする。ぞくぞくしてくる悪寒じみた性感に耐えかねた魔獣が吠え、男性器を先端に生やした尻尾がのたくり回る。そこいら中に撒き散らされる半透明のカウパーは二人にも降りかかり、底が見えない泥沼の様相をより深めていった。
「こ、これ以上我慢できませんっ。わたしのお尻の中に入れたままぁ……んはっはあぁぁ!! な、
目の前で絶頂の白い光が明滅し、切羽詰まったジャンヌがアタランテに乞う。独りでは達したくないという相手に打ち解けた願いだった。
切なくも愛らしい懇願に、アタランテは瀬戸際で押しとどめていた射精感を解放した。――精液の濁流がみるみるうちに昇ってくるのがわかる。かなりの量だ。これならばさぞかし気持ちいいだろうと想いを馳せて、さらに膨張した逸物を叩き込む。
「望み通りに射精してやるぞジャンヌ・ダルクッ――――くあっあああぁぁぁッ……!!」
示し合わせた絶頂は完全に同一だった。
「ん゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!! イくッ、イくッ、イきますうぅッ♡♡♡」
性快感を極めて果てる二人。直腸内に白濁液が途切れずに撃ち出される。勢いも量もカウパー腺液とはまったく違う。聖女のアヌスは戸惑って凝固するが――それも束の間であり――歓悦して熱いザーメンを飲み込んでいく。
腸内粘膜に絶頂直後の敏感な亀頭を刺激されて、さらなる吐精を促されたアタランテはジャンヌに寄り掛かる。魔獣はそれを腹立たしく思ったが、聖女は嬉しく思った。
逸物による白濁液の放出は多く、熱く、そして長かった。
肛門の下にある陰唇は今回一番かもしれない射精が自分に注がれなかったことを嘆き悲しむように収縮し、「今度は」と強請るように甘ったるい蜜液を出して誘う。
(二人ともなんて満足そうな顔で……不浄の場所で交わったのに……)
アタランテとジャンヌとは対照的にレティシアは混乱の極みにあった。
(ジャンヌ様は貴女が嫌いなはずなのに、憎いはずなのに)
必死の想いで少女はアタランテを睨む。
そのとき――――――――魔獣の首がぐるりと回り、視線が合わさる。
両目に映ってこそいないが、そこにレティシアがいることを見抜いていた。
アタランテの赤い唇が弧を描く。
ケモノが口角を醜悪に大きく歪ませる――確かに既視感が、見覚えがあった。
「汝も交ざりたいようだな」
いまのは、だれにたいしての贈り言葉だったのか。
後手に束縛したままのジャンヌの淫裂を見遣ったアタランテが前へと移動する。
異様な両腕が予兆なしに黒く霧散していく。消え去ると魔獣の腰背部が盛り上がり、二本目の尻尾が生えてきて飛び出した。一本目とまったく同じ形のソレは、やはり先端部分から途中まで男性器と化している。
(ま、まって。うそ、そんなのって)
アタランテがなにをするつもりなのか理解したレティシアは怖れ慄いた。
皮紐を引かれ、膝立ちの高さを調節されたジャンヌの両穴に二本の尻尾が蛇行しながらにじり寄る。
恐ろしいことに、信じられないことに、膣穴と肛門に挿れるつもりなのだ。いっぺんに犯すつもりなのだ。しかも複数人ではなく自分一人で……常識では考えられない。
アタランテの手がジャンヌの金髪を撫で、頬を撫でる。
「これは流石に初めて故――――股のはまだ咥えなくていい」
失墜させられた聖女は頬ずりを返し、挿入を待ち侘びるのだった。
屹立した肉棒が這入り、両穴は嬉しさと喜びを示す。奥まで軟らかくなった膣道の包み込みに腸内の締め付け。どちらとも甲乙つけ難い極上の刺激。暴発は避けられたが先走り汁だけは止めようもない。開いては閉じる鈴口から溢れだしているのが判る。
獣を見上げるジャンヌも期待以上の性感に痺れて悶えていた。どちらか一つだけでも気が狂いそうなのに、二つの穴で感じる快感はどれほどなのか。
「あはぁ……ああぁあっ、うぁ……はぁ……蕩けて、しまいそう……♡」
それぞれが抽送されて――獣性を飼い慣らしたアタランテが余裕を表せば――半回転も加えられた。可動域の自由度が腰とはまるで違う。膣壁と腸壁に狙って擦り当てられたジャンヌが悲鳴を上げる。そうとしか表現できないのに彼女は自ら進んで動く。臀部を上下に跳ねさせて、腰を左右に捻らせた。聖女らしからぬ性風俗的な踊り。素人目のレティシアからでも卓越していると見分けられた。
「こんなの信じられません♡ どっちも凄くいいですっ♡♡」
生まれ故郷を救導してくれたジャンヌ・ダルクがどんどん変わっていってしまう。だというのに口を挟めない。助言を送れない。己の無力さを悔いて恥じながらも少女の瞳は引きつけられる。時間は相応に経っているが眠気などなかった。
アタランテはジャンヌに合わせ、観客の立場を取って煽っている。褒められても貶されても聖女の反応に差はない。アタランテが意地悪に抜こうとするときだけ顕著に変化した。犬みたいに舌を出して「抜かないでください」と涙目で言うのだった。彼女の側頭部を両方の掌で挟んだ魔獣が「やるべきことをやれ」と命令する。
ジャンヌが視界全体に映り込んだ股間の肉棒にキスの雨を降らす。忠実で躊躇いはなかった。膨らんだ亀頭を吸い、出っ張ったカリをなぞり、太い幹を舐める。唾液まみれにしたら口唇を開いて含み、くぐもった吐息をもらしながらディープ・スロートに従事し始める。
「ング、ジュグ、ンジュ……レル、レロ、ヂュプ……♡」
何度も何度も前後するジャンヌの整った顔。ときには角度をつけて斜めから飲みこみ、頬が歪むのも気にせず押し当てる。
アタランテが形のいい眉を顰めた。レティシアには見えなかったが、柔らかく温かい口腔粘膜のなかで舌に尿道口をほじくり回されたからだった。
主導交代の確認は数秒だけで、力が入った両手がジャンヌの顔をぐっと引き寄せる。根元まで打ちこまれる巨根。下の方でも二本の逸物が好き勝手に蠢きだす。それでも事前に知らされていた為に聖女が噎せることはなかった。いつ精液が飲めるのだろうかという陶酔した表情で抽送とイマラチオを受け止め続ける。
三本のおぞましい肉棒に打ち据えられているのに媚びた上目遣いは途切れない。
金髪がばらばらに乱れて舞う。母性を感じさせるのに、どこまでも女らしく艶めかしい乳房と臀部が揺れる。ジャンヌ・ダルクと自分の体格はほぼ違わないのに何故こうも魅せられるのか、とレティシアは思う。自分に置き換えて妄想しようとしても上手くいかない。こんなに二人の情事を見ているというのに真に迫る現実味が足りなかった。
見ているなか、考えているなか、獣性や支配欲を満たそうと激しくなる魔獣の性交。肉棒に血を集め、きつく締まる口と穴を逆に押し広げる。
「んぐ……おぶうゥっ!!」
つまり――要するに――結論が下されるとアタランテが上体を反らして射精し、ジャンヌも絶頂に逝かされた。溜めこまれた精液の解放と注がれる雌の悦び。今までにない初めての性快感の極みに二人は浸り、短い休息の時間を置いてアタランテが再度求めだす。
ジャンヌの身体から白濁液が零れる、溢れる、漏れてしまったら注いでみせた。
この聖女は自分の雌だという風に何度も何度も何度も注ぎ込む。
「……全部アタランテのかたちに変えられてしまっています……♡♡」
口から肉棒を抜き、目線を合わせてきたアタランテにジャンヌは言う。
気分よく擽られたアタランテが肩を抱いて口づける。口内には精液があったが気に掛けない。歯茎から口蓋まで舐め回し、ジャンヌの舌と交わる。
「……受け入れる気になったか?」
アタランテが小声で言った。ジャンヌには意味がわからなかった。長時間の性交で彼女は惚けてしまっていた。だからこそアタランテも■■をのせて口にできる。
「……今の私には汝が必要なんだ」
弱らせてからでないと言えない。
拒絶されたら、否定されたら、きっと生前のような酷いことをしてしまうだろうから。あんな目に遭わせるのは本意ではない。大罪に身を貶めても超えてはならない一線がある。
あそこを飛び越えるのも踏破するのも駄目だ。
沈黙は永く――結局――望んだ答えを得るどころか明瞭な言葉も返ってこなかった。しかし同時に〝否定〟もなかった。もちろん正気であればジャンヌは否定するのだが、その状態であればアタランテの状態もまた変わってくる。
「手間のかかる女だ。レティシアの方がよほど可愛げがある」
「……か、彼女に……は」
「……なんだ。少し戻ってしまったか」
アタランテがジャンヌの腰を掴み、男根に変化している境界線ギリギリまで尻尾を捻じ込む。噛み締めた聖女の唇から血が滴る。その鮮血を魔獣は舐めて嘲笑うのだった。
「折角戻れたのだ。目を反らすなよ? お前は私を見ていればいいんだ、ジャンヌ・ダルク」
レティシアが見物していることをアタランテは敢えて言わない。
聖女と目を合わせながら、快楽に歪んで緩みそうになる彼女の顔をじっくり観察しながら、二本の尾を引いては差し込んでいく。膣内であろうと腸内であろうと弱いところは把握済みであり、そこを刺激してやれば面白いぐらいにジャンヌは反応を示した。
「逝け、逝け、好きなだけ逝ってしまえ」
「嫌っ……いやぁ……! 逝きたくないッ。もう逝きたくないんですッ……!」
「一人で達するのが恥ずかしいならついていってやろう」そう言ってアタランテはジャンヌを見下ろす。「恐れるな、怖がるな。私がいるところまで堕ちてこい」
活発的になった逸物が最後の一突きをし、精の奔流を放つ間際には、二人はお互いの唇を貪り合っていた。
次からはギリシャ神話の魔獣と魔獣の奪い合いが始まりますよー!
セミ様は毒に関する逸話持ちなら幻想種だろうと呼び出せるそうです。
エキドナの子供の一匹(筆のノリ次第では一人になるかも?)が登場する予定です。ちなみにですがカリュドーンの猪もエキドナの子供です。
訂正:カリュドーンの猪はパイア(こちらは本当にエキドナの子供)の子という説です。うーん恥ずかしい!