※この作品はR-18です。

幼馴染とらぶらぶ♡するだけの爛れた生活   作:ギミック

13 / 17
高校入学編
高校スタートダッシュ生(生活編)


懐かしい夢。

 

幼稚園の頃、無邪気な私。

 

私がこんな性格になったのは、果たしていつだったか。

 

母親が亡くなった時か、晴さんと出会った時か、晴さんとずっと一緒に居ると誓った時か、晴さんに恋した時か。

正確には分かりません。

 

――性格だけに。

 

 

 

「――っ!」

 

朝。勢い良く毛布を捲り上げます。

 

「...」

 

寝起きは頭が働きません。いつもの事です。

 

「っ〜〜!」

 

腕を大きくあげて伸びをします。

朝の爽やかな空気を肺に取り込むと、頭は急速に回転し、胃が食べ物を欲し始めます。

 

「...食べましょう」

 

まずは気持ちの良い朝を満喫したい気分です。

 

準備はその後からでいいでしょう。

 

 

 

 

 

 

ボーッと、鏡の中の自分を見つめます。

 

白のシャツに、赤に紺色のラインでチェックの様になったリボンを付けます。

紺色のブレザーを羽織り、紺色のスカート。

 

「地味...」

 

一回転してみます。

スカートがふわりと翻り、太腿まで見えてしまいます。

 

「...あぁ」

 

ブレザー。ブレザーです。

私は、貴方を、待っていたのですよ!

 

中学の頃、女子はセーラー服でした。

背の高い、スタイルもまあまあ女性的、特にお尻は中々の私。そんな私がセーラー服を着るとどうなるか。

 

答えは簡単。

どう見てもコスプレ。

 

――お金なら払うよおじさんに何度絡まれたことか。

 

しかし、今の私を見てコスプレだと思う人はいないでしょう。

 

「似合っています...恐ろしい程に」

 

自分で言うのも何ですが、とても私らしいです。地味な色合いが特に。

 

背は高いですし、シルエットはとても女性的ですが、肌や髪を見ると高校生であることに違和感はありません。

そうです、どう見ても高校生です。

 

「...よしっ」

 

紅葉をモチーフにした、小さな校章を胸に付けて、新品のローファーを履きます。

 

履き慣れていない靴は少し歩き辛く、走ることは出来なさそうです。

 

「まぁ、晴さんの前で走る事なんて、滅多にありませんけどね」

 

取り敢えず、晴さんの元へ行きましょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「晴さん」

 

晴さんを起こしに来ました。声をかけても中々起きません。

グースカと布団で眠っている晴さんはとても阿呆っぽい顔をしていて――

 

「ああ、阿呆者でした」

「――ん...紅葉?」

 

おっと、つい言葉に出てしまいました。

私の声で起きたみたいです。

あ、いえ。私の暴言で起きたみたいです。

 

「晴さん、おはようございます」

「おはよう...制服、似合ってるね。可愛いよ」

「ぇ」

 

突然、晴さんの口から放たれた言葉は、見事私の全筋肉の活動を停止させた様です。

 

要するに心臓が止まったと言いたいだけです(勿論止まってません)。

 

「きゅ、急にどうしたんですかっ」

「ん、ああ、いや...可愛かったから」

 

ぐぬぬ。

どうして、突然精神攻撃を仕掛けてくるんですか。

私、そんなにチョロくないと思いたい系女子なのに。

 

「あ、ありがと、ござ、ます」

「え、うん...」

 

それ以降、お互い黙ってしまいます。

 

「...」

「...」

 

なんだか妙な雰囲気です。

何でしょう。男女の良い雰囲気というわけでもないですし、友人同士の心地良い雰囲気でもありません。

 

なんとか、この雰囲気から脱却しないと。

 

「...その、晴さんは...」

「う、うん」

「...............今日も素敵、です」

「...ぇ」

 

それ以降黙ってしまいます。

 

「...」

「...」

「...着替えるよ」

「そ、そうですね」

 

なんだか妙な朝となってしまいました。

 

 

 

 

 

 

春、私達は高校生になります。

今日は、高校の入学式。

 

物語では、平凡な学生、という設定が基本ですね。

ですが、残念ながら私は平凡ではありません。

 

何故なら――

 

「紅葉...手、繋ごうか」

「はい、晴さん」

 

私は、彼氏持ちの勝ち組リア充だからです!!!!

 

「自己紹介、本当に昨日の奴やるの?」

「出来れば。インパクトは最大級じゃないですか?」

「まあね」

 

ああ、私の高校生活は薔薇色間違いなしです!

 

 

 

校門を抜けると、クラス分けの紙が張り出されています。

ついでに神は居るみたいです。

 

「晴さんと同じクラス...」

 

ニコニコが止まりません。頰が言うことを聞かないのです。

 

「僕も、紅葉と一緒で良かった」

 

あああああああッ!

晴さんが凄く嬉しいことを言っています!

そんなの、我慢できなくなっちゃうじゃないですか!

 

「晴さん...」

「紅葉...」

 

下駄箱。

二人の男女は目を閉じ、口を近づけていき――

 

「ジーっ」

「ひゃぁん!?」

「おっと」

 

いこうとしたところで、ジーっ、と言いながらこちらを見つめている女の子に邪魔をされます。

 

なんでこの人、声に出しているんでしょうか。

 

「あ、あの...?」

「...」

 

女の子は、私と晴さんに視線を向けた後、そのまま下駄箱を通り過ぎて行きました。

 

「...」

「...新入生だったね」

「そうでしたか?」

「うん。制服、新品だったし」

 

謎の美少女。

何か始まる予感がします。

 

いえ、美少女かと言われればそこまででも無かったような...というか、晴さんとのイベントを台無しにされたのは少し悔しいです。

 

公衆の面前で何をしようとしたかは言うまでもありません。

私達は、春休みにレベリングしまくりましたので――

 

「行こうか」

「はい」

 

再び、二人で手を取って歩き始めます。

 

 

 

私達の高校生活、第1歩目です。

 

 

 

入学式は退屈です。

 

校長のありがたいお言葉(想像より短かったです)を頂き...終わりですかね。

 

入学式が終わると、そのまま先輩方との対面式がありました。

先輩方は凛としていて、本当に...その。こういう言い方は失礼ですが、偏差値高そうな顔してます。

 

退屈だったので、横にいらっしゃった女の子とお話していましたが、気が合わないのがバレバレでした。

それでも表面上は仲良く話せる辺り、私の女子力(すぐに群れを作ることが出来る能力のことです)も捨てたもんじゃないですね。

 

 

 

話は飛んで、HRへと入ります。

 

席は晴さんの隣です。

 

席は晴さんの隣。

 

晴さんの隣。

 

 

 

「晴さん」

「どうしたの」

「...なんでもありませんっ」

 

新学期は幸せな事ばかりです。

こんな幸運が続いても良いのでしょうか。

 

「よし、みんな帰ってきたな」

 

最後の一人が席に着くと、教壇に座っていた女性はそう言って立ち上がります。

 

「なんであの先生、教壇に座ってたんでしょう」

「さあ?」

 

晴さんとコソコソ話。こういう小さい所で幸せポイントが積まれます。

 

「じゃあ自己紹介するけど...私は担任の年見。よろしくなー」

 

私達の担任になった年見先生は、中々どうして、個性的です。とても怠そうにしています。

 

「自己紹介っていっつもなげーんだよな...。アタシを見習って短く頼むな」

 

えー...。

名前と「よろしく」だけで終わりです。

 

「あの先生、態度悪くないですか」

 

本当に教師なんでしょうか。

 

「そうだね、変な人」

「晴さん的には?」

「まあ、あり...かな」

「...浮気者」

「いや、そういう意味じゃないでしょ」

 

そうして二人で会話をしていて気づきませんでした。

 

「...じゃあ、そこのカップルさんから自己紹介でもしてもらおうかなー?」

 

――最大のチャンスが巡ってきたことに。

 

少しだけイラッとした声音ですが、顔はいやらしい笑みです。恐らく、からかっているつもりなんでしょう。

 

新しい学年になると、最初は知り合いと話すのが王道パターンです。勝ちパターンでもあります。

知らない人が多い世界では、男女の壁を超え親しくなることが出来ます。

あの先生は、私達の仲をそういった類だと思っていることでしょう。

 

晴さんに目を向けます。

 

「...」

 

言葉は発していませんが、覚悟は完了している様です。諦めた瞳が、太陽からの眩い光を取り入れて爛々と輝いています。

 

では、行きましょうか。

 

 

 

「では私から」

「ああいいぞ、カップルさん?」

 

はたから見てもカップルに見えてるんですかね。もしそうなら嬉しいです。

 

勿論嫌味です。

 

「南中から来ました、紅葉と言います。部活には所属していませんでした」

 

さて、吉と出るか、凶と出るか――

 

「好きな人は晴さんです。よろしくお願いします」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一瞬、時が止まったかと思いましたが、時計の音が聞こえます。

 

数人は頭の上に疑問符を浮かべ、困惑しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして時は動き出す――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「同じく南中から来ました、晴です。部活は帰宅部でした」

 

「好きな人は紅葉です。よろしくお願いします」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自己紹介が無事に終わると、教科書販売の説明を受けて、HRは終了です。

有り余る時間は部活動見学の時間だそうです。私達には関係ありませんね。

 

「晴さん、どうしますか」

「部活動でも見て回る?」

「何か入りたい部活があるんですか?」

「一応」

 

え。

それは初耳です。

 

「放課後の私との時間は...」

「いや、ちゃんと取るから」

 

むぅ。

不安です。

 

「そこのお二方!!!」

 

と、突然呼び止められ、私達は声の聞こえる方に意識を向けます。

 

「椅子取りゲームをしませんか!?」

 

...。

はい?

 

「え...椅子取りゲームですか?」

「はい!時間も余っていますし、何かやろうと思って!」

「は、はぁ...別に良いですけど」

「じゃあ早速!あ、私は海(うみ)と言います!よろしくお願いします!」

 

そう言って、彼女はテキパキと椅子を並べ始めます。

 

――背の低さと、胸の大きさのアンバランスさ凄いですね。

 

健康的な肉体を備えていて、とても女性的な魅力を感じます。

しかし、それを全て覆い隠す子供の様な無邪気さと元気さ。

 

私はこれを、隠れ女性、と名付けることにします(巨乳は隠れてないです)。

 

「...海」

「どうしたの?」

「私、パン食い競争がしたい」

「何で!?」

 

海さんに話しかけているのは、知的そうな女の子。

そういえば、わたしと比較するとみんな背が小さいことを忘れていました。

 

「...私、雪(ゆき)。宜しく」

「あ、よろしくお願いします」

「雪さん、よろしく」

「...ジーっ」

 

あ。

雪さん、朝邪魔してきた方じゃないですか。

 

「...晴くん、違和感」

「え、何が...?」

「...紅葉ちゃんが雪さん、わかる」

「うん」

「晴くんが雪さん、変」

「そ、そうかな...?」

 

ま、まあ。確かに、違和感を感じなくも無いような気がします。

 

「雪、もしくは雪ちゃんでいい」

「え、えーっと...」

 

チラッと、晴さんが視線をこちらに向けてきます。

彼氏としての自覚がかなり出来てきているようで嬉しい限りです。

 

「...まあちゃん付けが一番自然ですかね」

「そうですね。私も同感です」

「いや、結構恥ずかしいんだけど」

 

何を言っているんでしょうか。

 

「まさかとは思いますが、呼び捨てで呼びたいなんて...思っていません...よね?」

「う、うん思ってナイデス」

 

...少し棒読み気味だったのは許してあげましょうか。

 

「じゃあ、雪ちゃん...で。よろしく」

「よろしく、晴くん」

「そういえば、お二人とも私達の名前は覚えてくださってるんですね」

 

私達は今自己紹介していませんが、ふつうに呼んでくれます。

まあ、予想はつきますが――

 

「まあ、あれだけインパクトのある自己紹介でしたから...」

「流石に、忘れられない。ドン引き」

 

ドン引きだったんだ...。泣きそうです。

 

「で、でも!お二人のラブラブっぷりは伝わりましたよ!応援したくなりました!」

「砂糖...吐きそう、だった」

「あ、ありがとう...あはは」

 

私達の仲はしっかりとクラスの方々に伝わりました。

 

そして、次の日には全クラスに広まっていました。

大方、うちのクラスの方々が、他クラスの知り合いに話し回っているのでしょう。

 

部活動等から他学年に伝わるのも時間の問題なのでは――

 

「晴さん」

「...なに?」

「...堂々と、イチャイチャ出来ますね?♡」

「.........そうだね」

 

高校生活は始まったばかりです。そんな疲れた顔しないでください。

 

「あはは...はは...」

「晴くん、ファイト、オー」

「ありがと、雪さん...」

 




今までと雰囲気が違うこと、書き直したため書き方も違うこと。
この2点がありますので、合わない方はすいません...
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。