廃と群像のグリムガル ~不惑の幻想~ 【R18】 作:西吉三
本編小説「廃と群像のグリムガル ~不惑の幻想~」のR18部分です。単体ではあまり楽しめませんので悪しからず。
また、「廃と群像のグリムガル ~不惑の幻想~」を無垢なファンタジーとして読みたい方にも向いていません。(「そもそも下ネタだらけで無垢じゃねーじゃん」という突っ込みは多いに受け付けます。)
グンゾウは緊張していた。
先程から無駄に部屋の中で立ったり座ったりして落ち着かない。
その部屋は普段の義勇兵宿舎の一室ではなかった。花園通りの端の方にあるいかがわしげな宿の一室だった。いわゆる連れ込み宿だ。
部屋の中には大きめのベッドがひとつと、おまけ程度の小さな机と椅子が2脚。灯りは煤呆けた
――やり方はわかる。この歳だし、絶対に経験が無い訳はないけど……。でも、具体的な記憶が全然無い。上手くできるだろうか? いや、俺は客なんだから、奉仕を受ければいいだけだ、心配するな。そうだ、何も心配は要らない。まだ慌てるような時間じゃない。
グンゾウはベッドに腰掛けると、仰向けに寝っ転がった。両手両足を伸ばす。
しばしの静寂。
天井をぼーっと見つめるグンゾウ。その内、子どものように両手両足をばたつかせ始めた。頭ではわかっていても、気持ちが落ち着かない。
「うー……」
言葉にならない感情が唸り声として出た。
――こういう時、何か押すと、適当に気を紛らせてくれる黒っぽくて四角いやつが欲しい……。何だっけ、あれ……?
何がどうなっているのか、それを説明するには少し時間を
【30分前】
「あんたさー、いつまで悩んでるんだよ。客じゃないなら、もう帰ってくれないか?」
偉丈夫で強面の店員がドスの利いた声でグンゾウに話しかける。だいぶ苛立っているようだ。グンゾウは店員が出してきた羊皮紙の冊子を穴が開く程見詰めていた。
「ごめんね。もうちょっとだけ悩ませて……」
「紙をいくら眺めたって、実物が見えるわけじゃねーのに……、たくっ! 早くしてくれよ……」
グンゾウがいるのは女性の紹介所だった。紹介される女性はいわゆる春を
グンゾウが見ている冊子には女性の特徴と料金が書かれていた。男性の頁もあったが、グンゾウは興味がなかったので目も通さなかった。
――男性欄にブリトニーらしき特徴とか見つけたら、次に会った時、顔に出ちゃうしな。
今夜出勤している女性の内、現在すぐに案内できるのは2名とのことで、グンゾウは二択で悩んでいた。
――むむむ。ひとりは色白の10代中盤で中肉中背かわいい系、と、もうひとりは色黒の20代中盤で痩身美人系か……。料金は一緒で10シルバー、基本2時間だが交渉次第と……。規定修練より高いとなると、やすやすと失える額じゃない。ここは慎重に選ばねば……。なんせグリムガルで初……だからなー。あー、リョータにもうちょっと話訊いとけば良かった。
長いことグンゾウは同じところで悩んでいた。かれこれ30分は経つ。悩みすぎていた。
――“かわいい”とか“美人”とかは、基本全く信用ならないんだよなー。本当であれば色白好きの俺としては色白の子を選ぶ所だが、中肉中背ってのが実際は太っている気がしてならない。であれば、やはり痩せている色黒の子か……。でもなー、オルタナで太ってる10代って見たことないんだよなー。
実際オルタナで暮らしていると、中年以前で太っている人間を見かけることは少ない。栄養状態がさほど良くないということに加え、労働における肉体労働の占める割合が高く、自然と引き締まった身体が維持できるという社会的背景がある。
強面の店員がグンゾウに聞こえるよう、大きな溜め息を吐いた。
「あ、そう言えば、さっき出てきたおじさんが言ってた、素晴らしい女性ってこの冊子に載ってないけど?」
「んあ? お前みたいな庶民向けじゃーよ。あれは貴族専用だ。1回で金貨3枚だぞ」
「そうなんだ……」
――あのおっさんは貴族だったんだ……。
「それより早くしねーか?」
「客に対して感じ悪いな」
「まだ客じゃねーよ」
――確かに……。
グンゾウは見学のみでお金を払う
「どっちがお勧めか教えてよ」
「どっちもお勧めって言ってんじゃねーか。片方は若い。片方は年増。好みの問題。そんだけだよ」
――年増……。20代半ばだろ?
10代後半から次々と結婚していくオルタナの価値基準では、20代半ばともなれば女性は年増扱いであった。グンゾウにとってはむしろこれからといった年齢だ。
「んんんんんっ! じゃあ、わかった……っ! こっちの子で!」
グンゾウは冊子の1頁を指差すと、目を瞑って、掌に握りしめていた10シルバーをカウンターに叩き付けた。
「おっ! お客さんだったか。へい、毎度。まあ、常連になってくれたら色々情報も貰えるってもんだよ」
店員はにこやかな顔になり、カウンターの下から図柄と数字が刻まれた10センチ×5センチ程の木札を出すと、グンゾウに渡した。
「んじゃ、これ持って花園通りの端の辺りにある“薔薇色の生活”って宿に行ってくれ。宿の人間にこの札を渡せば、部屋まで案内してくれるからさ」
「……」
グンゾウは手に持った木札を見詰めたまま黙っていた。
「んあ? 今の説明じゃわかんなかったか?」
「あ、いや……、やっぱ別の子にしようかなって思って」
「いい加減にしてくれっ!!」
「あ、やっぱり?」
【現在】
「黒いやつ……、黒いやつ……」
グンゾウはいつまでも思い出せない“黒いやつ”という概念を頭の中で映像化しようと努力していた。頭の中にモヤモヤとした霧がかかっているようで、物体が
――あれ? ……黒じゃなくて銀色だったかな?
トン、トン、トン、トン。
と不意に、軽く部屋の扉を叩く音が4回する。
グンゾウの心臓はそれよりも多くの回数跳ね上がった。
「は、ははははーい!」
緊張のあまり、
扉の向こうから女性の声がする。扉越しのくぐもった声だ。
「木札の記号と数字を……」
宿屋の入り口で言われた通りの質問。どきどきとしながら、グンゾウは手に持った木札を見て答える。
「月と……、36」
「はい、……私です。開けてもらますか?」
――動揺している様子を見られたら格好悪いから、余裕の態度……、余裕の態度。
グンゾウは深呼吸をひとつすると、扉の取っ手に手をかけた。
扉の向こうには、160センチ中盤、長い黒髪で細身の女性が立っていた。手には何かが入った
グンゾウはその顔を見た瞬間、驚きで動きが固まる。女性もグンゾウの顔を見て、目を見開いて驚いている。
数秒の沈黙。
その沈黙を破って、グンゾウが声をかける。
「……オ、オリビア……さん?」
そうグンゾウが声を発すると、オリビアは素早く扉の内側に入り、扉に
「……オ……ほむぐ……っ!」
グンゾウが再び名前を呼ぼうとすると、オリビアはグンゾウの口を口づけで塞ぐ。グンゾウの鼻孔を包む花の匂い。
オリビアの温かく濡れた柔らかい舌が、グンゾウの口の中に入ってくる。粘膜が触れ合う快感。
久々の感覚に襲われるグンゾウ。正確にはグリムガルで初めての感覚に、グンゾウはあっという間に思考力が奪われ、体中から力が抜ける。抵抗なんてしようとも思わなかった。
オリビアの手から籠が、そしてグンゾウの手からは木札が落ちて音を立てたが、目の前の快感に夢中で、そんなことは気にならない。オリビアの口づけは、いつもオリビアの店で飲んでいた醸造酒の味がした。甘い香りの中に
宿屋の一室。ほとんど音のない静寂の中で、乱れる息づかいだけが続いていた。
グンゾウは何も考えずにオリビアの唇を、舌を求めて、口づけをしていた。長い時間、舌を絡ませあって、その甘美な感覚を
――この快楽は罪深い……。
グンゾウのどこかで冷静な自分がそう思った時、オリビアとの口づけが終わる。
オリビアは高熱を帯びた、
オリビアはグンゾウの首に強く
「はあ、はあ、ここでは本当の名前を呼んじゃ駄目。……ベッドに連れて行って」
その甘い
グンゾウは言われるがままにオリビアの太股と腰に手を回すと、お姫様抱っこの形で持ち上げる。想像以上にオリビアの身体は軽かった。そのまま、ゆっくりとベッドまで歩き、軋むベッドの中央にオリビアを下ろした。その間もオリビアはグンゾウの耳を中心に口唇で愛撫を続ける。激しい口づけの嵐。
「ベ、ベッドに着いたよ……」
ベッドに下ろしてもオリビアはグンゾウの首にしがみついて離さなかった。耳元で
「最初はどうする? 攻めたい? 攻められたい?」
――
「……攻められたい……っす」
呟くような声で、グンゾウの本心が口を
「……悪い神官さん。たっぷり
オリビアはそう耳元で囁くと、グンゾウを
――ルミアリス様、ごめんなさい。私は弱い人間です。
意味のない反省。
圧倒的な快楽への誘惑の前に、グンゾウの倫理は完全に
グンゾウが仰向けになっていると、オリビアは楽しそうにグンゾウの普段着を脱がしていった。あっという間に下着1枚になる。恥ずかしい時間。
続いてオリビアはグンゾウの上に跨がると、今度は自分が着ている短衣を脱ぎ捨てた。服を上から脱ぐ時に、長い黒髪が乱れ、より妖艶な雰囲気になるオリビア。瞬く間に、オリビアも下着以外身に付けていない状態になる。
グンゾウは揺れる
――子どもがいるようには見えないな。
グンゾウがまじまじとオリビアの身体を眺めていると、恥ずかしそうなオリビアの顔がグンゾウの顔に近付いてくる。
「ちっちゃくて恥ずかしいから、そんなに見ないで」
「いや、すごく綺麗な身体だよ。……俺の理想的な体型だ」
グンゾウは本心からそう言った。
「嬉しい……っ! 今日はいっぱい
オリビアはそう呟くと、ゆっくりとグンゾウの耳元に舌を這わせ始める。
そこからのオリビアの
時折、吸い付くような音を立てながら、グンゾウの耳元から首筋にかけて、ゆっくりとオリビアの舌が這う。オリビアの柔らかい舌が緩急をつけて動く度に、グンゾウは快感の吐息をもらさずにはいられなかった。
――やばい……、これは気持ちいい。
グンゾウは感動をしていた。
オリビアの肌と触れ合う感触。それがグリムガルに来てから最も気持ち良い感触であった。それにも関わらず、オリビアの髪の毛がグンゾウの胸や首筋をくすぐる度、柔らかい舌が丹念にグンゾウの耳元から首筋にかけてを舐め上げる度に、それを上回る快感がグンゾウの脳に伝わってきた。
――しかも、この相手がオリビアさんときたもんだ……。
快感に翻弄されながらも、冷静さを取り戻してきたグンゾウは、グンゾウの上で動くオリビアの姿を観察していた。オリビアは彫りが深く、ぱっちりとした目に、つんと筋の通った鼻をしており、地黒の肌と合わせて“濃い”顔の美人だった。バー・オリビアにいる時には遠目に見ることしか出来なかったが、一心不乱にグンゾウの身体を舐めている今は、間近ではっきりと眺めることが出来た。
――美人だな……。
そう思うと、これから起きるであろう出来事にグンゾウの下半身はさらなる興奮を得て、硬直していった。
オリビアの舌が首筋から肩、そして胸に下って、右の乳首に到達する。
「あ……っ!」
グンゾウは思わず情けない声が出てしまう。オリビアが上目遣いでグンゾウを見て、子どものようにいたずらっぽく笑った。
――恥ずかしい……。
「ふふふっ、かわいい……」
舐める舌の動きが速くなる。丹念に舐められる右乳首。
――ううう……気持ちいい……。
グンゾウが新たな快感に翻弄されている頃、オリビアの右手がグンゾウの腹筋をなぞって、下着に到着する。恐ろしく
「はっ、あっ……」
オリビアは執拗にグンゾウの乳首を舐めながら、右手で陰茎を
オリビアの手技は巧みだ。強くも弱くもない握力で、手首に
――これはまずい……。
「うあ……、気持ちいい……」
グンゾウがそのままの感想を口にすると、オリビアはグンゾウの顔をちらりと見る。そして、顔を近付けると情熱的に舌を絡めた口づけをした。口づけをしながらも右手のことは忘れない。
――こりゃ、たみゃらんらん……。
口づけが終わると、オリビアは舌を這わせたまま、スルスルっと下半身の辺りまで降りていく。そして、下着を素早く下ろすと、勢い良く陰茎を口に含んだ。
温かく湿った粘膜がグンゾウの最も敏感な部分を包み込む。さらにオリビアの柔らかな舌先が一定の間隔で刺激を与え続けた。
――はう……っ! あー、何だろうこの感触……、天国? 桃源郷?
しばらく、極上の快感が続いていたが、陰部の先端への刺激に慣れてきた頃にオリビアは舌を陰部の先端から根元まで往復するように裏側を舐め始めた。
「くっ……、はぁ……っ!」
当初の希望通り、グンゾウは攻められる一方だ。
繰り返される舌の往復。オリビアはグンゾウの陰茎を愛おしそうに
――もっと早く来れば良かった……。
グンゾウは変な後悔をし始めていた。
ジュッ、ジュッ、と吸い上げる音が続く。
オリビアはグンゾウの陰茎を口唇で愛撫していた。喉の奥まで入れては、それを出す。繰り返される上下の動き。
グンゾウの興奮は最高に高まり、陰茎は最高まで怒張していた。
「じゃあ、そろそろ入れちゃうね」
オリビアはグンゾウの上に跨がった姿勢で腰を浮かすと、固くなったグンゾウの陰茎を掴んで、自身の陰部に挿入しようとした。
「えっ?! あっ! そのまま?」
グンゾウがオリビアを制する。
「えー? どうしたの? もっとお口でして欲しい?」
オリビアはトロンとした顔で、不思議そうにしている。
「あ……、いや……、ううん、何でも無い」
――なんか、駄目な気がしたけど、思い出せないし、もういいや……。
グンゾウはそのままオリビアと交わることに何か問題を感じたが、どうしてそう思ったのかすらも思い出せなかったので、気にしないことにした。
「じゃあ……」
そう言うと、オリビアはグンゾウの陰部を掴んで、その先端を割れ目に押し当てると、そのまま腰を落として中に受け容れた。今までにない
――狭……っ!
「くっ……!」
「あああっ! ……ん、固いっ! はぁん、あんっ、あんっ、あんっ、あんっ、あんっ、あんっ、あんっ、あんっ、……」
グンゾウのモノが全てオリビアの中に飲み込まれると、オリビアは勢い良く腰を前後に動かし始めた。グンゾウの先端がオリビアの奥にぐりぐりと当たる
「あああああああぁん! あんっ、あんっ、あんっ、あんっ、……」
どんどん速くなるオリビアの腰。その動きに合わせて、激しくぶつかるようグンゾウはオリビアの腰を掴み、前後に動かす。激しいぶつかりでオリビアの口から
「……あんっ、あんっ、あんっ、ああんっ! 駄目っ! 駄目っ! 私ばっかり気持ちよくなっちゃう……」
――俺もめっちゃ気持ちいいけど……。
オリビアは腰の動きを止める。それから、腰を浮かすと、グンゾウのものが挿入されたまま、M字開脚の状態になり、今度は上下に腰を動かし始める。
オリビアはグンゾウの腹部に両手を突く。両腕に胸が寄せられて、控えめな胸に谷間の陰影ができる。オリビアが動く度に、黒髪が広がるように動き、淫猥さを増す。
その景色の良さにグンゾウの興奮は最高潮に達する。
――いやらしすぎる……たまらない……。
「グンゾウさんに、気持ちよくなって欲しい……」
そう言うとオリビアは上半身を前傾させて、腰は上下に動かしながら、グンゾウの左乳首を舐め始める。下半身と上半身を同時に攻められ、グンゾウの脳は恐ろしい程強烈な快感に襲われる。
――ゆ、有能すぎるよ、オリビアっ! これは無理だっ! もう持たない。
部屋に響く「パンパン」というぶつかり合う音。それが響く時間は短かった。あっという間にグンゾウに限界が訪れる。
「ごめん……、もう、無理だ。イってもいい?」
グンゾウが哀願すると、オリビアは乳首から離れてグンゾウに口づけをする。
「ちゅっ。あはぁ、はぁ、いいよー。中にいっぱい出して、んん……っ!」
そして、オリビアの腰付きが速まる。同時に強まる締め付け。グンゾウも我慢できず、腰を動かし、オリビアと動きを合わせる。
「んんっ! あんっ! 駄目っ! 気持ち……いいっ! あんっ! あんっ! ああん……」
オリビアの嬌声も相まって、ほんの数秒でグンゾウの限界は訪れた。
「イくっ…………! くはっ!!」
「あんっ! いっぱい出してぇーーっ!!! あ、あああぁぁぁぁぁぁんん……っ!!!!」
グンゾウはオリビアの返事を待たずに、オリビアの膣内の一番奥に大量の射精をした。
快感の波がグンゾウの意識を飲み込む。痺れるような感覚の下半身が、いつまで続くか分からない脈動と射精を繰り返した。オリビアの胎内を精液で満たしていく。
――
頭が白くなる程の快感。現在のグンゾウにとっては人生最高の快感だった。
下半身は結合したまま、ぐったりしたオリビアがグンゾウの上にもたれ掛かる。ふわっとオリビアの香りがグンゾウまで届く。
オリビアは、モゾモゾとグンゾウの顔に近付くと、ねっとりと情熱的な口づけをした。
「はあ、はあ、ありがとう……」
グンゾウは思わず御礼をして、オリビアに繰り返し軽い口づけをする。グンゾウの下半身はまだゆっくりと脈動を続け、萎える気配がない。
「はぁ、はぁ、私も、すっごい気持ちよかった。はぁ、はぁ、……ふふふふ、いっぱい出てるね。嬉しいっ!」
オリビアはいつものバー・オリビアに居る時のような笑顔で微笑んだ。
――恥ずかしい……。 しかし、うおーっ!! 惚れてまうやろーーっ!!!
ふたりの夜はまだ始まったばかりだった。
前編ではオリビアに完全にやられてしまったグンゾウさん!
後編では倍返しだっ!!
ニーズがあれば連載します( ゚Д゚)y─~~