駄文ながらも、お楽しみ頂いてる皆様には本当に感謝です。
-妖怪の山・大天狗の業務建屋・裏の広場-
「始める前に、名前くらい訊いても良いかな?」
「
「では久瀬さん、あなたのお相手をしましょう。---かかってこい!」
鴉天狗の男が龍牙に刀を振りかざす。
「はああ!!」
「ほいっと♪」
しかし、刀は空振り、受け流されるように放られ地面に背中を打った。
「うおッ!?・・・くっ!」
背中を打ち、肺の空気が一瞬全て抜けたかのような感覚がしたもののすぐに態勢を立て直す。
「まさか、もう終わりだったりしないよね?」
龍牙はあからさまにわざと挑発する。何を考えているかは分からない。
「黙れ人間風情が!!」
再び切りかかる。しかし、何度も同じ技が通じないと察した龍牙はサバイバルナイフをそのまま長身化した様な忍者刀を、空間を歪ませ右手に実体化させて受け止める。
「ふぃ~危ない危ない」
(こいつどこから刀を!?)
「余所見してると、危ないよ?」
「ぐぅ!」
龍牙の腕に力が込められると、久瀬雅章は抗う間もなく押しのけられた。
「ちぃっ!なんて力だ!」
「ほら、無駄口叩かない」
余裕しか感じられない龍牙に、久瀬は次第に苛立ちを隠しきれなくなる。
「ぐぬぬぬ!おのれぇ!!」
「止さぬか馬鹿者!!」
「「!?」」
建物から、大天狗の北条院炎山が現れ一括。
「まったく。何を争っとるんじゃ!」
「龍牙さん、一体何が・・・久瀬さん?」
「あ、文・・・」
北条院さんのあとに続いて文も姿を見せる。久瀬は文の姿を見るや、言葉を詰まらせた。
「すいません、勝手に暴れてしまって」
「そう言うなら刀をしまいんしゃい。久瀬、おまえさんもじゃ」
「・・・はい」
「分かりました」
2人は大人しく従い、各々は刀を納めた。
「龍牙さん、一体何があったんですか?」
龍牙の元に駆け寄り、状況の説明を求めてきた。
「えっと---」
「文!そいつから離れろ!」
「えっ?久瀬さん、何を言ってるんですか?」
「そいつは、そいつはお前を汚した人間だぞ!」
「汚したって・・・」
「前に鬼塚の件であったでしょ。ほら、君が情緒不安定になってさ」
「・・・あ!あれ・・・ですか」
思い出して、文はうっすらと頬を赤らめた。
「・・・あ、そういう事ですか」
「んと、多分合ってるかも知れないけど、一応聴かせて」
龍牙の耳に口を近付けてひそひそと話す。
「うん、まあ大体そんな感じ」
「やっぱり。久瀬さん!」
文は久瀬に向かって強く当たる。
「彼は何も悪くはありません!確かに彼と身を交える様な事はしましたよ。でも、あの時あの場所に居なかったあなたが、何を知ったような口で威張っているんですか!?」
「しかし、その人間は---」
「彼が何だっていうの!?彼が私を抱いたから何!?彼がいなかったら、私は今ここにはいないわ!!」
「文、落ち着いて」
「これが落ち着いていられる訳---」
パチンッ!!
「---ぇ?」
乾いた音が響く。冷静を欠いた文に龍牙が平手を振るったのだ。
「君が取り乱して、それで解決出来るの?彼は逆上するだけだし、状況は悪化しかしない」
「・・・」
何かを言い返したい気持ちがある様だが、何も発しようとはしない。
「貴様!」
「じゃからよしんしゃい!!」
「ぐっ・・・」
空気は気まずさばかりが漂う様になってきた。
---しかし、それを打ち破る様に〝ある異変〟が発生した---
「大天狗様!大変です!!」
「む?なんじゃ?」
門番の天狗の1人が大慌てで現れた。
「あ、あれをご覧下さい!」
全員が指さされた方向を見るや、その空は〝紅く染まって来て〟いたのだ。
「何だあれは?」
「雲?・・・いや、霧だね」
「あの方角、確か湖があったはずです」
「じゃとすると、湖で何かが起こっとると言うことか」
「はい!」
「ん~、皆さん建物の中へ。俺はあっちに行って原因を探ります」
「行くって、どうやって?あの紅い霧がどんなものかも分からないのに」
「これがあるさ」
そう言ってポケットからドラグレッダーのデッキケースを取り出し1枚をドロー。そのカードは、ドラグレッダーが描かれた『アドベント』と書かれたカードだった。
「ギャオオォォォン!!」
カードを高く掲げると発光し、ドラグレッダーが飛び出してきた。
「なんと!?」
「あれは、龍か!!」
「龍牙さん、まさかドラグレッダーで?」
「そ、湖に向かう。みんなは少し待ってて。ドラグレッダー、湖まで連れてって貰えるか?」
「グルルル」
ドラグレッダーは姿勢を低くして、背中に乗れるようにしてくれた。
龍牙がドラグレッダーの背に乗ると、ふわりと浮いて湖への進路を決めて、飛んでいった。
-博麗神社・境内-
「霊夢!」
「分かってる。あの方角は湖よね」
「なら、さっさと行こうぜ!」
博麗神社にいる面々も異変に気付くと、蓮子とメリーはルーミアの指示の元、神社内に避難し、霊夢と魔理沙は霧の発生源である湖に向かって、移動を開始した。
---これが、後に〝紅霧異変〟と呼ばれる異変の幕開けだったのだ---