※この作品はR-18です。

幻想見聞録   作:コンコルド

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すいません、遅れました。


第二十三項:フランドール

 -紅魔館・周辺上空-

 

「あはははははは!ほらほら、早く反撃してよ!!」

 

「くっ!ならこれだ!『マグナバイザー』!」

 

 龍牙が叫ぶと、右掌に緑色を基調とした大型の軍用拳銃のような物が現れた。

 

 実は神崎との接触時、それぞれのベントホルダーにメモ書きが挟まっていたのだ。

 

 大口径故にその銃声は重く大きく轟く。

 

「きゃ!?なかなかやるね!でもこれならどう!」

 

 被弾しなからも体制を維持し、気が付けばフランドールは4人に増えていた。

 

 彼女の分身技『フォーオブアカインド』だ。

 

 分身したフランドールは一斉に魔力弾を乱射してきた。

 

「ダークウイング!」

 

「キャアア!!」

 

 龍牙は自分が乗っていた蝙蝠型のミラーモンスター『ダークウイング』にしっかりと掴まり、回避行動を取る。

 

「・・・これを試して見るかな。『トリックベント・シャドーイリュージョン』!」

 

 ベントカードを使うと龍牙も分身を作り出し、4対4となる。

 

「次はこれだ!『ナスティベント』!!」

 

 次に使われたベントカードで、4体のダークウイングが口から超音波を放つ。

 

「うっ!?ぐぅ!!」

 

 4人のフランドールはたまらず耳を塞いだ。それでも骨伝導で響く超音波に苦しむ。

 

「このまま決める!『ファイナルベント・飛翔斬』!!」

 

 新たにカードを切ると、右手に大型の黒い槍『ウイングランサー』を手に、ダークウイングは龍牙から離れ、そのまま彼の背中に取り付く。するとダークウイングは頭から下はマントとなった。

 

「はあああ!!」

 

 槍を突き出すと、マントは螺旋状に捻れ、槍ごと龍牙をくるむと、そのままドリルの様に回転しながら、各々にフランドールへと直撃していった。

 

 フランドールも龍牙も、本人を残して消滅。龍牙はダークウイングをカードにもどし、地に足をつけて、今一度対峙する。

 

「うふ、うふふ・・・」

 

「?」

 

「アハハハハハ!楽しい!すっごく楽しい!」

 

「・・・」

 

 この時、フランドールからは狂気は感じられなかった。

 

「ねえねえ。お兄ちゃん、私ともっと遊んでよ!」

 

 それはまさに、無邪気に甘える子供そのものだった。

 

「俺で良かったら相手するよ!」

 

 龍牙は考えた末に、相手をする事にした。

 

 これが彼女の為、ひいてはこの幻想郷の為だと思ったらからである。

 

「なら次はこれだ!『シュートベント・ギガキャノン』!」

 

 今度は肩に巨大な大砲が2門現れた。これは緑のデッキである『マグナギカ』のベントカードだ。

 

「ファイヤッ!!」

 

 掛け声に応えるかのように、砲口から轟音が轟く。しかも、左右交互に連発している為、大砲とは思えない火力を発揮。

 

「あはは!すごいすごい!でも、これじゃ当たらないよ」

 

 それでも空を飛ぶフランドールには回避をされてしまう。

 

「だったらこうすればいいだけだ!」

 

「っ!?」

 

 すると急に砲弾が空中で爆散。爆風とそれに伴う破片の嵐に呑まれ、フランドールは事も無しに被弾する。

 

「なら、私はこれ!」

 

 するとフランドールはいつの間にかその手に、片方の先端がトランプのスペードの様な形をしたグネグネと歪んだ棒の様なものを握っていた。

 

 そしてそれを上に振りかざすと、スペード部分から紅蓮の光がのびた。

 

 それが〝剣〟であると想像出来たのは偶然か必然か。いずれにしても、龍牙は行動に出ていた。

 

「『ガードベント・ギガシールド』!能力解放『防壁』!」

 

 4つのデッキで一番の防御力を持つギガシールドと、彼の能力であり、本人の周辺空間を球体状の次元の歪みを利用した絶大な防御力を誇る防壁を機能させる。

 

 フランドールに剣が縦に振りおろされ、龍牙は防御する。

 

 フランドールは防がれた衝撃によろける。その隙をついてギガシールドの前面が展開。中にしまわれていた無数の超マイクロミサイルを乱射。回避するまもなく、フランドールは轟炎に呑まれる。

 

「きゃあああ!?」

 

 爆発の衝撃に耐えきれず、フランドールは悲鳴をあげる。しかし、未だにダウンしてはいなかった。

 

 それも当然。今まで龍牙の能力で程良い〝火加減〟で、ダメージを与えても決して殺さないように気を付けていたからだ。

 

 しかしそれを差し引いても、フランドールの疲労感は戦闘続行は無理だった。

 

「はぁ・・・はぁ・・・」

 

「フランドール、今日はここまでにしよう」

 

「え?」

 

「いくら何でも、疲れているのに無理したら、二度と遊べなくなっちゃうよ?それに、今日いっぺんに全部を遊ぶより、一つ一つ楽しみながら遊ばないと、すぐつまんなくなっちゃうよ」

 

「そ、それはいや!」

 

「じゃあ、また今度にしよう。ほら、お姉さん心配してるよ」

 

 そう言って龍牙はレミリアを指差した。

 

「お姉様・・・」

 

「フラン・・・」

 

「・・・わかったわ。今日は終わり!でも、今度も遊んでよ?絶対だよ!」

 

「分かってる。でも、こっちが何かして忙しい時には我慢してね?」

 

「うん、わかった!」

 

「よろしい!それじゃあ、ひとまず紅魔館に入ろう。いいかな、レミリア?」

 

「ええ、構わないわ」

 

「決まり!それじゃあ入ろっか」

 

「うん!」

 

 こうして、フランドールの狂気は、溜め込んだ鬱憤と共に、龍牙との戦いで吐き出されたのだ。

 

 もちろん、今回の分だけですべてが出た訳では無い。これから先、どこまでいくかはさておき、いずれはすべて発散させてくれるだろう。

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