※この作品はR-18です。

幻想見聞録   作:コンコルド

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~第六章 追跡~
第三十七項:再準備


 -長野県山中・廃屋前-

 

 龍牙からの情報を元に長野県警、並びに警視庁の特殊急襲部隊SAT、並びに消防や救急が現場で作業をしていた。

 

「これは酷いですね」

 

「ああ、だが、御剣君もご立腹だったんだろう。俺だって腹立たしいと思ってるしな」

 

 そう話しているのは、警視庁所属の2人の刑事だ。

 

 ひとりは、正義感が強そうな若者。

 

 ひとりはベテランオーラをまとう少し頭に〝淋しさ〟を感じ始めたような男。

 

「誰がハゲだって!」

 

「言ってません!誰一人として言ってませんよ!」

 

「すまん。空耳だったみたいだ」

 

「もう、しっかりしてくださいよ」

 

「分かっている。それで、今回の死者数は?」

 

「はい。まず拉致被害にあった女子学生11人の内5名、武装集団側は28名、計33名が死亡です」

 

「・・・足りないな」

 

「え?」

 

「御剣君の話だと、武装集団側の死者数は29のはずだ。この程度の数え違いをする男でもない」

 

「というと・・・」

 

「ああ、1人だけ息を吹き返して逃げたんだろう。または、その死体に限って調べられてはまずい何かがあったんだろう」

 

「その何かって?」

 

「分かりゃ苦労しないよ」

 

 そう、この時あったはずの1人の死体が無かったのだ。

 

 

 ---鬼塚茂の死体だけが---

 

 

 

 

 -東京都奥多摩・龍牙宅-

 

「---そうですか。分かりました、ありがとうございます」

 

 先の戦いで鬼塚茂の死体だけが無い事の連絡を受けた龍牙は、電話を切り、地下の格納庫へ向かう。

 

「あって欲しく無いけど、あり得る事だからな」

 

 格納庫に着いた龍牙は、まず武器の確認した。

 

「あいつ、もしかしたら、幻想郷に逃げ込んだかも知れない」

 

 そう言えるのには、ある仮説が頭にあるからだ。鬼塚と戦っていた時に、龍牙は妙な空気の乱れを感じたからだ。それも、あの辺りを覆い尽くす様な形であったため、鬼塚本人によるものか、または第三者の存在か。

 

「いずれにしても、幻想郷が危ないな」

 

 ウイングシューターやG36STG、他にも多数の個人火器や爆薬、更には数日分の携帯飲食物をストライカー装甲車に積み込む。

 

「・・・・・・」

 

 ここでふと、龍牙の動きを止めた。

 

「・・・別にストライカーじゃなくていいよね?」

 

 一体誰に訊いているのかは置いといて、確かに田舎道を軍用車が通るのはおかしい。

 

「やっぱりここはオスプレイでしょ♪」

 

 それはもっとおかしいぞ龍牙よ!?

 

 しかし、この場には彼以外は誰もいないため、静かにせっせとオスプレイに荷物を移し始めた。

 

 異変と間違われても知らないぞ?

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