※この作品はR-18です。

幻想見聞録   作:コンコルド

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第三十九項:外の世界の道具

 ~幻想郷・博霊神社~

 

「ずず~・・・はぁ~、染みますなぁ~」

 

「そうね~」

 

「すごい勢いで和んでるぜ・・・」

 

 博霊神社に着いて早々、霊夢から出されたお茶を啜る龍牙は、まるで老後をのんびり過ごすお爺さんの様だった。

 

 因みにお茶を頂いているのは、霊夢に持ってきた差し入れを渡したら「せっかくだからお茶くらいなら出すわよ?」と言ってきたからである。

 

「んで、今度は何?また何か良くない事が起きそうなのだけれど」

 

「あながち間違ってないかな。余計なのがこの幻想郷に入り込んだみたいだからね」

 

「余計なって、何なのよそれは」

 

「忌まわしい能力を持った人間だよ。外の世界で文を付け狙ってた男の話はしたっけ?」

 

「まあ、それっぽい話はあったわね。んで、その厄介者がこの幻想郷に来たと言いたいのね」

 

「そゆこと。だからしばらく裏方にお世話になるからよろしく」

 

「はぁ・・・うちの家計を圧迫しないならいいわ」

 

「どーも」

 

「なあ龍牙、今回乗ってきた車も装甲車ってやつか?」

 

「ちょっと違うな。あれはハンヴィーって言って人乗せの車なんだ。前のよりは防御性が劣るけど、動きはいいんだ。自在に空を飛べる君達からすれば全然だろうけど」

 

 魔理沙と話をしてると、霊夢が何かを思い出したかのように口を開いた。

 

「そう言えば龍牙、あなた人間の里にはもう行った?」

 

「人間の里?」

 

「幻想郷に住む人間達の里があるのよ。そこなら色々話を聞けるかも知れないわ」

 

「そっか、ありがとう。ところでそれはどこにあるのかな?」

 

「こっからなら私が飛んでだいたい西に10分くらいかしら」

 

「・・・To about(アバウト過ぎだー!)」

 

「なぜ西洋語?」

 

「歩いてだと大体?」

 

「1時間は掛かるんじゃない?」

 

「了解。それじゃあ明日になったら万全の体制で出発しよう。あ、霊夢、夕飯は持ってきてるから作らなくて大丈夫だよ」

 

「そう、分かったわ。あんたの分を作る手間が省けたわ」

 

 ついでに出費も抑えられるわ、と付け加える霊夢だった。

 

 

 

 ◇

 

 

 

 その日の夜、龍牙はハンヴィーの後方にタープ(テントの屋根だけのやつ)を繋げるように広げて、即興のキャンピングスペースを作った。後方のトランクスペースの口を大きく開けて、出入りがし易くする。

 

「随分と便利ね」

 

「あ、分かる?」

 

「それ自体はあまり分からないけど、生活するには困らなさそうに見えるわ」

 

「確かに、仮住まいとしてはかなり良い方だね。しっかりした生活には向かないのは当たり前だけど」

 

「ところで、その鍋は何で沸騰してるの?火を使って無いのに」

 

 霊夢は、車内の電源プラグに接続されたIHクッキングヒーターと、その上の現在沸騰中のお湯入り片手鍋を指差す。

 

「これは外の世界の技術で、電気を原動力に熱波を放って対象に熱を持たせる道具なんだ」

 

「電気って、河童達が作った電池ってやつの?」

 

「まあそんな感じのものだよ。そしてこの沸騰してるお湯にこれを入れる」

 

 そう言って取り出したのはパックされた五目ご飯だった。

 

「直接の加熱が出来ないからこうやって袋ごと入れて暖めるんだ」

 

「そうするとどうなるの?」

 

「まるで炊き立てのようなおいしい五目ご飯が食べられる。霊夢も食べてみる?」

 

「そうね、頂けるものなら」

 

「はいな」

 

 龍牙はもう1パック追加で入れた。この後霊夢は思った以上の美味しさに舌鼓を打ったそうな。

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