-外の世界・京都府内-
龍牙が幻想郷にて鬼塚の足取りを探っている頃、古き良き日本の風景を残すここ京都に蓮子とメリーの姿があった。2人の通う大学は京都にあるため当然と言えば当然である。
街を歩く2人の内、蓮子はどうも元気がなかった。
「はぁ~・・・」
「どうしたの蓮子?最近溜め息ばかりよ」
「うん・・・」
「やっぱり、龍牙の事?」
「・・・まあね」
「確かに、会えないのはつらいかもしれないけど、そこでこんなに落ち込んでいたら龍牙に合わせる顔も無いんじゃないの?」
「・・・そうよね、ありがとう。おかげでくよくよしてるのが馬鹿みたいに感じたわ。それにメリーの前でこんなのじゃ、申し訳ないしね」
「え?どういうこと?」
「隠さなくていいわよ。---龍牙の事、好きだったんでしょ?」
「っ!?」
「親友の私がその手の事を知らない訳無いじゃない」
「・・・なら、今度は仲良くしなさいよ?」
「分かってる。ごめんねメリー」
「いいわよ。気にしないで」
「もし溜まってたりしたら貸してあげる」
「溜まってるって・・・私は蓮子程お盛んじゃないわよ」
「じゃあ一生
「いくら私でも怒るわよ?」
「ごめんごめん。でも、本当に何かあったら言ってね」
「考えておくわ」
そんなこんなで2人は話しながら歩いていた。
-幻想郷・永遠亭-
満身創痍であった鬼塚は、自身の部下に連れられ見慣れない環境の竹林の建物に入り、治療を受けていた。その途中で意識を失っていた鬼塚は部下達が担いで行ったのだ。
しかし、驚くのはその後だ。
満身創痍だった鬼塚は〝たった4時間の点滴だけで〟ダメージの3割は回復していたのだ。
「・・・体の具合はあと1日で完治するわ。それまでは大人しくしていてくださいね?」
「・・・ああ・・・」
「それじゃあ、私は他の仕事が残ってるから、何かあったらそのブザーを鳴らしてね」
意識が回復した鬼塚はこの建物に居る医者と思わしき女性、八意永林から自身の状態を聞かされ、しばらく寝て休む事にした。
(・・・しかし、何なんだよこの点滴は?俺自身で言うのもなんだが、間違いなく死ぬ直前だったはずだ。それがどうだ?さっきの女の言ったように、本当に明日にゃ治るんじゃねえかってくらい身体の調子が良くなってきてる)
彼等の知るところでは無いが、八意永林の医学知識、特に薬品部門においてはバッサリ100年単位で桁が違う。それこそ、低副作用でありながら100%癌やエイズを完治させられる程だ。(但し成功率はまた別の話)
今回の鬼塚の場合、肉体の破損に該当する為、彼女からすれば一番簡単な部門だった。
(・・・
ふと、自分の部下のひとりがこんなトンデモ先生を知っていることを思い出した。まあ、あれだけの医学能力が高ければ、間違いなく大儲け出来るが、反面はプライベート無し休み無しにあちらこちらと引っ張りだこだろう。
(それに・・・何なんだあの娘は?兎の耳なんざ着けて。コスプレか?)
鬼塚はもう一つ気になった事を思い出した。それは先生のそばでせっせと動く助手であろう変な格好の女の子だ。
高校なのだろう年齢でどこかの学校のものと思われる制服を着ていた---だけならいい。問題は彼女の頭に付いていた兎の耳だ。何でそんなものがあるのか分からない。本人、または先生の趣味なのだろうか?
(・・・やめだ、キリがねえ。まずは休むとするか)
境目の見えない思考を強制的に中断し、回復のためにまた眠りにつくことにした。
---再び来る争いの為に。