-幻想郷・妖怪の山-
大天狗の元に着いた文は速やかに龍牙からの言葉を伝えた。
「ふむ、左様か」
「はい、間違い無くそう申していました。山の者達にも伝達している次第です」
「大天狗様、いかがなさいますか?」
「無論、山の者達に害が及ばぬ様に警戒を厳にするのじゃ。おぬしは白狼の長に伝えよ」
「畏まりました」
「文よ、おぬしは鴉天狗の皆にその事を知らせるのじゃ」
大天狗の命を受け、文達はこの非常事態を伝えに向かった。
「・・・遂に〝あの鎧〟を渡す時なのかのぅ。---如何かな?カエデさんや」
天井を見上げ、1人呟く大天狗であった。
-迷いの竹林-
人間の里や妖怪の山で鬼塚の事が伝えられている中、藤原妹紅は腐れ縁とも言える関係の者に鬼塚の事を伝えるべく迷いの竹林を歩いていた。
「流石にこればかりはあいつにも伝えておかないと。相手の能力が厄介だし」
そう言って歩き続けていると目的地が見えた。
永遠亭である。
「しかし、相変わらずしっかりした屋敷ね」
視界に入るやその様に呟いた直後、横から声が聞こえた。
「おや?あんたは姫様と仲良しの藤原妹紅さんじゃないか」
視線を向けるとそこにいたのは頭に垂れたうさぎの耳の付いたショートヘア、ピンクのワンピース調の服を着た幼い女の子の容姿がそこにいた。永遠亭の住人にして、竹林一の悪戯装置の〝
「あらてゐじゃない。久しぶりね」
「そう言えばこうやって顔を会わせるのは結構久しぶりだね。それで今日はどう言った用なんだい?まさかその紙切れ、あの鴉の所で働きでもしだしたの?」
顔をニヤニヤさせながらからかうてゐ。
「残念だけど急用なのよ。あなたもこれに目を通しておいて」
そう言って鬼塚のチラシを手渡した。するとてゐが何かを知ってるかのような顔をした。
「あ、この男・・・」
「どうしたの?」
「この男、今うちで師匠が面倒見てる男とそっくりだ」
「本当なの!?」
「うん、なんならついて来れば?」
すてすてと永遠亭に歩を進めるてゐ。妹紅は反射的にあとを追っていった。
-その頃の龍牙-
森近霖之助からもらった地図を頼りに、怪しそうな場所を探していた。
「人目から離れていて、かつ安全性が高い場所っと・・・」
森林や洞窟などを転々と探していた。
「あら、何をしているの?」
ふと、後ろから女性の声で呼び掛けられた。振り返るとそこにいたのは、控えめなかわいさのある日傘をさした女性が立っていた。
容姿は髪は緑色のショートヘア、瞳は紅、赤いチェック柄のベストとロングスカートに白のブラウスだ。
「ちょっと人捜しを」
「ふぅん、ひょっとしてさっき人間の里でもらったこれの事?」
そう言って胸ポケットから折り畳まれた紙を取り出して広げる。そこには、先程慧音達に配って貰うようお願いした鬼塚の手配書だった。
「そうそれ、さっき慧音達に配るようお願いしたんだ」
「あら、つまりこれはあなたが用意したものなのね?」
「そう。その男だけは放っておく訳にはいかないからね。・・・ところで君は?」
「あら、失礼したわ。私は
「俺は御剣龍牙。よろしく風見さん」
「御剣?もしかして、あなた御剣カエデの?」
「ええ、孫ですが」
「やっぱり・・・」
「あの~、うちのおばあちゃんが何か?」
「なっ、なんでもないわ!!」
・・・ほんと、おばあちゃんは幻想郷で何やったんだ?